人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

現田茂夫 ✕ 東京藝大シンフォニーオーケストラでモーツアルト「交響曲第39番」、「魔笛」&「ドン・ジョバンニ」序曲、R.シュトラウス「13管楽器のためのセレナーデ」、「ドン・ファン」を聴く

2023年07月21日 00時08分11秒 | 日記

21日(金)。わが家に来てから今日で3111日目を迎え、自民党神奈川県連は19日、次期衆院選神奈川4区の公認候補予定者となる同区支部長に、山本朋広元防衛相を選んだが、山本氏は2017年に旧統一教会(世界平和統一家庭連合)主催の会合に出席した際、韓鶴子総裁を最大級の賛辞を意味する「マザームーン」と呼んだうえ、「本当に皆さまには我々、自民党に対して大きな力をいただいていることを、あらてためて感謝申し上げたい」と述べる様子が報じられ、批判が殺到、支部長選任が保留されていた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     次期衆院選の神奈川4区では 住民の良識が問われる 結果次第で自民党は終わりだ

 

         

 

昨日、夕食に「豚肉の冷しゃぶ」「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「シラスおろし」「大根の味噌汁」を作りました 夏バテには「豚しゃぶ」がいいですね

 

     

 

         

 

昨夜、東京藝大奏楽堂で「東京藝大シンフォニーオーケストラ プロムナード・コンサート16」を聴きました プログラムは①モーツアルト:歌劇「魔笛 K.620」より序曲、②同「交響曲第39番 変ホ長調 K.543」、③リヒャルト・シュトラウス「13管楽器のためのセレナーデ 作品7」、④モーツアルト:歌劇「ドン・ジョバンニ K.527」より序曲、⑤リヒャルト・シュトラウス:交響詩「ドン・ファン 作品20」です 指揮は藝大指揮科客員教授の現田茂夫です

東京藝大シンフォニーオーケストラは、音楽学部の2~4年までの弦・管・打楽器専攻生を主体として編成され、授業の成果を学内外で発表しています

 

     

 

東京藝大奏楽堂は昨年10月の「藝大オペラ」以来なので9か月ぶりです。自席は1階15列15番、センターブロック左から3つ目です

オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並び。コンミスは上原帆海さんです 全体を見渡してみると、相変わらず女子学生が多いのですが、コロナ前と比べて男子学生の比率が高くなったように思います チェロなどはほとんど男子学生です。藝大の現在地の大きな特徴でしょうか

1曲目はモーツアルト「魔笛」 K.620より序曲です この曲は前日、METライブビューイングで聴いたばかりです 「魔笛」はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が最晩年の1791年に作曲、同年9月末に台本作家シカネーダーの主宰するアウフ・デア・ヴィーデン劇場で初演されたジングシュピール(歌芝居)です

現田の指揮で「3つの和音」から入りますが、演奏は極めて遅いペースで進み、止まってしまうのではないかと心配しました が、そこは「魔笛」です。徐々にテンポアップして軽快な演奏に移ります 特に弦楽セクションの演奏が美しいと思いました

2曲目はモーツアルト「交響曲第39番 変ホ長調 K.543」です この曲は1788年夏に交響曲第40番、第41番とともに作曲されました 第1楽章「アダージョ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「メヌエット:アレグレット」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります

この曲は大好きなので、理屈抜きで楽しませてもらいました テンポ設定は適切で、自然な呼吸で聴くことが出来ました 一番好きなのは第3楽章「メヌエット:アレグレット」の後半のトリオです クラリネット、フルート、ファゴットにより優雅でウキウキするメロディーが奏でられました 第4楽章冒頭の音楽を聴きながら、小林秀雄が「モォツアルト」の中で、この部分を「39番シンフォニイの最後の全楽章が、このささやかな16分音符の不安定な集まりを支点とした梃子の上で、奇跡のようにゆらめく様」と表現していることを思い出していました 素晴らしい演奏でした

 

     

 

プログラム後半の1曲目はR.シュトラウス「13管楽器のためのセレナーデ 作品7」です この曲はリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)が1881年に作曲、1882年にドレスデンで初演されました この曲はフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットが各2本、コントラファゴット1,ホルン4本により演奏されます モーツアルトの「グラン・パルティータ(13管楽器のためのセレナーデ)」を意識して書かれたものと言われていますが、曲想は(当然ながら)かなり異なります この曲を聴くのは初めてですが、若き日のリヒャルト・シュトラウスの創作意欲が伝わってくる素晴らしい音楽だと思いました 13人の皆さんの演奏も素晴らしかったです

次の曲はモーツアルト:歌劇「ドン・ジョバンニ K.527」より序曲です 歌劇「ドン・ジョバンニ」は1788年に作曲、プラハのエステート劇場で初演されました この序曲は、たった一晩で完成したという逸話が残っています どうやら、モーツアルトは頭の中で出来上がっている作品の音符を譜面に書き写すだけで良かったようです こういうのを本当の”天才”と言うのでしょうね

コンマスが小西健太郎君に代わります 現田の指揮で演奏に入りますが、冒頭の和音がデモーニッシュに響きました まさにドン・ジョバンニが地獄へ落ちていく様が重心の低い荘重な音楽で表されていました

最後の曲はリヒャルト・シュトラウス:交響詩「ドン・ファン 作品20」です この曲は1887年から翌88年にかけて作曲、1889年にワイマルで初演されました 作曲年代を見ると、モーツアルトの「ドン・ジョバンニ」が1788年、リヒャルト・シュトラウスの「ドン・ファン」が1888年で、ちょうど100年後です。自己顕示欲が強く誇大妄想狂的なシュトラウスはほぼ間違いなく、故意にジャスト100年後を狙って書いたと思います

現田の指揮で演奏に入りますが、冒頭からフル・オーケストラによるアグレッシブな演奏が繰り広げられます 「モーツアルトから100年経った音楽」を否が応でも認識させられます 何しろ、「ドン・ジョバンニ」がフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、ティンパニに弦楽セクションなのに対し、ドン・ファンはそれに加えて、ピッコロ、イングリッシュ・ホルン、コントラファゴット、トロンボーン、テューバ、打楽器、ハープが加わっており、オケから出てくる音量と幅が全く違います オーケストラにとっては、リヒャルト・シュトラウスの作品こそ演奏冥利に尽きるのではないかと想像します オーボエ、フルート、クラリネットといった木管楽器群の演奏が冴えており、ホルンセクションの厚みのある雄大な演奏が印象的でした

学生たちの後半の演奏を見ていて、一人だけ他の奏者と全く違う弾き方をしている人に気が付きました それは第2ヴァイオリンのトップの女性奏者です メンバーリストの第2ヴァイオリンのトップにあるのは落合真子という学生さんですが、この人かもしれません 彼女は全身全霊を傾けて弾いていることが分かります 比較的背が低く、全体的な雰囲気としては新日本フィルのアシスタント・コンサートマスター、立上舞さんのような感じです この人、いずれコンマスになると思います さらに言えば、プロのオケに入って活躍するかもしれません

現田 ✕ 藝大シンフォニー・オケはアンコールに、モーツアルト「フィガロの結婚」序曲を軽快に演奏、大きな拍手の中コンサートを閉じました

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METライブビューイングでモーツアルト「魔笛」を観る ~ 現代にシカネーダーが生きていたら こういう演出をしただろう!:2022-2023シーズン最後を飾る素晴らしい公演

