人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「はじめてのクラシック」コンサートはいかが~8月15,16日

2011年07月12日 07時22分17秒 | 日記
12日(火).昨日の朝日夕刊に「はじめてのクラシック」というコンサートの広告が載りました 8月15日(月)と16日(火)の2日間,午後2時から東京国際フォーラム「ホールA」で開かれるとのことです.指揮は小林研一郎(例の”炎のコバケン”),オーケストラは東京交響楽団,チェロは宮田大で,作曲家の三枝成彰が「ドボルザークってどんな人?」の案内役を務めるそうです.それにしても,コバケンってあちこちのオーケストラを振っていますね

演奏曲目はドボルザークのスラブ舞曲ハ長調,同ホ短調,チェロ協奏曲ロ短調,交響曲第9番「新世界より」です.きのうのブログで紹介したヨゼフ・スークはドボルザークのひ孫でしたね.さて,気になる入場料は全席指定1,000円で,未就学児童以外は誰でも入場できるそうです.これだけの低料金でやれるのはキャノン,三菱商事,住友化学,東芝といったスポンサーが協賛しているからです 

数年前,景気が良かった頃,企業は「メセナ」と称して文化・芸術に多額の金を使いましたが,リーマンショック以降景気が低迷してきてからは陰を潜めてしまいました この春の大震災がそれに拍車をかけました.そういう意味では,今回のような協賛は大歓迎です 企業はもっともっと文化・芸術活動を支援してほしいと思います

会場の東京国際フォーラム「ホールA」は5,000人以上収容できる大ホールです.少しでもいい席で聴きたい人は出来るだけ早くチケットを購入することをお勧めします.チケットぴあと上野の東京文化会館チケットサービスで扱っているそうです.お盆の時期に田舎に帰らない人で休暇が取れる人は気軽に聴きに行かれてはいかがでしょうか

私は行きません.別に指揮者の小林研一郎がオーケストラにバカ丁寧なほど気を使って指揮するからとか そういう意味ではありません.このコンサートは「クラシック音楽入門編」なので,普段クラシック音楽を聴く機会が無い人にこそ低料金で聴いてほしいと思います
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ヨゼフ・スーク=ドボルザークのひ孫=死去

2011年07月11日 06時57分08秒 | 日記
11日(月).今日は新聞休刊日のため郵便受けに新聞はありません.活字中毒には物足りなさを感じます.しかたなくちょっと前の話題を.8日の朝日夕刊の死亡欄に「ヨゼフ・スーク」の名前が載りました.懐かしい名前です 記事によると

チェコのバイオリン奏者”ヨゼフ・スーク”は6日,死去.81歳.作曲家ドボルザークのひ孫で,1950年代からソリストとして世界各国を巡り,憂いや甘さを帯びた演奏が高く評価された.親日家で,日本各地をツアーで訪れた.2002年に引退し,最近は闘病生活を送っていた.

残念ながらスークを生で聴いたことはありません.手元にバイオリンの小品を集めたCDが4枚ありますが,なかでもお気に入りはピアノのヨゼフ・ハーラと組んだバイオリン・アンコール集です マスネの「タイスの瞑想曲」,クライスラーの「ベートーベンの主題によるロンディーノ」などが収録されています.スーク自身が作曲した「Evening Mood」「Slumber Song」という曲も入っていますが,なかなかいい曲です

ところで,クライスラーの「ベートーベンの主題によるロンディーノ」の”ベートーベンの主題”ってどこにもないという話ですね.ベートーベンはそんな主題の曲を作曲していない.つまりクライスラーは自分の曲を売らんがためにベートーベンの名前を勝手に借りて命名したということです曲名もオリジナルで勝負しましょうよクライスラーさん 暗いスラーになってしまいますよ

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暑い七回忌でした~4月2日を大震災で今日に延期

2011年07月10日 20時58分21秒 | 日記
10日(日).父親の七回忌のため埼玉県狭山市に行ってきました.朝から暑い1日でした 当初4月2日に予定していたのですが,3月11日の大地震の影響で一時中止,あらためて今日に延期したものです.そういえば今朝10時ごろ地震がありましたね 父が亡くなったのは平成17年3月30日でした.最終的には急性肺炎でしたが,早いものであれから丸6年が過ぎ去りました.今回は故人の兄弟には声を掛けず,子,孫,ひ孫まで合計15人が集まりました.

