人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

下野竜也+上野学園大学、山下一史+東京藝術大学の演奏会を聴く

2015年11月16日 07時18分14秒 | 日記

16日(月)。わが家に来てから415日目を迎え、耳の痒いのが我慢できないモコタロです

 

          

          本当は前足の方が耳に近いから前足を使いたいんだよね

 

  閑話休題  

 

昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで第6回音楽大学オーケストラ・フェスティバル公演を聴きました この日の公演は上野学園大学と東京藝術大学です。自席は1階L列25番、右ブロック左通路側です。出演学生の家族、親類・縁者、友人・知人などを中心に会場は9割方埋まっている感じでしょうか

前半は下野竜也指揮上学園大学管弦楽団により①ストラヴィンスキー「管楽器のための交響曲」、②ぺルト「カントゥス~ベンジャミン・ブリテンの思い出に」、③ブリテン「シンフォニア・ダ・レクイエム」が演奏されました

下野は上野学園大学の教授であることから、このオケを振ることになったわけです。開演に当たり、お互いのエールの交換ということでファンファーレの演奏がありました。東京藝大の藤川君の作曲による「界、響 ファンファーレ」が2階正面のパイプオルガン(モダン面)の前で12人の学生によって演奏されました 神社の鳥居をイメージしたとのことで、厳かな曲想のファンファーレでした

管楽器だけのメンバーがステージに登場、スタンバイします。下野の指揮で1曲目のストラヴィンスキー「管楽器のためのシンフォニーズ」が演奏されます 23人のうち男子学生は3人のみです。相変わらず女性比率の高い大学オケです。この曲は「ドビュッシーを追悼して」という副題が付いていますが、この「シンフォニーズ」というのは「交響曲」ではなく「共に響く」という意味だということです 途中「春の祭典」の音楽のようなメロディーも顔を出し、管楽器同士の会話が交わされます

次のぺルト「カントゥス~ベンジャミン・ブリテンの思い出に」は、エストニアの作曲家アルヴォ・ぺルトが1977年に作曲した音楽です ぺルトは一時、一大ブームがありました。現代音楽の中でも聴きやすい曲想で、いわゆる”ヒーリング・ミュージック”に近い曲として捉えられていたように思います。私もCDを何枚か買いました 共通して言えるのは”静謐な”音楽です この曲も例外ではなく、冒頭、追悼の鐘に導かれて弦楽合奏が静謐なメロディーを奏でていきます

急にティンパ二が強打され、あれ?これぺルトの曲?と思って、プログラムを見ると、ごく小さな文字で「ぺルトとブリテンの両作品は続けて演奏いたします」と書かれていました つまり、その時すでにブリテンの「シンフォニア・ダ・レクイエム」の演奏に移っていたのです 何しろこの曲を聴くのは初めてだったので分かりませんでした。第1楽章「涙の日」、第2楽章「怒りの日」、第3楽章「永遠の安息を」から成りますが、第2楽章などは、まるでショスタコーヴィチのスケルツォを聴いているような錯覚に陥ります

この日のプログラムは、いかにも現代音楽を得意とする下野竜也が選曲したと思われる精力的なプログラムでしたが、上野学園大学の学生諸君は、よく下野の指揮についていきました。迫力十分の見事な演奏でした

 

          

 

後半は、最初に上野学園大学の三浦君の作曲によるファンファーレ「群青」が11人のブラス奏者によって演奏されました。華やかなファンファーレでした 次いで、山下一史指揮東京藝大シンフォニー・オーケストラによりリヒャルト・シュトラウス「交響詩”ツァラトゥストラはかく語りき”」が演奏されました

ステージの所定の位置に着く学生たちを見て感じたのは、昨年よりも男子学生の比率が高まったのではないか、ということです 昨年までは、大学を問わず圧倒的に女子学生が多かったのですが、今回の藝大は一目見て違いが分かるほど男子学生が目立ちました 音楽大学の現在は変わりつつあるのでしょうか

オケの態勢は、上野学園大学が、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、後ろにコントラバスという編成だったのに対し、東京藝大は第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、後ろにコントラバスという編成をとります。指揮者のスタンスの違いです。この曲ではパイプオルガン奏者もスタンバイします

指揮者の山下一史が登場し、リヒャルト・シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」の有名な冒頭の演奏に入ります 思い入れたっぷりと演奏させるのかと思っていたら、意外にさっぱりと演奏しました この曲は、ヴァイオリン主席とヴィオラ主席の独奏部分が何カ所かありますが、なかなか聴かせてくれました 管楽器は良く鳴り、弦楽器は美しく響きました

調べたところ、山下+藝大オケは前日の14日(土)に東京藝大奏楽堂で同じ曲を演奏しています つまり、昨日の演奏は2日連続公演の第2日目という位置づけにあったわけです。会場こそ違いますが、結果的に、前日の演奏が最終チェックのゲネプロ代わりになったと言っても過言ではないでしょう

 

          

 

学生オケを聴いていつも思うのは、今は良いけれど、卒業したらどうするのだろうか、ということです 音楽や美術で身を立てるのがいかに難しいことか、学生たちはもとより、ご両親が一番よく分かっていらっしゃるのではないか、と思います お金がかかりますね。大変ですね。同情します

コメント (2)
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