2023年07月20日 06時58分08秒 | 日記

20日(木)。わが家に来てから今日で3110日目を迎え、議会襲撃事件などを通じて2020年米大統領選の結果を覆そうとした疑惑をめぐり、トランプ前大統領は18日、自身が捜査対象になっていることを通知する書面を連邦検察から受け取ったと明らかにし、「この魔女狩りは、選挙妨害であり、法執行機関を完全に政治的な武器にしている」と捜査を批判した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプの辞書にない言葉 = 羞恥心、自制心、謙虚さ、法の尊重、危機管理能力

 

         

 

昨日、夕食に「蒸しジャガ・タラコバター」「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴(シラス・紫蘇・オクラ)」「舞茸の味噌汁」を作りました 「蒸しジャガ~」は小ぶりの新ジャガを使いますが、娘の大好物です

 

     

 

         

 

昨日、新宿ピカデリーで「METライブビューイング2022/2023シーズン」最後の公演、モーツアルト「魔笛」を観ました これは今年6月3日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です 出演は、パミーナ=エリン・モーリー、タミーノ=ローレンス・ブラウンリー、パパゲーノ=トーマス・オーリマンス、パパゲーナ=アシュリー・エマーソン、夜の女王=キャスリン・ルイック、ザラストロ=スティーヴン・ミリング、モノスタトス=ブレントン・ライアン、弁者=ハロルド・ウィルソン。合唱=メトロポリタン歌劇場合唱団、指揮=ナタリー・シュトゥッツマン、演出=サイモン・マクバーニーです

ナタリー・シュトゥッツマンは前日までMETライブ「ドン・ジョバン二」を指揮していましたが、続いて「魔笛」を振ることになりました 同じモーツアルトの歌劇ですが、曲想はまったく違います 彼女がどう振り分けるか、聴きものです

 

     

 

「魔笛 K.620」はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)がヨハン・エマーヌエル・シカネーダーの台本を基に最晩年の1791年に作曲、同年9月末にウィーン郊外のアウフ・デア・ヴィーデン劇場で初演された全2幕から成るドイツ語によるジングシュピール(歌芝居)です

王子タミーノが大蛇に追われていると、夜の女王に仕える3人の侍女が登場し大蛇を退治する そこに夜の女王に生きた鳥を献上する鳥刺しパパゲーノがやってきて、大蛇は自分が殺したと嘘をつくが、侍女たちに叱られる 侍女たちはタミーノに、夜の女王の娘パミーナを悪人ザラストロの元から救い出してほしいと言う タミーノはパミーナの絵姿に一目ぼれする そこに夜の女王が現れ、タミーノにパミーナを救出するよう依頼する 侍女たちはタミーノに魔法の笛を、パパゲーナに魔法の鈴を手渡す 2人はザラストロの神殿に向かう。神殿前で離ればなれになった2人だが、タミーノの魔法の笛を聴いたパパゲーノは、出会ったパミーナを彼のもとに連れて行こうとする。見張りのモノスタトスと奴隷たちに行く手を阻まれるが、魔法の鈴で一味を退ける ザラストロが現れ、邪悪な母親から娘のパミーナを守っているのだと語る 話を聞くと、ザラストロは悪人ではなく本当は偉大な高僧であることが分かる ザラストロはタミーノとパミーナに対し、お互いに結ばれるための試練を命じる(以上、第1幕)

タミーノに課せられた最初の試練は「沈黙」。パミーナの前に夜の女王が再び現れ、パミーナに対しザラストロに復讐せよと激しく歌う ザラストロはパミーナに愛を説く 一方、パパゲーノのもとに老婆(実は若いパパゲーナ)が現れるが、すぐに消えてしまう パミーナはタミーノと再会するが、彼は沈黙したままパミーナと話をしようとしない 自分を嫌いになったと思い込んだパミーナは悲しみのあまり自殺しようと考えるが、3人の童子に止められる 沈黙の試練を乗り越えたタミーノは、続く「火」と「水」の試練にパミーナとともに挑み、克服する パパゲーノも若い娘の姿に変わったパパゲーナと出逢う ザラストロは王子タミーノとパミーナを祝福する(以上、第2幕)

 

     

 

1957年 英国ケンブリッジ生まれのサイモン・マクバーニーの演出が素晴らしい 音響と映像の両面で、ハイテク(映像表現、舞台装置など)とローテク(効果音など)を組み合わせた立体的な演出により、観客をメルヘンチックな世界に引き込みます オーケストラピットの床が高く設定されており、観客からもオーケストラの楽員が見えるようになっています また、張り出し舞台になっていて、ザラストロは指揮者の後方の通路から登場します これらの舞台造りは、演奏する側と観衆側との垣根を低くし、オペラをより身近に感じさせることを狙ったものと思われますが、見事に成功していました

第1幕冒頭で、3人の侍女が、大蛇に襲われて気を失っているタミーノの上着やズボンや靴を脱がせて持ち去ってしまうシーンには会場大爆笑でした また、そのすぐ後、目が覚めたタミーノがパパゲーノに「ここはどこ?」と訊くと、パパゲーノは「向こうに山があるでしょう。こっち(反対側)にも山があるでしょう。山と山の間が”ここ”」と答え、これにも大爆笑です このセリフはシカネーダーの台本にはありません アドリブ的なセリフはこのシーンに限らず何カ所かで登場しますが、1791年の初演時にパパゲーノを演じたシカネーダーは、きっとアドリブをかまして観衆に受けていたに違いありません 「魔笛」初演の様子はミロス・フォアマン監督、ピーター・シェーファー脚本による映画「アマデウス」(1984年)で観ることができますが、まるでドタバタ喜劇です マクバーニーは、最晩年のモーツアルトが、それまで貴族を対象にイタリア語で書いてきたオペラから離れ、一般大衆を対象にドイツ語でジングシュピール(歌芝居)の形で書いたことを強く意識して今回の演出に当たっていると思いました

また、タミーノの吹く魔法の笛は、MET管・首席フルート奏者モリスをステージに上げて吹かせたり、パパゲーノの弾くグロッケンシュピールはMET専属ピアニストのワゴーンに舞台上手の角で演奏させたりと、工夫を凝らしています   また、タミーノがパミーナの絵姿を見るのはペンダントではなくスマホでした

登場人物は基本的には現代の衣装を身に着けていますが、他のプロダクションとまったく異なるのは、夜の女王と3人の童子です 夜の女王は脚が悪い老女という設定で 車椅子に乗っており、かなりダーク・サイドの面を前面に出しています    また、3人の童子は子役ですが、頭髪は真っ白で身体は肋骨がむき出しで老人のようなメイクが施されています これは童子ながら老人のような智恵を持っていることを象徴していると思われます    また、パパゲーノは服や顔にペンキが塗られ、いつも肩に脚立をかついで動き回っています 鳥刺しというよりはペンキ屋さんです

また、演出で驚いたのはラストシーンです 何と、ザラストロは床に倒れ込んでいる夜の女王を助け起こし、彼女を許すのです こういう解釈の演出は初めて観ました モーツアルトのオペラは主人公と騎士長が死ぬ「ドン・ジョバンニ」以外は、登場人物が死なずハッピーエンドで終わりますが、「最後にはすべての人を許してしまう」モーツアルトのオペラの精神を拡大解釈した演出なのだろうか・・・・と、ここまで考えて、はたと気が付きました モーツアルトは「自由、平等、博愛」の3つを理念とする「フリーメイスン」のメンバーでしたが、この「魔笛」は「♭記号3つの変ホ長調」を基調とし、3つの和音、3人の侍女、3人の童子など「3」にまつわる要素が見え隠れしています マクバーニーは最後にダークサイドの夜の女王を救うことによって、フリーメイスンの理念のうち「博愛」を表したかったのではないだろうか

パミーナを歌ったエリン・モーリーは1980年、米ソルトレイクシティ生まれのソプラノですが、ヒロインになり切った歌唱力と演技力で聴衆を魅了しました

タミーノを歌ったローレンス・ブラウンリーは1972年、米オハイオ州生まれのテノールですが、ベルカントの歌唱が魅力です

パパゲーノを歌ったトーマス・オーリマンスは1977年、オランダ生まれのバリトンですが、コミカルな演技力で聴衆の圧倒的な支持を得ました

夜の女王を歌ったキャスリン・ルイックは1983年、米コネチカット州生まれのソプラノですが、METで「夜の女王」を歌うのは今回が50回目とのことです 圧倒的なコロラトゥーラで夜の女王の怒りを歌い上げました

ザラストロを歌ったスティーヴン・ミリングは1965年、コペンハーゲン生まれのバスですが、背丈もありザラストロに相応しい威厳のある低音の魅力を発揮しました

特筆すべきは、ナタリー・シュトゥッツマン指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団による演奏です。歌手に寄り添いながらメリハリのある演奏で「魔笛」の魅力を存分に引き出していました

今シーズンのMETライブビューイングもこれでお終いです 寂しいですが、次シーズンに期待したいと思います

 

     

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ジャン=リュック・ゴダール監督「ゴダールの探偵」&「ゴダールの決別」を観る ~ シューベルト「未完成交響曲」、ショパン「別れの曲」、チャイコフスキー「悲愴交響曲」等が流れる

2023年07月19日 06時45分10秒 | 日記

19日(水)。わが家に来てから今日で3109日目を迎え、文部科学省は18日、2022年度の文部科学白書を公表したが、学校教育において質の高い教員を確保することは必須で、教職の魅力向上と多忙解消が喫緊の課題だとし、「長時間労働の是正は待ったなし」と言明した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     何十年も前から言われていて何の改善もされていない  政権は何をやっていたのか?

 

         

 

昨日はカレーを作り、アスパラガス、茄子、ピーマンの素揚げを乗せました あとは「生野菜とアボカドのサラダ」です。夏野菜の素揚げはカレーにピッタリで、とても美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹でジャン=リュック・ゴダール監督「ゴダールの探偵」&「ゴダールの決別」の2本立てを観ました

「ゴダールの探偵」はジャン=リュック・ゴダール監督による1985年製作フランス映画(98分)です

パリの一流ホテルの一室で、探偵(ジャン=ピエール・レオ)と彼の甥である刑事とその恋人が、2年前に起きた殺人事件の犯人を見つけるため張り込みを続けている 一方、ロビーで会話するパイロットとその妻は、金を貸したボクシングのプロモーターと会うことになっていたが、そのプロモーターは、マフィアのボスからも借金の返済を迫られていた ホテルを舞台に人々の物語が輻輳する

 

     

 

本作は登場人物が多く、物語が複層的になっているためストーリーを追うのが極めて困難でした   正直言って、ゴダール監督がこの作品で何を言おうとしているのか全く分かりませんでした

この映画では、冒頭シーンと劇中でシューベルト「交響曲第7番 ロ短調 ”未完成”」の第1楽章「アレグロ・モデラート」が、この作品の通奏低音のように流れていました また、ショパン「エチュード 作品10-3 ”別れの曲”」も劇中で何度か流れました

 

         

 

「ゴダールの決別」はジャン=リュック・ゴダール監督による1993年製作フランス・スイス合作映画(84分)です

スイスのレマン湖の畔の小さな町で暮らす平凡な夫婦シモン(ジェラール・ドパルデュー)とラシェル ある晩、ラシェルは帰宅した夫がまるで別人のようだと感じる シモンはラシェルに、自分はシモンの身体に乗り移った神であると告げ、天地創造の秘密を語り始める

 

     

 

この映画は、ギリシャ神話のゼウス神が 人間の欲望、苦悩、歓びをめぐる真実を経験したいという願望を実現するため人間の肉体を借りて人妻と関係を結んだというエピソードに着想を得て撮り上げた作品です ゴダールの作品として高く評価されているようですが、私には難し過ぎて まったく理解できませんでした

この映画では、チャイコフスキー「交響曲第6番 ロ短調 作品74 ”悲愴”」の第4楽章「アダージョ・ラメントーソ」が全編を通して通奏低音のように流れていました   また、J.S.バッハ「トッカータとフーガ  ニ短調」もこの作品のテーマであるかのように流れていました

「カルメンという名の女」ではベートーヴェンの「弦楽四重奏曲」を全編を通して使っていましたが、この日の2作品も含めて見ると、ゴダール監督は結構 クラシック音楽を使っていることが分かります   それも知る人ぞ知るといったマイナーな曲ではなく、人口に膾炙した名の知れた作品を使用していることが分かります

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中田延亮 ✕ 杉山由紀 ✕ 新交響楽団で伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」、ファリャ「三角帽子」全曲、トゥリーナ「幻想的舞曲集」を聴く

2023年07月18日 06時39分55秒 | 日記

18日(火)。わが家に来てから今日で3108日目を迎え、習近平国家主席の号令を踏まえ、中国各地の教育当局が、政治科目を受け持つ教員を中心に素行や思想信条を調査するよう大学などに指示を出し、不適格と判断した場合は解雇や配置換えなどを求めている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     習近平主導による政治制度の優位性を若い世代に植え付ける目的だ これぞ専制主義

 

         

 

昨日、夕食に大学時代の友人S君が送ってくれた「赤尾鯛」を煮つけ、「生野菜サラダ」「シラスおろし」「冷奴」「白舞茸の味噌汁」と一緒にいただきました 赤尾鯛は煮るのが難しく、煮崩れてしまいましたが、とても美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日、東京芸術劇場コンサートホールで新交響楽団「第262回演奏会」を聴きました プログラムは①トゥリーナ「幻想的舞曲集」、②伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」、③ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」全曲です 演奏は③のメゾソプラノ独唱=杉山由紀、指揮=中田延亮です

中田延亮は京都生まれ。筑波大学医学専門学群在学中に桐朋学園ソリスト・ディプロマコースに入学、コントラバスを専攻する一方で指揮を学び、在学中から活動を開始したという異色の経歴の持ち主です

新響から送られてきたチケットは1階M列13番、センターブロック左通路側です。会場はかなりの客入りです

 

     

 

拍手の中、楽員が配置に着きます オケは14型で左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの新響の並び。コンミスは堀内真美さんです

1曲目はトゥリーナ「幻想的舞曲集」です この曲はスペインの作曲家ヨアキン・トゥリーナ(1882-1949)が1919年に作曲、1920年2月13日に初演されました 第1楽章「高揚」、第2楽章「夢」、第3楽章「饗宴」から成ります

中田の指揮で演奏に入りますが、全体を通してスペイン情緒溢れた色彩感豊かな演奏で、とくにオーボエ、コーラングレ、フルートが冴えた演奏を繰り広げていました また、第3楽章におけるホルンセクション、ティンパニ、チェロ独奏が素晴らしい演奏を展開しました

