人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

音楽の出番を待つ~指揮者・山下一史の被災体験から

2011年03月22日 21時41分38秒 | 日記
22日(火)。今日の日経朝刊「文化面」に仙台フィル正指揮者・山下一史の投稿「音楽の出番を待つ」が載った。彼は1961年広島生まれ、桐朋学園大卒、ベルリンでカラヤンに師事。86年ニコライ・マルコ国際指揮者コンクールで優勝した経歴をもつ。

11日当日は午後7時からの仙台フィルの演奏会があるため、その最終リハーサルを開始しようとした14分前に地震にあったという。ステージ・マネージャーの話では、ホールにあったピアノはストッパーが掛かっていたにもかかわらず大きく動き、舞台から落ちそうになるのを必死に止めたということだ。電話は繋がらずホテルで不安な時間をすごしていた中、全国各地の友人からのメールに本当に励まされたという。

仙台フィルの演奏会は6月まで中止になったという。しかし彼は書く「震災で受けた大きく深い傷が少しでも回復する兆しが見え、人々から求められる時が来るまで待つべきだと思っている」と。そして「音楽の出番は必ず来る。その時仙台フィルと地元の結びつきは、精神的な面でも今より一層強固なものになっているだろう。その日が1日も早く訪れることを心より願っている」と。

仙台フィルに限らず、地方(在京も)のオーケストラは行政の補助金カット等により経営的に非常に厳しい立場に置かれている。そうした中での被災である。楽団員一人一人がまず自らの生活基盤を立て直して練習に取り組まなければならないだろう。それは並大抵のことではない。一人の音楽ファンとして仙台フィルの一日も早い再起を願わずにいられない。
コメント (2)
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