今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

セイコースポーツマン・カレンダー17石が来ました

2012年09月17日 12時20分39秒 | インポート

Dscf027054 セイコーのスポーツマン・カレンダー17石のジャンク品が来ました。時計の世界では「ガラもの」と言いますが、例によって画像では比較的きれいに見えますが、ケースは腐食して風防は傷だらけです。振ると数秒は針が進むので、内部の機械が錆びついていることはないみたいです。ベルトを見てもかなり風化していて、長期に放置されていたことが分かります。一見ステンレスと見えるケースは「STP BACK」という真鍮にメッキをしたもので、ステンレスよりもクロームメッキに近い色合いで、60年代のファイブスポーツなどにも採用しているモデルが多いです。しかし、使用による磨耗などで、メッキ面の腐食や侵食があって、再研磨も出来ないため、厄介な材質です。

スポーツマンは60年代初頭から生産されましたが、この個体は1967年と後期の個体のようです。当時の普及機ですが、比較的精度は良くて、キャリバー6602Bは優秀な機械のようです。

Dscf027186 手巻き式ではありますが、カレンダー付きで防水となって、それ以後のモデルの過渡期的な時計ですね。防水と言っても完全なものではなく、ケースの厚みも薄いのですが、サイズは36mmもあるため、文字盤が巨大な印象です。幸い、文字盤と針は比較的きれいな状態ですね。

Dscf027275 針と文字盤を外して日車(カレンダー)を分解して行きます。数字はレタリングのような製法で、すでに劣化していますので、不用意に触ると、プラモデルの転写マークに水を付けたように、簡単に剥離してしまいます。ピンセットの日車押エを外すと直下に日車制レバーとバネが見えますが、これが曲者。一度分解すると、再セットは至難な作業となります。私が不器用なのかとも思いますが、他の諏訪製機械よりも組みにくい印象です。

Dscf027314 洗浄した地板に組立をして行きます。香箱内のゼンマイを洗浄して注油しています。香箱車の本体がきれいな金めっきですね。歯の磨耗防止のためでしょうかね。

Dscf027467 受けと各車のホゾの合いは悪くは無いと思います。アンクルを付ける前に、ザラ回しで動力がスムーズに伝わっているかを確認しますが、この機械はちょっと重いかなぁ? という気もしますね。ゼンマイの劣化か、長期放置のために各車のホゾが荒れているのかも知れません。

Dscf027567 機械は組み上がっています。テンプの振りは最大とは行きませんが、まぁ、安定していて、止まりはありません。文字盤と針を付けていますが、カレンダー付きのため、12時に完全に変わるようにタイミングを調整します。しかし、この頃のカレンダーは、かなりばらつきますね。おまけに、カレンダーが変わった瞬間に、短針がコクッと進むのは気に入りません。洗浄したケースですが、大型化をするために、上右のようにリングを嵌めてゲタを履かせていますね。個人的には、この手法は嫌いです。ケース本体は侵食が進んで欠損部分もあります。裏蓋はステンレス製のため健在。プラの風防ですが、外周のカシメ部分の一部がクラック入りです。これは非防水の風防ではないため外径だけではなく、内径も合っていないといけないため、汎用の風防は使えません。よって、今回は、瞬間で補修をしてから研磨で仕上げています。ケースの状態から、新品の風防を使うこともないでしょう。

Dscf027667 機械をケースに収めました。機械の周りのリング、余計でしょ。裏蓋のパッキンにはシリコングリスを塗布して組み込みます。

Dscf027798 仮のベルトをセットして感じを見ましょう。60年代の、大きいことは良いことだ、と言う世相が良く現れているような印象です。大きい→豪華→豊か、を求めた時代。チープな豊かさに思えます。大きな時計を腕にして、平均的なサラリーマンは頑張っていたのでしょう。精度は安定して優秀です。充分実用になると思います。ただし、非防水ですからね。


