2月1日(水)。月日の流れは速いもので、2023年も1か月が過ぎてしまい、今日から2月です 1か月が28日しかないので「二月は逃げる」とも言われます あっという間に3月を迎えるような気がします
ということで、わが家に来てから今日で2942日目を迎え、ロシアの有名な俳優イワン・オフロビスチン氏が、米国がウクライナに提供する戦車「エイブラムス」を撃破すれば、1両あたり1千万ルーブル(約1900万円)の報奨金がロシア企業から支払われるとSNSに投稿した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
国のトップが暴走プーチンなら 俳優はイワンの馬鹿か 暴走ロシアにブレーキなし
昨日、夕食に「豚の生姜焼き」「生野菜とアボカドのサラダ」「舞茸の味噌汁」を作りました 生姜焼きは豚肉に小麦粉を振ってから弱火で焼いたらソフトに仕上がりました
昨日、新国立劇場「オペラパレス」で、ワーグナー「タンホイザー」を観ました 私はプルミエ(初日)公演の会員で、本来28日(土)14時から観る予定でしたが、同じ時間帯に東京シティ・フィルの定期演奏会とダブってしまったので、振替制度のある新国立オペラの方を昨日に振り替えたものです
キャストはタンホイザー=ステファン・グールド、ヴァルター=鈴木准、エリーザベト=サビーナ・ツヴィラク、領主ヘルマン=妻屋秀和、ヴォルフラム=デイヴィッド・スタウト、ビーテロルフ=青山貴、ハインリヒ=今尾滋、ラインマル=後藤春馬、ヴェーヌス=エグレ・シドラウスカイテ、牧童=前川依子。管弦楽=東京交響楽団、合唱=新国立劇場合唱団、バレエ=東京シティ・バレエ団、指揮=アレホ・ペレス、演出=ハンス=ペーター・レーマンです
オペラ「タンホイザー」はリヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が1843年から45年にかけて作曲、1845年にドレスデンで初演されました
物語の舞台は中世のドイツ。騎士タンホイザーは、愛欲の女神ヴェーヌスの虜となるが、やがてこの歓楽の日々に飽きて、彼を愛する清らかな乙女エリーザベトが待つ人間世界に戻る 温かく迎えられたものの、城で開催された歌合戦に参加し、「愛の本質を明らかにせよ」というお題に対し、ヴェーヌスを讃える歌を歌ってしまう タンホイザーは、この大罪への赦しを得るためローマ法王のもとへ懺悔の旅に出るが、赦されず絶望し、再び官能の愛に溺れそうになる しかし、エリーザベトは自らの命を犠牲に彼の罪を償い、救済されたタンホイザーも息絶える
私が新国立の「タンホイザー」をハンス=ペーター・レーマンの演出で観るのは2007年、2013年、2019年に次いで今回が4度目です
主催者側から指定されたのは1階17列10番、左ブロック右から2つ目の席です 私の定期会員席のすぐ近くなので主催者の配慮が窺えます 会場はウィークデーの真昼間というのにほぼ満席状態です
アルゼンチン・ブエノスアイレス出身のアレホ・ペレス指揮東京交響楽団により序曲の演奏に入りますが、中盤から繰り広げられた東京シティ・バレエ団による躍動感溢れるバレエが素晴らしかった
歌手陣は総じて大健闘でした
主役のタンホイザーを歌ったステファン・グールドはアメリカ・ヴァージニア州生まれのテノールですが、新国立オペラではワーグナー「ニーベルングの指環」4部作にすべて出演したのをはじめ、常連テノールと言うべき存在になっています 今回も安定感のある力強い歌唱力で存在感を示しました
エリーザベトを歌ったサビーナ・ツヴィラクはスロヴェニア生まれのソプラノですが、特に高音が美しく無理のない歌唱で聴衆を魅了しました
ヴォルフラムを歌ったデイヴィッド・スタウトはイギリス出身のバリトンですが、第3幕第2場で歌った「夕星の歌」をはじめ、深みのある歌唱を発揮しました
ヴェーヌスを歌ったエグレ・シドラウスカイテはリトアニア生まれのメゾソプラノですが、美しくも強靭な歌唱で存在感を示しました
領主ヘルマンを歌った妻屋秀和は新国立オペラの常連歌手ですが、今回も抜群の安定感で低音の魅力を発揮しました
そして、今回とくに素晴らしかったのは第1幕で牧童を歌った前川依子です 透明感のある美しく澄んだ歌唱で、ワーグナーの毒の一服の清涼剤のように感じました
ワーグナーと言えば合唱ですが、新国立劇場合唱団のコーラスは相変わらず迫力があり素晴らしかった
さらに、アレホ・ペレス ✕ 東京交響楽団(コンマス:水谷晃)は歌手に寄り添いつつ、時に自らタンホイザーの、エリーザベトの心情を歌い上げました
今回、字幕スーパーを見ていて初めて気が付いたことがあります それは、第2幕の歌合戦でタンホイザーが純愛を否定し愛欲の女神ヴェーヌスを讃えてしまい、皆が憤慨する中で、エリーザベトだけが彼を庇い、「彼は魔法をかけられているのです 名誉挽回のチャンスを与えてほしい」と懇願します ストーリーでは、第1幕で ヴェーヌスが、去り行くタンホイザーに対して「呪いをかけてやる」と怒り狂うシーンがあります つまり、歌合戦に参加した誰もがタンホイザーを批判する中、エリーザベトだけが「事の真相」を理解していたのです タンホイザーの唯一の理解者エリーザベトが彼の犠牲になって死んでいくのは理不尽だと思ってしまいますが、それがワーグナー特有の世界なのでしょう
満場の拍手の中 カーテンコールが繰り返され、予定より10分ほど遅れて幕が下りました