人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ピエール・エテックス監督「幸福な結婚記念日」「大恋愛」「絶好調」「健康でさえあれば」を観る ~ 新文芸坐

2023年07月11日 07時01分37秒 | 日記

11日(火)。わが家に来てから今日で3101日目を迎え、イギリス・ロンドン郊外で開催中のテニスのウィンブルドン選手権で5日、男子シングルスの試合中に、環境活動家がコートに侵入し、紙吹雪などをばらまき座り込む珍事件が発生したが、石油・ガス会社に資金を提供している大会スポンサーへの抗議が目的だった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     その行動で環境や活動家のイメージが良くなるわけではない  ダブルフォルトだね

 

         

 

昨日、夕食に「牛肉の赤ワイン煮」「生野菜とアボカドのサラダ」「卵スープ」を作りました 「牛肉~」は若干煮過ぎて肉が固くなってしまいました。次回の反省材料にします

 

     

 

         

 

昨日、新文芸坐でピエール・エテックス監督「幸福な結婚記念日」「大恋愛」「絶好調」「健康でありさえすれば」の4本立てを観ました

ピエール・エテックスはこの映画を観て初めて知りましたが、ジャック・タチとのかかわりから映画界に参入し、監督・俳優・イラストレーターなどマルチに活躍した人物だそうです

日本語のタイトルからも想像がつくように、彼の作品は「コメディ映画」です

 

     

 

「幸福な結婚記念日」はピエール・エテックス監督による1962年製作フランス映画(13分)です

結婚記念日を妻と自宅で祝うため、プレゼントやワインを買い込んで家路に急ぐ男 しかし、パリの交通渋滞などのトラブルに次から次へと巻き込まれ、なかなか家に辿り着くことができない やっとのことで家に帰ると、妻は料理を平らげ ワインを空けてぐっすりと眠っていた

本作は1963年、第35回アカデミー賞最優秀短編実写映画賞を受賞しました

駐車していた車が前後の車に挟まれて出られなくなってしまった主人公は、前の車の持ち主にどかしてもらおうとクラクションを鳴らすと、床屋で髭剃りをしている男性客が顔に白いクリームを塗った姿で車に戻り、どかします そして主人公の車が無事に出られるのは良いのですが、その場所に別の車が駐車してしまい、床屋の客は駐車できなくなってしまいます 彼は周辺を一回りしてきますが、また別の車が駐車していていつまで経っても停められません なさそうでありそうなエピソードを面白可笑しく描いています

 

     

 

         

 

「大恋愛」はピエール・エテックス監督による1969年製作フランス映画(モノクロ・87分)です

工場経営者の娘と結婚した男は、義父から仕事を任され妻と悠々自適な暮らしを送りながらも、どこか満たされない思いを抱えていた そんなある日、彼は秘書として入社してきた18歳の魅力的な女性に心を奪われ、妄想をエスカレートさせていく

本作はエテックスにとって初のカラー長編で、エテックスが監督・脚本・主演を務め、中年男性が繰り広げる恋と妄想を、ブルジョワジーへの批判を込めながら夢幻的に描き出した恋愛コメディです エテックスの盟友で後に「ブルジョワジーの密かな愉しみ」などを手がける名脚本家ジャン=クロード・カリエールが共同脚本を担当しています

冒頭の回想シーンが可笑しい 主人公が「あれはカフェのテラスだったな」と言うと、カフェのテラスでウェイターがコーヒーを持ってくるシーンが映し出され、「いや、あれはテラスでななくカフェの屋内だった」と言い直すと、屋内でウェイターがコーヒーを持ってくるシーンが映し出されます すると、「いや、やっぱりテラスだった」と言うと、またテラスでウェイターがコーヒーを持ってくるシーンになり、これが何度か繰り返されると、ついにウェイターが「どっちかに決めてくれ。やってらんないよ」と怒り出してしまいます

主人公が夢の世界に入ると、ベッドが車のように走り出し、途中で18歳の秘書をピックアップしてまた走り続けます 道中、エンストを起こして止まっているベッドや、患者が寝ている病院のベッドなど様々なベッドとすれ違いますが、ベッドはそれぞれの人々の人生を表しているかのようです

義父母との会食でナッツクラッカーでクルミを割るたびに、大きな音に寝ていた犬が全身をビクッと震わせるところはシュールで笑ってしまいます

 

     

 

         

 

「絶好調」はピエール・エテックス監督による2010年製作フランス映画(14分)です エテックスが監督・脚本・主演を務めた短編作品です

田舎でソロキャンプをしていた青年は、管理の行き届いたキャンプ場へ行くよう警官に指示される 仕方なくキャンプ場へ移動したものの、そこは有刺鉄線で囲われた強制収容所(キャンプ)のような場所だった

本作も名脚本家ジャン=クロード・カリエールが共同脚本を担当しています 当初はオムニバス映画「健康でさえあれば」の1篇として制作されましたが、1971年から外され、2010年にデジタル修復され独立した短編として生まれ変わりました