コンパクトPEN 三兄弟

2012年09月10日 22時11分40秒 | インポート

Dscf025162 日曜日は久しぶりで一日中、自転車の整備をしていました。チェーンの交換などして楽しかったです。お陰で腕と膝が日焼けでヒリヒリしています。いつまで、この残暑が続くのでしょうね。しかし、好きなことが出来るのは幸せですね。で、最近はコンパクト系が多いですね。PEN PEN-S PEN-D3の3台が来ています。そこそこ問題の無い状態ですが、駒数ガラスにクラックやD3は前玉のコーティングが傷んでいます。

Dscf025299 前回、PEN-Dをやったばかりですので、続けてD3をやろうと思います。トップカバー上面のフィルム位置マーク部分が僅かにへこんでいます。D系はファインダーブロックの大きな切りかきがあるため、この部分の強度が一番弱いのです。鏡胴部分のリング関係は非常にきれいで、あまり使われなかったのだと思います。#3154XXと後期の個体ですので、シャッターリングのクリックはコツコツと硬い感触です。これは、それまでスチールボール+バネ式であったものを、ピン+バネ式に変更してあるためです。クリック感は強く出ますが、何かスムーズでない感触で、私はあまり好きではありません。では、分解して行きます。

Dscf025361 これです。この部品がシャッターリングのクリック感を出していますが、それまでのスチールボールからピンに変更されています。スチールボール式は、次第にクリック感が弱くなる傾向があって、その対策で変更されたものでしょう。しかし、潤滑が切れると硬いフィーリングになりますね。

Dscf025543 前回のPEN-Dと同じアングルで撮っています。シボリリングを規制するブラシは3ヶ所ですね。作動も重めです。中には2ヶ所という個体もありますので、使用数は、製造時期ではなくて、その個体の組み上がった時の回転重さで調整使用していたのではないかなぁ? とも思います。潤滑はカラカラで、汚れも多いですね。

Dscf025611 UP画像が増えると3台やらなければならないので省略気味で行きます。すでにシャッターユニットは完成して、洗浄した本体に組み込んであります。スプロケット軸とスプール軸を取り付けます。D2.3の場合は、スプール下部に電池室を設けてあります。Dでは要らなかった部分ですから、苦肉の設計ですね。

Dscf025757 モルト接着、ダイヤルカバーを取り付けて、カムなどを組んで行きます。部品の状態は非常に良好です。電池室からのリード線が、リンケージの真下を通る不自然な通し方をしています。ここも追加設計なので、この位置しかなかったのでしょう。

Dscf025827 カム抑え板部分に製造捺印がされていますので、清掃で消さないように注意します。「67-3」となっています。本体の完成と同月です。この個体のように、後期になると、締め付けナットの周り止めが追加されるようになります。(それまではネジロックの塗布のみ)特に新しい技術ではありませんが、これは良い変更と思います。

Dscf025646 D3は新しい電池を入れて完成です。次はPEN-S #3018XXですね。巻き戻し軸の設計は、まだ変更前のタイプです。過去に分解を受けており、シャッターは作動していて、全体の状態は悪くはないと思いますが、ヘリコイドグリスはすでに抜けてカラカラの状態です。

Dscf025758 リペイント屋なので、ちょっと気になるのが塗装の肌です。両側共画像のようなゆず肌状態。コストの掛けられない製品ですから、塗装の品質(良品限度)はあまり高くはなく、荒れている個体もありますが、これは荒れ過ぎだなぁ。私の基準であれば、間違いなく塗り直しです。そもそも、こんなに下手に塗らないし・・・

Dscf025994 駒数ガラスは持病のクラックが入っています。今回は3台共交換することにしています。

Dscf0260461 シャッターの地板を点検します。あれっ? ↑の部分に円周状に傷があります。ヘリコイド部を強く締め込み過ぎるとクラックが入ることがありますが、それか?とルーペで観察しました。どうもクラックではないようです。多分、レンズの後端が衝突しているのだと思います。ヤレヤレです。

Dscf026334 と言うことで、地板は再使用として組み込みました。古いグリスを洗浄したヘリコイド部分。後玉外側の部分が衝突したようです。正規の調整が出ていれば衝突はしません。

