25日(土)。わが家に来てから今日で2965日目を迎え、ロシアのメドベージェフ安全保障会議副議長(前大統領)は24日、敵対国の国境をできる限り遠くに押し戻さなければ、ウクライナとの永続的な平和は実現しないと主張、北大西洋条約機構加盟国ポーランドの国境を押し戻すことが必要になる可能性もあると述べた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
覇権主義国家ロシアを象徴する発言だ プーチンと彼がいる限り 戦争は終わらない
昨日、夕食に「青椒肉絲」「生野菜とツナのサラダ」「モヤシの味噌汁」を作りました チンジャオロースは久しぶりに作りましたが、美味しくできました
昨夜、サントリーホールで東京フィル「第980回サントリー定期演奏会」を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73 ”皇帝”」、チャイコフスキー「マンフレッド交響曲 作品58」です 演奏は①のピアノ独奏=イム・ユンチャン、指揮=東京フィル特別客員指揮者ミハイル・プレトニョフです
プレトニョフは1990年にロシア史上初めて国家から独立したオーケストラ、ロシア・ナショナル管弦楽団を設立しましたが、2022年には新たなオーケストラ、ラフマニノフ国際管弦楽団を創設しました 以前、プレトニョフはロシア・ナショナル管弦楽団を解任されたとツイッターで読んだ記憶がありますが、実際はどうなんでしょうか? どなたかご存じの方は教えてくださると有難いです
1月度の定期演奏会が読響公演とダブったためオーチャード定期に振り替えたので、今回新シーズンで初めてサントリーホールの新しい会員席で聴きました 1階右ブロック左から2つ目です。会場後方席には珍しく若い女性のグループが陣取っています さてはイム・ユンチャン狙いだな、と想像します そういえば、ロビーでは韓国語が飛び交っていました
オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置を採ります。コンマスは依田真宣です
1曲目はベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73 ”皇帝”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1809年に作曲、1811年にライプツィヒで初演されました 曲想が壮大であるため「皇帝」の愛称が付いています 演奏者に任せるカデンツァを廃止するなど古典派協奏曲の枠を超えた作品となっています 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ・ウン・ポーコ・モッソ」、第3楽章「ロンド・アレグロ」の3楽章から成ります
ピアノ独奏のイム・ユンチャンは韓国出身。2022年の第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで史上最年少の18歳で優勝、併せて聴衆賞、最優秀新曲演奏賞を受賞しました 現在、韓国芸術総合学校に在籍中です
まだあどけなさも残るイム・ユンチャンがプレトニョフとともに登場し、ピアノに向かいます プレトニョフのタクトとユンチャンの独奏によって、第1楽章がスケールの大きな演奏で開始されます 良く鳴るピアノです 白眉は第2楽章です。ユンチャンのピアノは一音一音の粒立ちが綺麗で、速いパッセージは宝石を転がしたようにキラキラと輝いています 特に高音部がとても美しい 第3楽章では一転、力強くエネルギッシュな演奏で聴衆を魅了します プレトニョフ ✕ 東京フィルがソリストを盛り立てました
終演後、ほぼほぼ女性のスタンディングオベーションが見られ、会場後方からは「ウォー」とも「ヒュー」とも聴こえる黄色い声援がステージに向けて押し寄せました これはかつて、アジア・ユース・オーケストラのコンサートの時に2階席からかけられた声援によく似ています ひょっとすると韓国からの女性客のグループかもしれません 遠くからご苦労様です。一度の声援に終わらず、彼を応援して育ててあげてください
イム・ユンチャンは満場の拍手に、J.S.バッハ「チェンバロ協奏曲第5番BWV1056」から第2楽章をアンコールに演奏、それでも鳴りやまない拍手に、J.S.バッハ(マイラ・ヘス編)「主よ、人の望みの喜びよ」を演奏、再び大きな拍手に包まれました
プログラム後半はチャイコフスキー「マンフレッド交響曲 作品58」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が先輩作曲家バラキエフから、バイロンの劇詩「マンフレッド」を基にした作品の作曲を勧められて1885年に作曲、1886年3月23日にモスクワで初演されました 第1楽章「レント・ルグーブレ ~ モデラート・コン・モート」、第2楽章「ヴィヴァーチェ・コン・スピーリト」、第3楽章「アンダンテ・コン・モート」、第4楽章「アレグロ・コン・フォーコ」の4楽章から成ります
上手にハープが2台、2階正面のパイプオルガン席には石丸由佳さんがスタンバイします
山本明尚氏のプログラムノートによれば、この曲はチャイコフスキーが一環して取り組んできた「運命/宿命という問題」を扱っています
プレトニョフの指揮で第1楽章の演奏に入ります チェロとコントラバスを中心とする重心の低い演奏が繰り広げられます 古き良きロシアの広大な大地に根差した音楽で、まさしくチャイコフスキーはこういう演奏を想定して書いたのではないか、と思えるほど素晴らしい演奏です 第2楽章は一転、メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」のスケルツォを想起させるような軽快な音楽です 木管楽器群が素晴らしい演奏を展開します 第3楽章では高橋臣宣のホルンをはじめ、フルート、クラリネット、イングリッシュホルンの演奏が素晴らしい 第4楽章では2台のハープが活躍し、フィナーレでは石丸由佳さんのパイプオルガンが荘重で穏健な演奏を繰り広げマンフレッドを救済します
プレトニョフ ✕ 東京フィルは、チャイコフスキーの交響曲で唯一タイトルの付いた「マンフレッド交響曲」が、第4番、第5番、第6番に匹敵する名曲であることを、名演奏により証明しました 指揮者が何度もカーテンコールに呼び戻されたのも頷けます 本当に素晴らしい演奏でした