人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

カザルス弦楽四重奏団「ベートーヴェン・サイクルⅡ~弦楽四重奏曲第4番、第9番「ラズモフスキー第3番」、第14番を聴く~サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン

2018年06月09日 08時01分40秒 | 日記

9日(土)。わが家に来てから今日で1346日目を迎え、トランプ米大統領は1日に受け取った北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の親書について「とても心温まる手紙だった」と評価し、米朝交渉が成功したのちには正恩氏を米国に招待する考えを示した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      今からご招待して米国にずっと留まってもらったらどうかな 北朝鮮国民のために

 

         

 

昨日、夕食に「牛肉と玉ねぎの甘辛炒め」「生野菜と生ハムとシラスのサラダ」「トマトとエリンギのスープ」を作りました 「牛肉~」は醤油などの調味料と片栗粉を混ぜて漬け込んだ牛肉を冷蔵庫で冷やしてから油をしいてフライパンで炒めるのですが、いつも肉がフライパンにくっついてしまいます 片栗粉をまぶす料理の時はいつもそうです。ガスは強火にしても弱火にしても同じで、フライパンはまだ新しい方です。どうしたものかと思案のしどころです

 

     

 

         

 

昨日、サントリーホール「ブルーローズ」で、カザルス弦楽四重奏団「ベートーヴェン・サイクルⅡ~弦楽四重奏曲第4番、第9番、第14番」を聴きました これはサントリーホール  チェンバーミュージック・ガーデンの一環として開かれたコンサートです  カザルス弦楽四重奏団と4人の構成メンバーについては昨日のブログに書きましたので、そちらをご覧下さい

なお、昨日のブログで触れた この日演奏される3曲を統括する共通テーマは「ポピュラーな音楽素材の変容」のようなのですが、何が共通しているのかを解明するのが自分の課題です

 

     

 

前日と異なり、第1ヴァイオリン=アベル・トマス、第2ヴァイオリン=ヴェラ・マルティナス・メーナー、ヴィオラ=ジョナサン・ブラウン、チェロ=アルノー・トマスという並びです どうやら、ベートーヴェン・サイクルでの第1ヴァイオリンは、初期の「作品18」の6曲についてはアベル・トマスが、中期と後期の10曲についてはヴェラ・マルティナス・メーナーが務めるようです

1曲目は「弦楽四重奏曲第4番ハ短調作品18-4」です 1798年から1800年にかけて「作品18」として6曲まとめて作曲され、ベートーヴェンの後援者フランツ・ヨーゼフ・フォン・ロプコヴィツ侯爵に献呈された弦楽四重奏曲の一つですが、全6曲中唯一の短調作品です 6曲の完成順は第3、第1、第2、第5、第6、第4番なので最後の曲ということになります

第1楽章「アレグロ・マ・ノン・タント」、第2楽章「スケルツォ:アンダンテ・スケルツォ―ソ・クアジ・アレグレット」、第3楽章「メヌエット:アレグロ~トリオ」、第4楽章「アレグレット~プレスティッシモ」の4楽章から成ります

アベル・トマスの合図で第1楽章が開始されます 冒頭から緊迫感溢れる力強い演奏が展開しますが、ベートーヴェンが好んだ「ハ短調」という調性の性格が強く出ています ベートーヴェンによるハ短調の作品は 有名な曲だけでも「交響曲第5番作品67”運命”」「ピアノ協奏曲第3番作品37」「ピアノ・ソナタ第8番作品13”悲愴”」などがあります 第4楽章における疾走感はモーツアルトの短調の曲のそれを思い起こさせます


     


2曲目は弦楽四重奏曲第9番ハ長調作品59-3「ラズモフスキー第3番」です ウィーン駐在ロシア大使アンドレイ・ラズモフスキー伯爵の委嘱により1805年から06年にかけて作曲された3曲から成る弦楽四重奏曲の最後の曲です

第1楽章「アンダンテ・コン・モート~アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート・クアジ・アレグレット」、第3楽章「メヌエット・グラツィオ―ソ」、第4楽章「アレグロ・モルト」の4楽章から成ります

第1ヴァイオリンがヴェラ・マルティナス・メーナーに代わります 第1楽章の序奏が最弱音のアンサンブルで開始されますが、この緊張感こそベートーヴェンだと思います 第2楽章はチェロのピッツィカートに乗ってヴァイオリンが抒情的なメロディーを奏でますが、このアンサンブルが素晴らしい この曲の一番の聴きどころは、第3楽章から切れ目なく入る第4楽章のフーガです テーマが第1ヴァイオリンから、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロへと受け継がれていきますが、この演奏が素晴らしい 同じように、中盤で速いテンポでフーガが奏でられますが、これほどエキサイティングな音楽があるだろうか、と思うほど推進力のある楽曲です 4人の演奏は「付け入るスキがない」といった集中力に満ちた明快な演奏です


     


休憩後の3曲目は「弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調作品131」です この曲は1826年3月頃から7月までウィーンで作曲され、甥のカールを士官に任命したヨーゼフ・フォン・シュトゥッターハイム男爵に献呈されました 初演はベートーヴェン死後の1828年にウィーンで行われました 

ベートーヴェンはゴリツィン侯爵のために3曲の弦楽四重奏曲=作曲順に第12番、第15番、第13番を作曲しましたが、その直後にこの第14番を作曲しました 興味深いのは第12番=全4楽章、第15番=全5楽章、第13番=全6楽章、第14番=全7楽章と規模を拡大していることです

第1楽章「アダージョ・マ・ノン・トロッポ・エ・モルト・エスプレッシーヴォ」、第2楽章「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」、第3楽章「アレグロ・モデラート」、第4楽章「アンダンテ・マ・ノン・トロッポ・エ・モルト・カンタービレ」、第5楽章「プレスト」、第6楽章「アダージョ・クアジ・ウン・ポコ・アンダンテ」、第7楽章「アレグロ」の7楽章から成りますが、全曲は休みなく演奏されます

この曲もヴェラさんが第1ヴァイオリンを務めます 第1楽章の冒頭、第1ヴァイオリンから第2ヴァイオリン、そしてヴィオラ、チェロへと瞑想的なメロディーがフーガで奏でられます・・・と、ここで、私はこの日の共通テーマが頭に閃きました 共通テーマにある「ポピュラーな音楽素材」とは「フーガ」のことではないか、と ラズモフスキー第3番では第4楽章でフーガがあった しかし、第4番にフーガはあっただろうか?と疑問が湧きましたが、もう一度聴き直さなければ分からないので諦めて「フーガ」に決め付けることにしました

この曲では第4楽章「アンダンテ、マ・ノン・トロッポ・エ・モルト・カンタービレ」の主題と6つの変奏曲が、4人それぞれの演奏を聴く楽しみがありました 他の楽章では裏方に徹していたヴィオラとチェロも前面に出て、それぞれの自己を主張していました 最後の第7楽章「アレグロ」はベートーヴェンらしい情熱的で力強い音楽で締めくくりました 

この日分かったカザルス弦楽四重奏団の特徴の一つは、演奏曲目によって第1ヴァイオリンが交替するということでした

 

     

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