goo blog サービス終了のお知らせ 

人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

10・11日の新日本フィル「ルビー」中止、4月度N響定期6公演中止、5月2~4日の「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」中止 / 片山慎造三監督「岬の兄妹」&荒井晴彦監督「火口の二人」を観る

2020年03月28日 07時19分36秒 | 日記

28日(土)。新日本フィルのホームページによると、4月10日、11日に すみだトリフォニーホールで開催予定の「第30回ルビー・コンサート」(アフタヌーン・コンサートシリーズ)は中止となりました    払い戻し等については郵送で連絡するとのことです。私は10日の公演が払い戻し対象です

NHK交響楽団のホームぺージによると、4月度N響定期演奏会(全6公演)は中止となりました    私は12日(日)の公演が該当します。なお、4月11日(土)6時からのAプログラム(ヴォーン・ウィリアムズ「交響曲第5番」他)と、4月17日(金)7時からのCプログラム(コープランド特集)、4月22日(水)7時からのBプログラム(メンコン他)はそれぞれ無観客の演奏をFM生放送するとのことです

一方「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2020」のホームページによると、5月2、3、4日に東京国際フォーラムで開催予定のすべての公演は中止となりました    払い戻し等の詳細は3月30日から専用サイトで発表するとのこと。私は5月1日の「前夜祭」を含めて全10公演が払い戻しになります これにより、私の場合は43公演が中止(うち3公演が延期)となってしまいました もう全滅です

話は変わりますが、昨夜、池袋のTデーパートに入居するテナントに勤務している娘が 帰ってくるなり、「明日と明後日の2日間、急きょTデパートが全館休館になったから、今日は超忙しかった」と嘆いていました 3月最後の土・日は1年のうちで一番の書き入れ時だそうですが、東京都知事から「不要不急の外出自粛要請」が出されたのですから、多くの客は見込めないでしょう また、新聞の映画案内広告を見ると、東銀座の「東劇」、新宿武蔵野館、池袋HUMAXシネマズが28日、29日の2日間を休館すると告知しています このほか、早稲田松竹と岩波ホールも休館中です どんどん外堀が埋められていきます

ということで、わが家に来てから今日で2006日目を迎え、米紙ワシントン・ポスト紙は25日、主要7か国外相がテレビ会議方式で開いた会合で、ポンぺオ国務長官が新型コロナウイルスを「武漢ウイルス」と呼ぶよう訴えたと報じたが、26日 米国の感染者数が中国を上回る83,507人となり、世界最多となった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ライバル国を誹謗中傷している間に 米国が世界最多記録をマークしちまったね!

 

         

 

昨日、夕食に「チキンステーキ」を作りました 醤油、砂糖、酒、オイスターソース、トマトケチャップで作るソースが決め手です

 

     

 

         

 

昨日、新文芸坐で「岬の兄妹」と「火口の二人」の2本立てを観ました

「岬の兄妹」は片山慎三監督による2018年製作日本映画(89分)です

ある港町で、足に障碍を持つ良夫(松浦祐也)は自閉症で頭の弱い妹・真理子(和田光沙)と二人暮らしをしている ある日 良夫は、家を勝手に出て行った真理子が男を相手にして金を貰ったことを知り、こっぴどく叱るが、仕事を解雇され 生活に困っていたので、真理子に売春をさせて生計を立てようとする 良夫は金銭のために妹の身体を男に斡旋する行為に罪の意識を感じながらも、これまで知ることのなかった妹の本当の喜びや悲しみに触れることで、複雑な心境に至る そんな中、真理子の心と身体に少しずつ変化が起き始める

 

     

 

これは障碍者の兄と自閉症の妹を主人公にして、知的障碍者の性と恋に関するタブーに挑戦した意欲作です 良夫を演じる松浦祐也と、真理子を演じる和田光沙の凄まじいまでの演技力が強く印象に残ります 一般人の常識の象徴として警察官で友人の北浦肇(北山雅康)を登場させ、良夫の暴走を止めようとしたことは、観る側に一種の安心感を与えます

この映画で一番強く印象に残っているのは、家の窓に段ボールを張り巡らし、1日中電球一つで暗い生活をしていたのが、真理子に金を稼がせるようになって、少しは食べたいものが食べられるようになったことから、良夫が段ボールを全部引きはがし、部屋が急に明るくなるシーンです これで二人の未来が少しは明るく見えてきたのかな、と思いました しかし、それはほんの一瞬のことで、二人の生活は何も変わりません 良夫は相変わらず障碍を持った失業者で、真理子は自閉症です 友人の肇は一時的に少額の金を良夫に貸すことが出来たとしても、自分の子どもが生まれたこともあって、それ以上の力にはなれません 「妹を売るなんて、お前なんか人間じゃない」と肇から罵倒されても、障碍を持った良夫は他に成すすべがないのです 良夫は弱い人間だ、と決めつけるのは簡単ですが、もし自分が良夫の立場に置かれたらどうするだろう、と考えると答えを見い出すのは簡単ではありません 片山監督はそういう重い問いを発しているように思います

 

         

 

「火口の二人」は荒井晴彦監督による2019年製作日本映画(115分)です

東日本大震災から7年目の夏。離婚、退職、再就職後も会社が倒産し、すべてを失った永原賢治(柄本佑)は、旧知の女性・佐藤直子(瀧内公美)の結婚式に出席するため秋田に帰郷する 久々の再会を果たした賢治と直子は、「今夜だけ、あの頃に戻ってみない?」という直子の言葉をきっかけに、かつてのように身体を重ね合う 1度だけと約束したはずの2人だったが、身体に刻み込まれた記憶と理性の狭間で翻弄され、抑えきれない衝動の深みにはまっていく

 

     

 

出演者は二人のみという映画だけに、いかに飽きさせないかがポイントになりそうです その点、過去の二人を写したヌード写真はモノクロで、現在のカラーの世界との対比が鮮やかです この映画は、幼馴染の従兄妹同士の”身体を通しての愛”がテーマですが、東日本大震災の思い出が裏のテーマになっています 直子が「同じ東北なのに友人がいる福島、宮城などが被災したのに、自分が住んでいる秋田は免れた。そのことに後ろめたい思いがずっとある」と言うと、賢治は「被災者に寄り添う とよく言うけれど、寄り添うフリをすることは出来ても、寄り添うことはできない。なぜなら、被災者ではないからだ」と返します。直子は「ずいぶん正直だね」と言います。「記録」はずっと残っても、「記憶」は時間と共に消えていきます 本当の気持ちは当事者にならなければ分からないのだと思います 気楽に「大変ですね」などと言うべきではないでしょう

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする