人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

萩原麻未(ピアノ)と三ツ橋敬子(指揮)でシューマン「ピアノ協奏曲」を聴く~東響特別コンサート

2011年11月30日 06時55分06秒 | 日記

30日(水).昨夕,埼玉県川口駅前の「リリア・ホール」に初めて行きました.新橋駅から京浜東北線で川口駅まで30分弱でしょうか 赤羽の次が川口だったのですね.案外近いです. 「リリア・ホール」は川口駅の西口を出るとすぐ前のビルの1階にありました.ホールは1,200人位入りそうですが,オーケストラが演奏する時は前の10列を舞台として使用しているようで,自席は1階22列20番で中央通路側でしたが,前から数えると10列目でした

午後7時から東京交響楽団特別演奏会を聴きました.プログラムは①モーツアルト「歌劇:劇場支配人」序曲,②シューマン「ピアノ協奏曲イ短調」(ピアノ:萩原麻未),③ブラームス「交響曲第1番ハ短調」の3曲で,指揮は三ツ橋敬子.待望のコンサートです

この日のコンマスは大谷康子さん.サントリーホールやオペラシティホールでなくても大谷さんをコンマスに据えるということは,東響も手を抜いていないということです

1曲目のモーツアルト「劇場支配人」序曲が始まりました.この曲はモーツアルトが30歳のときに皇帝ヨーゼフ2世の要請により作曲されたものです.三ツ橋敬子の指揮はひと言でいうと”華麗”です.「右手でテンポを取って,左手で音楽に表情付けをしている」という印象を受けます.あくまでも優雅に,やわらかく音楽を進めます.5分もかからない曲ですが,彼女の指揮を見ていたらすごく長く感じました

さて,いよいよピアノがセンターに運ばれてきて,シューマンの「ピアノ協奏曲イ短調」の始まりです.シューマンが35歳のときに完成した唯一のピアノ協奏曲で,3楽章から成りますが,第2楽章と第3楽章が休みなしで演奏されます.初演はクララ・シューマンの独奏でした

ソリストの萩原麻未が白いドレスで登場します.指揮の三ツ橋は背の低さをカバーするためかハイヒールを履いているのですが,萩原の方が頭ひとつ高い感じで,萩原がとても大きく見えます.でも,萩原は中高生がそのまま大人になったような感じで,幼ささえ感じさせます.しかし,いったんシューマンのコンチェルトが始まると,獲物を追いかける雌豹のように変貌します.ものすごい集中力を感じます 私はこの協奏曲の第3楽章が大好きで,いろいろな演奏家のCDや生演奏で聴いてきました.今回の三ツ橋+萩原の組み合わせを聴くのが夢でしたが,期待通りの演奏でした 萩原の弾くロマン派のコンチェルトは素晴らしいです

三ツ橋敬子のブラームスの第1交響曲は,9月22日に東京シティフィルと演奏したのを聴いて,引き締まったいい演奏だったので,東京交響楽団ではどうか,と期待していました.第1楽章の冒頭,ティンパニの連打が始まると会場の空気が一変し,緊張感が漂います.三ツ橋は引き締まった音楽作りで,オーケストラを前に前にドライブします この曲は,演奏家が熱演するように出来ているみたいで,特に第1楽章と第4楽章は弦楽器も管・打楽器も力一杯の精力を傾けて懸命に演奏します

三ツ橋は,モーツアルトの時と違って,右手も左手も関係なく身体全体を使ってブラームスの大曲に取り組んでいます.金管楽器がちょっぴり残念なところもありましたが,細かいところは無視することにしましょう.演奏のあら捜しは楽しみを半減させるだけです.素晴らしいコンサートだったと思います

 

 

             

 

〔追伸〕

けさマンションの外階段に出て,北の方角を見渡すと,ありました!夕べコンサートを聴いた「リリア・ホール」の入ったビルが!上が三角形に尖がっているのですぐにわかりました.豊島区巣鴨と埼玉県川口市は案外近い所にあることを発見しました

 

 

 

 

コメント (2)
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