人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新日本フィル「室内楽シリーズ第153回 スリー・ダンス・エピソード ~ 佐藤和彦(チューバ)プロデュース編」を聴く ~ ワーグナー「ワルキューレの騎行」他

2022年11月02日 07時05分29秒 | 日記

2日(水)。わが家に来てから今日で2852日目を迎え、武力衝突が激化している旧ソ連のアルメニアとアゼルバイジャンについて、ロシアのプーチン大統領が和平に向けた仲介に乗り出したが、解決策は見出せなかった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     今やプーチンの言うことなど誰も聞かない  解決策が必要なのはウクライナ問題だ

 

  昨日は娘が外食で私がコンサートのため夕食作りはお休みしました  

 

         

 

昨夜、すみだトリフォニーホール(小)で新日本フィル「室内楽シリーズ第153回 スリー・ダンス・エピソード ~ 佐藤和彦(チューバ)プロデュース編」を聴きました プログラムは①モーツアルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲(山口尚人 編曲)、②G.ガブリエリ「ピアノとフォルテのソナタ」、③中川英二郎「ブラス・フーガ」、④E.グレグソン「スリー・ダンス・モード」、⑤ワーグナー「ワルキューレの騎行」(山口尚人 編曲)、⑥石川亮太「村人の歌による狂詩曲」、⑦高橋宏樹「奥義」、⑧M.ミクルカ「スイート・ブラス・オクテット」です 演奏はトランペット=山川永太郎(首席)、市川和彦(副主席)、杉木淳一朗、ホルン=藤田麻理絵、トロンボーン=大泉茉弓(客演)、バストロンボーン=鈴木崇弘、ユーフォニアム=齋藤充(客演)、テューバ=佐藤和彦(首席)です

開演に先立って、プロデューサーの佐藤和彦氏によるプレトークがあり、この日のプログラムを簡単に解説しましたが、ノーペーパーで流暢に話していて聞き易かったです トークの天才・篠原秀和さんには及ばないものの、かなり話し上手です トークは7分くらいだったので、もう少し時間をかけても良かったかもしれません

 

     

 

8人の金管楽器奏者が登場し配置に着きます 左からトランペット3人、ホルン、チューバ、ユーフォニアム、バストロンボーン、トロンボーンという並びです

1曲目はモーツアルト(1756ー1791)の歌劇「フィガロの結婚」序曲(山口尚人 編曲)です この曲は1785年から翌86年にかけて作曲され、1786年にウィーンのブルク劇場で初演されました 普段オーケストラで聴き慣れているので、金管楽器だけのアンサンブルで聴くと、物足りなさと新鮮さとが交錯します ただ、金管楽器だけであれだけのスピード感溢れる演奏を展開するのは並大抵ではないと思います トランペットの山川氏、バストロンボーンの鈴木氏はリコーダーまで吹いていました 零細企業は大変ですね

2曲目はG.ガブリエリ(1554ー1612)が1597年に作曲した「ピアノとフォルテのソナタ」です 彼はヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂で活躍したそうです この曲だけ楽器の並びが変わります。下手にホルン、トロンボーン(2)、チューバの4人が、上手にトランペット(3)、ユーフォニアムの4人が、4対4で向かい合います 下手と上手の楽器同士の対話が強弱を交えて演奏され、音色の変化を中心に楽しく聴くことができました

3曲目は中川英二郎(1975ー)の「ブラス・フーガ」です この曲はトロンボーンの第一人者・中川氏がブラスの魅力を十分に引き出すように作曲した作品です トランペットの演奏する主題からフーガに入り、各楽器に受け継がれていきますが、個々人の技巧の見せ所が多々あり、ブラスならではの輝かしい音楽を堪能しました

4曲目はE.グレグソン(1945ー)の「スリー・ダンス・モード」です この曲はイギリスの名門ブラック・ダイク・バンドのメンバーが興したバンドのために作曲された作品です 全体的に叙情的なメロディーに溢れた作品ですが、真ん中のバラード調の曲が特に印象的でした

 

     

 

休憩後、プログラム後半に入ります 8人のメンバーが前半の黒装束と打って変わって、それぞれがカラフルな衣装に”お色直し”して登場します 仕掛け人の佐藤氏、ファッションまでプロデュースするとはなかなかやりますね

プログラム後半の1曲目はワーグナー(1813ー1883)の「ワルキューレの騎行」(山口尚人 編曲)です この曲は戦乙女ワルキューレが愛馬に跨り意気揚々と空を駆けるシーンを描いています フランシス・コッポラの「地獄の黙示録」で使われて有名になりましたね この演奏は聴きごたえがありました ブラスの魅力が十分に発揮され、重厚なワーグナーが立ち現れました チューバの佐藤氏とユーフォニアムの斎藤氏に至っては、片手で楽器を演奏しながら片手で横にあるシンバルを叩くという離れ業を交替で披露していました 中小企業は大変ですね

2曲目は石川亮太(1983ー)が2009年に作曲した「村人の歌による狂詩曲」です この曲は「村祭」や「村の鍛冶屋」をアレンジしてユーモラスな作品に仕上げたもので、とても楽しく聴けました

3曲目は高橋宏樹(1979ー)が2008年に作曲した「奥義」です この曲はユーフォニアムとチューバが活躍します トランペットがカッコいい そしてトロンボーンが最後をバッチリ決めます 素晴らしい演奏でした

最後の曲はM.ミクルカ(1986ー)が2011年に作曲した「スイート・ブラス・オクテット」です この曲は2011年の「フンボルト州立大学金管室内楽作曲コンクール」で第2位を受賞した作品です テンポの速い曲、ゆっくりの曲、取り混ぜて全6楽章から成ります テンポの速い楽章ではトランペットを中心に、ほとんどジャズのセッションです 第3楽章は他の楽器がミュートを付けて演奏する中、チューバ・ソロが朗々と流れるシーンはとても印象的です

全体を通して聴いた印象は、この日プロデューサーを務めた佐藤和彦氏のチューバがどの曲でも存在感を示し、しっかりと高音楽器を支えていたことです 「新日本フィルに佐藤和彦あり」と自信を持って叫んでも良いと思います

この日の演奏は全8曲を8人全員で吹き切りました 聴衆の反応は8888( )でした

8人はアンコールにドヴォルザーク「交響曲第9番”新世界より”」から第4楽章を最後の力を振り絞って演奏、再び盛大な拍手を浴びました

佐藤氏によると、この日は3日、4日の定期演奏会のリハーサルがあり、その後、この公演のゲネプロをこなし本番を迎えたとのことです まさに精力を使い果たしたというところだと思います それぞれの楽器をビール・ジョッキ代わりにして打ち上げをやってはどうでしょう? チューバが一番多く飲めそうですね

 

     

コメント
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