人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「竹澤恭子の室内楽」を聴く~コレッリ「ラ・フォリア」、ラヴェル「VnとVcのソナタ」、ベートーヴェン「大フーガ」、メンデルスゾーン「弦楽五重奏曲第2番」~サントリー チェンバーミュージック

2018年06月14日 07時22分31秒 | 日記

14日(木)。わが家に来てから今日で1351日目を迎え、トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の首脳会談を受け、上院外交委員会のメネンデス議員(民主)は声明で「北朝鮮は譲歩を引き出した。大統領は残忍な独裁者と笑顔で握手した。自国民を虐げ、親類を殺し、我々の安全保障を脅かす国際社会ののけ者にフリーパスを与えた」と非難し、一方、与党共和党のライアン下院議長は声明で「大統領が朝鮮半島の永続的な平和への道筋をつけたという望みがある」と賞賛した いうニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      トランプが11月の中間選挙で共和党が勝つために結論を急いだことだけは確かだ

 

         

 

昨日、夕食に「いり鶏」「生野菜と生ハムのサラダ」「男前豆腐の食べるラー油乗せ」「豚汁」を作りました 「いり鶏」は久しぶりに作ったので、ちょっぴり味が濃くなりました

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホール「ブルーローズ」で「竹澤恭子の室内楽」を聴きました プログラムは①コレッリ(鈴木鎮一、豊田耕児 編曲)「ヴァイオリン・ソナタ ニ短調作品5-12”ラ・フォリア”」、②ラヴェル「ヴァイオリンとチェロのためのソナタ」、③ベートーヴェン「大フーガ」 変ロ長調作品133、④メンデルスゾーン「弦楽五重奏曲第2番変ロ長調作品87」です 演奏は、ヴァイオリン=竹澤恭子、ヴィオラ=川本嘉子、チェロ=横坂源、弦楽=サントリーホール室内楽アカデミー選抜フェローです

このコンサートは「デビュー30周年記念」と銘打っています 竹澤恭子がインディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクールで第1位を獲得したのが サントリーホール開場の年でもある1986年で、その2年後の1988年にカーネギーホールとサントリーホールでデビューリサイタルを開いてから今年が30年目を迎えたといいうことで、サントリーホールとは縁が深いようです

 

     

 

自席はC2列12番、センターブロック2列目右通路側です

1曲目はアルカンジェロ・コレッリ(1653‐1713)の「ヴァイオリン・ソナタ ニ短調作品5-12”ラ・フォリア”」(鈴木鎮一、豊田耕児 編曲)です 「ラ・フォリア」とは南欧イベリア半島で発祥した舞曲です   アダージョの主題と12の変奏曲から成ります たしかCDを持っているはずですが、例によって見つかりません。したがって予習が出来ませんでした

竹澤恭子と川本嘉子(N響首席客員ヴィオラ奏者)が濃紺の衣装で登場、さっそく演奏に入ります 予習は出来なかったものの、何度か聴いたことがあるので、冒頭の音楽を聴いてすぐに思い出しました 変奏曲なので目先が次々と変わり聴いていて飽きません。竹澤恭子のヴァイオリンの音色の美しさと川本嘉子の深みのあるヴィオラが印象に残りました

2曲目はモーリス・ラヴェル(1875‐1937)の「ヴァイオリンとチェロのためのソナタ」です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「トレ・ヴィフ(きわめて活発に、速く)、第3楽章「ラン(緩やかに)、第4楽章「ヴィフ、アヴェック・アントラン(生き生きと、活気をもって)」の4楽章なら成ります この曲はCDを持っていないので予習のしようがありませんでした

竹澤恭子とチェロの横坂源が登場し、スタンバイします 二人とも譜面台を2台横並びに置いて楽譜を置きます。演奏中譜めくりが必要ないようにという配慮でしょう

第1楽章はラヴェル特有の浮遊感が印象的です 第2楽章はピッツィカートから入りますが、力強さがあります 緩やかな第3楽章を経て第4楽章がスタッカート気味の演奏により生き生きと演奏されます ヴァイオリンとチェロという同族の弦楽器2挺で色彩感のある音楽を表出させるのはさすがはラヴェルです 2人の演奏者はその魅力を十分に引き出しました