菩提寺は狭山市駅から徒歩5分の曹洞宗「慈眼寺」です.ご住職は長崎県の出身でまだ40代の中ごろといったところです.法事のたびに講和をされますが,今回はどうしても東日本大震災のことを避けて通れませんでした.お寺でも福島の被災者であるお年寄り夫婦を受け入れて,お墓の掃除などをしてもらっているとのことでした

「テレビ番組でスピリチュアル・ブームといって前世はどうだったとか言っているようですが,仏教でいう前世,現世,来世というのはちょっと違います.前世とは生まれる前のことではなく,今過ぎ去ったことはすでに前世です.来世とは次に生まれ変わった世界ではなく,まさに今の次の瞬間,明日が来世です.いま,まさにその間である現世を生きているわけです.物事は常に変化して流れていく.これが諸行無常の今の世の中です」

このご住職はインターネットでいろいろ情報収集をして社会的な活動もされていますが,住職同士の間でもブログやツイッターなどでやりとりがあるそうです ただ,住職としてはそうした情報は信頼できないので見ないようにしていると話されていました.インターネットはどの世界にも入り込んでいるのですね

帰りに皆で実家に寄って休んでいきましたが,猫たちはさすがにこの暑さでバテ気味で,とくにトラは段ボール箱に入って寝たままあまり動かず,食欲もないようでした.巨漢ミラは床に寝そべってゴロンゴロンして涼んでいました.こう暑くては人間でもマイってしまいます.ましてや猫はあの毛皮をまとっているわけですからたまりませんね 涼しい顔して猫かぶっているわけにはいきませんね・・・これってオヤジギャル? 違った,オヤジギャグ?
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カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」~最近観た映画から

2011年07月09日 17時48分32秒 | 日記
9日(土).飯田橋「ギンレイ・ホール」で映画の2本立てを観ました.10時20分から開演なので30分前に着いたのですが,すでに映画館から地下鉄に続く階段の下まで長蛇の列 ここは10,500円のパスポート会員になると,年間50本以上の映画が観られます.上映は2週間で1クールです.

最初の10:20からの映画は2009年のドイツ・フランス・イタリア映画「ソウル・キッチン」.オーナーのジノスが経営するレストラン「ソウル・キッチン」は安いけれど味がどれも同じ料理を出します.それでも集まる仲間にはかけがえの無い場所です.途中,高級レストランをクビになったシェフを雇い味で勝負できる店に再生,ぎっくり腰になって,税務署,衛生局と戦いながら店をキリモリします.多彩な料理が出てきて,ロックががんがんかかるので,ロック好きには楽しい映画です

2本目は12:15からのカズオ・イシグロ原作の2010年のイギリス・アメリカ映画「わたしを離さないで」.他人のために臓器を提供するために育てられている少年・少女が,思春期を迎えて自らの過酷な運命に向き合って生きていく,という深刻な映画です この作品は去年か一昨年に文庫本で原作を読んでいたので,何となくイメージはつかんでいたのですが,映画を観てあらためて,なぜ,タイトルが”わたしを離さないで”なのか,を思い出しました.それは少年が少女に贈った1本のカセット・テープに吹き込まれていた歌の歌詞でした
NEVER LET ME GO

少年・少女たちは大人になると,他人に臓器を提供するために手術を繰り返します.1回の手術だけで死んでしまうケースもあれば,3回,4回と手術を繰り返して,それだけ人のために役立って死んでケースもあります.最初から自分自身の人生はない・・・観ていてやりきれなくなります 本で読んだときもそうだったのですが,映画で観てあらためて”静かで,じわっとくる映画だな”・・・と思いました.
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空きスペースの活用法~クラシックかジャズでも流す?

2011年07月08日 06時33分09秒 | 日記
8日(金).朝から頭が痛い そう,夕べ地下1階「串焼きR]でS監査役,E部長,S建設のS工事長,F主任と飲んだのです.もちろん仕事の打ち合わせ.最初は生ビール,その後はE部長推奨の新潟の銘酒「きりんざん」を結局2本飲んだ,と思われます この5人が揃うと大変なことになります.話が支離滅裂,隔靴掻痒,四面楚歌,前途絶望,エンドーレスになります.結局10時過ぎまで飲んだのですが,今朝5時半に起きてみると,確かに夕べは乗り越しもせず西巣鴨駅で降り,無事に家に帰ってお風呂に入り,洗濯もした・・・形跡があります.ついでにガラスの食器を1つ割った形跡もありました