Dscf026177 シャッターを組み込む前の画像。シャッターの製造捺印は「38.3」となっていますが、本体側は「2.8」となっています。通常、シャッター完成と本体完成は、同月か本体が翌月が普通ですが、この個体は本体の方が早く完成していることになりますね?。私の資料によるとシャッター完成捺印「38.3」は#340884と言う個体が存在していて、その他付近の個体も、ほぼ整合性のある記録となっています。

Dscf026552 まぁ、調子よく完成しているので良しとします。最後はPEN #3731XXというタダペンですね。本体の塗装はかなり劣化しています。

Dscf0266441 こちらも駒数ガラスにクラック入り。ファインダーの前面保護ガラスやミラーは接着が剥離して脱落しています。

Dscf026734 ここで、シャッターを分離してみます。捺印は奇しくも「38.3」ですね。↑のPEN-Sと同じ月の製造です。本体側は・・「3-3」ですから同月完成で整合性は取れています。

Dscf026861 PENのシャッターはこれだけです。スローガバナーなどの部品は直接地板に組み込む古い思想の設計。構造は簡単なので、現存の個体でもシャッターは作動するものが多いのですが、ピンセット先のように、使われている細いバネが張力を無くして不調となっている場合があります。この個体は、シャッター羽根の復帰が緩慢な状態です。

Dscf026951 シャッターリング(カム板)などをセットしています。ご覧のように、各部品は完全に洗浄をしてピカピカにしてあります。レンズの後玉にはコーティングの劣化が認められますが、曇りはありません。

Dscf027011 トップカバーは駒数ガラスは交換して、このように完成しています。三兄弟とも調子は良好に仕上がっています。

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次もデッドストック? PEN-D

2012年09月06日 22時33分00秒 | インポート

Dscf024367 デッドストック級が続きますが、このPEN-D #6077XXも殆ど使用された形跡がありませんね。しかし、保存の関係でファインダーと本体部分の塗装に痛みが出ているのが惜しいところです。PEN-Dは多く生産されましたが、この個体はかなり後期の生産です。

Dscf024497 生産初期の個体は、スプロケットはアルミのアルマイト(銀色)ですが、この個体はアルミの黒アルマイトとなっています。(樹脂製ではありません)D系に多い、レンズの後玉もまったくきれいです。裏蓋の圧板にもフィルムを通したすり傷なとはありません。劣化したモルトはオリジナルのままです。性能的には、シャッタースピードが多少遅い程度で、多分、また書くことも無いのかも知れません。では、ビス頭に分解傷を付けないように作業を始めます。

Dscf024562 露出メーター付のファインダーブロックは3本の真鍮ビスで組立られていますね。D2以降は露出メーターがセレン式ではなく、Cds式となってダイカスト本体と確実なアースを取る必要から、ピンセット部分のビスは鉄ビスとなって、塗装もその部分はマスキングされています。と、ここまでやって、私は大きなミスをしていることに気が付きました。じつは、この個体は、部品取りとして予備で付いてきた個体の方だったのでした。だって、殆ど未使用の美品ですから間違えたんだもん。予備機が美品とは・・・

Dscf024772 で、ここからは正規の個体 #2877XXですが、こちらの方が製造はかなり前ですね。スプロケットはシルバー色のアルマイト製です。しかし、すでにシボリリングの動きを規制する板バネが8時の位置1個になっていますね。初期は12時と4時の3ヶ所に板バネが組み込まれています。1個でも問題ないじゃん。ということで省略されたかどうかは知りません。

Dscf024811 それでですねぇ。新品の部品を分解しているようなものなので、たぶん書くことないと思うんですよね。で、シャッターはちゃんと分解していますよ。という証拠写真。保存状態は完璧でシャッター羽根はまだ5枚です。基本的にPEN-Sに使われているシャッターと母体は同じですが、1/500を実現するためにバネを強化したり、作動の確実性を上げる改良を施されていますので、PEN-Sでは、非常に気難しくて信頼性のないシャッターでしたが、D系用となって、安定した性能と信頼性となり、こちらがベストではないかと思いますね。シャッター不動の個体も少ないはずです。このシャッターを改造してPEN-Sに組み込めば1/500付きとなるはずですね。やったこと無いけど・・

