12日(木)。一昨日(10日)の朝日新聞朝刊に「自粛要請 音楽業界に危機感」という見出しにより クラシック、ポップスそれぞれの業界を代表する人物のインタビューが載っていました クラシックについては、KAJIMOTOの梶本眞秀社長がインタビューに応えています
「この2週間で中止・延期になったクラシック関係の公演は500件にのぼると言われるが」
という記者の問いかけに、
「私の会社の関係も20公演ほど。今もマルタ・アルゲリッチ、ギドン・クレーメルの公演の中止連絡を電話でしているが、損害は極めて大きい チケットを扱う業者への手数料、チラシやポスターなどの宣伝費、ホール代など、2週間で数千万円になる
このままだと、倒産する会社が相次ぐだろう
」
と答えています また「政府からの要請をどう感じたか」という質問に対しては、
「もう少し、専門家の判断に基づく裏付けがほしい 一口にイベントというけれど、クラシックのように聴衆がじっとしているものもある。会場だって様々だ。場当たり的な印象がぬぐえない
科学的な裏付けのない憶測や怖がりで、集団妄想に陥るべきではない
」
と答えています。また、「ライブハウスが感染源になったような心配はないか」との問いには、
「日本のコンサートホールの換気の基準は厳しい 入れ替えが激しすぎて、ピアノのマウリツィオ・ポリー二が『風が吹いているじゃないか。演奏できない、止めろ』と言ってきたくらいだ
専門家と協議し 対策を立てているが、特に手には注意している
チケットの半券を切って戻すことはやめて、目視でチェックしている
」
と答えています 「より厳しい要請が来たら?」との質問には、
「一企業の話ではなく、社会の大事な部分がつぶれかねない。長引けば、戦後脈々と培われ、ここまで育てられてきた文化が、さっと一気に崩れるだろう 元に戻すには大変な時間がかかる
首相が何を言うのか心配だ
より厳しい制約を求めるのなら、補償の問題もセットで打ち出すべきだ
」
と答えています
11日付 朝日新聞朝刊によると、安倍首相は10日、新型コロナウイルスの感染症の拡大防止として要請している国内のスポーツ・文化イベントの開催自粛の取り組みを10日間程度続けるよう求めたとのことです これにより、クラシック・コンサートの中止・延期ドミノがこれからも続くことになるでしょう。本当に残念です
今から20年ほど前、小泉政権の時には、何度か小泉首相をオペラ会場でお見掛けしましたが、今の安倍首相は「桜を見る会」や「仲良しとの夕食会」には参加しても、コンサートやオペラを鑑賞する習慣はないようです とても梶本氏が種々指摘されているようなことを認識しているとは思えません
文化的な側面から見ると非常に残念なことです
ということで、わが家に来てから今日で1990日目を迎え、朝鮮中央通信は10日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が9日、朝鮮人民軍長距離砲兵部隊の火力打撃訓練を現地指導したと伝えたが、北朝鮮の内情に詳しい複数の関係者によると、正恩氏は新型コロナウイルスへの感染を警戒し、最近は長く平壌を離れている というニュースを見て感想を述べるモコタロです
自国メディアは国内感染者は「ゼロ」としてるんだから 平壌に戻ればいいのに
昨日、夕食に「スタミナ丼」と「ニラ玉」を作りました 「ニラ玉」はかつて近所にあったラーメン店「映月軒」の名物メニューでした。とても美味しかったです
ギンレイホールでアンソニー・マラス監督による2018年オーストラリア・アメリカ・インド合作映画「ホテル・ムンバイ」(123分)を観ました
2008年11月、インドを代表する五つ星ホテルが500人以上の宿泊客と従業員を人質にテロリストによって占拠された ホテルマンたちはプロとしての誇りをかけてホテルに残り、宿泊客をホテルの外に逃がすため奔走する
テロリストたちに支配される極限の状況下で、特殊部隊の到着まで数日かかるという過酷な現実を前に、人々の誇りと愛に満ち溢れた脱出劇を描く
この映画は、2008年のインド、ムンバイ同時多発テロでテロリストに占拠されたタージマハル・パレス・ホテルでの人質救出劇を、実話に基づいて描いた作品です
この映画を観て、何が驚いたかと言えば、当時のムンバイでホテルに駆け付けることが出来た警察官はたったの5人しかいなかったということです 同時多発テロなので他の現場に多くの警察官が動員されているとはいえ、これで機関銃や手榴弾を持ったテロリストに立ち向かおうというのですから、とても太刀打ちできません
そんな中、冷静な判断力を持った料理長やホテルマンのアルジュン(デブ・パテル)らの活躍によって、多くの宿泊客が救出されたのです
この映画では、テロリストは貧しい若者たちで、「お前たちの犠牲によって、彼ら金持ちが豪勢な生活をしているんだ。彼らを殺しても罪にはならない
」と鼓舞する遠くにいる”兄貴”の指示を受けながらテロ行為に及んでいることを描き出します
”兄貴”と呼ばれる首謀者はアフガニスタンにいていまだ逮捕されていないそうです
イスラム原理主義者のテロ行為で犠牲になるのは何の罪もない市民であると同時に、首謀者に騙されて「ジハード(聖戦)」の名のもとに命をかけてテロを起こす加害者側にいる若者たちでもある ー この映画はそういうことも教えてくれます