人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

指揮者の仕事術~最近読んだ本から

2011年03月10日 12時55分10秒 | 日記
10日(木)。今日は昨日のブログに書いたように、予定のコンサートがキャンセルになってしまった。その代わり急きょ飲み会が入ってしまった。飲むと前後不覚・支離滅裂・四面楚歌(?)になるおそれが強いので、昼休みに書いてしまうことにした。

最近読んだ本から。読んだ順に樋口裕一著「音楽で人は輝く」(集英社新書)、伊藤乾著「指揮者の仕事術」(光文社新書)、小林秀雄著「モォツアルト」(新潮社文庫)の3冊。

「音楽は人で輝く」は、ベートーベン以降のブラームス派とワーグナー派の対立を軸に、それぞれの作曲家の創作活動に影響を与えた愛のドラマをからませながら、ロマン派以降の音楽の流れを分かりやすく解説した本だ。「ムリにブラームス派、ワーグナー派に分けることもないのにな」と思うところもあったが、物事は単純な方が分かりやすい、のだろう。5月の連休に東京国際フォーラムで開催される「ラ・フォール・ジュルネ・オ・ジャポン(熱狂の日・音楽祭)2011」の公式ブックでもある。ロマン派以降の手軽な入門書としてお勧めだ。

「指揮者の仕事術」は、作曲家=指揮者の伊藤乾(けん)氏が今年1月に出した本。音を出さない唯一の音楽家=指揮者はいったいどんな仕事をしているのか。そんな素朴な疑問に分かりやすく答えてくれている。

「指揮者ってどうして必要なんですか?」という質問に対しては「仮に社長さんがいなくても、工場で職人さんは製品を作れますね。でも、優れた経営者がいれば、品物の売り上げを百倍にも千倍にも伸ばすことがことができるでしょう?それと同じことです」と答えるという。また、「指揮者は野球の監督のようなもの」とも述べている。何となくわかるような気がする。

例えば、演奏中に弦が切れるとか、打楽器が床に落ちるとか、歌手が歌を間違えるとか、演奏中のオーケストラやオペラはトラブルだらけだという。そうしたアクシデントをどのように納めていくのか、現役の指揮者でもある著者がおもしろおかしく解説している。

オペラ公演で、舞台手前の観客から見えないボックスの中で、歌手に歌詞や動作を指示するプロンプターがいるが、副指揮者が務めていることを初めて知った。また、普段はテンポとリズムの違いなど意識しないで音楽を聴いていたが、解説を見て改めて「あー、そういえば昔そんなこと習ったことあるよなあ・・・」と妙に納得してしまった。私のように満足に音符が読めない音楽好きにはたまらなく面白い本だ。

小林秀雄の「モォツアルト」はこれまで何冊も買い直し、繰り返し読んできた本だ。「クラシック音楽愛好家、とくにモーツアルト愛好家でこの本の影響を受けなかった人はいない」と断言してもよい。読んだこともない人はモグリだ。この本については、いずれ別の機会に書く予定だ。
コメント (2)
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