オムニバス映画から切り離されただけあって中途半端で、何より”オチ”がありません

 

     

 

         

 

「健康でさえあれば」はピエール・エテックス監督・脚本・主演による1965年製作フランス映画(67分)で、4篇から成るオムニバスコメディです

第1話はなかなか寝付けない男が読み始めた吸血鬼の本の世界が現実と影響し合う「不眠症」

第2話は映画館にいた男が幕間に流れるCMの世界に入り込んでしまう「シネマトグラフ」

第3話は近代化が進む都市で誰もがストレスを抱え苦しんでいるが、ひときわストレスを抱えているのは、人々からストレスの解消の相談を受ける精神科医だったという「健康でさえあれば」

第4話は偏屈な農地の地主、猟が下手なハンター、都会からピクニックにやってきた夫婦が田園で織りなす騒動を描く「もう森へなんか行かない」

以上の全4話から成る「健康でさえあれば」も名脚本家ジャン=クロード・カリエールが共同脚本を担当しています

特に「もう森へなんか行かない」はギャグに次ぐギャグの連続で、日本の「ザ・ドリフターズ」などにも影響を与えたのではないか、と思ってしまいます 理屈抜きで面白い映画です

 

     

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「N響2023-2024シーズン」現在の指定席で継続へ / 新国立劇場「ポイントアップサービス」に申し込む / 伊坂幸太郎著「逆ソクラテス」を読む ~ 先入観で決めつけてはいけない

2023年07月10日 06時50分36秒 | 日記

10日(月)。昨日は「N響2023-2024シーズン」座席変更手続き開始日でした 現在私はNHKホールでのAプロ2日目、サントリーホールでのBプロ2日目の定期会員ですが、両方とも座席を変更する旨を伝えてありました それに従って、変更手続きに入ったのですが、A、Bとも現在の席より条件の良い席(もっと前の通路に近い席)が残っていなかったので、仕方なく現在の席を継続することにしました どうもN響の場合は、現在の指定席をそのまま継続している定期会員が多いように思います あと1年間現在の席で我慢して、1年後に再び席替えにトライするか、継続を止めるか判断しようと思います

ということで、わが家に来てから今日で3100日目を迎え、全国統一教会被害対策弁護団の村越進弁護団長は6日、東京都内で記者会見し 弁護団の声明を発表したが、その中で「教団は、献金記録の開示にも応じず、時効を理由として対応しない不誠実な対応を続けている」と批判した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     信教の自由は 信者からの強制献金の自由にあらず 記録の隠蔽は何かあると疑われる

 

         

 

新国立劇場から「2023/2024シーズン  ポイントアップサービス  アイテムのご案内」が届きました    同サービスは「クラブ・ジ・アトレ」カードの会員を対象に、手持ちのポイントの範囲で選べる「選択アイテム」と、獲得ポイント数に関わらず応募自由の「抽選アイテム」があります 私の所持ポイントは500Pです

 

     

 

500ポイントの対象アイテムは、カタログギフトや弁当箱やカレンダーなどいろいろ揃っていますが、とりあえず選択の幅を広げたいと思い、「カタログギフト」を選びました 今の段階では、カタログにどんな商品が載っているのか分かりませんが、”選べる”のがメリットです

 

     

     

 

「抽選アイテム」には A「ゲネプロ見学または公演招待」(オペラ、バレエ、演劇)と B「バックステージツアー」があります    私の場合はオペラかバックステージツアーかを選ぶことになります。オペラは9公演が対象で、そのうちゲネプロは3公演(各30人)、公演招待は6公演(各4人)あります オペラであれば、当選確率から考えるとゲネプロを選んだ方が確立が高いと言えます 私はこれまで2回ゲネプロに当選しています。一方、バックステージツアーは、オペラでは「シモン・ボッカネグラ」の11月19日(日)の1日しかありませんが、これも招待者は30人です 私はこれまで一度も新国立劇場のバックステージを見たことがないので、これを申し込むことにしました 当選するといいな、と思います

 

     

 

         

 

娘が先日発注しておいた「サッポロ CLASSIC  ゴールデンカムイ」(700㎖✕12缶、350㎖✕6缶)が、届きました 「ゴールデンカムイ」のヘビー・ファンである娘は、1年前の今ごろ、「サッポロCLASSIC」がコラボしていることを知り、さっそく発注したのでした 一方、私は同じころ、クラシック音楽関係の個人のブログに投稿されていた写真から「サッポロCLASSIC」を知りました 私の場合は「ゴールデンカムイ」はどうでも良く、「サッポロCLASSIC」が飲めれば良いのです 基本的に北海道限定で年2回しか販売されないので、なかなか手に入りません 親娘そろって、生ビールで一番美味しいのは「サッポロCLASSIC」だということで意見の一致をみています なお、2人ともサッポロビールから1円ももらっていないことを付言しておきます とにかく、美味しいです

 

     

 

         

 

