26日(火)。わが家に来てから今日で1364日目を迎え、トランプ政権のサンダース報道官が夫や知人らと数人で22日夜 食事に訪れたレストランで、同性愛者の従業員らが 性的少数者に差別的なトランプ政権の関係者に給仕することに難色を示したため 入店を拒否されたが、これに対しトランプ大統領は「外観が汚い店は、中身も汚い」とツイッターで非難した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
つまり サンダースさんご一行は外見の汚い店に食事に行ったわけね お気の毒です
昨日、夕食に「カレイの煮つけ」「マグロの山掛け」「生野菜サラダ」をつくりました 「カレイ~」は煮過ぎるとグチャグチャになってしまうので注意しました
10月23日(火)午後7時からサントリーホールで開かれる「第27回Kissポートクラシックコンサート」のチケットを取りました 演奏曲目はヴェルディ「レクイエム」です 出演は、ソプラノ=森麻季、アルト=福原寿美枝、テノール=吉田浩之、バリトン=岡昭宏、管弦楽=東京交響楽団、混声合唱=ミナトシティコーラス、指揮=大友直人です
このコンサートは毎年聴いています この公演は港区の関連団体が主催していることから、チケット代が通常の在京オケの定期公演の半分程度に押さえられていて、S席:3800円、A席:2800円、B席:1500円となっています
昨日、シネスイッチ銀座で「フジコ・ヘミングの時間」を観ました これは企画・構成・撮影・編集・監督 小松荘一良、ナレーション=三浦透子による2018年ドキュメンタリー映画(115分)です
朝9時45分開演ということで9時10分頃映画館に着いたのですが、すでに数十人の人たちが当日券を求めて並んでいました 中に入って1階席を見渡したところ、ほぼ9割がシニア層を中心とする女性でした。予想はしていましたが、これほどまでとは思っていませんでした
イングリット・フジコ・ヘミングはロシア系スウェーデン人美術家の父と日本人ピアニストの母のもとドイツ・ベルリンで生まれました 父と別れ、東京で母の手一つで育てられ、5歳から母の厳しいレッスンを受け、10歳の頃からロシア生まれのドイツ系ピアニスト、レオニード・クロイツァーに師事しました 東京藝大を卒業し、28歳でドイツに留学し貧しい生活を送りながらベルリン音楽学校を卒業します その後、演奏家としてのキャリアを積んでいく中、重要なリサイタルを目前にして聴力を喪失してしまいます 失意の中、ストックホルムに移住、40%回復した聴力を頼りにピアノ教師をしながら欧州各地でコンサート活動を続けます そんな折、1999年2月に放映されたNHKのドキュメンタリー番組「フジコ~あるピアニストの軌跡」で初めてその半生とリサイタルの模様が紹介されると大反響を呼び、デビューCD「奇蹟のカンパネラ」はクラシック界では異例の200万枚を売り上げました その時彼女はすでに60代後半でした それ以来、80代の現在に至るまで世界を股にかけて年間70本近くのコンサート活動を展開しています この映画はそうしたイングリット・フジコ・ヘミングの波乱万丈の半生を描いています
1999年2月のNHKのドキュメンタリー番組は私も観ましたが、才能と実力があるのに陽のあたる表の世界から埋もれている こんな人もいるのか、と驚きました もちろん、CDも買いました。残念ながらどうしても欲しいと言う人にあげてしまったので いま手許にはありませんが
この映画の中で、フジコさんが14歳の時に描いた絵日記が何度か出てきますが、ビックリするほど表現力が豊かで 絵が上手です 日記の方は、ある時は旧仮名遣いの日本語で、ある時は英語で書かれていますが、この英語のスペルが上手です 一芸に秀でる者は何とか、と言われるように、彼女は絵の才能もあるようです それは父親が美術家(デザイナー)だったことと無縁ではないと思います そのことと関係があるのか、フジコさんはとてもオシャレです コンサートのステージ衣装はもちろんのこと、普段、散歩に出かける時とかもファッショナブルな衣装でナイス・センスです
ところで、この映画を観て初めて知った驚きの事実が3つありました
彼女はパリを拠点に、ロサンゼルス、ニューヨーク、ブエノスアイレス、ベルリン、東京、京都とワールドツアーを敢行しているわけですが、彼女にはマネージャーがいないのです すべて自分のコンサートは自分で管理しているのです 耳が十分に聴こえないため、連絡はファクシミリや手紙が中心とのことです パリにはコンサートプロデューサー的な若者がいますが、プロというより友人に近い存在です。これには ました。
さらに驚いたのは、彼女の行く先々に「住居」があるということです 東京、パリ、ベルリン、京都と 少なくとも4か所に住居があり、そこには猫 や犬 が住んでいます。彼女が不在の時はシッターさんが面倒を見ているようです
彼女は自分が死んだ後、「フジコ・ヘミング」という名前が残らなくても「住居」が残れば良いと、自ら撮影したアメリカにあるラフマニノフの住居の写真を紹介しながら語っていました
3番目に驚いたのは、突然 画面に登場した髭もじゃ男・大月ウルフ(大月ヨシオ)という人の存在です 本名をウルフ・ゲオルギ―=ヘミングといいます。つまり、フジコさんの実弟です 彼は俳優養成所の第5期生で、同期には俳優・平幹二朗や 監督の藤田敏八がいるとのこと テレビ番組「マグマ大使」などにも出演したそうなので子供の頃観たかも知れません。この映画の中でウルフさんは、「ハーフであることから 子ども時代に姉はよくイジメられていましたよ。石を投げられたり、髪の毛をつかまれたりして」と語っていました
この映画では、リスト「コンソレーション(なぐさめ)」「主題と変奏」、ショパン「ノクターン」「ピアノ協奏曲第1番」、ドビュッシー「月の光」、ベートーヴェン「月光ソナタ」、モーツアルト「ピアノ・ソナタ第11番」をはじめ、数えきれないほどの名曲が演奏されます 最後に2017年12月1日に東京オペラシティコンサートホールで開かれたリサイタルで演奏されたフジコさんの十八番、リスト「ラ・カンパネラ」がほぼフルバージョンで聴けます フジコさん曰く「この曲は、演奏する人の人生が、生き方が、普段の行いが、すべて出るのよ ほかのピアニストでこの曲をもっと鮮やかに弾くことが出来る人は多くいるし、フジコさんの演奏は時代遅れだ、という人がいるけど、私は魂を込めて演奏している。この曲には自信をもっているの」と語っています
ジェット旅客機で世界を移動する時代、超特急で旅する現代に、フジコさんによって ゆったりしたテンポで悠然と弾かれる「ラ・カンパネラ」の演奏を聴いていると、なぜ多くの人々がフジコさんの演奏に惹きつけられるのかが分かるような気がします
この映画のエンドロール、本編の中でも流れていたドビュッシーの「月の光」の優しく柔らかな音楽を聴きながら、「私はいつも16歳の少女のつもりでいるの。でも、現実の自分を姿を振り返ってみて、いつまでピアノが弾けるんだろう と不安になるときもある でも、弾ける限り弾くしかないわね」という言葉をかみしめていました