2曲目は伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」(1979年改訂版)です この曲は伊福部昭(1914-2006)が1954年に作曲(原典版)、56年3月16日に上田仁指揮東京交響楽団により国内初演され、その後 1979年12月に改定版が完成、1980年4月6日に芥川也寸志指揮新交響楽団により改訂版が初演されました 「タプカーラ」とはアイヌ語で「立って踊る」の意ですが、3拍子の3拍め、4拍子の4拍めにアクセントが付きます 第1楽章「レント・モルト ~ アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

中田の指揮で第1楽章が、低弦による雄大な演奏で開始されます   やがて独特のアクセントによるアレグロに移ります   大地に根差したかのような弦楽セクションの渾身の演奏が素晴らしい ホルン、チェロのソロが冴えています また、ミュート付きトランペットがいい味を出しています 第2楽章は低弦とハープに乗せてフルート、オーボエ、コーラングレが素晴らしい演奏を繰り広げます 第3楽章は冒頭から独特のリズムによるアグレッシブな演奏が展開します 管楽器が咆哮し、打楽器が炸裂し、弦楽器が渾身の演奏を展開します 前述の通り、新響はこの曲の改定版の初演を担っていますが、その精神が現在の楽員に受け継がれて大倫の花を咲かせました どのオーケストラよりも多く演奏してきた新響の面目躍如の演奏で、満場の拍手とブラボーが飛び交いました

 

     

 

プログラム後半はファリャ:バレエ音楽「三角帽子」全曲です この曲はマヌエル・デ・ファリャ(1876ー1946)がロシア・バレエ団の主宰者セルゲイ・ディアギレフからの依頼により1918年から翌19年にかけて作曲、1919年7月22日にロンドンでエルネスト・アンセルメの指揮により初演されました

「三角帽子」は、美人の粉屋の女房フラスキータを気に入った代官が、手を出そうと言い寄るが、かわされた挙句 逃げていくという物語ですが、この物語の「三角帽子」は大きなツバに3つ角がある帽子(上から見ると三角形)で、代官の権威の象徴となっています

オケの下手後方にメゾソプラノの杉山由紀(武蔵野音大大学院 ⇒ 二期会)がスタンバイします コンミスは内田智子さんに代わります

演奏はティンパニの力強いリズムで始まります カスタネットの連打とともに楽員が手拍子とともに「オレ!オレ!」と叫びます そして、メゾソプラノが「奥さん、閂をかけなさい」と歌い、本編に入ります

全編を通じて「ファンダンゴ」「セギディーリャ」「ファルーカ」「ホタ」といったスペインの舞踏音楽がふんだんに演奏されますが、中田はリズム感もよく、色彩感溢れるメリハリの利いた演奏を展開します 全曲版を聴くのは初めてですが、楽しく聴くことが出来ました 驚いたのは、第2部で音楽がちょっと不穏な雰囲気に変わるところで、ベートーヴェンの第5交響曲の「ジャジャジャジャーン」が鳴ったことです もちろんパロディですが、ファリャってこういうパロディもやるんだな、と親近感を覚えました

新響はアマチュア・オーケストラです。管楽器奏者が多く 1曲ごとに演奏者の半数くらいが交替しますが、だれもが巧者揃いです カーテンコールが繰り返され、最後に全員で一礼しコンサートを終了しました   また、伊福部昭の作品を是非取り上げてほしいと思います

次回の公演は下のチラシの通りですが、残念ながら私は葵トリオのコンサートと被ってしまうため聴けません 8月26日に読響「三大交響曲」を振る気鋭の指揮者・坂入健司郎によるオール・ショスタコーヴィチ・プログラムですが、とても面白いと思います お薦めしておきます

 

     

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ジョナサン・ノット ✕ 神尾真由子 ✕ 東京交響楽団でエルガー「ヴァイオリン協奏曲 ロ短調」、ブラームス「交響曲第2番 ニ長調」を聴く ~ 東響 第712回定期演奏会

2023年07月17日 06時44分34秒 | 日記

17日(月)。大学時代の友人で千葉県勝浦市在住のS君が海の幸を箱一杯送ってくれました    鯖、鯵、赤尾鯛、カレイが所せましと詰まっています   これでしばらくは魚は買わなくても済みそうです 持つべきものは友だちです。S君、ありがとう

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で3107日目を迎え、中国の秦剛国務委員兼外相の動静が途絶えて3週間が経過し、さまざまな憶測を呼んでいるが、ネット上では、女性問題が原因で共産党中央規律委員会の取り調べを受けているとの情報が出回り、台湾紙は先に、新型コロナウイルスに感染して療養中と報じた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     行方不明はロシアではプリゴジン 中国では秦剛か  2人でかくれんぼしてたりして

 

         

 

昨日、サントリーホールで東京交響楽団「第712回定期演奏会」を聴きました プログラムは①エルガー「ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 作品61」、②ブラームス「交響曲第2番 ニ長調 作品73」です 演奏は①のヴァイオリン独奏=神尾真由子、指揮=音楽監督 ジョナサン・ノットです

 

     

 

オケは12型で左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置をとります。コンマスは小林壱成です

1曲目はエルガー「ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 作品61」です この曲はエドワルト・エルガー(1857-1934)が1910年にロイヤル・フィルハーモニック協会からの委嘱により作曲、同年11月10日にロンドンでフリッツ・クライスラーの独奏、エルガーの指揮により初演されました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグロ・モルト」の3楽章から成ります

ヴァイオリン独奏の神尾真由子は4歳からヴァイオリンを始め、2007年に第13回チャイコフスキー国際コンクールで優勝し、世界中の注目を集める それ以降、国内外のオーケストラと共演しています

ノットの指揮で第1楽章がオケによる第1主題で開始されます そして独奏ヴァイオリンが入ってきます この曲はヒラリー・ハーンのCDで予習しておいたのですが、どうもメロディーが頭にすんなりと入ってきません 聴き込みが足りないのだと思うのですが、どうやら私はディーリアスを除くイギリスの作曲家の作品が苦手のようです ただ、第2楽章の神尾の良く歌うヴァイオリンは素晴らしいと思いました 第3楽章で面白いと思ったのは、ヴァイオリンやチェロによって演奏される「ピッツィカート・トレモロ」です これはエルガーが考案した弦楽奏法ですが、弓でなく指で弾かれることによって出てくる”揺れ動く音色”が素晴らしい それに続く神尾のカデンツァが美しく響き、壮大なフィナーレになだれ込みます ノット ✕ 東響は神尾にピタリとつけました

カーテンコールが繰り返されますが、アンコールはありませんでした 見識です

 

     

 

プログラム後半はブラームス「交響曲第2番 ニ長調 作品73」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1877年に南オーストリア・ヴェルター湖畔の景勝地ペルチャッハで作曲、同年12月30日にハンス・リヒター指揮ウィーン・フィルにより初演されました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アダージョ・ノン・トロッポ ~ リステッソ・テンポ、マ・グラツィオーソ」、第3楽章「アレグレット・グラツィオーソ ~ プレスト・ノン・アッサイ」、第4楽章「アレグロ・コン・スピーリト」の4楽章から成ります

オケが14型に拡大します ノットの指揮で第1楽章に入ります。かなりゆったりしたペースで音楽が流麗に流れます 荒絵理子のオーボエ、竹山愛のフルート、上間喜之のホルンが素晴らしい それにしても、テンポが遅すぎないか    正直言って、第1楽章をこれほど長く感じたことはありなせん これまでのノットでは考えられないテンポ設定だと思います 第2楽章ではチェロ・セクションの演奏が冴えていました 第3楽章では荒絵理子のオーボエが素晴らしい 第4楽章の演奏を聴きながら、ノットの音楽づくりの特徴は、管・打楽器と弦楽器との絶妙なブレンド力ではないか、と思いました 別の言葉で言えば、管・打楽器と弦楽器とを絶妙なバランスをとりながら美しいアンサンブルを繰り広げる能力です

