人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

モーツアルト&ベートーヴェン「ピアノと管弦楽のための五重奏曲」を聴く~読響アンサンブル・シリーズ

2015年11月06日 07時03分56秒 | 日記

6日(金)。わが家に来てから405日目を迎え,オヤツのある場所を見上げるモコタロです

 

          

 

  閑話休題  

 

昨夕、よみうり大手町ホールで読響アンサンブル・シリーズ「菊池洋子✖読響の室内楽」を聴きました プログラムは①モーツアルト「歌劇”魔笛”序曲」、②同「ピアノと管楽のための五重奏曲K.452」、③ベートーヴェン「ピアノと管楽のための五重奏曲」です 出演は、ピアノ=菊池洋子、フルート=一戸敦、オーボエ=蠣崎耕三、クラリネット=金子平、ファゴット=井上俊次、ホルン=松坂隼です

 

          

 

7時半開演に先立って,7時からプレ・トークがありました 菊池洋子が鮮やかなブルーの衣装で登場します 彼女が2002年第8回モーツアルト国際コンクールで日本人として初めて優勝したことから,モーツアルトの音楽の魅力やベートーヴェンとの比較などについて語りました プライベート面では,今年12月31日に現在住んでいるベルリンからウィーンに引っ越しをするそうで,随分大胆な人なんだな,と思いビックリしました

さて本番の1曲目はモーツアルトのオペラ「魔笛」序曲です.通常はオーケストラで演奏されますが,今回は木管五重奏版で演奏されます

左から一戸,蠣崎,松坂,井上,金子という態勢です.さすがは読響の首席クラスのメンバーによる演奏です 「魔笛和音」が会場を満たします モーツアルトはテンポが一番肝心ですが,適切なテンポ設定で音楽が進みます.どれかが飛び抜けることなく調和が保たれています.いつも同じオケで演奏している仲間ならではでしょう

2曲目はモーツアルトの「ピアノと管楽のための五重奏曲変ホ長調K.452」です 菊池洋子が”お色直し”をして,今度は黒を基調とするシックなステージ衣装で登場します 左から蠣崎,松坂,井上,金子,中央後方に菊池という態勢です.この曲はモーツアルトの室内楽の中での最高峰とも言われる名曲です 第1楽章は長い序奏から入りますが,ピアノを中心にしっかりしたアンサンブルを奏でます.さて,この曲の一番の聴きどころは第2楽章「ラルゲット」です.ピアノとそれぞれの管楽器との会話,管楽器同士の対話が交わされ,絶妙なアンサンブルを奏でます プレ・トークで菊池洋子が言っていたように「まるでオペラのような」感じを受けます 第3楽章は楽しい「ロンド」です.「親しい仲間同士で演奏している」のような楽しい雰囲気が感じられます この曲は当時の聴衆に大いに受けたと言われていますが,分かるような気がします

 

          

 

休憩後は,ベートーヴェンの「ピアノと管楽器のための五重奏曲」です.ベートーヴェンは1796年にモーツアルトの五重奏曲K.452」を聴いて影響を受けたようで,すぐ後にまったく同じ編成による同じ演奏時間の五重奏曲を作曲したのでした

第1楽章は冒頭からモーツアルトとまったく異なる音楽が展開します 一筋縄ではいかないというか,モーツアルトにはない”人生の葛藤”のような側面が見え隠れします.それは第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」でも第3楽章「ロンド」でも共通しており,いかにも苦労して”作っている”という感じを受けます.

同じ編成による「ピアノと管楽による五重奏曲」でも,聴いた印象はまったく異なります モーツアルトのそれは,神が作った音楽をモーツアルトが楽譜に書きとめただけ,と言いたくなるほど,苦労の痕跡が窺えず,ごく自然に調和の取れた音楽が流れて来るような気がします 一方,ベートーヴェンのそれは,あくまでも”人生いろいろ”を経験した『人間』が苦労しながら作った音楽のような気がします

この日の演奏は二人の音楽家のそのあたりの違いがよく表現されていたと思います

「出場メンバーみんなが好きな曲」ということで一致した,モーツアルト「五重奏曲K.452」の第2楽章「ラルゲット」がアンコールで演奏されました この名曲の一番の聴きどころがいま一度聴けてラッキーでした

 

          

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする