18日(日)。わが家に来てから今日で1236日目を迎え、平昌冬季五輪のフィギュアスケート男子のフリーが17日に行われ 羽生結弦(はにゅう ゆずる)が金メダルを獲得、一方 中学生棋士の藤井聡太五段が17日に行われた第11回朝日杯将棋オープン戦の本戦準決勝で、羽生善治(はぶ よしはる)竜王を公式戦初対戦で破る快挙を果たした というニュースを見て感想を述べるモコタロです
同じ羽生でも羽生結弦は金を取って王となり、羽生善治は金を取られて竜王の名に傷を負ったか
16日の金曜日、錦糸町のトリフォニーホールから渋谷のNHKホールに移動する間、時間があったので 久しぶりに渋谷のタワーレコードに行きました CDショップに行ってCDを買わないわけがないことを知りながら行ってしまうのは私の悪いクセです いったいどこに置くのか
というわけで、CDを4枚買いました 1枚目はバッハ・コレギウム・ジャパンによるJ.S.バッハの世俗カンタータ「急げ、渦巻く風ども BWV201」と「響け、晴れやかなラッパよ BWV207a」のカップリングによるCD(BIS)です BWV201は私のバッハ・コレギウム・ジャパン入門曲ですが、バッハが作曲したオペラのような楽しい曲で 長い間 発売を待ち望んでいたCDです
2枚目はクロエ・ハンスリップのヴァイオリンによるゴダール「ヴァイオリン協奏曲第2番」他のCD(NAXOS)です ゴダールって誰よ?と思いましたが、「ジョスランの子守歌」の作曲者だそうです このCDはヴァイオリン協奏曲第2番の冒頭部分を試聴して買いました。衝撃的な曲です。全曲聴くのが楽しみです
次の2枚はいずれもヴァイオリニスト、パトリシア・コパチンスカヤによるヴァイオリン協奏曲のCDです いつだったかFM放送で彼女の弾くベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の演奏を耳にして、今までのヴァイオリニストにない超個性的な持ち味を持っていると感じ、それ以来 手に入れたいと思っていたCDです
最初の1枚はフィリップ・ヘルヴェッへ指揮シャンゼリゼ管弦楽団をバックに演奏したベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」「ロマンス第1番」「同第2番」「ヴァイオリン協奏曲断章」のCD(2008年)です
もう1枚はテオドール・クルレンツィス指揮ムジカエテルナのバックで演奏したチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」とストラヴィンスキー「バレエ・カンタータ『結婚』」をカップリングしたCD(2016年)です
コパチンスカヤは1年後の2019年2月10日、11日に東京でクルレンツィス指揮ムジカエテルナのバックでチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」を演奏します 10日がオーチャードホール、11日がトリフォニーホールなので迷うことなくトリフォニーホールに行くつもりです
どのCDから聴こうかと迷うのは楽しいものです 時間があって気が向いたら試聴記をブログに書くつもりです
16日(金)午後7時からNHKホールでN響第1880回定期演奏会(Cプロ)を聴きました プログラムは①デュリュフレ「3つの舞曲」、②サン・サーンス「ヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調」、③フォーレ「レクイエム」です 出演は②のヴァイオリン独奏=樫本大進、③のソプラノ独唱=市原愛、バリトン独唱=甲斐栄次郎(急きょ降板となったアンドレ・シュエンの代演)、合唱=東京混声合唱団、指揮はパーヴォ・ヤルヴィです
開演にあたり主催者側から、フォーレ「レクイエム」で歌う予定だったバリトンのアンドレ・シュエンが体調不良のため降板し、代わりに甲斐栄次郎氏が歌うことになった旨の説明がありました 後ろの席からは「インフルエンザじゃないの」という声が聞こえてきましたが、アンドレ・シュエンは前日 酔いどれ酒宴だったのではないか
オケのメンバーが配置に着きます。ヴァイオリンが左右に分かれる対向配置を取ります コンマスはマロこと篠崎史紀氏。ヴィオラには首席客員の川本嘉子さんがスタンバイしています
フランス音楽によるプログラムの1曲目はデュリュフレ(1902-1986)の「3つの舞曲」です この曲は1927年に舞台の付随音楽のために書いた「タンブーラン」に、後に作曲した2曲を加えた楽曲で、第1曲「ディヴェルティスマン」、第2曲「ゆったりとした踊り」、第3曲「タンブーラン」から成ります