 伊坂幸太郎著「逆ソクラテス」(集英社文庫)を読み終わりました 伊坂幸太郎は1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年「オーデュボンの祈り」で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー 2008年「ゴールデンスランバー」で第5回本屋大賞・第21回山本周五郎賞、20年「逆ソクラテス」で第33回柴田錬三郎賞を受賞するなど受賞歴多数

 

     

 

本書は小学生を主人公とする5つの物語(「逆ソクラテス」「スロウではない」「非オプティマス」「アンスポーツマンライク」「逆ワシントン」)から成る短編集です

最初の「逆ソクラテス」は、「あの生徒はダメな奴だ」という担任の先生の先入観をひっくり返すために、周囲の生徒たちが協力してカンニング作戦を立て、その「ダメ生徒」にテストで高得点を取らせようとする話です 他の物語も同様に、「〇〇君は△△だ」と決めつけたり、先入観で物事を見るのは良くない、ということを語っています

巻末に「『逆ソクラテス』文庫化記念インタビュー」が載っていますが、その中で伊坂氏は次のように述べています

「メッセージや問題提起は、小説の面白さとは関係ない、と思っていますし、特に伝えたいこととかないんですよね あったとしても言わない(笑)。ただ、『逆ソクラテス』をはじめ、この短編集は意外に、自分がいろいろと考えてきたことや、人間関係において、どうしたらいいかなあ、と悩んできたことを書いている気もしていて。唯一と言っていいくらい、子供とかに読んでほしいなと思いました

つまり、この本では子供を含めた読者に「伝えたいこと」があるということです 大人の世界も子供の世界も、立場の強い者の前では 弱い者はつい卑屈になり、声の大きい人の前では自分の主張を曲げて相手の言いなりになったりしてしまうものです しかし、いつまでのこのままではいけない、とも思っています 伊坂氏が問題提起しているのは、「どんな場合でも、自分の意見を言うべきだ」ということではなく、自分が馬鹿にされたり、自分の大事なものを貶された時に、「僕はそうは思わない」とか「僕は好きだけどね」と言えることが大事だ、と語っています

この短編集に収録された5つの作品は、小学生たちの小さな「逆転劇」です 伊坂幸太郎の作品は、いつも弱者の立場に立って書かれていますが、本書はかなりその性格が顕著に表れています もし、学校の夏休みの宿題で「読書感想文」の課題が出たら、絶好の課題図書になると思います

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小林研一郎 ✕ 服部百音 ✕ 東京フィルでチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」、「交響曲第5番」、歌劇「エフゲニー・オネーギン」よりポロネーズを聴く ~ 文京シビック響きの森シリーズ

2023年07月09日 00時01分01秒 | 日記

9日(日)。わが家に来てから今日で3099日目を迎え、ロシア前大統領のメドベージェフ安全保障会議副議長は7日までに、ウクライナ侵攻に関し、「全ての戦争は即座に終わらせられる。平和条約を結ぶか、1945年に米国が核兵器で広島と長崎を破壊したのと同じことをするかだ」と述べ、核兵器が使用される可能性に触れて威嚇した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     まるでロシアだけが 核兵器を持っているかのような言い草だが  認識が甘いと思う

 

         

 

昨日、文京シビックホールで「響きの森クラシック・シリーズ」第76回演奏会を聴きました オール・チャイコフスキー・プログラムで、①歌劇「エフゲニー・オネーギン」より「ポロネーズ」、②「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35」、③「交響曲第5番 ホ短調 作品64」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=服部百音、指揮=小林研一郎です

「響きの森クラシック・シリーズ」は、文京シビックホールの改装工事のため休館していましたが、工事が完了したことに伴い今シーズンから再開されることになりました 2021年3月以来約2年ぶりです

 

     

 

自席は1階右ブロック左から3つ目です。年間チケットを取るのに手こずり、通路側席が取れませんでした この日の公演は「完売御礼」の掲示が出ていました

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの東京フィルの並び。コンマスは三浦章宏です

1曲目はチャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」より「ポロネーズ」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1877年から78年にかけて作曲した歌劇の第3幕冒頭の、侯爵家の舞踏会の場面で演奏される音楽です

金管を中心とするファンファーレに続いてポーランドの民族舞曲ポロネーズがオケの総奏によって力強く壮麗に演奏されます コバケンは肩の力を抜いた最小限の動きで東京フィルをコントロールします 新装となったホールを祝うのに相応しい華麗でゴージャスな演奏でした

2曲目は「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35」です この曲は1878年にスイスのレマン湖畔のクラランで作曲されました ロシアの名匠レオポルド・アウアーに初演を依頼しましたが、「演奏不能」として拒否されたため、ドイツ系ロシア人のアドルフ・ブロズキーに依頼、1881年12月にウィーンで初演されました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「カンツォネッタ:アンダンテ」、第3楽章「フィナーレ:アレグロ・ヴィヴァーチッシモ」の3楽章から成ります

ヴァイオリン独奏の服部百音は1999年9月生まれ。2009年リピンスキ・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクールで史上最年少の第1位受賞をはじめ、数々の国際ヴァイオリンコンクールでグランプリを受賞しています 現在、桐朋学園大学音楽学部大学院に在籍中です

服部百音が水色と黒を基調とするエレガントな衣装で登場、コバケンの指揮で第1楽章が開始されます オケの序奏に続いて服部の独奏ヴァイオリンが入ってきます 服部は緩急・強弱自在の演奏によりアグレッシブな演奏を展開します 時にコバケンに”仕掛け”、コバケンがそれを受け止め、といった風景が随所に見られました カデンツァでは繊細にして勇壮な演奏を繰り広げました 第2楽章では甘美なヴィブラートが美しく響きました 万行千秋のクラリネット、斎藤和志のフルートがソリストの演奏に華を添えました 第3楽章冒頭は独奏ヴァイオリンの力強い演奏で開始されますが、彼女の演奏姿は まるで名刀正宗を振りかざす”侍”のようで、「寄らば斬るぞ」といった緊迫感に満ちていました    その後、ロシアの舞曲トレパーク風の歯切れの良い演奏によって、オケとの丁々発止のやり取りを通して、熱狂的なフィナーレを飾りました

満場の拍手に服部は、得意のアンコールピース、クライスラー「レチタティーヴォとスケルツォ」から「スケルツォ」を超絶技巧で演奏、聴衆を興奮の坩堝に巻き込みました

その後、コバケンがマイクを持って「服部さんは体調が悪い中、最後まで弾き切った。もう一度服部さんに大きな拍手を!」とアナウンスをしたのですが、マイクのせいでよく聞き取れませんでした 家に帰って、このブログを書こうと思ってツイッターを見ていたら、服部百音さんのブログに出会いました。そこには概要次のようなことが書かれていました

「6月のファジル・サイの頃から胃が激しく痛み、本番後の胃カメラでストレス性胃腸炎と診断されたが、薬を飲んでも全く効かなかった 6月末から状態が悪化したので別の病院で診てもらったら慢性胃腸炎が発覚した 約1か月間おかゆですら食べると激痛、水も飲めない状態が続き、だいぶ骨皮筋衛門になった 自宅や通院での点滴で何とか松本でのリサイタルを終えた 痛みは日に日に増しているが、今日はチャイコフスキーさまの力を借り、舞台の上では不思議と痛みと吐き気や倦怠感が去り、2楽章終わりから最後までは刺されるような痛みが復活していたとはいえ、素晴らしく美しい世界の中で自由に息ができる水を得た魚状態。終演後、一瞬頭が真っ白になりふらついてしまい、支えて下さったコバケン先生が舞台袖で『前回の共演から一回りも二回りも成熟した。一緒に音楽をやっていて本当に楽しい』という言葉を幸せいっぱいに噛みしめ、明日の演奏を踏ん張りながら明日だけの音楽を愉しみ愛し、10日に入院し、11日に手術が決まった チャイコフスキーに、東京フィルの皆さんに、マエストロに、満員の聴衆の皆さんの熱い拍手とともに伝わるエネルギーに、文字通り支えて助けていただいた。心から感謝したい

ツイートの下に、三浦コンマスの隣で演奏用ドレスで立ったまま点滴を受ける彼女の写真が添えられていました 上に感想を書いた通り、本番中、彼女がそんな酷い健康状態で演奏しているとは思いもよりませんでした いつもと変わらない集中力に満ちたアグレッシブな演奏でした 思い返してみると、入退場の時、いつもよりもゆっくりと歩いている姿が印象的でした あれは胃の痛みに耐えていたのだと思います 表面的には何事もなかったような平然とした顔をして、超絶技巧のアンコールまで弾き切った服部百音こそプロ中のプロと言うべきです

頑張れ  服部百音

 

     

 

プログラム後半は「交響曲第5番 ホ短調 作品64」です この曲は1888年に作曲、同年ペテルブルクで初演されました 第1楽章「アンダンテ ~ アレグロ・コン・アニマ」、第2楽章「アンダンテ・カンタービレ、コン・アルクーナ・リチェンツァ」、第3楽章「ワルツ:アレグロ・モデラート」、第4楽章「フィナーレ:アンダンテ・マエストーソ ~ アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

第1楽章冒頭、クラリネットによって「運命の主題」が暗く重く奏でられます この冒頭部分はテンポが極端に遅く、そのうち止まるのではないかと思いました しかし、そのうちテンポアップしていきます。コバケンはこの楽章に限らず、かなりテンポを大きく動かして指揮をしていました おそらく演奏のダイナミズムを狙ったテンポ設定だと思われます 第2楽章はホルンの独奏で主題が奏でられますが、このホルンが素晴らしかった また、クラリネットとオーボエ独奏も冴えていました 第3楽章はスケルツォではなく「ワルツ」です この辺がチャイコフスキーらしいところです 流麗な演奏が展開します。第4楽章は、第1楽章冒頭でクラリネットにより暗く重く演奏された「運命の主題」が、まるで勝利のテーマのごとく勇壮に演奏されます 同じメロディーがまったく異なる曲想で再演される・・・こうしたところがこの曲の大きな特徴です (この4楽章は今年初旬、NTV系列で放映された「リバーサルオーケストラ」のテーマ音楽として使われましたね)。コバケン ✕ 東京フィルはオケの総力を挙げてのスケールの大きな演奏で圧倒的なフィナーレを飾りました

