人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「チャイコフスキー・ラストコンサート」 ~ 死の9日前の演奏会の再現 ~ 日経「名作コンシェルジュ  Music」から / 原田ひ香著「ドライ」を読む

2023年02月13日 07時00分34秒 | 日記

13日(月)。昨日は早稲田松竹で「アンナ・カレーニナ」と「月の満ち欠け」の2本立てを観るつもりで、上映開始30分前に現地に着いたのですが、すでに長蛇の列で、10時半開始の「アンナ・カレーニナ」も12時35分開始の「月の満ち欠け」も満席となってしまいました 早稲田松竹はもともと定員が153席と少ない上、現在コロナ対策で一部座席を市松模様配置にしているため定員より少ない座席しか販売していないこと、さらに日曜日ということも重なって、早々と満席になったものと思われます 15時20分以降の部を観ると終了が夜になってしまうのでこの日は諦め、月曜日の今日出直すことにしました

ということで、わが家に来てから今日で2954日目を迎え、英BBCによると、ここ数か月でロシア人の妊婦5000人以上がアルゼンチンに入国しているが、ロシアのパスポートよりも自由度が大きく171か国にパスポートなしで入国できるからであるとみられる  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     どの親だって ウクライナに賠償責任を負うロシアに 子どもを託すのは躊躇するよ

 

         

 

昨日の夕食は「餃子」「肉まん」「ワカメスープ」でした 土曜・日曜は夕食作りをお休みしているのでアップしなくても良かったのですが、娘が北海道旅行のお土産に持ち帰ったサッポロ CLASSIC「富良野 VINTAGE」を撮りたくてアップしました

 

     

 

         

 

昨日の日経朝刊のコラム「名作コンシェルジュ  Music」(音楽評論家・鈴木淳史氏)でフェドセーエフ指揮モスクワ放送交響楽団による「チャイコフスキー・ラストコンサート」のCDが取り上げられていました これは1893年10月にチャイコフスキー自身の指揮により演奏された交響曲第6番”悲愴”ほかのコンサートを再現した演奏会(100年後の1993年:大阪のザ・シンフォニーホール)のライブ録音CDです プログラムはチャイコフスキー「交響曲第6番”悲愴”」で始まり、休憩を挟んだ後、ラロシュの幻想曲「カルモジーナ」、チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」、モーツアルト「イドメネオ」より「2つの舞曲」だったとのことです 鈴木氏の指摘を待つまでもなく「今ならば、順番を逆さまに演奏した方が通りが良さそう」です この演奏会はチャイコフスキーにとって最後のコンサートとなりました その9日後に彼は突然亡くなったからです

さて、演奏曲目の順番ということではベートーヴェンの「交響曲第5番”運命”」と「同第6番”田園”」が同日初演された時のプログラミングが面白いです

Wikipediaを参考に時代を遡ってみます

時は1808年12月22日、会場はオーストリア・ウィーンのアン・デア・ウィーン劇場 この日のプログラムは演奏順に次の通りで、交響曲から始まっています

①交響曲第5番 ヘ長調「田園」(注:現在の第6番)

②アリア「Ah perfido」作品65

③ミサ曲 ハ長調  作品86より「グロリア」

④ピアノ協奏曲第4番 ト長調

 ( 休 憩 )

⑤交響曲第6番 ハ短調(注:現在の第5番)

⑥ミサ曲 ハ長調より「サンクトゥス」と「ベネディクトゥス」

⑦合唱幻想曲

以上、全体で4時間を超える長いコンサートで、この演奏会の記録によると「暖房もない劇場で、少数の観客が寒さに耐えながら演奏を聴いていた」とされており、聴衆や演奏家の体力も大きく消耗したこともあり成功しなかったようです しかし、同じ日に「運命」と「田園」と「ピアノ協奏曲第4番」を演奏するなんて、何と贅沢なコンサートだったのでしょう 「タイムトンネル」があったら、その日にワープして寒さに震えながらでも聴いてみたいと思います

 

         

 

原田ひ香著「ドライ」(光文社文庫)を読み終わりました 原田ひ香は1970年神奈川県生まれ。2005年「リトルプリンセス2号」で第34回NHK創作ドラマ脚本懸賞公募の最優秀作を受賞。2007年「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞を受賞 当ブログでもご紹介した「三千円の使いかた」や「ランチ酒」シリーズなど著作多数

不倫のため仕事を追われ、離婚して子供たちと引き離され一人で暮らす北沢藍のもとに、実家の母親・孝子が祖母・ヤスを刺し、留置場に収監されている、という連絡が入る 藍は面会に行き母親と話し合い、金銭的に困窮していることもあり、実家に戻ることにする 生活力もなく喧嘩の絶えない女同士3人に手を差し伸べたのは隣に住む馬場美代子だった。祖父を介護して暮らしているという美代子に助けられ親しくしているうち、彼女の恐ろしい秘密が知れる

 

     

 

【以下ネタバレ注意】

予想外の展開だったのは、美代子が介護していたのは祖父ではなく、彼女は死亡した祖父をミイラにして2階に保管し、祖父の代わりに介護の対象となる老人を誘拐してきて世話をしていたことです 若い時からヤングケアラーとして家族の介護に縛り付けられてきた美代子にとって、何ができるわけでもなく、自宅で誰かを介護をすることにより「生活保護」を受けることで生計を立てていたのです これには、ケアワークに十分な対価を支払ってこなかった社会に対する批判が込められています

これまでの原田ひ香の作品群とはテイストの異なる深刻なテーマが取り上げられています 貧困問題、ヤングケアラー問題・・・考えさせられることの多い小説でした

         

今週は明日の火曜日から日曜日まで都響、N響、シティ・フィル、東響の各定期演奏会を中心に毎日コンサートが控えています 2月のヤマ場の週を何とか乗り切りたいと思います

コメント
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