「もうすぐ大統領選挙ですか?」と声をかけたくなるような、ロシアのプーチン大統領に風貌が似たパーヴォ・ヤルヴィが登場し、第1曲の演奏に入ります 現代音楽ということで極度に警戒していたのですが、非常に分かり易い曲想で、聴いていて海面下の水の動きを想像しました 第2曲ではクラリネットとフルートによる幻想的なメロディーが印象的でした 一番面白かったのは第3曲で、全体を通じてタンブーラン(太鼓)がリズムを刻み、ファゴットが大活躍します。楽しい1曲でした ヤルヴィは管楽器を立たせますが、イングリッシュホルンの女性は(ほぼ間違いなく)読響の北村貴子さんでした 彼女は首席ではありませんが、N響に呼ばれました。やはり実力があるのでしょうね
2曲目はサン・サーンス(1835-1921)の「ヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調」です この曲は「ツィゴイネルワイゼン」の作曲者でヴァイオリニストのパブロ・サラサーテのために作曲され、彼に献呈されました 私はヴァイオリン協奏曲の中ではチャイコフスキー、ベートーヴェン、ブラームス、シベリウスと並んで好きな曲です とくに第2楽章が大好きです。第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンティーノ・クワジ・アレグレット」、第3楽章「モルト・モデラート・エ・マエストーソ」の3楽章から成ります
2010年からベルリン・フィルの第1コンサートマスターを務めている樫本大進がヤルヴィとともに登場し、さっそく第1楽章に入ります 樫本氏の演奏は非常に集中力の高い力強い演奏です。入魂の演奏と言ってよいでしょう 第2楽章は抒情的な旋律が美しく響きますが、樫本氏の演奏は弱音でも芯があるので魂がこもっています 第3楽章は技巧を凝らした曲想ですが、揺るぎない自信と高度な演奏技術で自由自在に鮮やかに弾き切りました 天下のベルリン・フィルを引っ張っていくコンマスの実力を見せつけた見事な演奏でした アンコールの演奏はありませんでした。見識です
休憩後はフォーレ「レクイエム」です フォーレ(1845-1924)は1877年にパリのマドレーヌ教会の礼拝堂楽長となり、後に首席オルガニストになりましたが、この「レクイエム」は1888年1月16日、同教会で執り行われたある建築家の葬儀のために作曲され 5曲だけで演奏されました フォーレはその後 改訂を加え、1893年1月21日に全曲を同教会で初演しました。さらにフル・オーケストラ用に拡大した作品として編曲、1900年7月12日にパリ万国博覧会の公式コンサートで初演されました
この曲は、第1曲「入祭唱とキリエ」、第2曲「奉献唱」、第3曲「聖なるかな」、第4曲「慈悲深きイエスよ」、第5曲「神の小羊」、第6曲「われを解き放ちたまえ」、第7曲「天国に」の7曲から成ります
ステージ後方に東京混声合唱団のメンバー80名がスタンバイし、ソプラノの市原愛さん、バリトンの甲斐栄次郎氏がヤルヴィとともに入場し配置に着きます 「レクエム」なので市原愛さんは黒の衣装です
ヤルヴィの指揮で第1曲「入祭唱とキリエ」の演奏に入ります 自席は1階ほぼ中央ですが、パイプオルガンの音が右前方の上空から降りてきます。サントリーホールをはじめ パイプオルガンのあるほとんどのコンサート会場では正面にパイプオルガンが設置されていて、音が正面から降りてくるのですが、NHKホールはステージ右上方に設置されているからです したがってオケと合唱の音は正面から、パイプオルガンの音は右上方から聴こえてくるのでバランス上 若干 違和感を感じます 紅白歌合戦もやるしN響の定期公演もやるし といった多目的ホールの宿命です ただ、1階後方席や2階席だったらあまり気にならないのかもしれません
第2曲「奉献唱」では途中からバリトンが入りますが、さすがに新国立オペラでは欠かせない大歌手の甲斐栄次郎氏でも、急きょの代演ということでスコアブックを見て歌いますが やや硬さを感じます しかし、それも最初だけでした。第6曲「われを解き放ちたまえ」では2回目のソロを堂々たるバリトンで歌い上げました 第4曲「慈悲深きイエスよ」はソプラノによって歌われる唯一の独唱曲ですが、市原愛さんは緊張感が張り詰める中、コントロールされた美しいソプラノで歌い上げました
東京混声合唱団による合唱は全体を通して素晴らしく、とくに第3曲「聖なるかな」と第7曲「天国に」における透明感のある歌は特筆に値します