ところで、東響のプログラム冊子「Symphony7&8月号」の「NEWS & TOPICS」に首席トランペット奏者の佐藤友紀氏が7月31日付で退団する旨の告知が掲載されていました 東京交響楽団は今春、コンマスの水谷晃、ホルン首席の大野雄太、オーボエ首席の荒木奏美、ハープ首席の影山梨乃が退団したばかりです    またしても首席の退団ということで、楽団としては頭の痛いところだと思います 入れ替わりに東京シティ・フィル首席の竹山愛がフルート首席(現在・試用期間)として、カルテット・アマービレの笹沼樹が客演首席チェロ奏者として入団していますが、出る方が多い実情に変わりはありません 大丈夫か、東響

 

     

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ジャン=リュック・ゴダール監督「カラビ二エ」 & 「カルメンという名の女」を観る ~ ベートーヴェン「弦楽四重奏曲」が全編に流れる / 音大オケ・フェスのチケットを取る ~ 東京藝大、東京音大

2023年07月16日 06時56分53秒 | 日記

16日(日)。「第14回 音楽大学オーケストラ フェスティバル」全4公演のうち11月4日(土)14時から東京芸術劇場で開かれるコンサートのチケットを取りました プログラムと演奏者は①ラフマニノフ「交響曲第2番ホ短調」(ジョン・アクセルロッド指揮東京音楽大学)、②チャイコフスキー「交響曲第5番ホ短調」(迫昭嘉指揮東京藝術大学)です   学生オケと言ってバカにしてはいけません 昨今の音大オケはプロ顔負けです

 

     

     

 

ということで、わが家に来てから今日で3106日目を迎え、中国国防省は15日、日本海中部で実施する中国軍の演習にロシア軍が近日参加し、海空の戦力を派遣すると発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     覇権主義国家同士で気が合うらしいが  ロシアの戦力が底をつくのは 時間の問題だ

 

         

 

昨日、早稲田松竹でジャン=リュック・ゴダール監督「カラビ二エ」と「カルメンという名の女」の2本立てを観ました

「カラビ二エ」はジャン=リュック・ゴダール監督による1963年製作フランス・イタリア合作映画(モノクロ・80分)です

物語の舞台は、とある架空の国。荒地の掘っ建て小屋に、ミケランジェロ、ユリシーズ、クレオパトラ、ヴィーナスという名前の家族が暮らしていた そこへ2人のカラビ二エ(歩兵)が「王様」からの手紙を持って現れ、ミケランジェロとユリシーズの兄弟を徴兵する 学のない兄弟は世界の富を手に入れることができるという甘言に釣られて戦地へと向かい、破壊と略奪の限りを尽くすが、最後に待っていたのは悲劇だった

 

     

 

 

ミケランジェロとユリシーズは戦地からトランクいっぱいの世界中の建物や遺跡の写真を詰めて帰り、クレオパトラとヴィーナスに、「この写真に写っている現物がすべて報酬として与えられる」と言って喜ばせますが、それは嘘で、カラビ二エに騙されたのです このように戦争に翻弄される無知な若者2人の運命を寓話的に描いた風刺劇となっています

現代においても、「この戦いはすぐに終わる」と騙されて、ろくに軍事訓練も受けずに前線に送られ、無残な死を遂げた若者が多く出た国がどこかにありましたね

 

     

 

         

 

「カルメンという名の女」はジャン=リュック・ゴダール監督による1983年製作フランス映画(85分)です ビゼーの名作「カルメン」の原作として知られるプロスペル・メリメの短編小説を下敷きに撮り上げたラブストーリーです

物語の舞台は現代のパリ 仲間たちと銀行を襲撃した美貌の女カルメン(マルーシュカ・デートメルス)は、犯行中に出会った警備員の青年ジョゼフと恋に落ちる 2人は逃亡を図るが、ジョゼフは捕まってしまう やがて釈放されたジョゼフはカルメンの元へ向かうが、2人の仲はうまくいかない ついにジョゼフはカルメンを銃殺する

 

     

 

本作では、カルメンの伯父で精神病院に入院中の元映画監督ジャンをゴダール監督自身が演じています この映画は1983年・第40回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞しました

この映画の大きな特徴はビゼーの歌劇「カルメン」ではなく、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲が全編を通して使われていることです 弦楽四重奏団による演奏シーンもあり、音楽だけが流れるシーンもあります 弦楽四重奏団による冒頭のシーンでは「第9番 ハ長調 作品59-3 ”ラズモフスキー第3番 」の第3楽章「メヌエット・グラツィオーソ」が演奏されました  その後「第13番 変ロ長調 作品130」の第5楽章「カヴァティーナ:アダージョ・モルト・エスプレッシーヴォ」、「第14番 嬰ハ短調 作品131」の第6楽章「アダージョ・クアジ・ウン・ポコ・アンダンテ」と第7楽章「アレグロ」などが流れました そして、ラストシーンでは完成した最後の弦楽四重奏曲「第16番 ヘ長調 作品135」の第4楽章「グラーヴェ・マ・ノン・トロッポ・トラット」が流れました     これから分かるのは、主に後期の作品が選ばれていることです なぜベートーヴェンなのか、なぜ弦楽四重奏曲なのか、知りたいところです

 

     

     

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エマニュエル・トッド ✕ 池上彰「問題はロシアより、むしろアメリカだ 第3次世界大戦に突入した世界」を読む ~ 大切なのは世界情勢を多面的に見る視点

2023年07月15日 07時02分09秒 | 日記

15日(土)。昨日午前、豊島区からの案内に基づき、近くのクリニックで特定健診(一般的な健康診断)を受けてきました 事前に電話したら特に予約の必要はないとのことだったので、9時40分ごろに行ったら、それほど待たずに検査を受けられました 検尿、採血、胸部レントゲン撮影、血圧など一通り検査し、30分ほどで終わりました 検査が終わってから、近くで買い物をして帰ってきましたが、マンション1階のエレベーター前で立ち尽くしました エレベーターのドアに「午前10時から正午まで、エレベーターの定期点検のため使用できません」という張り紙が これは1週間以上も前から掲示版に表示されていたので知っていたはずですが、油断していました 仕方なく荷物を持って非常用階段を9階まで上がりました 脚が半端なく疲れました その後、再び池袋に買い物に行くため階段で1階まで降り、バスで出かけました 買い物から戻ったのは午前11時半で、またしても階段を9階まで荷物を持ってハーハーゼイゼイ言いながら上がりました 脚が半端なく疲れました エレベーターのある生活に慣れていて、体力が落ちていることを痛感します 梅雨前までは池袋まで徒歩で買い物に出ていたので1日8千歩を達成していたのですが、ここ1~2週間の猛暑の間、熱中症を恐れてバスを使うようになっていたので 運動不足は なおさらです 夏は嫌いです。秋が早く訪れることと切望します

