人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京藝大ピアノ・シリーズ「ベートーヴェンのピアノ・ソナタ~傑作の森」を聴く

2014年10月14日 07時01分00秒 | 日記

14日(月・祝)。大型台風19号も去って東京は台風一家(台風一過とも言う)の青空が広がっています モコタロがわが家に来てから17日目を迎えました 

 

        

              話しかけても返事がない・・・・・いったい君は何ものだ?!

 

  閑話休題  

 

昨夕、自宅で私の誕生祝をささやかにやりました 娘がステーキを焼いてくれました

 

        

 

赤ワインを飲んで、ステーキを食べて満腹になったところで、一休みしてケーキにかかりました ケーキは巣鴨駅に入っている高野のフルーツケーキです。紅茶は賞味期限さえ気にしなければ味は最高でした

 

        

            

  閑話休題  

 

昨日、大型台風19号が接近する中、上野に出かけ、東京藝大奏楽堂で藝大ピアノ・シリーズ「ベートーヴェンのソナタ第3回『傑作の森』」を聴きました

 

          

 

全自由席のため開場時間より5分早く会場に着きましたが、すでに長蛇の列が出来ていました それでも1階13列24番、センターブロック右通路側席が押さえられました 会場は8~9割方埋まっている感じです。ステージ中央には黒光りしたスタインウェイが偉容を誇っています

この日のトップバッターは藝大教授・伊藤恵。ベートーヴェンの傑作「ピアノ・ソナタ第21番ハ長調『ヴァルトシュタイン』」を弾きます。黒の衣装に身を包まれた伊藤が登場、ピアノに向かいます

第1楽章冒頭の低音部の主和音が躍動します。これはベートーヴェンが1803年にエラール社から新しいピアノを贈られたことから、音域の広い表現が可能になった領域です 伊藤の演奏は力強く確信に満ちたもので、もしベートーヴェンが現代に生きていて、この会場でスタインウェイを弾く彼女の演奏を聴いたなら、「21世紀には女性がこんなに凄い演奏をするのか」と、ダイナミックな演奏にぶっ飛んだことでしょう。伊藤恵といえばシューマンとかショパンのイメージがありますが、ベートーヴェンもかなりイケます。迫力がありました

 

          

 

 

次いで2曲目「ヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調」がヴァイオリン=松原勝也(藝大教授)、ピアノ=有森博(藝大准教授)のコンビで演奏されます。第1楽章で松原のヴァイオリンの艶のある音色を聴いて、ベルギーの巨匠アルチュール・グルミュオーを思い起こしました 実に美しい音です。モーツアルトの時代のヴァイオリン・ソナタが「ヴァイオリン伴奏付ピアノ・ソナタ」だったのに対し、ベートーヴェンのそれはヴァイオリンとピアノが対等の立場で演奏されます 有森博は一見、麦わら帽子を被せたら似合いそうな田舎のおっさんのようですが(有森さん、ゴメンナサイ)、ピアノから出てくる音は侮れません。実にメリハリのある素晴らしい演奏を展開します

3曲目は「ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調『告別』」を藝大非常勤講師の佐々木崇が演奏します この曲はベートーヴェンのパトロンであり弟子でもあったルドルフ大公との別れと再会を音楽にしたものです 第1楽章「告別」、第2楽章「不在」、第3楽章「再会」という副題はベートーヴェン自身が楽譜に書き込んだものです。佐々木は淡々とベートーヴェンの寂しさ、そして喜びを素直に表現します

 

          

 

休憩後の最初は「ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長調」です。ヴァイオリンは紀尾井シンフォニエッタの主要メンバーで藝大准教授の玉井菜採、ピアノは藝大准教授の坂井千春です この曲は全体的に明るい色調の曲です。玉井の使用するストラディヴァリウスが会場に響き渡りますが、ピアノの主張がやや強いので、ヴァイオリンがもっと前に出た方が良かったかも知れません

さて、この公演のトリは藝大准教授の江口玲です 「ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調『熱情』」を演奏します。この人の演奏は安心感があります。いつ聴いても対峙する曲に自信を持ち、確信のもとに演奏します。堂々としていて揺るぎがありません

圧倒的な拍手 とブラボーの後、この日の出演者全員が再度登場し別れを告げます。私はこの日と翌週日曜の連続券を買っているので1回あたり2,500円と格安です。来週がまた楽しみです

コメント
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