四季の移り変わりに色をそえて
Shiki彩々
浅草・象潟・父の町
もう二十年以上も前のこと
父と子供達と
入院中の義父を見舞った帰り
乗り換え駅の浅草に寄り
父の生まれ育った家のあった場所へ
父の叔父だったかがやっていた
芝居小屋宮戸座
その宮戸座に隣接した
お寿司屋が父の家だったと聞く
その時その宮戸座跡に案内してもらい
そこには宮戸座跡と言う石碑があった
その石碑が今もあるのかが気になっていた
浅草寺が遊び場だったという父
その裏の大通りに出て・・はて?
通りがかった老人に聞くと
目の前の柳の並木道と教えてくれた
人力車の曲がった道へ
あとを追うように行くと石碑はすぐに分かった
今は「婦志多」という料亭になっていた
以前は気づかなかったが
芭蕉の歌碑もすぐ横にあった
消えかけた記憶で父の家は
表は寿司屋裏は芝居小屋の幕間のお弁当屋・・
調べてみると「婦志多」はそれにちなんだお店のようだが
関係のあるお店かどうかは分からない
が記憶は確かなような気もした
父はこの芝居小屋で
先代の松本幸四郎・尾上松緑のような名優たちに
声をかけてもらったり
加藤大介・沢村貞子達と遊んだこともあったと聞く
NHKの朝の連続ドラマ「お貞ちゃん」に
この宮戸座の話も出てきた
祖父や叔父はこの宮戸座で地方をしていた
三味線を弾いていたそうだ
目にした植木市のポスター
父の家の前の路地に植木市の植木が並んだそうだ
昭和は遠くなりにけり・・大正はなおのこと
高くそびえるスカイツリー
上に昇れば昔の浅草が見えるのだろうか・・
認知症にになってからの父は
ずっと昔の浅草に住んでいた
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