人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

川瀬賢太郎 ✕ 郷古廉 ✕ 東京シティ・フィルでマクミラン「ヴァイオリン協奏曲」、ベルリオーズ「幻想交響曲」を聴く / 阪田知樹「ラフマニノフ『ピアノ協奏曲全曲演奏会』」のチケットを取る

2023年02月18日 07時06分19秒 | 日記

18日(土)。4日ほど前、ツイッター最高経営責任者イーロン・マスク氏の「我々が『アルゴリズム』の調整をする間、待っていてください」という英語のツイートがスマホ画面に表示されました 昨日も別のツイートが表示されました。私はマスク氏のフォロワーではないので、「なぜ急に?」と思っていたところ、昨日の朝日新聞朝刊 経済面に次のような記事が載りました

「米ネットメディア『プラットフォーマー』は14日、米ツイッター社がイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の指示を受け、同氏のツイートが表示されやすくなるようアルゴリズム(計算手順)を変更していたと報じた    報道が事実なら、2億人以上が利用する『公共の広場』を経営者自らがゆがめたことになる 報道によると、米プロフットボールが開かれた12日、マスク氏が試合に関するツイートを投稿。バイデン米大統領が投稿した試合に関するツイートが約2900万回表示された一方、マスク氏のツイートは約900万回にとどまったという このことを不満に思ったマスク氏は、自らのツイートが利用者の画面に表示されやすくなるように従業員に指示。従業員は投稿の表示順を決めるアルゴリズムを調整し、マスク氏の投稿が通常の千倍表示されやすくなるようにした この影響で、マスク氏をフォローしていない多くの利用者の画面にも同氏の投稿が表示される状態になっていたという 米メタやツイッターなど大手SNSは、投稿についた『いいね』の数など数千の要素を考慮して、投稿の表示順序を決めている その順序づけに使われている人工知能(AI)のアルゴリズムをめぐっては、中立性や透明性を求める声が強まっており、報道が事実なら『ツイッター離れ』を加速しかねない

ツイッターの利用者の一人として思うのは、「マスク氏の行動は”企業の私物化”で、フェアじゃない」ということです しかし、「無料で利用させてもらっている」身としては正面切って批判する資格があるのかな、と思ったりします 今ご訪問いただいている toraブログ はNTT系の 「gooブログ」を利用していますが、これも無料です 記事の投稿に当たって広告などが表示されたりしますが、文句は言えません 12年間もの長い間、大変ありがたく利用させてもらっています

現在、toraブログはツイッターにも同じ記事を投稿していて、本日現在のフォロワーは合計2002人(うちツイッター分は48人)となっています ツイッターを通してのフォロワー48人はとても貴重で、プロの音楽家の皆さんからの「いいね」もツイッターを通じて押されるケースが圧倒的に多いのが実情です 無料である限りこれからも利用するつもりですが、やっぱりトップによる「企業の私物化」はいただけません それが公共的な性格を帯びているメディアだったり、SNSだったりすればなおさらのことです

ということで、わが家に来てから今日で2958日目を迎え、ウクライナ空軍は16日、ロシアがウクライナ全土の重要なインフラ施設に対して、同日未明にかけて大規模なミサイル攻撃を行った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     国民の8割がプーチンを支持するロシアは ウクライナを破壊し尽くしたツケを負う

 

         

昨日、夕食に「鶏のクリームシチュー」と「生野菜とツナのサラダ」を作りました 寒いとどうしてもシチューやカレーや鍋系の料理が多くなりますね

 

     

 

         

 

9月17日(日)13時半からサントリーホールで開かれる阪田知樹「ラフマニノフ『ピアノ協奏曲 全曲演奏会』」のチケットを取りました 「ピアノ協奏曲第1番~第4番」と「パガニーニの主題による狂詩曲」を一挙に上演します。伴奏は大井剛史指揮東京フィルです ラフマニノフの「全曲演奏会」は数年前に清水和音の演奏を聴いて以来です 私の「若手一押し」のピアニストがどのようなラフマニノフを演奏するのか、今から楽しみです

 

     

 

         

 

昨夜、東京オペラシティコンサートホールで東京シティ・フィル「第358回定期演奏会」を聴きました プログラムは①マクミラン「ヴァイオリン協奏曲」、②ベルリオーズ「幻想交響曲 作品14」です 演奏は①のヴァイオリン独奏=郷古廉、指揮=川瀬賢太郎です

川瀬賢太郎は1984年東京生まれ。2007年東京音楽大学卒業。2006年10月、東京国際音楽コンクール”指揮”部門で第2位(最高位)に入賞    神奈川フィル常任指揮者を経て、現在、名古屋フィル正指揮者(23年4月から音楽監督)、札幌交響楽団正指揮者、オーケストラ・アンサンブル金沢パーマネント・コンダクターを兼任しています

 

     

 