カーテンコールが繰り返され、いつものようにコバケンは、セクションごとに楽員を立たせて賞賛の拍手を求めました その後、マイクを持って数人の奏者に新しいホールの印象を訊きましたが、フルートの斎藤氏が「トイレもウォシュレットになったし、良かったと思います」と答え、会場の大爆笑を誘いました 吉本興業への水洗に、もとい、推薦に値します そのこと自体は良いのですが・・・

休憩時間には男性トイレに長蛇の列ができました 信じられないことに、1階のトイレは女性用が3カ所あるのに男性用は1カ所(小便器7つ+個室)しかないのです 男性の列は廊下に並び切れず会場内にまで続いていました 男性客は口々に「これじゃあ、休憩時間が終わっちゃうよ」と文句を言っていました 会場見取り図によると全体の収容人数は約1800人で、2階にトイレはなく、3階に男性用、女性用とも各2か所あります(たぶん小スペース)。何なんでしょうか、このアンバランスは 一番収容人数の多い1階席に男性用トイレが1カ所(出入口が1つ)しかないなんて、他のコンサート会場では見たことがありません オーチャードやトリフォニーのように1階に1カ所しかなくても小便器と個室の数がそれなりにあり、右側からも左側からも出入りできるのであれば、それほど列はできないものです アンケート用紙が配布されていたので、この酷いトイレ事情についてクレームを書いておきました トイレ問題は 簡単には 水に流せません

 

     

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秋山和慶 ✕ 周防亮介 ✕ 東京シティ・フィルでプロコフィエフ「ヴァイオリン協奏曲第2番」、スクリャービン「交響曲第4番”法悦の詩”」他を聴く ~ 第362回定期演奏会

2023年07月08日 01時26分36秒 | 日記

8日(土)その2。昨日、午後2時からの新日本フィル「クラシックへの扉」定期演奏会(その1参照)に次いで、午後7時から東京オペラシティコンサートホールで東京シティ・フィル「第362回定期演奏会」を聴きました プログラムは①リャードフ:交響詩「キキーモラ 作品63」、②プロコフィエフ「ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 作品63」、③スクリャービン「交響曲第4番 作品54 ”法悦の詩” 」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=周防亮介、指揮=秋山和慶です

 

     

 

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつものシティ・フィルの並び。コンマスは荒井英治です

1曲目はリャードフ:交響詩「キキーモラ 作品63」です この曲はアナトリー・リャードフ(1855-1914)がサハロフの「ロシア民間説話集」に出てくる妖女キキーモラを描いたもので、1909年に作曲、1912年にぺテルベルクで初演されました

秋山の指揮で演奏に入りますが、高橋舞のイングリッシュ・ホルンが素晴らしかった

2曲目はプロコフィエフ「ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 作品63」です この曲はセルゲイ・プロコフィエフ(1891-1953)が1935年に作曲、同年マドリードで初演されました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アンダンテ・アッサイ」、第3楽章「アレグロ、ベン・マルカート」の3楽章から成ります

ヴァイオリン独奏の周防亮介 は1995年京都生まれ。2016年ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクール入賞及び審査員特別賞を受賞したほか、内外のコンクールで入賞を果たしています 現在、江副記念リクルート財団奨学生としてメニューイン国際音楽アカデミーで研鑽を積んでいます

第1楽章冒頭は周防の独奏ヴァイオリンが哀愁を帯びた旋律を奏でます ロマン溢れる演奏でよく歌います 周防は第2楽章では、伸びやかな旋律を美しい音色によりカンタービレで歌い上げます 第3楽章は独奏ヴァイオリンとオケとのやり取りで力強い演奏が繰り広げられ、華やかなフィナーレを飾ります

鳴りやまない拍手に周防は、シュ二トケの超絶技巧曲「ア・パガニーニ」(抜粋)を「本当に一人で演奏しているのだろうか」と思わせるほどの圧倒的なテクニックで演奏し、聴衆を唖然とさせました

 

     

 

プログラム後半はスクリャービン「交響曲第4番 作品54 ”法悦の詩” 」です この曲はアレクサンドル・スクリャービン(1872-1915)が1905年から08年にかけて作曲、1908年12月にニューヨークで初演されました 実質的に単一楽章による交響詩風の作品です。タイトルの法悦(原題はエクスタシー)は恍惚状態のことを指しますが、ここでは「精神の高揚によって神と一体化した絶対的な境地」すなわち、トランス状態的な意味を持つとも解釈されています

秋山の指揮で演奏に入りますが、しばらくして美しいハープの音色が聞こえてきたので舞台下手を見ると、ハープ2台のうち1台を高野麗音が演奏していました どうりで上手いわけだなと思いました この曲はホルン8本、トランペット5本にパイプオルガンも加わって大音量で演奏されますが、相当入り組んでいてバランスが難しいと思われます しかし、なぜか秋山氏の指揮で演奏を聴くと、スッキリと聴きやすく感じるのが不思議です まさにアキヤマ・マジックです 最後はオケの総力を挙げての演奏により圧倒的なクライマックスが築き上げられました

