17日(火)。わが家に来てから今日で1995日目を迎え、米ホワイトハウスは14日、トランプ大統領に新型コロナウイルスの検査を実施した結果「陰性」だったと発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
「陰性」でも 国際社会のためには どこかに隔離しておいた方がいいんじゃね?
昨日、夕食に「とんぺい焼き」を作りました 娘のリクエストですが、簡単でとても美味しいです
昨日、新宿武蔵野館でラジ・リ監督による2019年フランス映画「レ・ミゼラブル」(104分)を観ました
「レ・ミゼラブル」といえば、1本のパンを盗んだ罪で19年の牢獄生活を送ったジャン・ヴァルジャンの生涯を描いたヴィクトル・ユゴーの大河小説(1862年刊)です
生前の母からこんな思い出話を何度か聞かされたことがあります それは尋常小学校の時のことで、授業に退屈すると 子供たちは「ジャン・バルジャン
ジャン・バルジャン
」と、先生に「ああ、無情(レ・ミゼラブル)」の話をしてくれるよう囃し立てたというのです
みんな よっぽど勉強が嫌いだったのでしょうね
さて本題の映画「レ・ミゼラブル」の話に入ります
モンフェルメイユはパリ郊外に位置する街で、ヴィクトル・ユゴーの「レ・ミゼラブル」の舞台でもあるが、この街はいまや移民や低所得層が多く住む危険な犯罪地域と化していた 現地の警察署の犯罪防止班に新しく加わることになった警官のステファン(ダミアン・ボナール)は、未成年に対して粗暴な言動をとる気性の荒いクリス(アレクシス・マネンティ)、警官である自分の力を信じて疑わないグワダ(ジェブリル・ゾンガ)と共にパトロールをするうちに、複数のグループ同士が緊張関係にあることを察知する
そんなある日、イッサという名の少年がサーカス団から子ライオンを盗んだことをキッカケに大きな騒動へと発展する
事件解決のために奮闘するステファンたちだが、事態は取り返しのつかない方向へと進み始める
【以下、ネタバレ注意】
警官たちはイッサが子ライオンを盗んだことを突き止め、仲間たちと遊んでいるイッサを追いかけ拘束しますが、その時、仲間の子供たちが石を投げたりして抵抗するので、グワダは思わずゴム弾を発射し、それがイサクの顔に命中します 警官たちにとって都合が悪かったのは、その様子を他の子供が操縦するドローンに撮影されていたのです
真面目なステファンは一刻も早くイッサを病院に連れてこうと主張しますが、クリスはドローンで撮影した映像がSNSで拡散したら警察の権威が失墜しパニックが起こるから、まずドローンの持ち主を突き止めて映像データを消すことが第一だと主張します
結局、映像データはステファンの説得により回収しますが、警察官たちがイサクに付き添ってサーカス団の団長に謝罪に行った時、イサクはいきなり団長にライオンの檻に連れ込まれ怖い思いをします
その上 イサクはクリスから「顔の怪我は転んだせいで、悪いのは自分だと母親に言え」と強制されます
警官に反感を持ったイサクは仲間たちと共に警官の車を襲撃し、アパートに立てこもり物を投げつけて反抗します
火炎瓶を手にしたイサクに、ステファンは「やめろ、それを手から放せ
」と銃を向けます
パリといえば華やかな街をイメージしますが、一歩郊外に出ればこの映画で描かれたような危険な犯罪地域があるのだということが分かります ラジ・リ監督はこの映画の舞台であるモンフェルメイユで生まれて育ち、現在も暮らしているとのことで、この映画で描かれる子ライオン誘拐事件なども実際にあった出来事だといいます
それだけにストーリー展開には説得力があります
街に住む人々は権力を背景に居丈高な態度を取る警官を恐れながら、いつかは仕返しをしてやろうと心に秘めて暮らしていることが良く分かります 子ライオンを盗んだイサクは確かに悪い。しかし、恐怖によって子供を躾けたり教育しようという大人の姿勢は必ず反感を呼び、予想外の行動を呼び起こします
映画の最後に画面に表れるヴィクトル・ユゴーの言葉が胸に迫ります
「悪い草も悪い人間もいない、育てる者が悪いだけだ」
ラジ・リ監督が最後にこの言葉を引用したのは、「育てる者」は「親」だけでなく大人たちが築き上げた「社会」も意味しているのだ、ということを表現したかったからだと思います