13日(金)。昨日、トリトン・チケットデスクからケータイに電話があり、3月20日(金・祝)14時から第一生命ホールで開催予定の「室内楽ホール de オペラ 林美智子の『ドン・ジョヴァンニ』」が中止(22日も)となったので、チケット代払い戻しの書類を送付するとのことでした 楽しみにしていたコンサートが次々と中止になっていきます
私の場合、これで17公演が中止(うち2公演が延期)となりました
ということで、わが家に来てから今日で1991日目を迎え、欧州で一番新型コロナウイルスの感染が拡大しているイタリアのコンテ首相は11日、全土でレストランやバールなどの飲食店や美容院を2週間閉鎖すると発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
飲食店だけでなく美容院も閉鎖するのはリハツな考えだ 洒落言ってる場合か!?
昨日、夕食に「親子丼」を作りました 結構みりんを使いますね
10日(火)の日経夕刊に「相次ぐ公演中止 配信に活路 ~ 音楽・演芸 表現つなぐ」という見出しの記事が載っていました 「新型コロナウイルスの感染拡大で興業が続々中止になり、未曽有の危機に直面するエンターテインメント業界。活動の舞台が奪われる中、表現をつなぐ手段としてネット配信に注目が集まる」というリードにより、ポピュラー、クラシックそれぞれの取り組みが紹介されています
ここではクラシック業界に絞って概略をご紹介します
「ミューザ川崎シンフォニーホールと東京交響楽団は今月8、14日に開催予定だった公演を無観客で実施し、無料配信する 演奏を収録したCDも販売する。楽団員や指揮者・ソリスト、ホールスタッフらの演奏会にかける熱意を汲んでの初の無料配信に踏み切った
びわ湖ホールは7,8日に予定していたワーグナーの大作オペラ『ニーベルングの指環』の『神々の黄昏』を無観客で実施し、無料配信した
DVDも発売する。『神々の黄昏』だけで制作費が1億6千万円ほどかかっており、出演者らの準備はほぼ整っていた
スタッフの再招集も困難なため、無観客でも上演したいという声が大半だったという
」
上記の東京交響楽団のコンサートのうち8日(日)は第155回「名曲全集」、14日(土)は第40回「モーツアルト・マチネ」です このうち「名曲全集」についてはインターネット動画配信サイト「ニコニコ生放送」で無料生配信したところ、視聴回数が約10万回に達したと報道されています
一方、YouTubeで配信された びわ湖ホール「神々の黄昏」については、12日付の朝日新聞夕刊に吉田純子編集委員が「1日約1万2千、延べ20万という思いがけないアクセスがあった 様々な事情で劇場に足を運べない人々が、新作オペラが生まれる瞬間を初めて目撃できるという『副産物』もあった
しかし、3月のチケット代の払い戻しは他公演を含めて6千万円、上演を決めて以降の人件費や宿泊費などによる損失は1千万円に及んだという
」と書いています
公演中止による経済損失がいかに大きいかが分かります
なお、記事には掲載されていませんが、「東京・春・音楽祭」のホームページによると、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて中止になった次の3公演を無観客ライブ・ストリーミング配信(無料)するとのことです
①3月14日(土)15時開演 「林美智子&与儀巧 にほんの歌を集めて」
②3月14日(土)18時開演 「The Ninth Wave - Ode to Nature 目で聴き、耳で視る『ベートーヴェン』」
③3月15日(日)16時開演 「ベルリン・フィルのメンバーによる室内楽」
このような試みは今後増えていくように思います
昨日、池袋HUMAXシネマズでルパート・グールド監督による2019年イギリス映画「ジュディ 虹の彼方に」(118分)を観ました
1階のチケット売場で座席を指定する時、「現在、席に余裕があります」と言われました 6階の「シネマ4」に入って納得しました。入場者は私を含めて たったの7人でした
新型コロナウイルスの感染拡大の影響はコンサートだけでなく映画館にも及んでいます
この映画はハリウッド黄金期のミュージカル女優ジュディ・ガーランドが47歳の若さで急逝する半年前の1968年冬に行った公演の日々を描いた伝記ドラマです
1968年、かつてミュージカル映画の大スターとしてハリウッドに君臨したジュディ(レネー・ゼルウィガー)は、度重なる遅刻や無断欠勤によって映画出演のオファーが途絶え、巡業ショーで生計を立てる日々を送っていた 住む家もなく借金も膨らむばかりの彼女は、幼い娘や息子との幸せな生活のため、子供たちと離れ 起死回生をかけて単身ロンドン公演へと旅立つ
私にとっては、ジュディ・ガーランド=オズの魔法使い(1939年)です 子供たちが小さい頃は、テレビから録画したヴィデオでよく観ていました。懐かしい思い出です
この映画では、ジュディの10代の頃を振り返りながら現在の境遇を描いていますが、13歳だったジュディは肥満気味だったため、映画会社MGMは契約に「スリムでいること」を含めた強制的なダイエットを命じました 映画ではハンバーガーもダメ、ケーキもダメと言われ、ダイエット薬として使用される覚醒剤(アンフェタミン)を常用する少女が映し出されます
薬漬けの生活のため眠れない毎日が続いていたのです
そのことが影響し その後の私生活が乱れ、彼女は生涯に5度も結婚しています
あのかわいいドロシーがこんなに悲惨な人生を送っていたとは、この映画を観るまでちっとも知りませんでした
パーティーのシーンで、ジュディに「ママ」と呼びかける女性が出てきます ミュージカル・スターのライザ・ミネリにそっくりです
そう、本物のライザ・ミネリは2番目の夫ヴィンセント・ミネリとの間に生まれました
母娘そろってミュージカル・スターになったのです
ある公演が終わった後、楽屋口で彼女の熱烈なファンだという二人の男性と巡り合い、夜遅くてレストランが開いていないため、彼らのアパートで食事をするシーンがあります 話によると 彼らは同性愛者で、当時の社会はLGBTに理解がなかったため牢獄に入れられたと語り涙を流します
ジュディはやさしく男性の肩を抱きます。ジュディは60年代のアメリカで同性愛者に対して理解を示していた数少ない著名人の一人だったと言われています
現在『レインボー・フラッグ』が同性愛解放運動の象徴として用いられているのは、ジュディが「オズの魔法使い」で歌った「虹の彼方に(オーバー・ザ・レインボー)」に由来しています
この映画では数々のミュージカル・ナンバーが歌われますが、最後の最後に「オーバー・ザ・レインボー」がステージで歌われます 途中で、それまでの辛かった人生を思い出したのか「もう歌えない
」と慟哭しマイクを降ろしてしまいます
すると、客席にいた件の男性2人が立ち上がり最初からこの曲を歌い出し、他の観客も合唱に加わります
このラスト・シーンは感動的です
家に帰ってきて、無性に「オズの魔法使い」を観たくなりました