人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

映画「カルテット!」を観る~記者クラブ試写会

2011年11月29日 06時49分00秒 | 日記

29日(火).昨日から当ビルのエントランス・ホールにクリスマス・イルミネーションを飾りました。

 

           

 

昨夕,記者クラブの試写会で三村順一監督「カルテット!」を観ました 映画のチラシに「被災地・浦安から生まれた,家族の絆と再生の物語」とあります.映画上映前に,エグゼクティブ・プロデューサーの柳内光子さん,監督の三村順一さんからあいさつがありました.

千葉県浦安市は,東京ディズニーランドがあることで有名ですが,平成23年度に市制30周年を迎えたとのことです.その記念として浦安市で撮影を進めてきたときに東日本大震災が発生,市域の86%が液状化被害を受けたといいます そうしたことを乗り越えて,復興を願う市民の気持ちを作品に吹き込みこの映画を完成させたとのことです

ヴァイオリンの才能を持ち将来を有望視されている中学生・長江開は,音大出身の両親,高校生の姉と浦安市で暮らしています.家族でクラシックを演奏する一家でしたが,両親は生活のため音楽を諦め,さらに父・直樹はリストラに合い,姉・美咲は弟にコンプレックスを持ち音楽から離れて不良グループに・・・・といった具合に,一家は崩壊寸前になります 元通りの生活を取り戻したいと願う開は,父=ピアノ、母・ひろみ=チェロ、姉=フルート、弟=ヴァイオリンの家族カルテットを結成して家族の絆を取り戻すべく奮闘します さて,長江一家の行方は・・・・といった物語です.

題名が「カルテット!」ですから,クラシック音楽が使われています 中学生の開が先生の個人レッスンを受けているときに演奏される美しい曲はマスネ「タイスの瞑想曲」,音大生時代にピアノを習っていた直樹が,放置されていたピアノで弾くのはパッヘルベル「カノン」,次に個人レッスンで開が弾いていたのがメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」,そして開,直樹,ひろみの3人で演奏されるのがバッハ「G線上のアリア」,直樹の伴奏で開が軽快に弾くのがモンティ「チャールダッシュ」です

開は秋山和慶指揮の大学オーケストラに選抜されますが,リハーサル風景では本物の秋山氏が指揮をし第79回日本音楽コンクールヴァイオリン部門第1位の山根一仁がチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」の最終楽章を弾きます.これは迫力のある演奏です

そして,プッチーニ「トゥーランドット」から”誰も寝てはならぬ”とフォーレ「シシリエンヌ」がピアノ,フルート,ヴァイオリンで奏でられます.ひろみが広場でコンサートのPRのために弾くのはバッハ「無伴奏チェロ組曲」の”プレリュード”です

さて,秋山和慶指揮大学オーケストラの演奏会と長江一家の出演するクリスマス・コンサートが重なってしまいます.先生から「自分の音を見つけなさい」と言われて悩んでいた開は,最後に自分自身の音を見出します.大学オケの演奏会を抜け出して,クリスマス・コンサート会場に駆けつけた開を加えて一家4人が演奏するのは,直樹の編曲によるサン=サーンスの「動物の謝肉祭」から”白鳥”です この曲が,長江一家の”現在の”集大成です

演技では,開を演じた高杉真宙のヴァイオリンを弾いているときの白目と,姉の美咲を演じた剛力彩芽の”あの不良少女役の演技,マジやばくね”という迫真の演技力が忘れられません この人,自身もフルートをたしなんでいるということで,なかなかな人のようです

父・直樹に細川茂樹,母・ひろみに鶴田真由,開の先生に田中美里,ライブハウス支配人にサンプラザなかのくん,ひろみの父に上條恒彦,母に由紀さおり(今なぜか,彼女の歌が世界でリバイバル・ヒット中!)がそれぞれ扮しています.そして,忘れてはならないのは,被災した市民を含めて700人以上のエキストラが参加したということです.映画ですから,話の進行に強引なところもありますが,音楽を十分に楽しめる映画としてお薦めします

 

            

 

コメント (2)
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