人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

宮本文昭+東京シティ・フィルのコンサートを聴く~フェスタサマ―ミューザ

2014年07月28日 07時00分28秒 | 日記

28日(月)。昨日午前、今住んでいるマンションの管理組合の新役員初の理事会が開かれ、役職を決定しました。互選の結果、私が理事長に選出されました。何度目の理事長か自分でも思い出せません。役員の任期は2年ですが、取りあえず理事長の役職は1年だけという条件で引き受けました 元職場のOB会の代表幹事に次いでの重責ですが、現在住んでいるマンションのことなので自分自身のこととして引き受けることにしました 元職場のOB会は、年寄りのわがまま集団なので、来年の定時総会をもって代表幹事を降りることに決めました

 

  閑話休題  

 

理事会が終わったその足で、酷暑の中、わざわざ川崎までコンサートを聴きに行く人の気が知れませんと言うわけで、午後2時からミューザ川崎で東京シティ・フィルのコンサートを聴きました これは毎年夏に開かれている「フェスタサマ―ミューザ」の一環として開かれたコンサートです。プログラムは①ムソルグスキー「組曲”展覧会の絵”」、②モーツアルト「フルート協奏曲第2番」、③ラヴェル「ボレロ」です。指揮は宮本文昭、②のフルート独奏はサラ・ルヴィオンです

 

          

 

会場に入る時、前日と同じように「ほぼ日刊サマーミューザ朝刊」が配布されました もう前日の東響のコンサート(スダーンとゲリンガスの協演)の模様が写真入りで紹介されていました。さすがです

 

          

 

自席は1C10列15番、センターブロック左から2つ目の席です。会場は9割方埋まっている感じです オケのメンバーが登場して配置に着きますが、コンマスは、よく見るとN響のコンマス・山口裕之さんではないですか まさか、N響を辞めて東京シティフィルのコンマスに転職したのかな?あるいはこの日だけ客員コンマスとして呼ばれたのかな?・・・・・と思案しましたが、後で調べたらN響は昨年11月に定年退職したとのこと。ちっとも知りませんでした

指揮者の宮本文昭がいつものように指揮棒を持たずに登場します。衣装が凝っています 黒を基調としてはいますが、フラミンゴのような模様の派手っちいドレス・シャツで、一人だけ浮いています。まあ、これが彼のキャラクターなのですが・・・・・

さっそく1曲目のムソルグスキー作曲・ラヴェル編曲「展覧会の絵」が始まります。「プロムナード」から「小人」、「古城」へと続きますが、聴きどころと言うか、見どころだったのは「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」のトランペット奏者の熱演です 顔を真っ赤にしてトランペットで「お代官様、それだけはお許しくだせえまし」と叫んでいるようで、聴いている方は「お手並み拝見」と楽しみましたが、吹いている方は「地獄の黙示録」だったに違いありません 獅子奮闘の活躍でした。最後の「バーバ・ヤーガ」から「キエフの大門」はいつ聴いても興奮しますね こういう曲はCDで聴いていたのでは曲の魅力が伝わりません。生演奏ならではの迫力です

休憩後の最初はモーツアルトの「フルート協奏曲第2番ニ長調K.314」です。フルートのソロはフランクフルト歌劇場管弦楽団の首席フルーティスト、サラ・ルヴィオンです 私は女性のソリストの時は、ステージに姿を現す前に何色のドレスで登場するか予想を立てるのですが、彼女については「赤」系統の色を予想しました。見事予想は当たり、彼女は鮮やかなローズ・レッドの衣装で登場しました

「フルート協奏曲K.314」は私にとって特別な曲です。というのは、私がクラシック音楽を聴くきっかけとなった曲だからです 当時大学生だった私は、ラジカセに録音した森正指揮N響によるこの曲を録音して繰り返し聴きました。ソリストはN響首席の宮本明恭さんでした

宮本文昭の合図で第1楽章が始まります。軽快なテンポです。サラ・ルヴィオンのフルートが入ってきます。何度聴いても素晴らしい曲です サラの奏でる音楽がミューザの天井まで届いていきます。各楽章のカデンツァも美しいフルートの音色が生かされた見事な演奏でした こういう演奏を聴くと、生きてモーツアルトが聴ける幸せを感じます

会場一杯の拍手に、フランス人の彼女はアンコール曲にドビュッシーの「シランクス」を選びました 美しくふくよかなフルートの音色が会場の隅々まで響き渡りました

ここで小編成のオケの配置から大編成の配置へと舞台の模様替えがあります。最後の曲はラヴェルの「ボレロ」です 面白いのは小太鼓が2つ舞台中央に配置されたことです。何となく、ボレロと言えば一つの小太鼓が最初から最後まで叩き続けると思われがちですが、終盤ではもう一つ加わり迫力を増すのです

さて、演奏は小太鼓と弦のピチカートに乗って、フルート、クラリネット、ファゴット・・・・と次々と楽器が入れ替わり立ち代り同じリズム、同じメロディーを奏でていきます そしてだんだん楽器の数が増えていき、だんだん速度が増していき、最後はどんでん返しで曲を閉じます。これほど単純な音楽なのに、演奏する側も聴く側もどんどん興奮状態に引きこまれていきます。まさにラヴェルのかけた魔法です

演奏後は会場一杯の拍手に、宮本はソロを受け持った管楽器を一人一人立たせ拍手を求め、さらに弦楽器もセクションごとに立たせました。前半の「展覧会の絵」の時もそうだったのですが、こうした”セレモニー”をあまりしつこくやるとダレてきます 常任指揮者としては、楽員を引き立てたいという気持ちが強く働くのは分かるのですが、何ごとも「過ぎたるは及ばざるがごとし」だと思います

会場を後にして川崎駅に向かう途中の「ミューザデッキ」を歩いていると、天井からモーツアルトの交響曲第39番K.543の第3楽章「メヌエット」の快活なメロディーが流れてきました 以前聴いた時は現代楽器による現代の演奏スタイルだったのですが、この日聴いたのは古楽器による演奏スタイルでした 大好きなモーツアルトの中でも、最も好きな曲の一つです

 

          

コメント
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