     


休憩後の3曲目はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770‐1827)の「大フーガ」変ロ長調作品133です 「大フーガ」は「弦楽四重奏曲第13番変ロ長調作品130」の第6楽章として書かれ、1826年春にスパンツィク四重奏団により初演されましたが、難解と批判され、作品133として独立することになりました 最近では「原点回帰」現象が起こっているようで、先日もカザルス弦楽四重奏団が「大フーガ付」で演奏しました

ここで主役の竹澤恭子は一休み、演奏するのはアミクス弦楽四重奏団の4人です このユニットは第1ヴァイオリン=宮川奈々、第2ヴァイオリン=宮本有里、ヴィオラ=山本周、チェロ=松本亜優の4人から成ります。このクァルテットは6月3日の「ENJOY!室内楽アカデミー・フェロー演奏会Ⅰ」でバルトーク「弦楽四重奏曲第4番」から第4・5楽章を演奏しましたが、強く印象に残る熱演でした

「大フーガ」は先日、カザルス弦楽四重奏団の演奏で「第13番」の第6楽章として聴いたばかりです あらためて違うクァルテットで聴いてみると、ベートーヴェンの時代としては異常なまでの不協和音だったんだろうな、と思います 4人の演奏は集中力に満ちた鋭角的な演奏でしたが、これが「第13番」全体を演奏する中で「大フーガ」を演奏したらどうなるのか、と期待を持たせる演奏でした 第1ヴァイオリンの宮川奈々さんはN響の第1ヴァイオリン奏者として活躍していますが、オーケストラの団員が、特に若い団員が 外部の人たちと演奏グループを作って活動することはとても良いことだと思います

曲目はフェリックス・メンデルスゾーン(1809‐47)の「弦楽五重奏曲第2番変ロ長調作品87」です この曲は1845年に滞在先のフランクフルトで作曲されましたが、モーツアルトに敬意を表してか、ヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ1という編成をとります

第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アレグレット・スケルツァンド」、第3楽章「アダージョ・エ・レント」、第4楽章「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

演奏はヴァイオリン=竹澤恭子、内野佑佳子、ヴィオラ=川本嘉子、川上拓人、チェロ=横坂源です。このうち、内野佑佳子は将来性の面で若手ヴァイオリニストの中で私の一押しです

竹澤恭子の合図で第1楽章が開始され、”喜びが疾走する”躍動感に満ちた音楽が展開します メンデルスゾーンが素晴らしいのは「前へ前へ」という推進力と躍動感です 第2楽章はメンデルスゾーンらしいスケルツォです 第3楽章はこの作品の聴きどころです。冒頭の旋律はまるでシューベルトですが、次第にメンデルスゾーンのDNAが現われてきます 竹澤恭子は叙情性の極致をいくパフォーマンスを見せ、ヴィオラの川本嘉子をはじめとする演奏者がピタリと合わせます 5人の演奏姿を見ていたら、呼吸がぴったり合っていると感じました。竹澤恭子が右に振れれば、他の4人も心の中で右に振れるという感じです。「息が合う」というのはこういう演奏を言うのだろうか、と思いました 第4楽章に入ると、またしても躍動感あふれる音楽が疾走します 特に竹澤、川本、内野の女性3人のパワーが炸裂し、圧倒されます もちろんチェロの横坂源、ヴィオラの川上拓人も素晴らしい演奏を展開しているのですが、女性陣のパワーは彼らを上回っています

とても素晴らしい演奏でした この日初めてメンデルスゾーンの「弦楽五重奏曲第2番」を聴いた方も多かったと思いますが、とてもいい演奏だったので、作品の良さが理解できたのではないかと思います このような隠れた名作がメンデルスゾーンには数多くあります。もっともっと多くの演奏会で取り上げてほしいと思います

それにつけても、と思うのは、メンデルスゾーンは38歳で生涯を閉じ、モーツアルトは35歳で天に召されたように、残念ながら本当の天才は早逝してしまいます 短い生涯の中で数々の名曲を残してくれた二人の作曲家の作品を出来る限り多く聴きたいと思う今日この頃です

 

     

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