人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」、ドヴォルザーク「新世界より」を聴く~文京シビック

2014年07月06日 09時29分46秒 | 日記

6日(日)。昨日、午後3時から文京シビックホールで東京フィルの「響きの森クラシック・シリーズ」コンサートと、午後6時からサントリーホールで東京交響楽団の第622回定期公演をハシゴしました。今日は東京フィルのコンサート(フレッシュ名曲コンサート)の模様を書きます

プログラムは①グリンカ「歌劇”ルスランとルドミューラ”序曲」、②メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」、③ドヴォルザーク「交響曲第9番”新世界より”」で、いわゆる”通俗名曲”のオンパレードです。指揮は小林研一郎、②のヴァイオリン独奏は周防亮介です

 

          

 

文京シビックホールのドリンク・コーナーがしばらく閉鎖中でしたが、新しく大手コーヒーチェーンEのお店としてオープンしていました カップでコーヒーが飲めて280円は良心的です 都内のコンサートホールのホワイエの中で一番安いのではないでしょうか こういう傾向が広がればいいと思います

コンマスの三浦章宏氏の合図でチューニングが行われ、”炎のコバケン”が登場します 1曲目のグリンカ「ルスランとルドミューラ」序曲は、いかに速く演奏できるかを競うのに最も適した曲です 作曲者自身が「全速力で疾走するような」演奏を求めたと言われています 理屈をこねなければ明快で痛快な曲です ヴィオラの首席・須田祥子さんを見ると、「私がこのオケを引っ張るんだ」と言わんばかりの勢いで、躍動感溢れる演奏をしています。この人はいつでも全力投球です。東京フィルに須田祥子あり

2曲目はメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調です。いつも思うのですが、いわゆる「名曲コンサート」と冠のつくコンサートで協奏曲と言えば、ほとんど例外なくメン・コンになります また、海外オケの来日公演で協奏曲と言えば、ヴァイオリンではメン・コン、チェロではドヴォ・コン、ピアノではチャイ・コンと相場は決まっています。こういうワンパターンには食傷気味ですが、いつまでも続きます

作曲家としてのメンデルスゾーンは大好きなのですが、どうもこのヴァイオリン協奏曲だけは若干苦手です。名曲の中の名曲であるのは分かっているのに、あまりにも有名すぎて敬遠したくなるのです

ヴァイオリニストを迎えるため、ステージの配置換えがありますが、指揮台が斜めに置かれています 会場からステージを見ると、指揮台がひし形に見えます。なぜか?・・・・・それは後で判ります

ソリストの周防と小林が登場し、第1楽章に入ります。小林は終始、周防の方に顔を向けて指揮をします。これが指揮台が斜めに置かれていた理由です 孫のような存在である周防に対し、「好きなように演奏しなさい。オケは必ず付けていくから。安心して」と言わんばかりの指揮ぶりです 周防はコバケンの配慮に応えるように、着実に美しい音色でメン・コンを奏でました とくに第1楽章のカデンツァは見事の一言です

カデンツァと言えば、Sという音楽ライターがプログラムのこの曲の解説を次のように書いています

「この曲の特徴は、全楽章が切れ目なく演奏される点と、それまでは第1楽章の最後に置かれ、内容も奏者任せだったカデンツァ(ソリストが技巧を披露する部分)が、中間部に移された上、すべて楽譜に記された点にあります これらは当時のヴァイオリン協奏曲としては革新的でした

定期公演のプログラムの曲目解説には、こういうことを書いて欲しいのです 解説に評論は要りません。あくまでも事実を、われわれ素人が、ああそうだったのか、と思えるような知識を与えて欲しいのです

 

          

 

休憩後はドヴォルザークの「新世界交響曲」です。この曲も名曲中の名曲で、何度聴いても感動するのですが、あまりにも多くのコンサートで演奏されるので、ちょっぴり食傷気味です とは言うものの、やっぱり第2楽章「ラルゴ」のイングリッシュホルンのソロを聴くと、どこか懐かしい想いに駆られるし、同じ楽章の弦楽器首席奏者たちによる室内楽的な演奏を聴けばしみじみとした想いに浸るし、第4楽章のアレグロを聴けばワクワクドキドキして元気になります ここでも須田祥子さんの躍動感溢れる演奏が光ります

演奏後『いつものように』、小林は管楽器をセクションごとに立たせ、次いで弦楽器をセクションごとにたたせ、拍手を求めます そして、『いつものように』拍手を制して最後の挨拶をします

「皆さま、今日はお越しくださりありがとうございました。アンコールは・・・・・・」(どうやら、曲名を忘れたらしい) 会場から笑いが・・・・

スラブ舞曲じゃないの?と思っていると、

「もう一つの静けさをお届けします」(ここで、やっと思い出したか)「ダニー・ボーイ」

そして、弦楽器の厚みのある音でダニー・ボーイを静かに感動的に演奏しました

 

  閑話休題  

 

当日、会場入り口で配られたチラシの中に「響きの森クラシック・シリーズ2015-2016シーズン」のラインアップのお知らせがありました 来季は小林研一郎指揮によるオール・チャイコフスキー・プログラムとのことです 3大交響曲をはじめ、ピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲などが取り上げられるそうですが、ソリストなど詳細は今秋発表されるとのこと。もちろん定期会員継続です

 

          

 

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