私所有のセイコースポーツマチック5をO/Hします。キャリバー№は6619Aの21石で、製造は裏蓋刻印から1964-8月となっています。この頃の防水モデルは裏蓋にイルカのマークがあって、外周にモデル名などが書いてあるのですが、凹の刻印ではなくて凸の盛り上がり文字でしたので、使用による摩滅で殆ど判読が出来ないですね。この裏蓋の劣化度を見れば、どの程度使用されていた個体がが想像できます。当時の普及モデルですね。
画像を取り忘れまして、すでに組立が進んでいます。文字盤下のカレンダーの送り機構を組んでいます。極小のバネを2つ使いますので、紛失に気をつけます。
日車をセットして一安心。もうバネが飛んでいく危険性はありません。曜車は乗せるだけでCリングは使いません。
文字盤の色は、この頃に採用が多い濃いグレーですが、パッと見は黒に見えます。針を磨いて12時に日付けが変わるタイミングで取り付けます。リューズの位置は4時となって、腕に当らなくなり都合が良いです。リューズをプッシュすると日付けが変わるようになりました。すり傷は多いですが、クラックはない風防を研磨してケースに取り付けます。
裏蓋側。自動巻き機構はマジックレバー式。磨耗は無いようです。ベアリングに注油をして回転錘を取り付けます。
撮影用の19mmベルトをセットして完成写真。ケースは研磨をしてあります。蛍光(すでに発光はしません)アラビア数字の黒系文字盤で、ミリタリー調の雰囲気があります。大きさ重さもちょうど存在感のある好ましいサイズです。作動も安定して精度も良好です。ご希望の方があればお譲りします。