この日は午前の新日本フィル「ワンコイン講座」、午後の「新日本フィル定期」、夜の「シティ・フィル定期」と、ほぼ1日中座って音楽を聴いていたので疲れました とは言うものの、今日はコバケン ✕ 服部百音 ✕ 東京フィルのチャイコフスキーを聴きに行きます

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ジョゼ・ソアーレス ✕ 村治佳織 ✕ 新日本フィルでロドリーゴ「アランフェス協奏曲」、ビゼー「アルルの女」組曲第1番・第2番、ヴィラ・ロボス「ブラジル風バッハ第4番」より抜粋ほかを聴く

2023年07月08日 00時29分40秒 | 日記

8日(土)その1.わが家に来てから今日で3098日目を迎え、フィリピン軍は中国との領有権を争う南シナ海の南沙諸島で、先月から多数の中国漁船が確認されていると明らかにした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     覇権主義国家・中国は”俺の領海は俺のもの、他人の領海も俺のもの”という態度だ

 

  昨日は昼も夜もコンサートがあったので、夕食作りはお休みしました   

 

         

 

昨日、午後2時からすみだトリフォニーホールで新日本フィル「クラシックへの扉シリーズ  第16回定期演奏会」を、午後7時から東京オペラシティコンサートホールで東京シティ・フィル「第362回定期演奏会」を聴きました ここでは新日本フィルの定期演奏会について書きます

プログラムは①ヴィラ・ロボス「ブラジル風バッハ 第4番」より「前奏曲」、「踊り」、②ロドリーゴ「アランフェス協奏曲」、③ヒナステラ:バレエ音楽「エスタンシア」組曲作品8、④ビゼー「アルルの女」組曲第1番(全曲)、組曲第2番より「間奏曲」「ファランドール」です   演奏は②のギター独奏=村治佳織、指揮=ジョゼ・ソアーレスです

指揮をとるジョゼ・ソアーレスはブラジル・サンパウロ市出身。2021年、23歳で第19回東京国際音楽コンクール(指揮)第1位、および聴衆賞を受賞 現在、ブラジルのミナス・ジェライス・フィルのアソシエイト・コンダクターを務めています   ちなみに上記のコンクールで指揮をしたオケが新日本フィルでした

 

     

 

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの新日本フィルの並び コンマスは崔文洙、隣は特任コンマスの伝田正秀というダブル・コンマス態勢を敷きます

1曲目はヴィラ・ロボス「ブラジル風バッハ 第4番」より「前奏曲」「踊り」です この曲はヴィラ・ロボス(1887-1959)が1930年から45年にかけて作曲した「ブラジル風バッハ」全9曲のうちの1曲です バッハの名前が冠されているものの、バッハの様式で書かれているわけではありません。バッハの古典に還るといった意味合いがあります

第1曲「前奏曲」は弦楽だけによる演奏です 郷愁を誘うメロディーが繰り広げられますが、透明感のある美しいアンサンブルでした

第4曲「踊り」はもともと黒人男性による細かく足を動かすダンスとのことです ヴァイオリンセクションのキザミが印象的でした

2曲目はロドリーゴ「アランフェス協奏曲」です この曲はホアキン・ロドリーゴ(1901-1999)がピアニストの妻との新婚旅行で訪れたアランフェスでの印象をもとに1939年に作曲、1940年にバルセロナで初演されたギター協奏曲です 第1楽章「アレグロ・コン・スピリート」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグロ・ジェンチル」の3楽章から成ります

ギター独奏の村治佳織は幼少の頃から数々のコンクールで優勝を果たし、15歳でビクターからCDデビューを飾りました フランス留学から帰国後、ソロ活動を展開し、国内外のオーケストラと数多くの共演を重ねています

オケは8型(8・6・4・4・2)に縮小します ソリストの前にはマイクが設置されています 大ホールでのギター演奏は音が小さすぎて十分に聴こえないので、音を拡大する必要があります

ソアーレスの指揮で第1楽章に入ります 村治のギターは特に速いパッセージが鮮やかです 第2楽章はこの曲の白眉です 村治のギターの もの淋し気な旋律に胸を締め付けられるように感じますが、小室敬幸氏のプログラム・ノートによると、ロドリーゴの妻は「第1子を流産した悲しみが反映している」と語ったそうです    ソアーレスはオケを抑え気味にコントロールし、村治のソロを引き立てました 森明子のコーラングレがソリストの演奏に華を添えました 村治のカデンツァは聴きごたえがありました 第3楽章は独奏ギターとオケとのコラボにより軽快な演奏が繰り広げられました

満場の拍手に応えたアンコールはポピュラー風の曲でしたが、軽快な演奏でした

 

     

 

