13日(日)。昨日はトッパンホール主催のゴーティエ・カプソン(Vc)とユジャ・ワン(P)によるデュオ・コンサートのセット券発売日だったので、朝10時過ぎに何度かクラブ事務局に電話をかけまくりました。やっと繋がったのは正午少し前でした
コンサートの日程は12月15日(月)、16日(火)で、プログラムは15日が①ドビュッシー「チェロ・ソナタ」、②プロコフィエフ「チェロ・ソナタ」、③ラフマニノフ「チェロ・ソナタ」、16日が①ベートーヴェン「”魔笛”の主題による7つの変奏曲」、②ブラームス「チェロ・ソナタ第1番」、③同「チェロ・ソナタ第2番」です
このチケットを入手するために先日、トッパンホールの会員になったのです 何としてもユジャ・ワンを生で聴きたい一心です
すでに通路側席や、鍵盤の見える左サイドの良い席はなく、右ブロックの後方の席になってしまいましたが、彼女の演奏が聴けるのならどこでもいいです
閑話休題
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も一度、閑話休題
昨日、東京藝大奏楽堂で「生誕150年 R.シュトラウスの弦の響き」公演を聴きました プログラムはR.シュトラウスの①チェロ・ソナタ、②ヴァイオリン・ソナタ、③歌劇「カプリッチョ」より「序曲」、④23人の独奏弦楽器のための「メタモルフォーゼン」です
前日に続いて同じ会場で聴くことになりましたが、この日は1階11列27番、右ブロックの左から3つ目の席をとりました 自席でプログラムを見ていると、元東京シティフィルの事務局長Yさんが「いやあ、偶然ですね」と言って2つ向こうの席に座りました。コンサート会場で出会う知り合いと言えばこのYさんくらいです
1曲目の「チェロ・ソナタ」はリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)が19歳の時の作品です。ボヘミア出身のチェロ奏者ハヌシュ・ヴィーハンに献呈しました。ピアノの伊藤恵がブルー系のドレスでチェロの河野文昭とともに登場します 二人とも藝大音楽学部教授です
私は初めてこの曲を聴きましたが、19歳の若い時から饒舌な、しかし美しい音楽を書いていたのだな、と感心しました しっかりした伊藤恵のピアノに乗って、河野のチェロが朗々と響き渡ります。この人のチェロは明るくていいですね
2曲目の「ヴァイオリン・ソナタ」は23~24歳頃の作品です。ヴァイオリンは天下の巨匠ハイフェッツのもとで5年間学んだピエール・アモイヤル、ピアノは私が大好きな江口玲です 江口玲は電子楽譜を持参しました。この曲も饒舌な曲ですが、オペラのアリアのような流麗な部分もあります。かなりロマン的な音楽です
アモイヤルは江口のシュアなピアノに支えられて伸び伸びと演奏を展開します
つくづく思ったのは、アモイヤルもずい分歳を取ったなあ、ということです
休憩後の最初は作曲者晩年の曲、歌劇「カプリッチョ」から「序曲」です 本来はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが各2人ずつで演奏されますが、この日は拡大して総勢20名の弦楽合奏によって演奏されます
コンマスは新日本フィルのコンマスなどを歴任し、現在藝大教授の松原勝也、指揮は同じく教授の澤和樹です
メロディーを聴いていて、いつか新国立オペラで聴いたオリジナル編成による「序曲」を思い出しました。作曲者最後のオペラの序曲は深い味わいがあります 藝大教授陣を中心とする室内オーケストラはニュアンス豊かにオペラのエッセンスを表現していました
最後の「23人の独奏楽器のためのメタモルフォーゼン」はGRS23による演奏です GRSって何?と思って解説を読むと「藝大リヒャルト・シュトラウス」の略だそうです。あまりの『そのまんま』ネーミングに声も出ません
ヴァイオリン10、ヴィオラ5、チェロ5、コントラバス3によって演奏されます。タイトル通り、23人の”独奏者”が演奏するので、譜面台が通常は2人に1台のところを1人1台、計23台用意されます
ヴァイオリンセクションの態勢を見ると、コンマスの松原勝也から右へ漆原朝子、玉井菜摘、野口千代光という並びになっています この態勢について、プログラムの巻頭言に澤和樹氏が「席順が”総選挙”によるものかどうかは謎だ。乞う御期待!」と、AKB48に引っかけた”受け狙い”のキャッチを書いていましたが、独り言として無視することにします
リヒャルト・シュトラウスはドイツが戦後の混乱にあった頃の1945年4月にこの「メタモルフォーゼン」を作曲しました その後スイスに移住しますが、この曲は1946年1月チューリッヒで初演されました
藝大の教授陣を中心とする23人のプロフェッショナルの演奏は重心が低く重厚感があります いつしかLPレコードで聴いたカラヤンがベルリン・フィルを振った演奏を想起していました。渾身の演奏でした