午後、気を取り直してブログを書く準備をしようとパソコンのスイッチを入れたら、インターネットに接続できません 「あれっ、変だな」と思いましたが、数日前に各戸配布された「停電のお知らせ」というチラシを思い出しました そこには、「14日(金)13時から14時まで電気設備保守点検のため共用設備を停電します」とあり、注意事項の一つに「インターネットの接続ができなくなります」と書かれていました 仕方なく、14時過ぎにパソコンのスイッチを入れましたが、案の定「インターネットに接続されていません」という表示が出ました ルーターにログインIDとパスワードを入力してセットアップを完了しました 何という1日でしょうか まるで「ラ・フォル・ジュルネ」(狂おしき一日)です

ということで、わが家に来てから今日で3105日目を迎え、ウクライナ侵攻に加わるロシア南部軍管区第58軍の司令官イワン・ポポフ少将が、前線の部隊で上層部の失策により兵士が死亡していると直訴した後に解任された  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ロシア軍はプーチン政権の縮図だと思わせる事件だ プーチンの野望の達成が最優先

 

         

 

昨日、夕食に2週間に一度のローテにより「鶏のから揚げ」を作りました あとは「豆腐とオクラの味噌汁」です。サッポロCLASSICが一段と美味しかったです

 

     

 

         

 

エマニュエル・トッド✕池上彰 共著「問題はロシアより、むしろアメリカだ  第3次世界大戦に突入した世界」(朝日新書)を読み終わりました エマニュエル・トッドは1951年フランス生まれ。歴史人口学者・世界人類学者。家族構成や人口動態などのデータで社会を分析し、ソ連崩壊などを予見。池上彰は1950年長野県生まれ。ジャーナリスト。東京工業大学特命教授。著書多数

 

     

 

 

ロシアのウクライナ侵攻に関し、エマニュエル・トッド氏は「第三次世界大戦はもう始まっている」(2022年6月刊)の中で、「戦争の原因と責任はアメリカとNATOにある」という独自の視点でを展開しましたが、本書では日本のジャーナリスト・池上彰氏との初めての対談により、さらにその発言を強めています 池上氏はその発言の真意に切り込みながら、長らく1強の覇権主義国家として君臨してきたアメリカが弱体化している証左を挙げ、アメリカが弱体化することで多様化が進み、中国やグローバルサウスの台頭を許し、今や「西側」は少数派に陥っていることを明らかにしています そうした世界情勢の中で、日本はウクライナ問題に関してアメリカやヨーロッパ諸国、ロシアや中国とどのように付き合っていけば良いのかについて考察しています

なお、エマニュエル・トッド著「第三次世界大戦はもう始まっている」(2022年6月刊行:文春新書)については、2022年8月30日付toraブログに感想を書きましたので、興味のある方はご覧ください

本書は次のような構成になっています

はじめに  ~ エマニュエル・トッド

第1章 ウクライナ戦争の原因とジャーナリストの責任

第2章 終わらない戦争

第3章 無意識下の対立と「無」への恐怖

第4章 アメリカの没落

第5章 多様化していく世界と我々

ロシアはもちろん悪いのだが ~ あとがきに代えて(池上彰)

第1章「ウクライナ戦争の原因とジャーナリストの責任」で印象的なのは、フランスにおけるジャーナリストの地位と言論の不自由です

池上氏が「ロシアでは報道の自由が抑圧されているから、欧米のジャーナリストは反ロシア感情を持つようになると思う」と言うと、トッド氏は「西側のジャーナリストたちは、ロシアでジャーナリストたちが殺されるということに怒っているだけではなく、もともと、ジャーナリストという職業をまじめに捉えていないロシアに対して怒っていると言えると思う 私がテレビなどに出演すると常に中断させられてしまう 常に口を挟まれて、ジャーナリストたちがスターだということを見せつけられる場になっている 私はフランスの公共放送は出禁になっているが、今のフランスの報道というのはいかがなものか、と思う」と語っています。ここでトッド氏が「フランスの公共放送は出禁になっている」と語っているのは、ウクライナ問題に関して、アメリカやNATO諸国を批判的に論じると、徹底的に否定されることを意味しています だからこそ、日本でしかこうした書籍を出版することができないと言うのです。フランスという国はそこまで徹底しているのか、と驚きます

第3章「無意識下の対立と『無』への恐怖」と第4章「アメリカの没落」で印象的なのは「ロシアがしていることは、アメリカがしてきたこと」という発言です

トッド氏が「アメリカはロシア人に対していろいろと批判するわけだが、実はアメリカ人自身が常にしてきたのと同じことを、ロシア人に対して批判しているという状況がある」と語ると、池上氏は「ちょうど20年前の2003年に、イラクが大量破壊兵器を所有しているとして、国際的な合意がないまま、アメリカとイギリスが一方的にイラクを攻撃した それによってイラクに大変な混乱を引き起こした。イラクの人たちから見れば、いまロシアがウクライナにやっていることは、かつてアメリカが我々にやったことじゃないかと批判したくなると思う」と語ります。これは否定しようのない事実です まさにロシアもアメリカも「同じ穴の狢」です

第5章「多様化していく世界と我々」の中で印象的なのは「ウクライナ戦争はいつ終わるのか」という問題です

池上氏は「ウクライナ戦争はこの先10年は続く『10年戦争』になると思う」と語ると、トッド氏は「5年だと思う。人口動態で見ると、ロシアの人口が最も減り始めるのが5年後であること、また第一次世界大戦、第二次世界大戦ともに5年ほどで終わっているということもある」と語ります

「ロシアはもちろん悪いのだが ~ あとがきに代えて」の中で、池上氏は次のように書いています

「対談を終えての感想。それは、オルタナティブな見方、大勢に加わらない独自の見方の大切さを痛感していることだ 欧米とりわけアメリカは、ウクライナに大量の兵器を支援している。ロシアを勝たせないためには当然のことと思ってしまうが、トッド氏は、これは極めて不道徳なことだと断罪する ウクライナの人たちに戦争をさせるという代理戦争だからだ。問題はアメリカであり、ポーランドなのだというトッド氏の慧眼には目を見開かされる すでに『アメリカを中心とする西側とロシアとの間で展開されている世界戦争』という段階に入っているという指摘にはドキッとさせられる

言論統制されたロシアを考えれば、SNSで何でも発信できる日本はまだマシなのかもしれませんが、われわれが見聞きする情報はほとんど「西側」からのものであるということを十分に理解したうえで世界情勢を判断しないと、「偏った見方」しかできなくなってしまいます その意味で、本書は物事を多面的に見ることの大切さを教えてくれます 今こそ読むべき書籍としてお薦めします

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外山雄三氏死去 / オーガスティン・フリッゼル監督「ネバー・ゴーイン・バック」 & ショーン・ベイカー監督「レッド・ロケット」を観る / toraブログのトータル閲覧数が800万PVを超える

2023年07月14日 06時56分39秒 | 日記

14日(金)。わが家に来てから今日で3104日目を迎え、代表作「管弦楽のためのラプソディー」でも知られる世界的な指揮者・作曲家の外山雄三さんが11日、慢性腎臓病のため長野県の自宅で死去(享年92歳)した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     20年6月に新日本フィルを指揮したベートーヴェン「第7番」は素晴らしかった

 

         

 

昨日、夕食に「アスパラ、ベーコン、ポテト炒め」「生野菜とツナのサラダ」「冷奴」「白舞茸の味噌汁」を作りました 「アスパラ~」は初めて作りましたが、美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹で「ネバー・ゴーイン・バック」と「レッド・ロケット」の2本立てを観ました

