到着したダンボール箱を開けると、プーンと抹香臭い香りがしましたよ。昔にオリーブ色にリペイントをしたPEN-FTで、オーナーさんはお寺さんでしたね。「巻上げが出来ない」とのことでしたが、シャッターはチャージ状態で止まっています。観察すると、オーバーホールはしなかったんですね。この頃はリペイントのみの受付でした。18万代ですから、オーバーホール無しではきびしい状態ですね。
リペイント後はあっちこっちに連れて行ったとのことで、塗装の剥離もあります。ご覧のように、黒のビニールテープもそのままですから、ハーフミラーも交換していませんね。アイピース枠は樹脂の劣化でバラバラに割れています。シボ革はバルナックライカ用を貼っていましたね。
ちょっとサーキットへ行っておりまして、作業をお休みしていました。少し疲れ気味のため、簡単にUPさせてください。シャッターユニットをオーバーホールして行きます。すべて洗浄をして点検して行きましたが、未オーバーホールの割には、偏磨耗もなく、特に問題はありませんでした。テンション軸にテンションスプリングがセットされていますね。前期の生産機ですので、真鍮のテンションホルダーにスプリングを接続する構造です。
しかし、電池室には液漏れがあって、リード線の腐食が進んでいましたので、新しいリード線を半田付けしておきます。スプロケット軸は組み込まれています。
完成したシャッターユニットを組み込んで行きます。
ハーフミラーとアイピース枠は交換してあります。裏蓋のバルナックシボ革はPENには似合いますね。
で、巻上げも軽くなって、シャッターの調子もよろしいと思います。中々、良い面構えになっていますね。益々活躍してくれるものと思います。