11日(土・祝)。北海道旅行に行っていた娘が雪のため無事に帰れるかどうか心配していましたが、昨日午後3時過ぎに無事帰宅しました 次は私が夜、新国立劇場から無事に帰れるかどうかでしたが、雪が雨に変わり全く問題ありませんでした
ということで、わが家に来てから今日で2952日目を迎え、NHK党のガーシー(本名・東谷義和)参院議員が10日、インスタグラムのストーリーに投稿、同議員の国会欠席の処分を検討する参院懲罰委員会の鈴木宗男委員長に向けて、「人を裁ける立場なん? 年齢も年齢やし、日向ぼっこ似合うでw」と反発した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
国会議員なら場外乱闘ばかりしてないで 帰国して国会に出て釈明しろ バカたれが!
昨日、夕食に「海老の肉巻き」「生野菜とアボカドのサラダ」「白舞茸の味噌汁」を作りました 海老の肉巻きは塩とブラックペッパーだけの味付けですが、とても美味しかったです
昨夜、新国立劇場「オペラパレス」でヴェルディの歌劇「ファルスタッフ」のプルミエ(初日)公演を観ました キャストはファルスタッフ=二コラ・アライモ、フォード=ホルヘ・エスピーノ、フェントン=村上公太、医師カイウス=青地英幸、バルドルフォ=糸賀修平、ピストーラ=久保田真澄、フォード夫人アリーチェ=ロベルタ・マンテーニャ、ナンネッタ=三宅理恵、クイックリー夫人=マリアンナ・ピッツォラート、ページ夫人メグ=脇園彩。合唱=新国立劇場合唱団、管弦楽=東京交響楽団、指揮=コッラード・ロヴァーリス、演出=ジョナサン・ミラーです
歌劇「ファルスタッフ」はジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)がシェイクスピア「ウィンザーの陽気な女房たち」と「ヘンリー4世」の一部を基にA.ボイトが書いた台本により、1890年から92年にかけて作曲、1893年にミラノ・スカラ座で初演されました
太った老騎士ファルスタッフは、金目当てに人妻のアリーチェとメグに同文のラブレターを出す まったく同文と気づいた2人と、ファルスタッフに恨みを持つ従者バルドルフォとピストーラ、ファルスタッフを心良しと思わないフォードと医師カイウスは、みんなで彼を懲らしめることにする ファルスタッフをおびき出し散々な目に遭わせる間にフォードの娘ナンネッタと恋人フェントンの結婚も決まって、ファルスタッフが「この世はすべて冗談」と歌い出すフーガで大団円となる
私が新国立オペラ「ファルスタッフ」をジョナサン・ミラーの演出で観るのは2004年、2007年、2015年、2018年に次いで今回が5度目です
ジョナサン・ミラー(故人)は2004年のインタビューで、このオペラ公演の演出について次のように語っています
「舞台は17世紀オランダ絵画の描写に基づいて、当時の生活を細部にわたって表現しました というのも、シェイクスピアの時代のルネッサンス家屋の内部描写を詳細に行ったのはオランダ絵画しかないからです」
このコンセプトに基づいて、舞台背景や登場人物の衣装は、まるでフェルメールに描かれた絵画の世界のようです
さて、歌手陣は総じて満足のいくパフォーマンスを発揮しました
主人公のファルスタッフを歌った二コラ・アライモはイタリア・パレルモ出身のバリトンですが、タイトルロールの「ファルスタッフ」を世界の歌劇場で60回以上も歌っているだけあって、堂々たる歌唱力と演技力を発揮し、抜群の存在感を示しました 私がこれまで観てきたファルスタッフの中で最も適役でした
フォードを歌ったホルヘ・エスピーノはメキシコシティ生まれのバリトンですが、とくに高音部が良く伸び、歌唱力抜群でした
フォード夫人アリーチェを歌ったロベルタ・マンテーニャはイタリア・パレルモ出身のソプラノですが、艶のある声質が印象的でした
クイックリー夫人を歌ったマリアンナ・ピッツォラートはイタリア出身のメゾソプラノですが、恵まれた体型を生かした十分な声量で深みのある歌唱を発揮しました
ページ夫人メグを歌った脇園彩は、新国立オペラでは「ドン・ジョバンニ」ドンナ・エルヴィーラ、「セビリアの理髪師」ロジーナ、「フィガロの結婚」ケルビーノ、「チェネレントラ」アンジェリーナを歌っていますが、日本人歌手で主役が張れる数少ないメゾソプラノです 今回も美しい歌唱を聴かせてくれました
ナンネッタを歌った三宅理恵は最近の新国立オペラでは「魔笛」パパゲーナ、「オルフェオとエウリディーチェ」アモーレを歌い好評を博しましたが、今回も透明感のある歌唱で聴衆を魅了しました
フェントンを歌った村上公太は第3幕のウィンザー公園で歌った恋の歌をはじめ、魅力的なテノールを発揮しました
コッラード・ロヴァーリス指揮東京交響楽団(コンマス=小林壱成)は、歌手に寄り添いつつ、特に第3幕では木管楽器を中心に登場人物の心情を見事に歌い上げていました
さて、ヴェルディは「リゴレット」「トロヴァトーレ」「椿姫」「ドン・カルロ」「アイーダ」「オテロ」と、どちらかというと「悲劇」を扱ってきましたが、彼が最後(79歳)に作曲したのは喜劇「ファルスタッフ」でした 本当のところは分かりませんが、ベートーヴェンが最後に残したのは「諸君、喝采したまえ、喜劇は終わった」という言葉だったという説があります これに倣って言えば、ヴェルディの場合は、「諸君、喝采したまえ、喜劇で終わった」ということになるでしょうか