13日(金)。わが家に来てから412日目を迎え、体重計に前足をのせてリラックスするモコタロです
どうだい 充実した人生を送ってるかい?
閑話休題
昨夕は、娘が帰りが遅くなるというし、私はコンサートがあるので、毎日真夜中に帰ってくる息子のために夕食を作ってから出かけました メニューは、焼き肉、きゅうりのポン酢炒め、小松菜のお浸し、野菜とワカメのサラダ、トン汁です。この時はまだご飯は炊きあがっていません
ところで料理本の「きゅうりのポン酢炒め」のレシピに「ポン酢しょうゆ大さじ1.5」と書いてあったのですが、果たして”ポン酢しょうゆ”という商品が存在するのかどうか寡聞にして知らないので、ポン酢としょうゆをそれぞれ1.5ずつ入れて炒めました。どうやらこれは失敗だったようです よく考えれば、ポン酢としょうゆを合わせて大さじ1.5ですから、それぞれ0.75ずつで良いはず。アフター・フェスティバル(後の祭り)です
ちょっと味見したらしょっぱかったです
「空腹は最高のごちそう」とか言われています。いつも通り息子が空腹のまま家に帰ることを祈りつつコンサートに出かけました
も一度、閑話休題
昨夕、すみだトリフォニーホール(小)で新日本フィルの「室内楽シリーズⅦ~楽団員プロデューサー編~ロシア音楽の夕べ」を聴きました 今回のプロデューサーは第2ヴァイオリンの篠原秀和氏で、プログラムは①ストラヴィンスキー「弦楽四重奏のための3つの小品」、②ショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲第7番ヘ短調」、③同「ピアノ五重奏曲ト短調」です
演奏は、ヴァイオリン=篠原秀和、松宮麻希子、ヴィオラ=木村恵子、チェロ=多田麗王、ピアノ=出久根美由樹です
いつものように、本公演に先立って「プレ・トーク」がありました この日の主役である篠原秀和氏自らが登場し、ロシア室内楽との出会い、ショスタコーヴィチとロストロポーヴィチとの関係、ロストロ氏が新日本フィルと共演したときのエピソードなどを、いつものように原稿なしで立て板に水のように流ちょうに話をされました
しかも話し終わったのはちょうど15分後です
こうなると”トークのプロ”、”話術の天才”と言わざるを得ません
氏の話によると、ショスタコーヴィチは弦楽四重奏曲を15曲作っていますが、ロストロポーヴィチに「(バッハの平均律クラヴィーア曲集のように)弦楽四重奏曲を24曲作るつもりだ」と語ったとのことです
気になったのは空席が目立ったことです。が、これはすぐに原因が思い当たりました。この日の同じ時間帯に大ホールで新日本フィルの「新クラシックへの扉」公演が開かれているので、そちらへ客が流れているのです しかも、この日はウィーン・フィルのコンマス、シュトイデが指揮ぶりしてモーツアルトのヴァイオリン協奏曲を演奏するのでなおさらです
4人の奏者が登場、さっそく1曲目のストラヴィンスキー「弦楽四重奏のための3つの小品」の演奏に入ります この曲は、1976年に新生ボロディン弦楽四重奏団の来日公演で篠原氏が初めて聴いた曲だそうです。第2楽章は「エキセントリック」というタイトルがついていますが、どちらかというと、3つともエキセントリックな音楽に聴こえました
2曲目はショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲第7番」です。この曲は1960年に完成された15分程度の短い曲です 3つの楽章から成りますが続けて演奏されます。ショスタコーヴィチの曲はなぜか不安を感じさせます
休憩後はショスタコーヴィチ「ピアノ五重奏曲ト短調」です。ピアノの出久根美由樹を含め5人が登場します 第1楽章「プレリュード」の冒頭、出久根美由樹のピアノがガツンと強打されます。この曲の冒頭はこうでなければなりません
「プレリュード」に相応しい演奏です。それに続いて抒情的な旋律が奏でられますが、これもいいです
篠原氏の第1ヴァイオリンをリード役に、第2ヴァイオリンの松宮さん、ヴィオラの木村さん、チェロの多田氏が呼応します。第2楽章「フーガ」を経て、第3楽章「スケルツォ」に入ります。暗いショスタコーヴィチの曲の中で、ひと際明るく元気な曲で、大好きです
ここで一旦チューニングが入り、第4楽章「インテルメッツォ」に移ります。冒頭、多田氏のチェロのピチカートにのって篠原氏のヴァイオリンが演奏されますが、これは美しいですね そして最後の第5楽章「フィナーレ」に入ります。最後が最高潮で終わるのでなく、そっと終わるところがこの曲の良いところです
会場いっぱいの拍手に、篠原氏が「本日演奏したショスタコーヴィチと同じロシアの作曲家ボロディンもピアノ五重奏曲を作曲しています 今日はボロディンの誕生日に当たります。その曲から『スケルツォ』をアンコールに演奏します」と言って演奏に入りました
ボロディンと言えば「ノクターン」が有名ですが、「スケルツォ」を聴いているとボロディンらしさが感じられました。素晴らしい演奏でした
終演後、ロビーで「ワンコイン・パーティー」が開かれたので参加しました。ここでも篠原氏が「ワイン・マスター」としてトークを担当します 「プレ・トーク」から、本番の第1ヴァイオリン、そして「ワイン・マスター」と一人三役で大忙しです
ステージ衣装からカジュアルに着替える暇もなく、ロストロポーヴィチの思い出をこれまた立て板に水のごとく話をされ、多くの参加者を魅了します そして、第2ヴァイオリンを担当した松宮さんとチェロを担当した多田さんにインタビューして、会場に来ているファンと話を始めました
私も一言ご挨拶を、と思ってチャンスを狙っていたのですが、ご本人は「ブタオ」と自称されていますが、それはご謙遜で、なかなかの「モテオ」で人気があります
特に女性が話しかけると離してくれません。ワインを飲みながらしばし様子をみましたが、女性グループにつかまってなかなか開放されそうもないので、途中であきらめて帰ってきました
ということで、篠原氏へのご挨拶とお話は次回に取っておくことにします