3月2日(水)夕方、東京芸術劇場に日本フィルのコンサートを聴きに出かけた。定期公演ではなく、東京都の助成金で一部を賄う都民芸術フェスティバルの一環としても催されたもの。A席3,800円、B席2,800円と安価な設定になっている。都の事業としては素晴らしい取り組みだと思う。2階G-4で聴いた。
タクトを振るのは、情熱的な指揮ぶりから”炎のコバケン”と呼ばれる小林研一郎で、オール・チャイコフスキー・プログラム。1曲目は歌劇「エフゲニー=オネーギン」より”ポロネーズ”。ペテルブルクの大夜会の場面で演奏される音楽というだけあって、バレエが踊れるような流麗な音楽。まずは小手調べといったところ。数年前に女性指揮者・西本智美が同じ日本フィルを振った華麗な演奏を思い出した。当時アラサーの彼女のかっこ良かったこと!
2曲目はピアノ協奏曲第1番。ピアノは主にフランスで音楽を学んだ花房晴美。オケがスタンバイして静まり返った中を深紅のドレスに黒のベルトで颯爽と登場。ひと目見て、彼女”炎のコバケン”に勝負するつもりだな!と思った。小柄だが、力強いアタックで突き進む。第1楽章の前半部分でオケのフォルティッシモに音を消されたとき、「ハナブサ頑張れ!」と心の中で叫んだ。その後はオケと張り合って決して負けてはいなかった。協奏曲ではなく、競争曲のような感じ。こういうの大好き!!
第1楽章が終わった途端、2階右翼席後方から「ブラボー!」の声。つられてパラパラと拍手が・・・。「この曲は3楽章まであることぐらいプログラムを見れば分かるだろう!」とツッコミを入れたくなった。定期公演でなく、今日のような演奏会では、こうしたアクシデントがツキモノだ。いつもと客層が違う。
休憩後の3曲目は交響曲第6番「悲愴」。コバケンは体全体を使って音楽を作っていく。第3楽章の「アレグロ・モルト・ビバーチェ」の演奏中、1つの懸念が浮かんだ。「この楽章が終わると、フィナーレと勘違いして誰かが拍手をするのではないか?」。案の定その通りのことが起こった。ただ、コバケンがその楽章が終了しても指揮棒を下ろさず、左手で拍手を制する仕草をしたため、すぐに収まった。そしてすぐ第4楽章に入った。コバケンは、ある時は”悲壮”な顔をしてタクトを振っていた。指揮者が後姿で良かった(おっと失礼!)
演奏が終わると弦楽器の主席奏者一人一人と握手、次いで管楽器の主席を立たせて握手、そして弦をグループごとに立たせて称えるといった、いつもの儀式をやっていた。演奏者にとってはこれほど気持ちの良いことはないだろう。コバケンの姿勢は「指揮者は1つも音を出していません。音楽を奏でているのはオーケストラのメンバーです。どうぞ演奏家たちに拍手をお願いします」というものだ。それはいい。しかし、やり過ぎはいけない。彼はオーケストラを立てて賞賛するが、結局一番目立っているのはコバケンなのだ。
彼のもう一つの特徴はアンコール前に、必ず一言あることだ。今回も拍手を制して「今日はたくさんの人に聴いていただき、日本フィルのメンバーには励みになると思います。それではアンコールに・・・・」と挨拶。そしてブラームスのハンガリー舞曲第1番を演奏した。割れんばかりの拍手だった。こういうのが好きなんだろうな、日本人って。
タクトを振るのは、情熱的な指揮ぶりから”炎のコバケン”と呼ばれる小林研一郎で、オール・チャイコフスキー・プログラム。1曲目は歌劇「エフゲニー=オネーギン」より”ポロネーズ”。ペテルブルクの大夜会の場面で演奏される音楽というだけあって、バレエが踊れるような流麗な音楽。まずは小手調べといったところ。数年前に女性指揮者・西本智美が同じ日本フィルを振った華麗な演奏を思い出した。当時アラサーの彼女のかっこ良かったこと!
2曲目はピアノ協奏曲第1番。ピアノは主にフランスで音楽を学んだ花房晴美。オケがスタンバイして静まり返った中を深紅のドレスに黒のベルトで颯爽と登場。ひと目見て、彼女”炎のコバケン”に勝負するつもりだな!と思った。小柄だが、力強いアタックで突き進む。第1楽章の前半部分でオケのフォルティッシモに音を消されたとき、「ハナブサ頑張れ!」と心の中で叫んだ。その後はオケと張り合って決して負けてはいなかった。協奏曲ではなく、競争曲のような感じ。こういうの大好き!!
第1楽章が終わった途端、2階右翼席後方から「ブラボー!」の声。つられてパラパラと拍手が・・・。「この曲は3楽章まであることぐらいプログラムを見れば分かるだろう!」とツッコミを入れたくなった。定期公演でなく、今日のような演奏会では、こうしたアクシデントがツキモノだ。いつもと客層が違う。
休憩後の3曲目は交響曲第6番「悲愴」。コバケンは体全体を使って音楽を作っていく。第3楽章の「アレグロ・モルト・ビバーチェ」の演奏中、1つの懸念が浮かんだ。「この楽章が終わると、フィナーレと勘違いして誰かが拍手をするのではないか?」。案の定その通りのことが起こった。ただ、コバケンがその楽章が終了しても指揮棒を下ろさず、左手で拍手を制する仕草をしたため、すぐに収まった。そしてすぐ第4楽章に入った。コバケンは、ある時は”悲壮”な顔をしてタクトを振っていた。指揮者が後姿で良かった(おっと失礼!)
演奏が終わると弦楽器の主席奏者一人一人と握手、次いで管楽器の主席を立たせて握手、そして弦をグループごとに立たせて称えるといった、いつもの儀式をやっていた。演奏者にとってはこれほど気持ちの良いことはないだろう。コバケンの姿勢は「指揮者は1つも音を出していません。音楽を奏でているのはオーケストラのメンバーです。どうぞ演奏家たちに拍手をお願いします」というものだ。それはいい。しかし、やり過ぎはいけない。彼はオーケストラを立てて賞賛するが、結局一番目立っているのはコバケンなのだ。
彼のもう一つの特徴はアンコール前に、必ず一言あることだ。今回も拍手を制して「今日はたくさんの人に聴いていただき、日本フィルのメンバーには励みになると思います。それではアンコールに・・・・」と挨拶。そしてブラームスのハンガリー舞曲第1番を演奏した。割れんばかりの拍手だった。こういうのが好きなんだろうな、日本人って。