4日(日)。わが家に来てから今日で1222日目を迎え、シャノン政治担当国務次官が辞任したことから アメリカの国務次官は6ポスト中5つが空席となり トランプ政権の外交の機能不全への懸念がさらに強まった というニュースを見て記者会見で意見を求められるモコタロです
記者会見と言うけど これらマイクやテレコじゃなくて テレビのリモコンじゃね?
昨日、文京シビックホールで「響きの森 クラシック・シリーズ」公演を聴きました プログラムはスメタナ:連作交響詩「わが祖国」全曲です 管弦楽は東京フィル、指揮は小林研一郎です
このシリーズは人気があって いつも満席です 東京フィルはいつもの編成で 左サイドにヴァイオリン・セクションを集めています。コンマスは依田真宣氏です
スメタナ(1824-1884)は、チェコのボヘミア地方のリトミシュルに生まれた作曲家で、「チェコ国民主義音楽の祖」と呼ばれています スメタナの命日(5月12日)に開幕する「プラハの春」音楽祭の初日には必ず連作交響詩「わが祖国」が演奏されるほど、この曲はチェコの国民にとって特別な音楽です
この曲は6つの楽曲から成りますが、各曲にスメタナ自身による標題(~以下:要約)が記されています
第1曲「ヴィシェフラド」(高い城)~伝説の吟遊詩人のハープが聞こえ、ヴィシェフラドの栄光と闘い、没落の歴史が語られる。そして、追想のハープで結ばれる
第2曲「ヴルタヴァ」(モルダウ)~2本の水源が合流して流れ出し、川幅を増しながら、森の狩り、婚礼の踊り、月の光と妖精の舞い、聖ヨハネの急流、プラハ市内、ヴィシェフラドを経て、遠くへ去っていく
第3曲「シャールカ」(古代チェコの伝説の勇女の名前)~恋人に裏切られ、男への復讐を誓うシャールカ。ツィラート率いる兵士たちを酔わせて眠らせる。やがて角笛を合図に隠れていたアマゾネスが襲いかかり、彼らを皆殺しにする
第4曲「ボヘミアの森と草原から」~ボヘミアの風景を眺めたときの感情が描かれている。森や草原から喜びや悲しみの歌が聞こえてくる。ホルンが描く森、エルベ河畔の谷あいなど、ボヘミアの森と草原は、心に感慨を抱かせる。聴き手は自由に風景を描くことができる
第5曲「ターボル」(ボヘミア南部の町の名前)~フス団の讃美歌『汝らは神の戦士たれ』が全体のモットー。これは強い意志、勝利への願い、不屈の粘りへの賛仰を表す
第6曲「ブラニーク」(深い森に覆われたボヘミア中南部の山の名前)~『ターボル』の続き。祖国を救うときを待っていた有志たちが目覚めて出陣し、新たな栄光がボヘミアを包む
この日のコンサートは第3曲「シャールカ」までを前半に、休憩を挟んで、第4曲「ボヘミアの森と草原から」以降を後半に演奏しました
コバケンのタクトで第1曲「ヴィシェフラド」の演奏が開始されます 冒頭の2台のハープによって6曲全体の基本動機が示されますが、はっきりとメロディーが浮かび上がる明確で美しい演奏でした 最近のコバケンの指揮を聴いて思うのは、音楽の流れが自然になったということです 一時は いかにも「音楽を作っている」という印象が強かったのですが、最近はそれが消えて「わざとらしさ」がなくなったように感じます。とくにこの曲はコバケンの十八番なので、よけいそう思わせるのかも知れません
第2曲「モルダウ」では冒頭の2本のフルートが美しく、ホルンが素晴らしい演奏を展開しました
第3曲「シャールカ」ではクラリネットとチェロがシャールカとツィラートの対話を表現するのですが、このクラリネットが素晴らしい演奏でした 後半ではトロンボーンが厚みのある音楽を奏でていました
第4曲「ボヘミアの森と草原から」では中盤の弦楽器による弱音のフーガが繊細で美しく響いたのが印象に残りました
第5曲「ターボル」では管弦楽による力強い演奏が説得力を持ち、第6曲「ブラニーク」では再びホルン、クラリネット、そしてフルートが素晴らしく、輝かしいフィナーレを迎えました
この日、コバケンは譜面台にスコアを置いて指揮をしましたが、ほとんど それを開くことなく指揮をしました ここで私が言いたいのは、「暗譜で指揮をする指揮者が優れた指揮者である」ということではなく、なぜコバケンはほぼ暗譜で指揮が出来るのに スコアを譜面台に置いて指揮をしたのか、ということです 本当の理由はコバケンに聞かなけれ分かりませんが、私は「作曲家への敬意」の表れであると考えます
コバケンは、会場からの大きなブラ~ボーの声を受けて、拍手を制し次のように語りました
「大きな声援は私たちにとって大きな励みになります。ありがとうございます ところで、ここでお客様にお詫びしなければなりません この曲の全曲演奏はとてもくたびれるのです。管楽器などは特にそうです。チェコ・フィルなどは演奏者が途中で交代することもあり、コンマスさえ交代することもあります それを6曲通して演奏するのですから大変なのです。そういう訳で、本日アンコールはございません。次回の公演で演奏するということでお許しください」
そして 大きな拍手の中、楽員全員が一礼しコンサートを締めくくりました コバケンの十八番「わが祖国」は予想通りとても良かったです