人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

第一生命ホール10周年記念ガラ・コンサートを聴く~「モーツアルトの顔」展を観る

2011年11月27日 09時08分57秒 | 日記

27日(日).昨日,晴海の第一生命ホールの10周年記念ガラ・コンサートを聴きに行ってきました 第一生命がザルツブルクのモーツアルト住家の修復を支援した縁もあり,コンサートのテーマを「モーツアルトに寄せて」としています.言葉どおりオール・モーツアルト・プログラムです

第一生命ホールは初めてです.地下鉄大江戸線「勝どき」駅で下車,晴海通り沿いに歩き,黎明橋の隣の動く歩道で朝霞運河を渡ると,左側一帯に晴海トリトンスクエアが広がります.その中のビルの4階にホールがあります

ホールの一角で国際モーツアルテウム財団コレクション「モーツアルトの顔」展を開催していたので,コンサート前に列に並んで見ました クラヴィーア・ソナタK.331”トルコ行進曲つき”第3楽章の一部の自筆譜,きらきら星変奏曲K.265の自筆譜が飾られていましたが,「モーツアルトの楽譜には修正の跡がない」と言われているのが,目の前で証明されました 音符のひとつひとつが丁寧に書かれていてすごく見易いのです.壁面には大礼服のモーツアルト,レオポルト・モーツアルト(父),アンナ・マリア・モーツアルト(母),宮廷服のマリア・アンナ・モーツアルト(姉),モーツアルト一家,コンスタンツェ・モーツアルト(妻)の肖像画が飾られていました.中でも注目は今回が日本初公開の「クラヴィーアに向かうモーツアルト」です.小林秀雄が「モォツアルト」の中で紹介して有名になりました.宮廷俳優で,モーツアルトの妻コンスタンツェの姉アロイジアの夫ヨーゼフ・ランゲが1789年に描いた未完の油絵です.小林秀雄が指摘しているようにモーツアルトはどこを見ているのか虚ろな目をしています

一番驚いたのはモーツアルトの遺髪です.モーツアルト死後,コンスタンツェが再婚したデンマークの外交官ニッセンの「モーツアルト伝」に掲載された石版画に添えられています.彼の遺髪だと照明するフランチェスコ・カルマニョーラの1841年5月25日という署名があります.目の前に飾られた遺髪は茶色でした.しかし,これって信じていいものかどうか・・・・・・

いずれにしても,今回初めて見るものばかりでモーツルティアンにとってはたまらなく嬉しい企画でした

さて,コンサートです.会場の中に入ると客席は馬蹄形をしています.こういう造りは珍しいのではないかと思います.自席は2階L2ー40番です.会場の左側後方から舞台を見下ろす形です.

プログラムは前半が次の4曲です.①「ああ,お母さんに聞いて」による12の変奏曲(きらきら星変奏曲)K.265 ピアノ=仲道郁代,②フルート四重奏曲第1番ニ長調K.285 フルート=工藤重典,ヴァイオリン=堀米ゆず子,ヴィオラ=川崎和憲,チェロ=山崎伸子,③ピアノ・ソナタイ長調K.331「トルコ行進曲つき」 ピアノ=清水和音,④歌劇「後宮からの誘拐」K.384よりアリア「どんな拷問が待ち受けていようと」 ソプラノ=佐藤美枝子,ピアノ=泉博子.

この中で最も良かったのは②フルート四重奏曲です.これぞモーツアルトと言いたくなるような,胸のすく演奏.とくに第2楽章の憂いに満ちた”陰”から第3楽章の底抜けに明るい”陽”に急展開するところ まさに”われわれが哀しみに浸っている中で,いつの間にかわれわれを置き去りにして,モーツアルトは笑っている”ような印象を受けます.フルートの工藤重典はもちろん素晴らしいのですが,堀米ゆず子のヴァイオリンが光っていました.そして全体のアンサンブルは最高でした

コロラチューラ・ソプラノの佐藤美枝子は,ヒロインのコンスタンツェが太守の脅しにもめげず,毅然として立ち向かう姿勢を見事に歌い上げていました.個人的な印象かもしれませんが,ピアノ・ソロで演奏した①と③はどうもしっくりときませんでした

後半は次の4曲です.①ヴァイオリンとピアノのためのソナタホ短調K.304 ヴァイオリン=矢部達哉,ピアノ=横山幸雄,②幻想曲ニ短調K.397 ピアノ=児玉桃,③ヴァイオリンとピアノのためのソナタ変ロ長調K.378 ヴァイオリン=堀米ゆず子,ピアノ=児玉桃,④ピアノ三重奏曲ホ長調K.542 ピアノ=仲道郁代,ヴァイオリン=川久保賜紀,チェロ=長谷川陽子.

後半は,すべてが素晴らしい演奏でした.東京都交響楽団のソロ・コンサートマスター矢部達哉,1980年エリーザベト王妃国際音楽コンクール優勝者・堀米ゆず子のヴァイオリンは肩の力を抜いた,しかし説得力のある演奏でした

最後のピアノ三重奏曲は滅多に演奏される機会がないのですが,今回初めて生で聴けて感激しました 仲道郁代は,前半とは打って変わって絶好調の様相で他の二人をリードしていました.一番若い川久保賜紀は美しいヴァイオリンを奏でていました.落ち着いている長谷川陽子は低音部をしっかり支えてお姉さんぶりを発揮していました

 

         

 

午後2時開演のコンサートが終わったのは4時半でした.6時半からの息子の誕生祝い夕食会まで,たっぷり時間があるので晴海から銀座6丁目まで歩くことにしました勝鬨橋を渡って築地を抜け銀座4丁目交差点を過ぎて数奇屋通りに入りました.この通りに面したレストランS・Tに着いたのは5時20分くらいでした.まだ時間があるので,近くのドトール・コーヒーに入りました.ここでは何とBGMにモーツアルトのピアノ曲が流れていたのです ドトールでクラシックを聴くとは”想定外”でした.コンサートのチラシを見ながら約1時間ほど時間潰しをしてレストランS・Tに入ると,そこでは何とモーツアルトの”グランパルティータ”が流れていました 1日中モーツアルトづくめです.6時半ジャストに家族が揃ったので個室に案内してもらいました.

娘がこのレストランでウエブ・デザインなどのアルバイトをしていることもあってか,食事の前にケーキが運ばれてきて写真を撮りました.お店のサービスということでした その後,ワインで乾杯しましたが,息子は初めてアルコールを飲みました.半分くらい飲んで残したので私が残りを飲み干しました.途中,社長の妹さんがお見えになり,レストラン特製のフルーツケーキをプレゼントしてくださいました.食事はフルコースで,どれもが美味しくて,ケーキ類は食べられないので持ち帰ることにしました

 

         

 

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