人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ウルバンスキ+庄司紗矢香+東響でドヴォルザーク「ヴァイオリン協奏曲」を聴く

2014年10月19日 08時36分17秒 | 日記

19日(日)。わが家に来てから22日目を迎えたモコタロです 

 

          

           ぼくのうしろにあるのは、ご主人さまのLPの一部だよ

 

  閑話休題  

 

昨夕、サントリーホールで東京交響楽団の第624回定期演奏会を聴きました プログラムは①キラル「交響詩”クシェサ二”」②ドヴォルザーク「ヴァイオリン協奏曲イ短調」③ルトスワフスキ「管弦楽のための協奏曲」で、指揮はクシシュトフ・ウルバンスキ、②のヴァイオリン独奏は庄司紗矢香です

 

          

 

ウルバンスキを見るのは久しぶりです。前回振る予定だったコンサートが、彼のケガのため来日出来なくなったからです オケは通常の東響の態勢です。左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという配置です。コンマス・水谷晃の合図でチューニングが行われ、指揮者を待ちます

1曲目の「交響詩”クシェサニ”」を作曲したキラルは1932年にポーランドで生まれ昨年死去しました。ウルバンスキが彼の曲を選んだのは追悼の意味があるのかも知れません この曲の題名はポーランド語で「打つ」という動詞から取られた造語で、「閃光」と訳されることもあるということです

長身の青年指揮者ウルバンスキのタクトが振られ、弦楽器による息の長いファンファーレが開始されます 弦楽器による分厚いオルガン的な響きが会場を満たします。途中から管楽器が加わり、突然、打楽器を巻き込んだ強力な不協和音が支配します。その時、隣席のおじさんがガクッとズッコケました まだ曲が始まったばかりなのに、あなた寝てましたね

終盤にはまるで民謡のような明るい曲が現われ、続いて弦楽器は弦楽器、管楽器は管楽器で、セクションごとにやりたい放題やっているかのような不協和音が鳴り響き、最後は調和のとれた曲想で曲を閉じます 10分にも満たない小曲ですが、私は面白く聴きました 少なくともシェーンベルクなどと違って聴きやすい曲だと思いました。なお、ウルバンスキは暗譜で指揮をしました

鮮やかな赤のドレスを身にまとった庄司紗矢香がウルバンスキとともに登場します ドヴォルザークの「ヴァイオリン協奏曲イ短調」は、明らかにブラームスのヴァイオリン協奏曲の影響を受けています。ブラームスのヴァイオリン協奏曲は1879年に初演されていますが、ドヴォルザークはその年にヴァイオリン協奏曲を作曲しているのです その後、ヴァイオリンの名手ヨアヒムのアドヴァイスを受け改訂を重ね1883年に楽譜を出版しています

第1楽章冒頭の庄司の弾くヴァイオリンの音色を聴いて、艶のある美しい音だな、と思いました あらためてプログラムを見ると、使用楽器は「上野製薬株式会社から貸与されている1729年製ストラディヴァリウス”レカミエ”」であることが分かりました もちろん演奏が素晴らしいからこそ、その音色が生かされる訳ですが 第1楽章から第2楽章へは続けて入りますが、アダージョの何と美しいことか・・・・ そして第3楽章のフィナーレになだれこみます。ドヴォルザーク特有の舞曲を主題とする旋律が美しく奏でられます

鳴り止まない拍手に、庄司はパガニーニの「うつろな心による変奏曲」から1曲を超絶技巧を駆使して演奏し会場を唖然とさせました すぐそばで聴いていた弦楽セクションの演奏者たちも、曲が終わるや否や、ため息をつきながら拍手を送っていました。プロも認める実力者ですね

休憩後はポーランドの作曲家ルトスワフスキの「管弦楽のための協奏曲」です。ルトスワフスキは1913年生まれで、この曲を書いたのは1950年から54年の間です。ウルバンスキはこの曲も暗譜で指揮をします。自国の作曲家の曲にはこだわりを持っているのでしょう

曲は3つの楽章から成りますが、全体的にはバルトークから影響を受けていることを感じます 彼の曲も比較的分かり易い曲ですが、1度聴いただけではよく理解できません

ウルバンスキは何度もステージに呼び戻されます。若く背も高くスマートなので人気があります。彼の活躍を通して少しでもクラシック人口が増えるといいと思います

 

          

コメント
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