10日(金)。わが家に来てから今日で2951日目を迎え、マレーシア航空機が2014年7月、ウクライナ東部上空で撃墜され298人が死亡した事件で、オランダなどの国際合同捜査チームは8日、ロシアのプーチン大統領が航空機を撃墜したミサイルシステムの供与に直接関わった可能性が濃厚だとする声明を発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
プーチンは 民間人の犠牲など 何とも思っていない ウクライナの惨状が物語ってる
昨日、夕食に「トンテキ」「生野菜とアボカドのサラダ」「山芋の味噌汁」を作りました トンテキにはカイワレ大根がマッチします
昨夜、東京文化会館小ホールで都民芸術フェスティバル参加公演「ヴァイオリンとピアノのためのデュオ」を聴きました プログラムは①シンディング:組曲「古い様式で」イ短調 作品10、②グリーグ「ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ短調 作品45」、③エルガー「愛の挨拶 作品12」、④クライスラー「愛の悲しみ」、⑤同「中国の太鼓」、⑥ラフマニノフ「ヴォカリーズ」、⑦リムスキー=コルサコフ「熊蜂の飛行」、⑧マスネ「タイスの瞑想曲」、⑨サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」です
演奏はヴァイオリン=神尾真由子、ピアノ=萩原麻未です
ヴァイオリン独奏の神尾真由子は2007年の第13回チャイコフスキー国際コンクールで優勝、それ以降、国内外で活躍しています 現在、東京音楽大学教授として後進の指導に当たったいます
一方、ピアノ独奏の萩原麻未は2010年の第65回ジュネーヴ国際コンクールで日本人で初めて優勝、国内外のオーケストラと共演を重ねています
自席はJ列30番、右ブロック左から2つ目です。会場はほぼ満席です。この二人なら当然です
神尾が赤、萩原が黒の衣装で登場します
1曲目はシンディング:組曲「古い様式で」イ短調 作品10です この曲はノルウェーの作曲家クリスチャン・シンディング(1856-1941)が1889年に作曲した作品です
当初、独奏ヴァイオリンとオーケストラのために書かれましたが、ヴァイオリンとピアノでも演奏できるように書き直されています
第1楽章「プレスト」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「テンポ・ジュスト」の3楽章から成ります
この曲は初めて聴きます
第1楽章がいきなり独奏ヴァイオリンによって超高速で演奏され、唖然としました あまりにも神尾の演奏が完璧なので、反ってR.コルサコフの「熊蜂の飛行」のような 速さだけをひけらかす作品のように思えて、これでは「忘れられた存在」になるのも無理はないと思いました
第2楽章は一転、ロマンティシズムに溢れた曲想でした
第3楽章では作曲者の熱い思いが醸し出されました
2曲目はグリーグ「ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ短調 作品45」です この曲はエドワルド・グリーグ(1843-1907)が1886年から87年にかけて作曲しました
第1楽章「アレグロ・モルト・エド・アパッショナート」、第2楽章「アレグレット・エスプレッシーヴォ・アラ・ロマンツァ」、第3楽章「アレグロ・アニマート」の3楽章から成ります
恥ずかしながら、この有名な曲も初めて聴きます この曲も第1楽章冒頭の独奏ヴァイオリンの強烈なアッパーカートにやられました
何という激しい音楽なのだろうか
しかし、それはいつまでも続くわけではなく、抒情的なメロディーが現れます
そして再び激しい音楽が・・・というように、激情と抒情との対比がこの楽章の魅力のようです
第2楽章は萩原麻未のピアノソロから入りますが、この演奏が抒情的で素晴らしかった
神尾のヴァイオリンはピッツィカートひとつとっても根性が座っているというか、一音一音に意味が込められています
第3楽章では、神尾と萩原の丁々発止のやり取りが まるでバトルのように展開し、刺激的な演奏を展開しました
まるで生まれたばかりの作品の演奏に立ち会ったような気もちになりました
プログラム後半の1曲目はエルガー「愛の挨拶 作品12」です この曲はエドワード・エルガー(1857-1934)が1888年に作曲、同年ロンドンで初演されました
エルガーから婚約者のキャロライン・アリス・ロバーツへの「愛の挨拶」として書かれました
神尾はどこまでも優しく美しいメロディーを奏で、萩原がそっと寄り添いました
2曲目はクライスラー「愛の悲しみ」です この曲はフリッツ・クライスラー(1875-1962)が1910年に出版した3曲から成る「古典的手稿」の1曲です
神尾 ✕ 萩原は何となくアンニュイな雰囲気を醸し出していました
続けて演奏されたクライスラー「中国の太鼓」は、クライスラーがサンフランシスコのチャイナタウンを訪れた時に着想し、1910年に発表しました 神尾 ✕ 萩原はリズム感よく中国の雰囲気を醸し出していました
次いで演奏されたのはラフマニノフ「ヴォカリーズ」です この曲はセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)が1915年に作曲したピアノ伴奏付歌曲です
「ヴォカリーズ」とは歌詞のない歌のことを意味しますが、神尾は美しいヴィブラートで流麗に演奏しました
次の曲はリムスキー=コルサコフ「熊蜂の飛行」です この曲はニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844-1908)が1889年から1890年にかけて作曲した歌劇「サルタン皇帝」の間奏曲です
神尾の演奏を聴いていたら、本当の熊蜂の飛ぶときの羽音が聴こえてきました
恐るべし神尾真由子
次はマスネ「タイスの瞑想曲」です この曲はジュール・マスネ(1842-1912)が1894年に作曲したオペラ「タイス」の間奏曲です
神尾は美しいヴィブラートで清らかなメロディーを奏でました
最後の曲はサラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」です この曲はパブロ・サラサーテ(1844-1908)が1878年に作曲した作品で、「ジプシー(ロマ族)の歌」という意味です
この曲でもガツンとやられました
神尾は自由自在にヴァイオリンを操り、萩原がピタリとつけます
何という情熱的な演奏だろうか
すごい演奏を聴いてしまった
神尾 ✕ 萩原は満場の拍手にグルック「メロディ」を抒情的に演奏、それでも鳴りやまない拍手にサラサーテ「スペイン舞曲集 作品23」から第2番「サバテアード」を超絶技巧で演奏し、再び大きな拍手に包まれました
今回のコンサートを聴いてあらためて思ったのは、神尾真由子のヴァイオリン演奏の並外れた底力と、萩原麻未のピアノ演奏の素晴らしさです
どうやら同じ「都民芸術フェスティバル」でも、東京文化会館小ホールは東京芸術劇場と違って、スマホによるカーテンコール撮影は禁止されているようです すごく残念です