「ネバー・ゴーイン・バック」はオーガスティン・フリッゼル監督による2018年製作アメリカ映画(86分)です

アンジェラ(マイア・ミッチェル)と親友ジェシー(カミラ・モローネ)は高校を中退し、兄やその友人と共同生活を送っている ダイナーでウエイトレスのバイトに明け暮れても極貧生活からは抜け出せないが、アンジェラはジェシーの誕生日に1週間のリゾートビーチ旅行をプレゼントするため、家賃に当てるはずのお金で2人分のチケットを購入する 不足分の家賃を稼ぐため2人はバイトを増やしていく。その矢先、自宅に突然強盗が入る騒ぎが起こり、やってきた警察が部屋にあったドラッグを発見し、兄のせいで2人は逮捕され刑務所に入れられてしまう 果たして2人は憧れのリゾートビーチに行けるのか

 

     

 

本作は俳優オーガスティン・フリッゼルが自身の実体験をもとに脚本を執筆し、長編初メガホンを取った作品とのことですが、かなりぶっ飛んだ”実体験”だと驚きます

登場人物で唯一まともな神経の持ち主はバイト先の黒人店長だけという、病んだアメリカ社会の実相を反映しているかのような映画です 2人の会話は下品で態度は最悪です 最終的に2人は、同居人の働くカフェの金庫から札束を略奪して、溜まった家賃と旅行費用に充てることに成功します たいていのガールズ・ムービーは少女の成長物語を描きますが、この2人はまったく成長しません そこがこの映画の大きな特徴です

 

         

 

「レッド・ロケット」はショーン・ベイカー監督による2021年製作アメリカ映画(130分)です

物語の舞台は2016年のアメリカ・テキサス。「ポルノ界のアカデミー賞を5回逃した」ポルノ俳優だったが、今は落ちぶれて無一文のマイキー(サイモン・レックス)は、故郷のテキサスに舞い戻ってくる そこで暮らす別居中の妻レクシー(ブリー・エルロッド)と義母リルに嫌われながらも、何とか彼女たちの家に転がり込んだが、17年間留守にしていた故郷に仕事はなく、昔のつてでマリファナを売りながら糊口をしのいでいた そんなある日、ドーナツ店で働く17歳の少女ストロベリー(スザンナ・サン)との出会いをきっかけに、マイキーは彼女をポルノの女王に仕立て上げようと夢見るようになる

 

     

 

主人公マイキーを演じるサイモン・レックスは、過去にポルノ出演経験があり、その映像が露出したことで一時舞台から姿を消していたこともあるそうです 口八丁手八丁で17歳の少女を口説き落とすところは職業的経験のなせる業か また、ストロベリーを演じたスザンナ・サンはベイカー監督が映画館でスカウトしたとのことです 17歳にしては十分に大人で経験豊富なドーナツ店員を演じています

ところで、この映画で唯一許せないストーリー展開があります

マイキーは隣家に住むロニーの運転する車に乗って出かけます 途中でマイキーが急に「右に曲がれ」と指示を出したことにより、20台以上の車が玉突き衝突を起こし大事故になります 2人は無事でしたが、責任逃れから逃走します マイキーはロニーに「いいか、おれは一緒に乗っていなかった。運転していたのはお前だ。分かったな」と言い聞かせて別れます その夜、警察がやってきてロニーを逮捕します。ロニーの弁護士は「すべての責任はロニーにある」と声明を発表します それをテレビで見ていたマイキーは自分に罪は問われないと大喜びします

これでは、ロニーが浮かばれないでしょう マイキーが急に右折を指示しなければ事故は起こらなかったのです。マイキーは共同正犯と言うべきでしょう

映画のラストは、マイキーがレクシーや仲間から なけなしの金を巻き上げられ、歩いてストロベリーの家の前に行くと、ドアからセクシーなストロベリーの姿が現れるというシーンですが、あれは現実ではなくマイキーの見た夢だったのだと思います

 

     

 

本日、toraブログのトータル閲覧数が800万PVを超えました( 8,001,651 PV。トータル訪問者数は 2,488,241 IP)。これもひとえに普段からご訪問くださっている読者の皆さまのお陰と感謝申し上げます これからも毎日休むことなく根性で書き続けて参りますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします

 

     

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芸劇ブランチ:名曲リサイタル・サロン「第25回 酒井有彩ピアノリサイタル」を聴く ~ ショパン「エオリアン・ハープ」、バッハ/ブゾーニ「シャコンヌ」、シューマン「アベッグ変奏曲」他

2023年07月13日 06時52分05秒 | 日記

13日(木)。わが家に来てから今日で3103日目を迎え、「おしん」「渡る世間は鬼ばかり」などの人気テレビドラマを手がけた脚本家の橋田寿賀子さんが設立した「橋田文化財団」の現金約1100万円を着服したとして、警視庁は12日、業務上横領の疑いで財団の経理担当だった女を逮捕した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     横領なんていつかはバレるのに どうして手を染めるんだろう  渡る世間は甘くない

 

         

 

昨日、夕食に「茄子とピーマンの煮浸し」「生野菜とアボカドのサラダ」「豚汁」を作り、「鯵の刺身」と一緒にいただきました 「茄子と~」は麺つゆを使って作りましたが、簡単で美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨日、東京芸術劇場コンサートホールで芸劇ブランチコンサート「名曲リサイタル・サロン 第25回 酒井有彩ピアノリサイタル」を聴きました プログラムは①ショパン:エチュード「エオリアン・ハープ」、②メンデルスゾーン:無言歌集より「浜辺にて」「紡ぎ歌」、③J.S.バッハ/ブゾーニ「シャコンヌ」、④シューマン/レア・レヴィンソン:ミルテの花より「くるみの木」、⑤シューマン「アベッグ変奏曲」、⑥クライスラー/ラフマニノフ「愛の喜び」です 本人の説明によると、この日のプログラムのテーマは「ライプツィヒ」です なるほどライプツィヒ所縁の作曲家による作品のオンパレードです

酒井有彩(さかい ありさ)は文化庁新進芸術家在外研修員として渡欧。ベルリン芸術大学を最優秀で卒業 ドイツ国家演奏家資格取得。レオポルド・べラン国際コンクール第1位など国内外で多数入賞

 

     

 

酒井有彩がグリーンの爽やかな衣装で登場します 曲間のインタビューによると、この色はベルリンに7年間留学した際に訪ねた 現地やライプツィヒの作曲家にまつわる各所の自然の緑をイメージして選んだそうです

1曲目はショパン:エチュード「エオリアン・ハープ」です この曲はフレデリック・ショパン(1810-1849)が1832年から36年にかけて作曲し、ダグー伯爵夫人に献呈した「12の練習曲 作品25」の第1曲(変イ長調)です

酒井のピアノはとても優しく、温かみを感じます 特に終盤のアルペジオが素晴らしかった

2曲目はメンデルスゾーン:無言歌集より「浜辺にて」と「紡ぎ歌」です    フェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)は「無言歌集」を第1巻から第8巻まで(各6曲)作曲しました   「浜辺にて」は第4巻の第1曲に当たる作品で1841年に作曲されました  「紡ぎ歌」は第6巻の第4曲に当たる作品で1845年に作曲されました

酒井は、穏やかで優しい「浜辺にて」と激しく速いパッセージによる「紡ぎ歌」を間断なく演奏しましたが、その切り替えが鮮やかでした

3曲目はJ.S.バッハ/ブゾーニ「シャコンヌ」です    この曲はヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)が1720年に作曲した「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番 ニ短調 BWV.1004」の第5楽章をブゾーニがピアノ用に編曲した作品です