話の中で,S建設のSFコンビが「テナントの館内移動に伴って空いたスペースがもったいないです.有効に活用した方がいいですよ」「例えば昼間は弁当を食べたり,本を読んだりできるようにして,夜はクラシック音楽を流して飲食できるようにしたらどうですかね」と,さすがは建設会社,建設的な意見を言います イメージとしては近隣のビルにある「喫煙ルーム」「休憩スペース」といった感じでしょうか

こちら側(以下PSという.追伸,ではありません)も「それはいい話だ.検討しようじゃないか」と乗り気になり,私も賛成しましたが,「夜はクラシックというよりもジャズの方がいいんじゃないかな」と自説を述べました.それでもS工事長は「クラシックがいいですよ」と嬉しいことを言ってくれます

時々,暇な店長が割り込んできて,いかに自分が過酷な労働条件で仕事を続けているかを愚痴りまくっていました.”この前なんか○○万円入ったかと思ったら、それ以上○○万円が経費で出ていって、全部自分の持ち出しだったんですよ”という話を聞くと”なるほど飲食業界は大変だ”と同情してしまいました

閑話休題。酒の上の「アイディア」を実現するためには,クリアしなければならないハードルがいくつもあるでしょうが,おもしろいのではないかと思います
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脱力系ユーモア誘拐ミステリ~東川篤哉「もう誘拐なんてしない」

2011年07月07日 07時01分58秒 | 日記
7日(木).最近読んだ本から.高橋源一郎・山田詠美共著「顰蹙文学カフェ」,東川篤哉著「密室の鍵貸します」,同「密室に向かって撃て」,同「もう誘拐なんてしない」の4冊.いま東川の「交換殺人には向かない夜」を読んでいるところです

「顰蹙(ひんしゅく)文学カフェ」は高橋源一郎と山田詠美の対談による”文学論”です.この2人によれば,顰蹙を買わない文学などは駄目で,大いに顰蹙を買うべしと主張しています.今までに無かったものを表現すると必ず顰蹙を買うものだが,それにめげてはいけないと.出る杭は大いに打たれろ,といったところでしょうか

東川篤哉の方は,「もう誘拐なんてしない」の解説者が彼の小説についてうまい言い回しをしています 曰く「脱力系ユーモア誘拐ミステリ」.この”誘拐”の部分を入れ替えれば,すべて彼の小説に当てはまります.これまで読んだ3作の中では「もう誘拐なんて・・・」がダントツに面白かったです ”おいおい,それはないだろう”と思わずツッコミを入れたくなります.まさに”脱力系”です.

主人公の青年は,”悪い人に追われている”女子高生を助けますが,これがヤクザ組長の娘.病気の妹のためにお金がほしいという彼女のために狂言誘拐を計画します.ところが,予想外の殺人事件や偽札事件が絡んできて話は複雑系に・・・といったテンポ感のあるミステリーです 最近読んだ本の中でお薦めです

東川は1968年広島県尾道市生まれといいますから,現在43歳.まだまだ若い 2011年本屋大賞を受賞した「謎解きはディナーのあとで」もいずれ読みたいと思いますが,いずれ文庫本化するのを待つことにしましょう

   


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萩原麻未(ジュネーブ国際コンクール優勝)チケット入手

2011年07月06日 06時45分12秒 | 日記
6日(水).昨日会社帰りに,神保町のちけっとピアで秋の公演チケットを2枚買ってきました.1枚は9月27日に紀尾井ホールで開かれる「高野麗音&萩原麻未」デュオコンサート 高野はパリ国際ハープコンクール最高位で,萩原はジュネーブ国際音楽コンクール・ピアノ部門優勝者です.どちらかと言えば萩原麻未を聴くために買いました

萩原麻未は広島音楽高校出身の24歳.ジュネーブ国際音楽コンクールは入賞するのが最も難しいと言われています.優勝時には「のだめカンタービレ」の”のだめ”のような天才肌のピアニストと騒がれました 幼少のころに通ったヤマハ音楽センターの担当講師によれば「どんな和音も次々と聴き当てた.1年かけて習う3冊の教則本も1週間でほぼマスターしてきた」といいます

プログラムはオール・フランスもので,ドビュッシー,フォーレ,プーランク,ラベルなどです.とくにラベルのラ・バルスに注目 どういう表現をしてくれるのか,将来性を感じさせてくれるのか,自分の耳で確かめてきたいと思います

もう1枚は11月13日に北とぴあ・さくらホールで開かれるモーツアルトのオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」.寺神戸亮の指揮で「レ・ボレアード」という古楽器オーケストラが演奏します.ヒロインの1人を森麻季,デスピーナを高橋薫子が歌うということで買いました こちらは先日観た新国立オペラの”コジ”とは一味も二味も違うモーツアルトが期待できそうです

  



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オーケストラの楽団員の給料は?指揮者の報酬はいくら?

