17日(日)その2.よい子はその1から見てね モコタロはそちらに出演しています
昨夕、サントリーホール「ブルーローズ」で「キュッヒル・クァルテットのブラームス・ツィクルスⅢ」を聴きました プログラムは①弦楽四重奏曲第2番イ短調作品51-2、②弦楽六重奏曲第1番変ロ長調作品18です 演奏は弦楽四重奏=キュッヒル・クァルテット、ヴィオラ=豊嶋泰嗣(新日本フィル・ソロ コンマス)、チェロ=堤剛です
自席はRb3列12番、右ブロック右から2つ目の席です 会場はかなり埋まっています
1曲目は「弦楽四重奏曲第2番イ短調作品51-2」です ヨハネス・ブラームス(1833‐97)は弦楽四重奏曲を3曲作りましたが、この作品は作品51番として作られた2曲の弦楽四重奏曲の一つです
第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ・モデラート」、第3楽章「クアジ・メヌエット、モデラート」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・ノン・アッサイ」の4楽章から成ります
2日前に聴いた第1番の”慟哭”のクァルテットに比べると同じ短調でも かなり聴きやすい曲想です 特に印象深かったのはロベルト・ノーチに代わって来日したエディソン・パシュコによるチェロの演奏で、第2楽章における慰めるような優しい演奏が心に沁みました
プログラム後半は、「弦楽六重奏曲第1番変ロ長調作品18」です この作品はブラームスが27歳の時、1860年に作曲されました
第1楽章「アレグロ、マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ・モデラート」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・モルト」、第4楽章「ロンド:ポコ・アレグレット・エ・グラツィオーソ」の4楽章から成ります
キュッヒル・クァルテットの4人にヴィオラの豊嶋泰嗣(新日本フィル・ソロ コンマス)、チェロの堤剛が加わり、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが各2挺の編成となります
この曲はブラームスの室内楽の中では「ピアノ三重奏曲第1番」とともに大好きな作品です
6人の演奏者が登場しスタンバイします 第1楽章が低弦から入り、ヴァイオリンが受け継ぎます。この冒頭の幸福感に満ちた音楽がたまらなく好きです この作品の魅力をひと言でいえば「厚みのある響き」でしょうか なぜブラームスは弦楽四重奏にヴィオラとチェロを加えて弦楽だけの六重奏曲を作ったのかと言えば、この「厚みのある響き」を求めたからだと思います この楽章では、またしてもチェロのエディソン・パシュコの演奏が冴えわたりました
第2楽章はどちらかと言えば感傷的な曲想です。主題と6つの変奏曲から成りますが、ピアノ・ソロのために「主題と変奏 ニ短調」として編曲され、密かに愛していたクララ・シューマンに献呈されました この変奏曲は聴きごたえがありました
第3楽章は一転、陽気な雰囲気のスケルツォで、キュッヒルはじめ演奏者が楽しんで演奏している様子が窺えました そして 第4楽章に入りますが、第1楽章の幸福感に満ちた音楽に通じる明るく希望に満ちた音楽が奏でられます ここでもチェロのパシュコの演奏が光ります。「代打パシュコ」は大成功だったのではないでしょうか
鳴り止まない拍手に6人は今演奏したばかりの「弦楽六重奏曲第1番」の第3楽章「スケルツォ」をアンコールに演奏し、会場いっぱいの拍手を浴びました
「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン2018」は本日(17日)の「フィナーレ2018」公演をもって終了しますが、私はミューザ川崎での東響「モーツアルト・マチネ」を聴きにいくため、昨夕の公演が最後となりました 毎日のようにサントリーホール「ブルーローズ」に通った2週間強でしたが、過ぎてしまえばあっという間でした 楽しいことは時間が経つのが速く感じるものです
来年は6月1日(土)から同16日(日)まで2週間強にわたりサントリーホール「ブルーローズ」で開かれます この間は出来るだけ多くのチェンバーミュージックを聴くため、会員になっているオーケストラの定期公演以外は予定を入れないつもりです