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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

8日の読響定期中止 ⇒ コンサート中止・延期 合計31件に ~ 私のケース / ルイ・ガレル監督「パリの恋人たち」 & 是枝裕和監督「真実 特別編集版」を観る ~ ギンレイホール

2020年03月26日 07時23分39秒 | 日記

26日(木)。読売日響のホームページによると、4月8日(水)19時開演予定の「定期演奏会」は中止となりました 払い戻しのほか、他公演・シリーズへの振替期間の延長も考慮するとのことです 詳細はホームページをご覧ください

「東京・春・音楽祭」参加公演の「クレメンス・ハーゲン&河村尚子によるベートーヴェン『チェロ・ソナタ全曲演奏会』」(4月9日開催)が中止になったことに伴い、払い戻し請求書を郵送しました これにより、私が聴く予定だった2月29日から4月18日までの公演のうち合計31件が中止(うち3件は延期)となってしまいました

小池東京都知事は昨日 都庁で記者会見し、新型コロナウイルスの感染者急増を受け、今週末は不要不急の外出を避けるよう都民に呼びかけました   これは東京都の非常事態宣言に等しいものなので、これからのコンサートなどに大きな影響を及ぼすと思われます 当面、個人的に関りがあるのは①4月10日14時からの「新日本フィル」のアフタヌーン・コンサートシリーズ、②同日18時半からの「バッハ・コレギウム・ジャパン」定期演奏会、③4月12日15時からの「NHK交響楽団」A定期演奏会、④4月19日の新国立オペラ「ホフマン物語」です もはや風前の灯といったところだろうか

ということで、わが家に来てから今日で2004 日目を迎え、米国で新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、トランプ大統領が連日、記者会見を繰り返している  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     支援者集会を開きたくても開けないから 記者会見を独演会に見立てているわけね

 

         

 

昨日、夕食に「他人丼」を作りました これをご飯に乗せれば「親子丼」になります

 

     

 

         

 

昨日、神楽坂のギンレイホールで「パリの恋人たち」と「真実  特別編集版」の2本立てを観ました

「パリの恋人たち」はルイ・ガレル監督・主演による2018年フランス映画(75分)です

ジャーナリストのアベル(ルイ・ガレル)は3年間同棲したマリアンヌ(レティシア・カスタ)の妊娠を喜ぶが、それもつかの間、父親は友人ポールであることから別れを切り出される    数年後、ポールの葬儀でアベルは小学生になった息子ジョゼフを伴ったマリアンヌと再会し、再び愛を確かめ合うようになる  その頃、アベルはポールの妹エヴァ(リリー=ローズ・デップ)から愛の告白を受け、二人の女性の間で心が揺れる  若いエヴァはマリアンヌに「兄が死んだから再びアベルに乗り換えたのだから、彼を私にくれてもいいでしょう」と挑戦的な言葉を投げかける それを聞いたマリアンヌはアベルに、思い切ったことをするように提案する 果たして三角関係の行方はどうなるのか

 

     

 

【ネタバレ注意】

この物語はマリアンヌの息子ジョセフがアベルに「ママがパパを毒殺したんだ。医者と結託して検死しないでもみ消したんだよ」と耳打ちするシーンからミステリータッチになります 実は彼はマリアンヌがポールにばかり目を向けて、自分の方を見てくれなかったから寂しい思いをし、今度こそ母親の愛情を独占したくて、誰とも再婚して欲しくなかったのです 子どもらしい残酷な表現がスクリーン上に表れていました

それにしても、マリアンヌが妊娠した時、ポールの子かアベルの子か判別するのにコイントスで決めて、ポールに「あなたの子です」と打ち明けたら素直に受け入れた、というのは いくら開けっぴろげな自由恋愛の国フランスのラブコメディーと言えども酷過ぎるのではないか 人生なんてコイントスで決めるようなもの、と言ってしまえばそれまでですが

 

         

 

「真実  特別編集版」は是枝裕和 原案・監督・脚本・編集による2019年フランス・日本合作映画(119分)です

フランスの国民的大女優ファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)が自伝本「真実」を出版することになった 海外で脚本家として活躍する娘のリュミール(ジュリエット・ピノシュ)、テレビ俳優として人気の娘婿ハンク(イーサン・ホーク)、その二人の娘シャルロット、ファビエンヌの現在のパートナーと元夫、彼女の公私にわたるすべてを把握する長年の秘書など、多くの人たちが出版祝いを口実に集まったが、彼らの興味はファビエンヌはその本に何を書いたのかということだった

 

     

 

ひと言でいえば、この映画は母と娘の愛憎と和解を描いたドラマです 女優を母親に持った娘リュミールは、子供時代に母親から愛情を持って育てられなかったと恨んでいる一方で、現役の女優でもある母親ファビエンヌは仕事で忙しかったのだから仕方がない、と突き放しています しかし、母親は”自分で何でも出来てしまう”娘に対し、自分を頼ってほしかったのです

カトリーヌ・ドヌーヴは大女優の貫禄です 気になったのは、下のチラシのようにタバコを吸うシーンが非常に多いということです 是枝監督がヒロインのキャラクターとして求めたものなのか、ドヌーヴ自身が普段から愛煙家で 役作りに必要と提案したのか分かりませんが、かなりのシーンで紫煙をくゆらせています 禁煙全盛時代なのに

ファビエンヌがテレビ俳優の娘婿ハンクに「今の役者は人真似ばかりで自分自身がない」と語るシーンがありますが、これは是枝監督が世界の大女優カトリーヌ・ドヌーヴに是非とも言わせたかった台詞ではないか、と思います

可笑しいのは、ファビエンヌは昔からの俳優仲間などで、誰が生きていて誰が死んだかなど深く考えもせず、自伝本「真実」に登場させていることです 元夫などは生きているのに「真実」では死んだことになっているのです ファビエンヌは、自分でない誰かを演じることを職業とする「女優」にとって、自分が書きたいように書くことが「真実」である、と主張しているように思えます 同じ出来事でも、見る角度によって何通りかの「事実」が語られるかも知れないけれど、私にとっての「真実」は一つしかない、という主張です 是枝監督はそういうことを言いたかったのではないか、と思います

 

     

コメント
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