2011年07月05日 06時40分08秒 | 日記
5日(火).先日,知人とオーケストラの話をしていて「いったいオーケストラの楽団員っていくらぐらい給料もらっているんだろうか?」という話題になりました.そこで思い出したのが3年前に読んだ「オーケストラの経営学」(京都産業大学経営学部准教授・大木裕子著)です

資料を公開している18楽団の2007年の平均年収は536万円で,ずば抜けた最高額はNHK交響楽団の958万円(平均44歳).700万円以上に読売交響楽団が,500~700万円クラスに東京都交響楽団,大阪フィル,京都交響楽団,名古屋フィルなどが,400~500万円クラスに広島交響楽団,神奈川フィルなどが,300~~400万円クラスに日本フィルなどが,300万円以下に関西フィルが位置しています.一般的なオーケストラでは年収250万~500万円程度だそうです.私が定期会員になっている東京交響楽団,東京フィル,新日本フィルは給与を公開していないようです

高い年収のNHK交響楽団と読売日本交響楽団に共通しているのは,バックに強力な組織があるということです.そうでなければ赤字経営間違いなしでしょう

一方,指揮者のコンサート1回の報酬は,だいたいオーケストラの楽団員の年収が相場になるそうです.楽団員の年収が500万円なら,1回のコンサートの報酬は500万円ということのようです.ただし,かなり名前が知られている指揮者でも,コンクール受賞歴がないというだけで1回30万円の指揮者もいるし,小澤征爾クラスとなると1,000万円以上というランクの指揮者もいるとのことです

ギャラが最も高いのはソリストで,とくに歌手は非常に高く,3大テノールのコンサートになると億を超える出演料がかかってしまうそうです

オーケストラの楽団員の年収に戻すと,ほとんどの楽団員は給料だけでは生活していけないため,他の公演にエキストラで出演したり,個人レッスンのアルバイトをしたりと,副業が欠かせないようです.ちなみにエキストラの出演料は,リハーサル1日5,000円~10,000円,ゲネプロ+本番で15,000円~20,000円程度が相場だそうです.

それにしても小さい頃から高いレッスン料を払って音楽教室に通わせ,音楽大学に通わせて,やっと卒業してもプロのオーケストラに”就職”できるわけではありません 毎年何百人もの人たちが音楽大学を卒業していくわけですから,狭き門どころの話ではないでしょう.もっとも仮にオーケストラに欠員が出て,オーディションを受けて入団できたとしても,低い年収が待っているのですから,音楽大学に行かせることは”投資対効果”が非常に低いと言わざるをえません.それでも,あとからあとから音大を目指して頑張るのですね


  
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被災地支援に~バイロンの孫娘のストラディバリウス

2011年07月04日 06時41分41秒 | 日記
4日(月).昨日の朝日「天声人語」に英国の詩人バイロンの孫娘が愛したストラディバリウスが,英国のネット競売で空前の13億円をつけた,という話が載りました.私が6月24日のブログで紹介した話の詳細です.

イタリアの弦楽器職人アントニオ・ストラディバリ(1644~1737年)の作は約600丁が現存する.今回売却されたのは日本音楽財団蔵の1721年製ストラディバリウスで,銘は「レディー・ブラント」.同財団は約20丁を所有し,奏者に貸与している.売却収入は東北地方の祭りや伝統芸能の再生に使われる.

バイオリストの千住真理子は9年前,億単位の借金をしてスイスの富豪から名器を手に入れた.試奏して生き物の存在を感じたと語る 「小手先の技術は通じない.狙った音がなかなか出てこず,これまで演奏してきた音楽は無いも同じと覚悟しました」 それほどの転機だった.バイロンは詩「音楽に寄せて」に書いている・・・「”美”の娘らの中にあっても お前のように奇しき力をもつものはないであろう」

イギリスの詩人の孫娘の所有していたバイオリンが,日本の被災地の復興支援のために役立つ なんと素晴らしいことでしょうか 日本音楽財団には,まだ貸与していないバイオリンが残っているのなら,有望な若手演奏家に貸し出してほしいと思います

