12日(日)。昨日は風邪の影響で体調が悪く朝から気分がすぐれなかったので、ベッドに横になってラ・フォル・ジュルネ音楽祭で買ってきたCDを聴きながら新聞や本を読んで過ごしました とはいうものの、午後6時から川崎でコンサートがあるので、雨の中、4時には家を出ました
ミューザ川崎で東京交響楽団の第86回名曲コンサートを聴きました プログラムは①グリンカ「ルスランとリュドミラ」序曲、②ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番ハ短調」、③ムソルグスキー(ラヴェル編)「組曲:展覧会の絵」です。②のピアノ独奏はアレクサンドル・ロマノフスキー、指揮はアレクサンドル・ヴェデル二コフです。同じロシアのアレクサンドル同士でロシアものを演奏します
ミューザ川崎は2年ぶり以上です。耐震構造への補強工事が終わって新装オープンとなったものです
以前、名曲コンサートの定期会員だったとき2階席だったので、当たり前のようにエスカレーターに乗って2階席に向かいました。上について、あれっ?と思ってチケットを確かめると1階センターの席でした 習慣というのは恐ろしいものです。風邪薬のせいで頭がボーっとしていることもあったと思います。会場はほぼ満席です。前から10列目なのでオケの面々の顔がよく見えます。よく見ると木管がクラリネットとコントラ・ファゴットの2人以外は全員女性です オーボエの荒絵里子、フルートの甲藤さち、ファゴットの福士マリ子ほかいずれも女性奏者です。コンマスはグレブ・ニキティン
1曲目のグリンカ「ルスランとリュドミラ」序曲は短いながらもオケの技量が試される曲です。一言でいえば指揮者の指示するスピードにどれだけ着いて行けるか、という恐ろしい曲です ヴェデル二コフも他の指揮者と同様、高速テンポを求めます オケの面々は難なく要求に応えます。まあ、名刺代わりの演奏と言ってもいいでしょう
ピアノが右サイドからセンターに移動、オケが態勢を整えます。ソリストのロマノフスキーがヴェデル二コフとともに登場します。ちょっと見アラン・ドロン似の”やさ男”です
2曲目のラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番ハ短調」は、ピアノの和音で始まります。オケの厚みのある演奏がピアノを支えます 第2楽章は抒情的なメロディーが続きます。ロマノフスキーの演奏は”男のロマンティシズム”そのもの 彼はロマン好きーなのかも。第3楽章は躍動感に満ちたメロディーが展開します
会場一杯の拍手に気を良くしたロマノフスキーは、アンコールにスクリャービンの「エチュード第12番」を情熱的に演奏 さらに鳴り止まない拍手に応えてショパンの「ノクターン第20番」を抒情的に演奏しました
休憩後のムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」はもともとピアノ曲ですが、1920年にラヴェルが指揮者のクーセヴィツキ―の依頼で管弦楽曲に編曲されたものです
ヴェデル二コフはオケから色彩感豊かな響きを引き出します イカツイ顔で指揮をしていますが、終わって会場に振り返ると破顔一笑、あの顔が何となく愛すべきロシアの大指揮者・スヴェトラーノフを思い起こさせます
満面の笑みでアンコールにプロコフィエフの歌劇「三つのオレンジへの恋」から行進曲を演奏しました
久しぶりのミューザ川崎でしたが、音響は以前と変わらず、よく響くホールで安心しました