19日(土)その2。 新宿ピカデリーで映画METオペラ・ライブビューイング:グルックの歌劇「タウリスのイフィゲニア」を観た。この曲はギリシア悲劇の運命の姉弟の物語で、イフィゲニア(姉)をソプラノのスーザン・グラハム、オレスト(弟)をテノール、あのプラシド・ドミンゴが歌った。開演前にメトロポリタン歌劇場のピーター・ゲルプ支配人が舞台に現れ「今日主演のグラハムとドミンゴは風邪を引いてベストではないが、歌う。観客の皆さんの咳が歌手に移って咳き込まない事を祈ります」とユーモア交えてあいさつした。こういうところはさすがである。
この映画は、実際に歌劇場で上演したオペラを録画したものだが、幕間に歌手のインタビューをして、それも上映するといった面白い企画である。とくにソプラノのグラハムは歌っているときは、風邪を引いていることなど微塵も感じさせない素晴らしい歌唱力で観客を圧倒していた。第2幕が終わりインタビュアーのナタリー・デセイが彼女にインタビューすると、だみ声で答えていた。そして、「実は、衣装係から、いざとなった時のためにこれを胸にしまっておくように言われたのよ」と言ってハンカチを胸元から取り出した。インタビューが終わるとさかんに咳き込んでいた。休憩後第3幕、4幕と歌い続けた。一流の歌手はこうでなければならないのだろう。風邪を引こうが多少熱があろうが舞台に立って歌う。それがプロの歌手だ。終演後は言うまでもなくスタンディング・オベーションである。
ところで先のプログで宇宿允人が指揮したグルックの歌劇「タウリスのイフィゲーニア」序曲と書いたが、「アウリスのイフィゲーニア」序曲であることがわかった。今日の映画を観て、あの序曲が聴こえてこないので、初めて違う曲の序曲だということがわかった次第。グルックも紛らわしい曲を作ってくれたものだ。
この映画は、実際に歌劇場で上演したオペラを録画したものだが、幕間に歌手のインタビューをして、それも上映するといった面白い企画である。とくにソプラノのグラハムは歌っているときは、風邪を引いていることなど微塵も感じさせない素晴らしい歌唱力で観客を圧倒していた。第2幕が終わりインタビュアーのナタリー・デセイが彼女にインタビューすると、だみ声で答えていた。そして、「実は、衣装係から、いざとなった時のためにこれを胸にしまっておくように言われたのよ」と言ってハンカチを胸元から取り出した。インタビューが終わるとさかんに咳き込んでいた。休憩後第3幕、4幕と歌い続けた。一流の歌手はこうでなければならないのだろう。風邪を引こうが多少熱があろうが舞台に立って歌う。それがプロの歌手だ。終演後は言うまでもなくスタンディング・オベーションである。
ところで先のプログで宇宿允人が指揮したグルックの歌劇「タウリスのイフィゲーニア」序曲と書いたが、「アウリスのイフィゲーニア」序曲であることがわかった。今日の映画を観て、あの序曲が聴こえてこないので、初めて違う曲の序曲だということがわかった次第。グルックも紛らわしい曲を作ってくれたものだ。