23日(水・祝).昨夕は,午後6時からの記者クラブの試写会,アラン・レネ監督「風にそよぐ草」を観る予定だったのですが,”30分だけ”というE部長の誘いに地下0で飲みました この店の名物「牡蠣の串焼き」が美味しくて,生ビール片手にあっという間に30分が経過,こうなるとどうでもよくなって,試写会は諦めて新潟の銘酒「きりんざん」をしたたか飲みました この”方針転換の速さ”には,われながら「風にそよぐ草」のような生き方だと呆れました
映画の中でもフランス映画は好きな方で,とくにフランソワ・トリュフォーなどが好きです.アラン・レネは昨年,渋谷の「ユーロスペース」で「去年マリエンバードで」を観ましたが,意味がさっぱりわかりませんでした.レネ監督は黒澤明監督の影響を受けて「去年マリエンバードで」を制作したらしいのですが,黒澤明がどれも”わかりやすくておもしろい”のに,レネは”言語明瞭意味不明”的な感じがしました そういう意味で,最近彼の映画はどう変わったのか,あるいは,変わらないのかを観てみたかったのです.しかし,「アラン・レネ」も「きりんざん」には勝てませんでした.押し出してきりんざんの勝ち ”映画”を話題に2時間飲みましたが,現時点で年間100本の目標にほど遠いことを告白しました.夕べの映画が48本目だったのです
家に帰るとメールボックスに新国立劇場からハガキが届いていました.「2011-2012シーズン オペラ”こうもり”出演者変更のお知らせ」とあります.それによると,「12月1日にオルロフスキー公爵役で出演を予定していたアグネス・バルツァは,大震災後の原子力災害による自身の健康への懸念から,現在の日本に滞在することが困難であると決断を下したため出演できなくなりました.代わってエドナ・プロホニクが出演いたします」とありました
アグネス・バルツァといえば,カラヤンに認められてケルビーノ,オクタヴィアン等「ズボン役」で活躍し,ビゼーの「カルメン」のタイトルロールで一世を風靡したメゾ・ソプラノです.ホセ・カレーラスとの共演でも話題を振りまきました.ただ,1944年生まれと言いますから現在67歳.それを思うと,理由はともあれ後進に道を譲るのが賢明とも思います
後任のエドナ・プロホニクは,イスラエル生まれの期待の新星ということで,今回の公演の指揮者ダン・エッティンガーが推薦したとのことです.オルロフスキー役を得意としているということなので期待したいと思います.彼女にとっては日本の音楽界で認められるチャンスです.実際に聴いてみなければ分かりませんが,この交代が良い方向に進展することを祈ります
それにしても,福島の原発事故が完全に収拾するまではこうした交代劇が続くのでしょうが,被災者の皆さんの心中はお察しするものの,いったいいつまで?と言いたくなります