Dscf024934 完成したシャッターに二階建てのヘリコイド部分をドッキングします。シャッター本体の位置決めピン(ビス)に対応するスリ割りが分かりますね。

Dscf025056 本体などは、今、工場かのラインから流れて来たような状態ですからね。工場では本体側から組んでいたかも知れませんが、私は、シャッターを先に載せてしまいます。たぶん、この後は工場で組んでいるのと同じなので、何も書くことは無いと思います。

Dscf025164 新品の部品で組み立てているように何事もなく組立は終了しました。D系の持病である、後玉の曇りも皆無ですり傷もありません。但し、工場を出たままのレンズ内に微細な繊維ホコリが1本混入していました。外から入るわけは無いんですけどね。

Dscf025477 PEN-Dは男性マニア向けに開発されたカメラで、大口径レンズと単体露出計を内蔵して1962-6月に発売されました。コンパクトなハーフボディーに大口径のレンズは、バランスは良いとは言えませんが、大口径を求める時代だったのでしょう。この個体は、殆ど新品の状態。前回のPEN-Sと言い、あるところにはあるものです。専用の取扱説明書に写っているカメラの製造№は#100092となっています。


夜光塗料針のセイコー新10A

2012年09月04日 21時28分32秒 | インポート

Dscf026452 ちよっと暇なので、ジャンク不動のセイコー新10Aを作ろうと始めました。新10Aは戦後の昭和21から製造されたスモールセコンドの機械です。10型、サイズは23.3mmと非常に小径で、後期になるにしたがってケースが大型化して行きますが、私は、初期の機械に適正な小径のモデルが好きですね。ベースとした機械はリューズが抜けて欠品、キチ車、ツヅミ車などは錆び付いて使用不能、ピンセット先の4番車のホゾが折れているという機械でした。スモールセコンドは60秒で一回転する、この4番車に秒針が付いています。リューズは仮の組立用をつけています。

Dscf026511 不良の4番車を交換しています。巻上げ用の角穴車、丸穴車を取り付けてザラ回しをして、パワーがスムーズに伝達されているかを確認しています。その後、アンクルを取り付けて、ピン、ピンと跳ねることを確認してピンセットのテンプを取り付けます。

Dscf026688 アップで撮っていると大きさが分かりませんよね。こんなに小さい機械です。テンプが動いていますね。ゼンマイの巻上げ初期での作動が少し重い気がしますので、しばらくエージングをして行きます。

Dscf026741 文字盤はS付の好ましいデザインです。普通、ジャンクですと、3時付近から汗の浸入により腐食が進んでいますが、この個体は清掃でまずまずの状態になりました。まず、秒針を取り付けてみます。小さい針でしょ。老眼の目にはきついですね。

Dscf026863 時分針です。文字盤のインデックスもそうですが、針の中央には夜光塗料が塗られています。当時の夜光塗料は放射性物質を使用していましたね。ラジウムなどでしょうか?(知りません)現在では発光はしませんが、現在の夜光は光を蓄光して発光するもので、時間は限られますが、当時の夜光は放射線によって光りますので、長時間でも問題ありません。そういえば、子供の頃には夜光で光るドクロのおもちゃなんてありましたよ。水銀がおもちゃとして売られていたりで、あぶない時代でした。で、補修用の蓄光塗料は売られていますが、まぁ、そのままの方が味があって良いでしょう。針を磨きますが、研磨剤を使うとピカピカになってしまいますので、クリーニングペーパーで拭き上げるだけにします。

Dscf026952 このように針が付きました。風防を取付ける前に、文字盤の埃や汚れを取り除いておきます。ケースは鶴のマーク入りですからセイコー純正ですが、バンドが付いていた部分は腐食により、ニッケルメッキが完全に剥離しています。ステンレスケースも存在しますが、割合は非常に少ないです。

Dscf027032 すでにO/Hをしてある新10Aと並べます。左のケースは純正ではありません。ラグ幅が15mmと女性用のベルトしか市販されていませんので、自作をしたいと思います。デッドストックの個体とは違って、ジャンク上がりですから外観の程度は良くありませんが、65年以上前の時計ですから、返って重みがあって良いのではないかと思います。精度も良くて充分実用とすることが可能です。リューズは多分シチズンのもの。風防はクラック入りですが、このままとします。これでまた1台復活しました。