プログラム後半の1曲目はヒナステラ:バレエ音楽「エスタンシア」組曲 作品8です この曲はアルゼンチンの作曲家でアストル・ピアソラの師匠としても知られるアルベルト・ヒナステラ(1916-1983)が1941年に作曲、組曲版は1943年に初演されました 「エスタンシア」とは農場のことです。第1曲「農場で働く人々」、第2曲「小麦の踊り」、第3曲「牧場の牛追い人」、第4曲「終幕の踊り」の4曲から成ります

ソアーレスの指揮で第1曲の演奏に入りますが、金管楽器、打楽器が大活躍のエネルギッシュな演奏が繰り広げられます 続く第2曲では、野津のフルートと崔コンマスのヴァイオリン・ソロが長閑な旋律を美しく奏でます 第3曲ではティンパニの連打による勇壮な音楽が印象的です 第4曲ではヒナステラ特有のリズムでアグレッシブな演奏が展開します

最後の曲はビゼー「アルルの女」組曲第1番(全曲)、組曲第2番より第2曲「間奏曲」と第4曲「ファランドール」です 「アルルの女」はジュルジュ・ビゼー(1838-1875)が1872年に作曲したドーデの劇のための音楽で、全27曲から成ります この中からビゼーが4曲を選んで第1組曲(①前奏曲、②メヌエット、③アダージェット、④カリヨン)とし、ビゼーの死後、友人のギローが4曲を選んで第2組曲(①パストラール、②前奏曲、③メヌエット、④ファランドール)としました

ソアーレスの指揮で演奏に入ります 組曲第1番の第1曲「前奏曲」では弦楽器セクションの渾身の演奏と、アルト・サクソフォンの抒情的な演奏が印象的でした 第4曲「カリヨン」ではチャイコフスキーのワルツのような旋律が出てきて意外に思いました 第2組曲第4曲の「ファランドール」については、事前に開催された「60分ワンコイン講座」で小室氏からレクチャーを受けましたが、映像で見た「ファランドール」は非常にゆったりした舞踏でした ところが、ギローの編曲では、「前奏曲」のメロディーと重ね合わされて高速でアグレッシブに演奏されます この高揚感はギローがいなければ達成できなかったと思います

ソアーレス ✕ 新日本フィルはアンコールに「アルルの女」第2組曲から第3曲「メヌエット」を演奏しました    野津雄太のフルートが素晴らしく、アルト・サクソフォンとのコラボも美しく響きました

この日のプログラムは南ヨーロッパ(フランス、スペイン)と南アメリカ(ブラジル、アルゼンチン)の音楽でしたが、指揮のジョゼ・ソアーレスは、ブラジル生まれということによる「行け行けどんどん」といったイメージとは真逆で、とても25歳とは思えない、知的で落ち着いた指揮者という印象を持ちました ひょっとすると、この人、将来 大物になるかもしれません

 

     

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ジョゼ・ソアーレス ✕ 新日本フィル「すみだクラシックへの扉」公開リハーサルを見学する ~ ビゼー「アルルの女」組曲、ヒナステラ「エスタンシア」、ヴィラ・ロボス「ブラジル風バッハ第4番」より

2023年07月07日 00時29分32秒 | 日記

7日(金)わが家に来てから今日で3097日目を迎え、国連が公表した子どもと武力紛争に関する年次報告書で、ロシアが「子どもの人権を侵害している国」に指定されたのを受け、ロシアのネベンジャ国連大使は5日の安全保障理事会公開会合で、国連のグテーレス事務局長を批判した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ロシアは北朝鮮の向こうを張って ウクライナの子供たちを誘拐してんじゃねぇか!

 

         

 

昨日、夕食に娘の大好物「お肉やわっやわっ鶏のガリチー煮」を作りました 「牛乳、スライスチーズ、ニンニク、薄力粉、コンソメ」でスープを作り、「シメジ、ホウレンソウ、玉ねぎ」と「鶏もも肉290g」を一緒に炒め煮しています 娘は残ったスープを利用してスパゲティを作って食べていました

 

     

 

         

 

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「すみだクラシックへの扉シリーズ  第16回定期演奏会」の公開リハーサルを見学しました    7日(金)と8日(土)に開かれる本番ではジョゼ・ソアーレスの指揮により①ヴィラ・ロボス「ブラジル風バッハ第4番」より「前奏曲」「踊り」、②ロドリーゴ「アランフェス協奏曲」、③ヒナステラ:バレエ音楽「エスタンシア」組曲、④ビゼー「アルルの女」組曲第1番、組曲第2番より「間奏曲」「ファランドール」が演奏されます    この日はビゼー「アルルの女」組曲第1番、組曲第2番より「間奏曲」「ファランドール」、ヒナステラ:バレエ音楽「エスタンシア」組曲、ヴィラ・ロボス「ブラジル風バッハ第4番」より「前奏曲」「踊り」のリハーサルが公開されました

指揮をとるジョゼ・ソアーレスはブラジル・サンパウロ市出身。23歳で第19回東京国際音楽コンクール(指揮)第1位、および聴衆賞を受賞しました 現在、ブラジルのミナス・ジェライス・フィルのアソシエイト・コンダクターを務めています

