5月1日(火)。早いもので今日から5月です。5月は初旬から4連休があるのでアッという間に過ぎ去るような気がします
昨夕、28日(日)に東京湾で開かれた当社主催のテナント向け「釣り大会」の反省会が地下のRで開かれたので参加しました 当日は総勢23人参加のため仕立船で午前7時半過ぎに出船、23人で合計400匹以上釣り上げた計算です 何を隠そう、この店RはT店長以下2名が参加、”仕入れ”のために必死で釣り上げたイシモチが計90匹 それを”本日のお薦めメニュー”に加えて金を取ろうという魂胆ですから、フーテンの寅さんではありませんが”見上げたもんだよ屋根屋のフ〇ド〇”です 屋根屋って、右から読んでも左から読んでも屋根屋ですね。どうでもいいけど ただ、イシモチのオイル焼きが1匹170円というのは良心的なデフレ価格ですね。店長は「3日間で90匹を売りさばく」と豪語していましたが、結果はどう出るか・・・・半か釣果 おっと、言い忘れるところでしたが、私はこの釣り大会には参加していません。釣り大会に参加しないで反省会のみに参加したことを反省してます
閑話休題
TOHOシネマズシャンテで映画「カルテット」を観ました 2011年の秋に公開され、今話題の剛力彩芽が出演した邦画「カルテット!」ではありません。「卒業」「クレイマー、クレイマー」のダスティン・ホフマンが初監督した「カルテット!人生のオペラハウス」です
引退した音楽家たちが暮らす”ビーチャム・ハウス”では、近く開かれるヴェルディ生誕記念ガラコンサートの準備が進んでいました そこでは、かつてヴェルディの「リゴレット」の四重奏(カルテット)を歌った仲間である3人、レジー(トム・コートネイ)、ウィルフ(ビリー・コノリー)、シシー(ポーリーン・コリンズ)が穏やかな余生を送っていました
ある日、ハウスに4人目のメンバーにして最大のスターだったジーン(マギー・スミス)が入居してきます。かつて9時間だけ夫婦だったレジーは心中穏やかではありません
ビーチャム・ハウスの経営は非常に苦しく、ガラコンサートが成功しないと存続できない、という事情があります そこで、3人はかつての黄金カルテットを再結成すべく、絶対2度と歌わないというジーンの説得に当たります。最初は拒否する一方だったジーンも、3人、とくにレジーとの和解によって出演を承諾します
主役のジーンを演じているマギー・スミスはどこかで見たことがあると思ったら「ハリー・ポッター」シリーズのマクゴナガル教授役でお馴染みでした この人は目だけでも演技が出来る女優だと思います。ハリー・ポッターと言えば、ビーチャム・ハウスの”ガキ大将”シィドリック役のマイケル・ガンボンはダンブルドア校長役でお馴染みです
トム・コートネイは、まじめ一辺倒のレジーを地道に演じています ポーリーン・コリンズは、ちょっとボケの入ったシシーを見事に演じています 見ていて肩入れしたくなったのはウィルフ役のビリー・コノリーです 実にいい味を出しています。ホフマン監督は当初「ドレッサー」でコートネイと共演したアルバート・フィニーを予定していましたが降板してしまい、次にピーター・オトゥールに打診しましたが高齢のため断られ、3人目に声を掛けたのがビリー・コノリーだったとのことです 結果的に、この選択は大正解だったと言えるでしょう。トム・コートネイとのコンビは絶妙です
ところで、この物語の舞台になっている”ビーチャム・ハウス”は、英国の偉大な指揮者、故サー・トーマス・ビーチャムの名前を冠した音楽家のための老人ホームという設定ですが、そのモデルはヴェルディが私財を投じてミラノに建てた「憩いの家」です
また、「カルテット」というと「弦楽四重奏」をはじめとする楽器によるユニットを思い浮かべますが、この映画でいう「カルテット」は2013年に生誕200年を迎えるジュゼッペ・ヴェルディ中期の傑作オペラ「リゴレット」の第3幕で歌われる四重唱「美しい恋の乙女よ」を指します 女たらしの公爵、公爵に言い寄られるマッダレーナ、公爵に裏切られ棄てられたジルダ、ジルダのために復習を誓う父リゴレットの4人が、それぞれの想いを歌い上げる四重唱です
この映画の魅力は何と言ってもクラシック音楽がふんだんに使われていることです ヴェルディの音楽では、オペラ「椿姫」から「乾杯の歌」、オペラ「リゴレット」から「女心の歌」、「慕わしき御名」、四重唱「美しい恋の乙女よ」、オペラ「オテロ」から二重唱「暗い夜の深まりに」が歌われています
驚くのは、プッチーニのオペラ「トスカ」から「歌に生き恋に生き」を、往年の名ソプラノ、ギネス・ジョーンズ本人が歌っているのです ほかにも、往年の歌手やオーケストラの首席などが出演して実際に歌い演奏していますが、ホフマン監督は主役の4人が歌うシーンをアップで撮りません。口パクでCD録音をかぶせるような野暮なことはしません
この映画のラストは4人(カルテット)がステージで「リゴレット」の四重唱を歌おうとするシーンですが、前奏の音楽が流れると、カメラはビーチャム・ハウスの遠景を映し、ジョーン・サザーランド(ソプラノ)、ルチアーノ・パヴァロッティ(テノール)らが歌う四重奏の録音がバックに流れます
この映画では他に、ハイドンの弦楽四重奏曲第78番「日の出」、ボッケリー二「弦楽五重奏曲ホ長調~メヌエット」、ハイドン「交響曲第100番”軍隊”」、サン=サーンス「動物の謝肉祭~白鳥」、バッハ「トッカータとフーガ ニ短調」、モンティ「チャルダーシュ」・・・・・・などが流れますが、いちいち挙げていったらキリがありません
この映画を観終わって思うことは、音楽って何と素晴らしいのか 人生に年齢は関係ない ということです。余生を暮らすよりは寄席に行って落語を聞いた方がいいし、暗いシックな家に閉じこもっているよりはクラシック・コンサートを聴きに出かける方がいいのです