18日(月)。昨日は父の日でした。娘が日本酒と箸をプレゼントしてくれました 日本酒は長野県木曽郡の地酒「中乗さん」という銘柄ですが、ラべルのデザインは娘の高校時代の友人で娘とは別の美大に行ったYさんが手掛けたもので50本限定だそうです
箸は私が普段使っている箸の先端が欠けていたのを見かねて買ってくれたのでしょう
「これからも夕食作り、掃除、洗濯、アイロンがけ、その他もろもろのこと よろしくね
」という期待が込められているのでしょうが、父親としては素直に嬉しく思います
ということで、わが家に来てから今日で1355日目を迎え、カナダでの主要7か国首脳会議(G7サミット)で、トランプ米大統領が安倍晋三首相に対し「晋三、日本に大量移民を送れば、君はすぐに退陣するぞ」と暴言を吐いていたと米紙ウオールストリートジャーナル(電子版)が15日に報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
大量移民を送るまでもなく 次々と噴出する国内問題で退陣は時間の問題だと思う
昨日、ミューザ川崎で東京交響楽団の第34回モーツアルト・マチネ「モーツアルト✕アリア」を聴きました プログラムは①モーツアルト:歌劇「劇場支配人」K.486より序曲、アリエッタ「別離の時の鐘は鳴り」、②アーン:オペレッタ「モーツアルト」序曲、③モーツアルト:コンサート・アリア「私はあなたにうちあけたいのです、おお、神よ!」K.418、④同:交響曲第36番ハ長調「リンツ」K.425です
ソプラノ独唱は田中彩子、指揮は園田隆一郎です
オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります。コンマスはグレヴ・二キティンです
1曲目はモーツアルト:歌劇「劇場支配人」K.486より序曲です 「劇場支配人」は1786年に皇帝ヨーゼフ2世の依頼により書かれた作品です
劇のあらすじは「劇団の興業のため、多くの女優や歌手が売り込みに現われ、オーディションが行われる。歌手に応募した2人の女性がお互いに譲らず言い争いになるが、評価は観客に任せようという意見で一致し、芸術の名誉のために和解する」という内容です
園田隆一郎が指揮台に上がり早速演奏に入ります。モーツアルトらしい軽快で弾むような旋律が会場を満たします いかにも劇場の幕が開くに相応しい音楽です
次にソプラノの田中彩子を迎えて「劇場支配人」のアリエッタ「別離の時の鐘は鳴り」が歌われます 真っ赤な衣装の田中彩子が華やかに登場します
ウィーンで声楽を学び、22歳でスイスのベルンの州立歌劇場で開かれた「フィガロの結婚」でソリスト・デビューを飾りましたが、同劇場では日本人初、かつ最年少での歌劇場デビューだったことから大きな話題を呼びました
2016年6月にはTBS系列「情熱大陸」に出演したそうです
アリエッタ「別離の時の鐘は鳴り」はモーツアルトが かつて一方的に心を寄せていた歌手アロイジア・ヴェーバー・ランゲのために書いた歌で、歌手のオーディションに自身を売り込みにきたヘルツ夫人が、別れの苦しみを歌うというものです 田中彩子の歌う声を聴いて、他のソプラノ歌手とはちょっと違うな、と思いました
どちらかというと、メゾに近いソプラノかな、と思ったのです
この曲が短調から始まることからそう感じたのかも知れません。それでも感情を込めて歌う高音部のコロラトゥーラは見事の一言です
再びオケだけの演奏となります。3曲目はレイナルド・アーン(1875‐1947)が1925年に作曲したオペレッタ「モーツアルト」の序曲です アーンはベネズエラに生まれ フランスで活動した作曲家です。熱烈なモーツアルティアンだったこともあり、1778年のモーツアルトのパリ訪問をフィクションを交えてオペレッタとして描いています
園田隆一郎のタクトで演奏に入ります プログラム・ノートに「モーツアルトの曲を思わせる、快活で気品のある曲」と書かれていますが、ちょっと違うのではないか、と思いました
この序曲は確かに「快活で気品のある曲」だとは思いますが、聴いた限りでは「モーツアルトの曲を思わせる」ところはまったくありません
私が感じたのは、まるでブロードウェイ・ミュージカルの序曲のようだ、ということです
話はちょっとそれますが、オペレッタがアメリカ大陸に渡ってミュージカルが生まれたということを考えれば、アーンがオペラではなくオペレッタとしてミュージカルのような序曲を作曲したのは理解できます
ここで、再びソプラノの田中彩子を迎えてモーツアルトのコンサート・アリア「私はあなたにうちあけたいのです、おお、神よ!」K.418が歌われます このアリアはイタリアで活動したパスクワーレ・アンフォッシのオペラ「無分別な詮索好き」(1777)に挿入される曲です
侯爵が疑い深さのために婚約者を失ってしまうという内容です
田中彩子が登場、園田の指揮によりアダージョのテンポで音楽が進みます 田中彩子は荒絵理子の奏でる優美なオーボエに乗せて、アロイジア・ヴェーバー・ランゲのために書いたアリアを美しいコロラトゥーラ・ソプラノで歌い上げました
最後の曲目はモーツアルト「交響曲第36番ハ長調”リンツ”」K.425です モーツアルトは1782年にコンスタンツェ(前述のアロイジアの妹)と結婚し、1783年7月から10月まで故郷ザルツブルクに帰郷し 妻と滞在しました
そしてザルツブルクからウィーンに戻る途中、10月30日にリンツに立ち寄り、音楽愛好家トゥン伯爵の邸宅に滞在し大歓迎を受けます
その時、伯爵から11月4日に現地の劇場でコンサートを開くので交響曲を演奏してほしいと頼まれます
大急ぎで作曲したのがこの「リンツ」だったのです
したがって、モーツアルトはわずか4~5日間で 演奏時間にして約25分かかる交響曲を作曲したことになります
演奏するには人数分の譜面が必要となりますが、当時はコピー機がなかったのですべて手書きで写譜したことになります。その時間を考慮して、さらにリハーサルの時間を考慮して、となると正味の作曲時間はもっと少なかったはずです
にわかには信じがたいものがありますが、これが神童に止まらず真の天才となったモーツアルトなのです
この曲は第1楽章「アダージョ~アレグロ・スピリトーソ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット」、第4楽章「プレスト」の4楽章から成ります この曲は、モーツアルトが第1楽章に序奏を付けた最初の交響曲です
園田隆一郎のタクトで第1楽章が荘重な序曲で開始されます その後 弦楽器と木管楽器によって活気のある音楽が展開しますが、荒絵理子のオーボエ、福井蔵のファゴットが愉悦間に満ちた素晴らしい演奏を展開します
また、第3楽章の中間部(トリオ)でもこの二人の演奏が冴えていました
園田隆一郎の指揮は適正なテンポによる軽快な音楽運びで好感が持てました コンサートで演奏されるモーツアルトの交響曲というと、後期の3曲(第39番、第40番、第41番)と、第25番辺りが定番で、第36番「リンツ」は有名な割には演奏される機会があまりありません
その意味では、この日のコンサートはモーツアルト好きには貴重な機会になりました
toraブログのトータル閲覧数が380万 P V を超えました(3,802,065 P V )。これもひとえに日頃ご覧いただいている読者の皆さまのお陰と感謝申し上げます これからも根性を入れて毎日休まず書き続けて参りますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします