人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

METライブビューイング、ヘンデル「ジュリアス・シーザー」を観る

2013年05月21日 07時38分11秒 | 日記

21日(火)。S建設のNさんからお誘いがあり、昨夕S建設と当社の社員有志で、Nさんのお子さん(姉のAさんと弟のKさん。ともに美形)が経営する中目黒のメキシコ料理店BINXに行きました Nさんは今年S建設に入った新人の女性社員Hさんとともに来店です。新人っていいですね

店の名前BINXの由来について姉のAさんは「漫画”ワンピース”に出てくる言葉です。それにINというのは、怪しい言葉に多く含まれていますよね。例えば、コカインとか、ヘロインとか、セッコツインとか(これは言っていない)」と解説してくれました

ワカモレディップ、ケサディア・ドルチェ、ハンバーグ、ブリトーなどをいただきましたが、メキシコ料理はどれもが美味しく、生ビールとワインに合いました Nさんの提唱で、全員がテキーラに挑戦しました。まず、Nさんからテキーラの正しい飲み方のレクチャーがありました まず、左手の甲に塩を乗せ、それを舐めてからショットグラスのテキーラを一息で飲む、その後でレモンをかじる、というものです。50度前後あるそうですから相当きついですね メキシコでも温度は50度まではいかないでしょう

 

          

          

          

          

 

          

 

お店にはダーツがあり、我こそというツワモノが挑戦しました 1回3本の矢を放って8回戦やる戦いに私も挑戦してみました。一時は390点でトップに立ったのですが、最終的にはこの店の姉のAさんが優勝したようです。あやや

 

          

 

  閑話休題   

 

新宿ピカデリーでMETライブビューイング、ヘンデル「ジュリアス・シーザー」を観ました これは今年4月27日に米メトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画です キャストは、ジュリオ・チェーザレ(英ジュリアス・シーザー)にカウンター・テナーのデイヴィッド・ダニエルズ、クレオパトラにソプラノのナタリー・デセイ、セストにメゾソプラノのアリス・クート、コルネリアにアルトのパトリシア・バードン、アキッラにバリトンのグイド・ロコンソロ、ニレーノにカウンターテナーのラシード・ベン・アブデスラーム他。指揮はバロック・オーケストラ「イングリッシュ・コンソート」芸術監督のハリー・ビケット。オケはメトロポリタン歌劇場管弦楽団、演出はデイヴィッド・マクヴィカ―です 

 

          

 

全3幕の概要は以下の通りです

「舞台は紀元前48年のエジプト。ポンぺオの軍勢を破ったチェーザレ(シーザー)が凱旋すると、ポンぺオの妻コルネリアと息子セストが現われて和睦を申し出る。しかしポンぺオはエジプト王トロメオによって斬首されていた 復讐を誓う母と子。トロメオの姉・クレオパトラは一層の覇権を夢見ており、友人でもあったポンぺオの死を悼むチェーザレに、変装して近づいて魅了する トロメオは、コルネリアを褒美に望む将軍アキッラとともにチェーザレの暗殺を企てる。王は歓待の宴を催すが、チェーザレは彼の企みを見破る

チェーザレはクレオパトラの歌声を耳にして喜びに浸っている トロメオ王は捕えられたコルネリアに言い寄る。この現場を目にしたアキッラは王の言葉が嘘であったことに気づく。やがて、チェーザレのもとに王が裏切ったとの知らせが届く。クレオパトラは正体を明かし、彼を海へ逃がす

トロメオ王はクレオパトラの軍に勝利し、彼女は捕えられる 難を逃れたチェーザレに、瀕死のアキッラは復讐を願う。クレオパトラはチェーザレによって助け出され、セストはついに父の仇・トロメオを討つ。チェーザレはエジプトの王冠をクレオパトラに贈り、大団円となる

いつものように客席の映像を映し出しますが、気軽なTシャツ姿の男性もちらほら ジーンズの世界・アメリカらしい光景です。これがヨーロッパの歌劇場だったら、有り得ないでしょうね

指揮のビケットはチェンバロを弾きながら指揮をします。序曲を聴いてまずびっくりします。まさにバロック・オペラの音になっているのです 本当に現代楽器を使って演奏しているのか という驚きです。MET管弦楽団の柔軟性の高さを証明しています

ビケットは幕間のインタビューで「チェンバロを弾きながらどうやって歌手に指示を出すの?」と訊かれ「歌手の声はオケの音で消されて聞こえないので、歌手の口の動きを読んで判断します」と答えていました。

第1幕でシーザー役のデイヴィッド・ダニエルズ(カウンター・テナー)が出てきて、歌を歌い始めるのですが、髭面男がいきなり女声の声域で歌い出すので面喰います これはトロメオ役、ニレーノ役の歌手も同じカウンター・テナーなので同じです 4人の男性歌手のうち3人がカウンター・テナー、一方、セスト役のメゾソプラノは女性なのにズボン役(男性の登場人物を女性が歌う役柄)なので、これって”オネエの世界” と勘違いしそうです。

このオペラは休憩・インタビューを含めて4時間43分、そのうち本編は3時間50分かかりますが、長丁場の原因は、一つのアリアの中で歌詞を繰り返し歌うことにあります バロック・オペラ特有の現象です。繰り返しを避ければ半分近くに短縮されるかもしれませんが、それはヘンデルに対する謀反になるのでしょう

歌手は、誰もがパファーマンスが高いのですが、何と言ってもクレオパトラ役のナタリー・デセイが最高です ”踊りも踊れるソプラノ”と言われていますが、”歌も歌えるダンサー”と言ってもいいほど、歌いながら踊るのが得意なのです 第3幕終盤で海をバックに歌いながら踊るシーンは、まるでミュージカルです 今回の演出によるこのオペラはナタリー・デセイの魅力満載です

インタビューでルネ・フレミングから「速いパッセージのコロラツゥーラと、ゆったりと歌うアリアと、どっちが歌いやすい?」と訊かれ、デセイは「ゆったり歌う方ね。速いコロラツゥーラは装飾音も入れて歌わなければならないので、もう大変」と答えていました。

マクヴィカ―の演出は着替えが多く、クレオパトラだけで8回も着替えがあります 幕間のインタビューで「着替えの時間はどのくらい?」と訊かれて、METの着付け主任が「このオペラで短くて3分、長くて8分くらいね」と答えていました。デセイも「歌っている時間以外は着替えているようなものよ」と言っていました。

前述の通り、2回の休憩と歌手へのインタビューを含めて4時間43分の長丁場です METライブビューイング「ジュリアス・シーザー」は5月24日(金)まで、新宿ピカデリー、東銀座の東劇ほかで上映中。入場料金は3,500円です

この作品をもって今回の一連のMETライブビューイングの上映は終了し、2013-14シーズンは10月から始まります 次シーズンでは、お馴染みのプッチーニ「ラ・ボエーム」、モーツアルト「コジ・ファン・トゥッテ」以外は、チャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」、ヴェルディ「ファルスタッフ」、マスネ「ウェルテル」、ロッシーニ「ラ・チェネントラ」、ショスタコーヴィチ「鼻」、ドヴォルザーク「ルサルカ」、ボロディン「イーゴリ公」といった、普段上演される機会の少ないオペラが上演されます。来季も楽しみです

 

          

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