ストラディバリウスといえば,昨日東京芸大チェンバーオーケストラを指揮しながら演奏したウイーン・フィルのコンサートマスター:ライナー・ホーネックの所有するバイオリンは,オーストリア国立銀行から貸与されている1714年製のストラディバリウスでした バイオリン独奏のパートは流石につやのある素晴らしい音が出ていました もちろん楽器が超一流でも彼ほどの実力がなければ,超一流の音は出ませんが
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ライナー・ホーネック,東京芸大オーケストラを振る~モーツアルト「ハフナーセレナード」

2011年07月03日 19時15分51秒 | 日記
3日(日).午後,上野・東京藝術大学「奏楽堂」で,東京芸大チェンバーオーケストラの第17回定期演奏会を聴きました 「奏楽堂」は2つあって,一つは上野公園の一角にある「旧奏楽堂」で,もともと芸大の前身・東京音楽学校の演奏会場でした.今は台東区の所有になっていて,時々室内楽の演奏会をやっています.座席番号は今でも「い・ろ・は・に・・・」で,日本では他に九段会館のみでしょう.今回の会場「(新)奏楽堂」は東京藝術大学の構内にあり1,100人位収容できる立派な演奏会場です

プログラムはモーツアルトの①アイネ・クライネ・ナハトムジークK525,②ハフナーセレナードK250の2曲です.演奏する東京芸大チェンバーオーケストラは2003年に設立され,東京芸大音楽学部と大学院に在籍する弦楽器の25名が中心となり,曲目によって管・打楽器などが加わって演奏する団体です.前回聴いたときと違って,男女の比率が半々といった感じです.前回は圧倒的に女性が多かったのを覚えています

K525の指揮は1992年からウィーン・フィルのコンサートマスターを務めるライナー・ホーネック.使用バイオリンはオーストリア国立銀行から貸与されている1714年製ストラディバリウスとのことです.

最初のK525は「小夜曲=小さなセレナード」という意味の曲で,モーツアルトの曲の中で最も有名な曲かも知れません.弦楽だけで演奏されるこのセレナードが,どのような機会のために,誰のために作曲されたのか不明です.ホーネックは最初から躍動感溢れる指揮ぶりでぐいぐいオーケストラをドライブしていきます.まずは小手調べといったところでしょうか.

休憩後のハフナーセレナードはモーツアルトの生まれたザルツブルクの市長も務めたジークムント・ハフナーの娘エリーザベトの婚礼音楽のために作曲されました.弦楽のほかにフルート,オーボエ,ファゴット,トランペット,ホルンが加わり,音楽に広がりと深みを与えます

ホーネックはコンサートマスターの席に座りました.つまり指揮者なしで,コンマス主導で演奏しようというわけです.総勢38名のオーケストラを,ある時は大きく体を動かして,ある時は背中で語って,全力で引っ張っていきます

第1楽章のアレグロマエストーソが始まった途端に,背筋が寒くなりました.「これは凄い!指揮者なしでこれだけの集中力を発揮できるのか!」 第1楽章のように曲の流れが速い楽章は心配ないとして,全部で8楽章まである長い曲の中で,アンダンテのような楽章はどうだろうか,弛緩しないだろうか,と心配しましたが,余計な心配だったようで,最後まで集中力は途切れませんでした.学生オーケストラからこれだけの音楽を引き出すことが出来るホーネックという人は,流石にウイーン・フィルのコンサートマスターです 

拍手に応えてアンコールを演奏することになって,ホーネックが第1バイオリンに曲名と演奏部分を伝えたのですが,他のメンバーにうまく伝わりません.管楽器のメンバーは顔を見合わせて”ねえ,何やるの?””わかんない”といった会話が聞こえてきそうでした.そのうち,ホーネックが大きな声で”○○のメヌエット”を演奏すると会場にも聞こえるように言ったので,やっと全メンバーにK250のメヌエットをもう1度演奏することがわかったようです.肩の力が抜けてリラックスしたいい演奏でした

これほどの演奏が,たったの1,500円で聴けるなんて,とても信じられません 自由席なので開演40分前くらいに会場に行って並べば理想に近い席が確保できます.ちなみに私は1階22列12番という,センターブロックの通路側でした

次は7月9日(土)午後3時からリスト音楽院と東京芸大のコラボレーションコンサートが,奏楽堂であります.なんと入場無料だそうです.リストのピアノ曲がただで聴けますよ

    
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