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつものシティ・フィルの並び コンマスは戸澤哲夫です。いつもは管楽器群が平台のため顔が良く見えなくて困っていましたが、今回は外部から招聘した指揮者ということでか、ひな壇に乗っていて良く見えます 普段からこうしてほしいと思います

1曲目はマクミラン「ヴァイオリン協奏曲」です この曲はスコットランド出身のジェームズ・マクミラン(1959~)が2009年に、ワディム・レーピンの独奏を念頭に作曲し、2010年にロンドンで、レーピンのヴァイオリン独奏、ワレリー・ゲルギエフ指揮ロンドン響により初演されました 第1楽章「ダンス」、第2楽章「ソング」、第3楽章「ソングとダンス」の3楽章から成ります

ヴァイオリン独奏の郷古廉(ごうこ すなお)は1993年宮城県生まれ。2013年ティボール・ヴァルガ  シオン国際ヴァイオリン・コンクール優勝、並びに聴衆賞・現代曲賞を受賞 22年4月からNHK交響楽団ゲスト・アシスタント・コンサートマスター(4月からゲスト・コンサートマスター)を務めています

川瀬の指揮で第1楽章がオケの総奏による激しい一撃で開始されます ムチの音がビシッと聴こえたので、まるでラヴェル「ピアノ協奏曲」みたいだな、と思いました 楽章タイトルの「ダンス」のイメージからは程遠い激しい音楽が繰り広げられます 独奏ヴァイオリンにとっては超絶技巧曲ですが、冷静な郷古は何食わぬ顔でビシビシと決めていきます 打楽器群が大活躍で、中盤ではバーンスタインの「ウエストサイド・ストーリー」のメロディーが聴こえてきました 第2楽章は一転、抒情的な音楽が奏でられます 第3楽章に入ると、再び独奏ヴァイオリンの超絶技巧が展開し、ドイツ語による人の声も聴こえてきます 郷古の完璧なカデンツァを経て、打楽器群が大活躍するフィナーレになだれ込みます すごい演奏でした 川瀬 ✕ 郷古 ✕ シティ・フィル は攻めています

会場いっぱいの拍手に郷古は、グレゴリア聖歌「怒りの日」の旋律が採用されたイザイの「無伴奏ヴァイオリンソナタ 第2番」から第2楽章「憂鬱」を静かに そして鮮やかに演奏し、後半の「幻想交響曲」に繋げました

 

     

 

プログラム後半はベルリオーズ「幻想交響曲 作品14」です この曲はエクトール・ベルリオーズ(1803-1869)が1830年に作曲、同年パリで初演されました 曲の内容は「失恋して絶望した若い芸術家がアヘンで自殺を図るが、死に至らず、昏睡状態になって奇怪な幻想を見る その中で恋人はいつも決まった旋律として現れ、彼は夢の中で恋人を殺し、悪魔の饗宴に身を置く」というもので、彼の経験に基づいています 第1楽章「夢、情熱」、第2楽章「舞踏会」、第3楽章「野の風景」、第4楽章「断頭台への行進」、第5楽章「魔女の夜宴の夢~魔女のロンド」の5楽章から成ります

ハープ2台が、指揮者を挟むような形で、下手はコンマスの手前、上手はヴィオラ・トップの手前あたりにスタンバイします まるで白鳥が羽根を広げているような形です🦢

川瀬の指揮で第1楽章が開始されますが、テンポがかなり遅く、このまま行くんだろうか、と心配になりました しかし、後に続く演奏を聴いて、メリハリのある演奏を目指していることが分かりました 竹山愛のフルートによる「イデー・フィクス(固定楽想)」の演奏が素晴らしく、チェロ、コントラバスといった低弦が地響きのようなもの凄い音を出していたのが印象的です 第2楽章では舞台の左右に配置された2台のハープの音がストレートに伝わってきて、川瀬の意図は十分活かされたと思いました

第3楽章では、冒頭の高橋舞のイングリッシュ・ホルンと舞台裏のオーボエとの対話が素晴らしく、終盤における2台のティンパニによる雷鳴が不穏な第3楽章を暗示していたのが印象的でした 第4楽章「断頭台への行進」では何といってもファゴットの演奏が印象的です そして弦楽セクションの渾身の演奏による大きなうねりが素晴らしい ティンパニの強打がとどめを刺します 第5楽章では、小クラリネットの狂ったような演奏が素晴らしい そして、チューバと舞台裏の(教会の)鐘によりグレゴリア聖歌「怒りの日」の旋律が演奏された後、クレッシェンドで狂乱のフィナーレを迎えます

川瀬の若き情熱が楽員に乗り移ったかのような熱狂的な演奏でした 平均年齢が若い東京シティ・フィルの勢いが前面に出た素晴らしい演奏でした

演奏を聴き終わって あらためて驚いたのは、この曲が作曲されたのはベートーヴェンの死(1827年)のわずか3年後だったということです 時代は古典派からロマン派へ移る過渡期にありました 天才を乗り越えて 新しい音楽を開拓したのは やはり天才でした

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする