人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジョナサン・ノット+東京交響楽団でショスタコーヴィチ「交響曲第15番イ長調」他を聴く

2015年11月23日 08時16分41秒 | 日記

23日(月・祝)。わが家に来てから422日目を迎え、体重計に乗ろうかどうか逡巡するモコタロです

 

          

 

  閑話休題  

 

昨日、サントリーホールで東京交響楽団の第635回定期演奏会を聴きました プログラムは①リゲティ「ポエム・サンフォニック~100台のメトロノームのための」、②バッハ/ストコフスキー「甘き死よ来たれBWV478」、③リヒャルト・シュトラウス「ブルレスケ」、④ショスタコーヴィチ「交響曲第15番イ長調」です。③のピアノ独奏はエマニュエル・アックス、指揮はジョナサン・ノットです

 

          

 

開演30分前の1時半に会場に入ると、ステージ中央にグランド・ピアノが配置され、舞台の前方左右には白いメトロノームが100台並べられており、それぞれ違う速度でカチカチとなっています すでに1曲目のリゲティ「ポエム・サンフォニック~100台のメトロノームのための」が始まっている寸法です。聴衆は舞台近くまで行ってメトロノームの動きを眺めたり、座席でプログラムを見ながらそれとなく耳を傾けたりしています プログラムに挟まれたお知らせには次のようなことが書かれていました

 

          

 

不思議なもので、100台がいっぺんに鳴っていたときは「それぞれが勝手に鳴っているな」と思っていたのですが、動いているメトロノームの数が少なくなるにつれて、規則的に動いているように聞こえてきました これがリゲティの狙いでしょう 照明が落とされた中、東響のメンバーが入場し配置につきます。コントラバスを左にして、対向配置をとります。第1ヴァイオリンの手前で最後まで鳴っていたメトロノームが鳴り終わると、いつの間にか指揮台にスタンバイしていた(ピアノの影で見えなかった)ジョナサン・ノットがタクトをとり、バッハの「甘き死よ来たれBWV478」が演奏されます この曲の原曲は1736年に出版された「シュメッリ宗教歌曲集」に収められている歌曲で、昨日の当ブログにも登場したストコフスキーがオーケストラ用に編曲したものです 曲名の通り静かで厳粛な曲です。曲の途中、ピアニストのエマニュエル・アックスが舞台左袖から登場、静かにピアノ椅子に座ります

バッハが終わると、舞台の照明が明るくなり、ノットの指揮でリヒャルト・シュトラウス「ブルレスケ」が開始されます 「ブルレスケ」というのは「軽妙で風刺的な」という意味です。アックスは世界に通用するピアニストの一人ですが、まさにその意味を体現するような軽妙洒脱な演奏を展開しました 会場いっぱいの拍手に気を良くしたアックスは、ショパンの「ワルツ第3番」をしみじみと演奏、クールダウンを図りました 

 

          

 

さて、問題は次のショスタコーヴィチの「交響曲第15番イ長調」です。この曲は馴染みがないのでCD(下の写真)で予習しておいたのですが、最初に聴いたとき「これは難物だな」と感じました。第1楽章は明るく親しみやすいメロディーが続くのですが、第2楽章以降は沈鬱になってくる楽想なのです この1週間、朝といい夜といい、新聞や本を読みながらこの交響曲を何度も何度も聴き、曲の全体像を耳に馴染ませてきました。その甲斐があってか、苦手意識が消えて素直に聴くことができたように思います

 

          

 

第1楽章は、ショスタコーヴィチが子供時分に好きだったというロッシーニの「ウィリアム・テル」序曲のメロディーが何度かパロディーで登場します 冒頭、甲藤さちのフルート独奏が光ります さて第2楽章「アダージョ」です。金管楽器のコラールから入りますが、重く暗い音楽が続きます。首席奏者・伊藤文嗣のチェロ独奏とコンマス、グレブ・二キティンのヴァイオリン独奏が光ります この曲を聴きながら思い起こしたのは、この曲はショスタコーヴィチの最後の交響曲であるという事実と、「ショスタコーヴィチの証言」にある「私の交響曲は墓碑である」という言葉です この曲は息子のマクシム・ショスタコーヴィチがモスクワ放送交響楽団を指揮して1972年1月8日にモスクワ音楽院大ホールで初演しましたが、当時マクシムは「この作品は人間の生涯を描いたものだ」と述べています

切れ目なく演奏される第3楽章「アレグレット」を経て、第4楽章「アダージョ」に移ります。ここではワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」の運命の動機、ジークフリートの葬送行進曲、「トリスタンとイゾルデ」冒頭部分などの音楽が引用されて演奏されます 面白いと言えば面白い音楽ですが、もっと興味深いのは、フィナーレがそっけないほど静かに終わることです 個人的には、皮肉屋ショスタコーヴィチに相応しいフィナーレだと思います

ジョナサン・ノットは人気があります 終演後は拍手とブラボーの嵐でした。もちろん私も惜しみない拍手を送りました

 

          

 

  閑話休題  

 

モカが無くなったので、池袋西武の地下のUCCショップで新しいコーヒーを買ってきました いろいろ試してみようと思ってBrazil No.2 #19という豆を挽いてもらいました  ということで、料理の方は土曜、日曜、休日はお休みです

 

                           

 

コメント
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