25日(金)。日経夕刊に連載中の音楽ジャーナリスト岩野裕一氏の「日本指揮者列伝」が昨夕第4回目を迎えました 今回取り上げられたのは山田一雄氏と渡邉暁雄氏の二人です。山田一雄氏と言えばマーラーの「交響曲第2番”復活”」や「交響曲第8番”千人の交響曲”」、ストラヴィンスキーの「春の祭典」など、近代の先進的な音楽を日響(後のN響)とともに初演したことで知られています
私は一度と限らず彼の指揮を見たことがありますが、指揮台の上で踊っていました
元祖『踊る指揮者』と言っても間違いではないでしょう
白髪でゲジゲジ眉毛がトレードマークのような人で、小柄ながらエネルギッシュに指揮をしていました
一方、渡邉暁雄氏は、山田一雄氏より7つ年下でしたが、フィンランド人の母と日本人の父との間に生まれた人です 1956年に日本フィルの常任指揮者に就任し、シベリウスのスペシャリストとして活躍しました。私は元の職場の新人時代に、彼の実兄・渡邉忠恕(ちゅうじょ)さんと仕事をご一緒したことがあります。彼は同盟通信(後の共同通信社)などで国際的に活躍された後、日本新聞協会の欧米代表、顧問を務められました
当時国際部に所属していた私にも声がかかり、何度かコンサートをご一緒しました
残念ながら実弟・渡邉暁雄さんの指揮するコンサートを一緒に聴くことはありませんでした
山田一雄氏と渡邉暁雄氏、お二人の指揮を一言で言い表せば、山田一雄氏の「がむしゃらで情熱的な指揮」に対し、渡邉暁雄氏の「高潔で冷静な指揮」といったところでしょうか 「動の山田 対 静の渡邉」と言えるかもしれません