元箱付のデッドストック? PEN-S3.5

2012年09月02日 12時08分21秒 | インポート

Dscf025042 おっと、最近では珍しい元箱つきの殆ど新品に見えるPEN-S3.5が来ましたよ。昔は中古屋さんの目玉などで見かけましたが、最近では貴重ですね。プライスタグや保証書も付属しています。しかし、保証書にシリアル№と購入日の記載がありませんね。シリアル№は販売時に記入をするシステムだったのでしょうけど、この個体は、正式に販売はされずに販売店でデットストックとなったものでしょうかね。私はこの辺りの事情は知りません。研究家さんたちの方が詳しいことでしょう。しかし、シリアル№の記載が無いとすると、この個体の保証書だという確認も出来ないわけですね。まぁ、間違いいなくセット品だとは思いますけどね。オーナーさんは「新品状態なのでO/Hの必要はないかも」とのことですが、腕時計と同じで、組立から何十年も経過した精密機械は、油脂が劣化しており、そのまま使うと早期の磨耗をきたします。

Dscf025351 非常にきれいな個体ですから、まず実用には使われなかった個体と思いますが、完全に工場を出たままかというと、それはちょっと怪しいところです。私としても、工場での組立基準には非常に興味がありますが、この個体は一度トップカバーを開けられています。駒数カニ目ネジの孔は角ばった工具で回された形跡があります。駒数板も正規の位置に止まっていません。また、経時劣化で駒数ガラスにクラックが入っています。

Dscf025288 巻上げをしてみると・・・逆転防止爪が利いていませんね。巻上げレバーが前後に回ってしまいます。長期に作動していなかった個体に就いては、爪が固着して機能をしていない場合がありますが果たして・・・

Dscf025411 巻き戻しダイヤルの軸部分のガタ量が大き過ぎますね。グラグラです。工場ではこの状態では検査合格しないと思いますけどね。

Dscf0255941 逆転防止爪がギヤに掛かっていません。ダイヤルを一度分離したのです。爪を留めるネジのスリ割りも痛んでいます。外そうとしたのでしょう。外す必要などないのです。巻き戻しダイヤルのガタは部分に調整用のワッシャーが入っていたはずです。ファインダーも曇ったままですが、何をしたかったのでしょうね。意味不明です。

Dscf025621 シャッターは分解を試みたようですが、ネジロックのビスを回せずに断念したようです。確かに殆ど作動させていないシャッターなので、程度は良いと思いますが、シャッター羽根には赤錆が発生しています。まぁ、あまり書く話題もありませんので・・ファインダーのカバーなんですが、ご覧のように工場でゴム系接着剤で接着していますが、過去に分解された個体で古い接着剤を取り除いているのを見たことがないですね。

Dscf025756 で、このように清掃をしておきます。この作業を怠ると、ファインダーブロックに密着して接着することは出来ません。

Dscf025826 殆ど未使用と言っても、部品の状態が良いとは限りません。前の分解時にもリンケージの作動に問題があって分解をされていますね。しかし、原因を改善しておらず、症状は完治していません。このリンケージ関係の表面処理はいくつか種類があって、この頃の処理が一番劣化が進んでいます。使用しなくともコンディションは落ちていくのです。

Dscf025978 カムにも腐食が進んでいます。

Dscf026077 巻き戻しダイヤル軸のカラーには、調整用のワッシャーを追加しておきます。これで、カラーが供回りすることを防止します。

Dscf026195 で、このように仕上がりました。少し前にも3.5が来ましたが、状態は全く異なります。いくらデッドストック新品とは言え、例えば50年近く前のデッドストック腕時計をそのまま使用することは考えられません。カメラだって同じですね。最後に、オーダーがありましたレンズキャップを取り付けてあります。

Pens35 どうしようかと考えましたが、オーナーさんのご好意によって付属品を同梱頂きましたので、保証書とプライスタックをUPしておきます。