あんまり来ないんだけどね。オリンパス35DCの前期型ですね。外観は汚れが激しく腐食に移行する直前のような状態。マニアさん的にはマニュアルが可能な35RCが人気ですが、この35DCも直線的な共通したデザインで好きですね。しかし、電気カメラではなくプログラムEE、距離計連動式の機械式カメラ。フラッシュマチックによって電池が無いとシャッターが切れないのです。
機能チェックをすると、作動は問題ないと思いますので全体のメンテナンスをして行きます。まず、ばっちいカメラは嫌いなので清掃しますが、距離環のローレットに詰まった手油を楊枝で取り除いていきます。
距離計連動のファインダーはミラーの腐食も無くきれいです。清掃をして行きます。
SEIKO製のシャッターですが、構造はPEN-EEによく似ています。清掃のため後玉を取り外してあります。ヘリコンドグリスが抜け気味ですのでグリスを入れますが、これが完全に分解しないとヘリコイドに到達できない厄介な構造です。捺印から1972年製のユニットのようです。
設計をコンパクトにするため、露出メーターは底部に収まる珍しい設計です。リンケージによりファインダー内の情報窓にある針と連動させています。きれいに磨き上げたトップカバー。PEN-FTと同一デザインのセルフタイマーレバーが付きます。
当初はモルトの貼り替え程度をされた個体と思いましたが、レンズなども分解されていました。無限遠が出ていませんでしたが、このカメラはBが無いので、そのままでは調整が厄介なんですね。距離計調整ネジのメクラネジが痛んでいますね。すでに調整されていますね。
セルフタイマーユニットは小さなスペースに合うような特殊な形状をしています。動力がPEN-FTのコイルバネと違ってゼンマイなので、トルクは大きいと思います。
モルトがね。植毛紙を貼られていましたので、粘着剤が粘ってベトベトになっていて清掃が大変でした。新しいモルトを貼って行きます。
後期型はバッテリーチェッカーで代用されるので廃止されたFボタン。レンズギャップを装着していてもシャッターを切って装填が出来る。
BLCは逆光補正ボタン。記念撮影が逆光の場合などは瞬間操作が便利ですね。
レリーズボタンが前期はメッキで後期が黒のプラ製はこの頃のオリンパスのお約束。サイズがコンパクト化されてもデザインの基調は変わらない好ましいモデル。この頃のコンパクトカメラ市場は各社の激戦区なので、他のメーカーも良いモデルを投入していましたね。当時のお約束、大口径レンズが強調されてカッコ良し。