「シャコンヌ」と聞いて身構えましたが、酒井は肩の力を抜いて自然体で入りました そして、徐々に深みを増して荘厳な音楽を奏でました ピアノ編曲版で聴くのは初めてでしたが、変奏曲としての性格が良く分かりました

 

     

 

4曲目はシューマン/レア・レヴィンソン「ミルテの花  作品25」より「くるみの木」です    この曲はロベルト・シューマン(1810-1856)が1840年に作曲し、結婚を前にクララに贈った全25曲から成る歌曲集の第3曲をレア・レヴィンソンがピアノ用に編曲した作品です

酒井は終始 ロマン溢れる演奏を繰り広げました

5曲目はシューマン「アベッグ変奏曲 」です この曲はシューマンが1829年から翌30年にかけて作曲したピアノ曲で、シューマンが最初に作曲した「作品1」の記念すべき曲です

酒井のピアノは特に速いパッセージにおける高音部が美しく、キラキラ輝いています    変奏曲の妙を堪能しました

最後の曲はクライスラー/ラフマニノフ「愛の喜び」です この曲はフリッツ・クライスラー(1875-1962)が作曲、ラフマニノフがピアノ用に編曲した作品です

ピアノ編曲版を聴くのは初めてですが、冒頭の重心の低い演奏を聴いてラフマニノフらしいな、と思いました    続いて クライスラーのオリジナルのメロディーが登場しますが、やはり曲想としては重厚感溢れる音楽です    ラフマニノフあっての重厚感だと思いました    酒井は確かな技術に裏付けられた超絶技巧による演奏で聴衆を魅了し、満場の拍手を浴びました

 

     

 

なお、11月10日(金)19時から王子ホールで酒井さんのリサイタルがあります 今回演奏した曲のいくつかも取り上げられます 残念ながらこの日は、コンサートのハシゴがあって聴けません 興味のある方は是非お出かけください

 

     

 

帰りがけに、ホール入口の特設売場で11月、1月、3月度の名曲リサイタル・サロンのチケットをセットで取りました ヴァイオリンやピアノやチェロのリサイタルは多いですが、「パイプオルガン・リサイタル」(石丸由佳さん)は本シリーズで初めてではないかと思います

 

     

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ピエール・エテックス監督「破局」「恋する男」「ヨーヨー」を観る ~ サイレントとトーキーの名作へのオマージュを感じさせる作品群

2023年07月12日 06時57分27秒 | 日記

12日(水)。わが家に来てから今日で3102日目を迎え、中国政府のインターネット監視当局は10日、市民らが文章や動画を発信する独立系のニュースアカウント「自媒体(セルフメディア)」への規制強化を発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     中国・習近平政権は 国民の表現の自由を奪うのを 生き甲斐に感じてるんだろうな

 

         

 

昨日、夕食に「豚の冷しゃぶ」「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「大根の味噌汁」を作りました 「豚の冷しゃぶ」は今夏初の試みですが、豚バラ肉にポン酢、ゴマ、紫蘇の葉が効いて とても美味しかったです

 

     

     

         

 

新文芸坐でピエール・エテックス監督「破局」「恋する男」「ヨーヨー」を観ました

 

     

 

「破局」はピエール・エテックス監督による1961年製作フランス映画(モノクロ・12分)です 本作は監督・俳優・イラストレーターなどマルチなアーティストとして活躍したピエール・エテックスが、後に脚本家として「ブルジョワジーの密かな愉しみ」などの名作を手がけるジャン=クロード・カリエールとともに制作した短編作品です

ある男のもとに、恋人から手紙が届く 中には破かれた自分の写真が封入されていた 男も別れの手紙を送ろうとするが、なぜか万年筆や便箋に翻弄され、どうしても書くことができない

手紙を書こうとすると、ペン先が本体に入らなかったり、インクがボタボタと落ちてしまったり、机が傾いてしまったりと、次から次へと小さな災難が降りかかります ついに男は引き出しからピストルを取り出します。「さては自殺か」と不穏な雰囲気を醸し出しますが、それは拳銃型ライターで、タバコに火を点けて一服します いわゆる”独り芝居”ですが、ほとんどチャップリンのような面白さです これが短編監督デビュー作のようですが、喜劇作家・役者としてかなりの才能を感じます

 

     

 

         

 

「恋する男」はピエール・エテックス監督による1962年製作フランス映画(モノクロ・83分)です フランスのマルチアーティスト、ピエール・エテックスの長編監督デビュー作です 本作は、エテックス自ら脚本・主演も務め、後に「ブルジョワジーの密かな愉しみ」などを手がける名脚本家ジャン=クロード・カリエールが共同脚本を担当しました

天文学の研究にのめり込んでいる不器用な青年は、両親から結婚するよう迫られ、相手を探しに街へ繰り出す しかしなかなか上手くいかず、挙句の果てにテレビに映る人気歌手ステラに心を奪われてしまう 彼女のブロマイドを集めまくり、ポスターや彼女を形どった宣伝用の看板まで家に持ち込んで、部屋中ステラだらけにする ついに、彼はステラの楽屋に何とか潜り込むが、彼女が既婚者であることを知り、結婚の見込みがないと悟り諦める

天文学一色の部屋が、ステラ一色に変わるところが可笑しい 彼が彼女にファンレターを書いて送ると、返信封筒に彼女のサイン入りブロマイドが届き、彼は狂喜乱舞して壁に貼り出します そのサインはステラのアシスタントの女性が代筆していたのですが、彼は知る由もありません

青年はモノクロテレビでステラを観て、すっかり彼女のファンになるわけですが、そのテレビの解説者が「テレビのお陰で、今や人々は外に出る必要がありません」と、暗に映画はテレビに駆逐されたかのように話し始めると、雑音が入って解説者の声が聞こえなくなります この辺りは、映画監督としての新しい媒体に対する抵抗の現れのように思いました

 

     

 

         

 

「ヨーヨー」はピエール・エテックスによる1965年製作フランス映画(モノクロ・98分)です ピエール・エテックスが監督・脚本・主演を務めた長編第2作です

世界恐慌で破産した大富豪は、元恋人であるサーカスの曲馬師と再会し、その存在を知らなかった幼い息子と3人で地方巡業の旅に出る やがて成長した息子はヨーヨーという人気クラウンになり、第二次世界大戦が終わると、かつて父が暮らしていた城を再建すべく奔走する 空中ブランコ乗りのイゾリーナに恋したヨーヨーは、興行プロデューサーとして成功するが、イゾリーナと結ばれることはなかった

世界恐慌までを字幕付きのサイレントで、その後をトーキーで描いています 本作も名脚本家ジャン=クロード・カリエールが共同脚本を担当しました

地方巡業先の土地で、父親が「ここでサーカス興行しよう」と息子に語りかけますが、「ザンパノとジェルソミーナによる興行」という看板を見て諦めます 言うまでもなくフェリーニの不朽の名画「道」(1954年)へのオマージュです

また、ヒトラーが演説するシーンが出て来たかと思うと、それはチャップリンだったりして、「チャップリンの独裁者」(1940年)を思い起こさせます

このように、本作はサイレントとトーキーの名作へのオマージュに溢れた作品になっています

本作も、ちょっとしたシーンにギャグが仕掛けられていて、思わず笑ってしまいます

 

     

 

ところで、ピエール・エテックスの映画の共同脚本を手掛けたジャン=クロード・カリエールが監督した「ブルジョワジーの密かな愉しみ」はとても面白い映画で、これまで2度観ました いつか どこかで上映されたら また是非観たいと思っています

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