人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

クシシュトフ・キュシロフスキ監督『デカローグ』より 第3話「クリスマス・イヴに関する物語」・第4話「ある父と娘に関する物語」を観る / 球は常に防者にあり ~ 正岡子規のことば

2022年11月24日 07時02分34秒 | 日記

24日(木)。昨日の朝日朝刊第1面のコラム「折々のことば」は、正岡子規の次の言葉を紹介していました

「ベースボールにはただ1個の球(ボール)あるのみ。そして球は常に防者の手にあり」

これに対する鷲田清一氏のコメントは次の通りです

「歌人の野球好きは半端ではなく、本名の升(のぼる)をもじって『野球(ノボール)』としたくらいだ 球は攻められるほうが持つ。敵を除外(アウト)ならしめること、攻者を攻者でなくすことが目的だ 投じられた球を打つ攻者も、敵を撃つのではなく、その間を抜こうとする 戦いなるもの、本来かくあるべしと言っているような 不意打ち、闇討ちもなくはないが。(『正岡子規ベースボール文集』から)」

たしかに、野球では1個のボールしかフィールド内にはないし、そのボールは必ず守備側の選手が持っています 攻撃側はそのボールを打つか、見逃してフォアボールを選ぶかで得点しようとします しかし、ボールを打つのは守備の選手にぶつけるためでなく、選手がいないスペースを狙って抜くためです

「野球は相手チームより1点でも多く得点した方が勝つ」としか考えていない単細胞の私にとって、野球をこのような視点で捉えた文章を読んだのは初めてだったので、新鮮に感じると同時に、正岡子規ってすごい人だと思いました

ということで、わが家に来てから今日で2873日目を迎え、米最高裁は22日、トランプ前大統領が自身の財務記録が下院歳入委員会に渡るのを阻止するために起こしていた訴えを退けた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     痴呆絶頂期のトランプは 2年前から大統領特権がないということを 理解してない

 

         

 

昨日は冬のように寒かったので夕食はおでんにしました 大根と卵は早めに煮込んでおいて、後から他の具材を煮込みました 日本酒は単身赴任中の息子が送ってくれた鶴岡の地酒です

 

     

 

         

 

早稲田松竹でクシシュトフ・キュシロフスキ監督による1988年製作ポーランド映画『デカローグ』(全10話)のうち第3話と第4話を観ました

 

     

 

第3話「クリスマス・イヴに関する物語」(58分・カラー)

家族とイヴを祝っていたタクシー運転手のヤヌーシュの前に、かつての恋人エヴァが現れる 彼女は現在の恋人が行方不明なので一緒に捜してほしいと頼む ヤヌーシュは妻に車を盗まれたから探しに行くと嘘をつき、エヴァと共に聖夜のワルシャワを彷徨う

実はエヴァは独り者で、クリスマス・イヴを一人で過ごすことが寂しくて、かつての恋人ヤヌーシュを巻き込んでイブの夜を過ごしたかったのです ヤヌーシュが運転してドライブ中、突然エヴァがハンドルを切ってクリスマス・ツリーに衝突させ倒してしまいます トラブルを起こしてまで思い出を作ろうとする・・・気持ちは分からないでもないですが、こういう面倒な女性は嫌われます

 

     

 

第4話「ある父と娘に関する物語」(58分・カラー)

学生のアンカは父ミハウと暮らしている。ミハウが出張のたびに持ち歩くのはアンカへ宛てた手紙だった しかしある日、アンカは自宅で「死後開封」と記された手紙を発見する そこには自分を産んですぐに亡くなった母の筆跡があった

アンカはミハウが実の父親ではないのではないかと疑っています その手紙に「愛する娘へ」という母親の筆跡の文字があったことから、アンカはこの手紙に真実が書かれていると確信します しかし、彼女はそれを開封することなしに、勝手な想像で「ミハウは本当の父親ではない。でもミハウならちゃんと育ててくれると確信する」と母親の筆跡を真似て作文し、それをミハウに見せます そしてアンカは動揺するミハウに「実の父親ではないことを隠していたんでしょう」と問い詰めます ミハウはアンカの本当の父親は別にいることに薄々感づいていたと白状しますが、実の子どものように育ててきたと語ります そこでアンカは、手紙は開封していないこと、自分の想像で手紙の内容を書いたことを告白します そして2人で手紙を燃やします 本当はどんなことが書かれていたのか、2人には分からないままです

このストーリーのテーマは「生みの親か、育ての親か」という問題です 生みの親だろうが、育ての親だろうが、子どもが幸せに育つのならどちらでも良いのではないかと思います しかし、現実にはそうではない酷い親がテレビのバラエティ番組に話題を提供しているのが残念です

 

     

コメント
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