開演前にパトロネージュ部の登原さんと立ち話しましたが、もう年末の準備(「第九」など)に入っているとのことでビックリしました とは言うものの、12月なんてあっと言う間に到来します 最近つくづく時の流れの速さを実感します

 

     

 

見学可能なのは1階6列目より後ろの席です センターブロック10列目13番、左通路側を押さえました

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新日本フィルの並び コンマスは崔文洙、隣は特任コンマスの伝田正秀というダブル・コンマス態勢を敷きます

上下黒のカジュアルな衣装のソアーレスが登場し指揮台に上ります。最初はビゼー「アルルの女」組曲第1番(①前奏曲、②メヌエット、③アダジェット、④カリヨン」と、組曲第2番より「②間奏曲」と「④ファランドール」を通して演奏しました 途中で演奏を止めなかったのは、見学者としてとてもありがたいと思いました 本番前日のリハーサルなので、これまでのリハーサルでかなり仕上がっていると思われるのと、ソアーレスのサービス精神の現れかもしれません その後は、「①前奏曲」から順に、演奏しては止めて改善点を指示し、再び演奏し・・・ということを繰り返しました 演奏では特にサクソフォンとフルートの独奏が聴き応えがありました この曲はカラヤン ✕ ベルリン・フィルのLPで良く聴きました 何回聴いても「ファランドール」の高揚感は凄まじいものがあります この曲にはちょうど1時間を当てました。15分の休憩後、後半に入ります

後半の1曲目はアルゼンチンの作曲家ヒナステラのバレエ音楽「エスタンシア」組曲(全4曲)です この曲は初めて聴く作品ですが、南米特有のリズム感に溢れる音楽で、思わず身体が動きます この曲も途中で止めくことなく通して演奏し、その後、演奏しては止めて改善点を指示し・・・を繰り返しました この曲には45分間費やしました

管楽器・打楽器奏者が退場し、弦楽奏者だけが残ります 最後の曲はヴィラ・ロボス「ブラジル風バッハ第4番」より「前奏曲」「踊り」です 弦楽器だけによる作品のせいか、透明感のある美しい曲です この曲には15分間費やしました

今日の本番が楽しみです

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井上道義氏、新日本フィルとのベートーヴェン公演を降板 ~ フェスタサマーミューザ / 青山美智子著「月曜日の抹茶カフェ」を読む ~ 人と人との出会いは縁、縁を大切に生きようと思わせる12の物語

2023年07月06日 00時01分02秒 | 日記

6日(木)。ミューザ川崎のホームページに下記の「お知らせ」が掲載されていました

「フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2023 の8月6日(日)新日本フィル ~ 道義のザ・ベートーヴェン1 ~ で出演を予定していた井上道義(指揮)は、結石性腎盂腎炎により当面の間 治療が必要との医師の診断を受けたため、本公演を含む8月上旬までのすべての出演をやむを得ず降板することになりました。つきましては、本公演では指揮を広上淳一氏に変更して開催いたします。曲目の変更はございません(以下省略)」

井上氏の健康状態が良くないとは聞いていたものの、とても心配です    11月18日(土)には読響を振ってマーラー『交響曲第2番”復活”』を演奏しますが、その時までには復活して、元気な姿で指揮をとることを祈るばかりです

ということで、わが家に来てから今日で3096日目を迎え、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子総裁が幹部らを前に「岸田をここに呼びつけて教育を受けさせなさい」「日本は滅ぶしかない」と日本政府を批判した音声が明らかになっているが、旧統一教会を取材している鈴木エイト氏は「安倍元首相の銃撃以降、日本からの送金がなされておらず、教団は財政難にある」とし、「戦犯国の日本は賠償すべき」といった発言については「日本からの献金を正当化しようとしている」と述べた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     韓鶴子総裁をここに呼びつけて 日本で同教団の犠牲になった信者達に謝罪させろ!

 

         

 

昨日、夕食に「丸ごとピーマンのチーズ肉巻き」「生野菜とアボカドのサラダ」「大根の味噌汁」を作り、「真いわしの刺身」と一緒にいただきました 「丸ごと~」は初挑戦ですが、娘にバカ受けでした

 

     

 

         

 

青山美智子著「月曜日の抹茶カフェ」(宝島社文庫)を読み終わりました 青山美智子は1970年愛知県出身、横浜市在住。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者を務め、2年後に帰国。出版社の雑誌編集者を経て、「木曜日にはココアを」で作家デビューし、第1回宮崎本大賞受賞 「月曜日の抹茶カフェ」が第1回けんご大賞受賞。「お探し物は図書室まで」が2021年、2022年本屋大賞で第2位となる

 

     

 

川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」では、定休日の月曜日にだけ「抹茶カフェ」が開かれます 登場するのは、ツイてない携帯ショップの女性店員と愛想のない茶問屋の若旦那、妻を怒らせてしまった夫とランジェリーショップのデザイナー兼店主、恋人に別れを告げたばかりのシンガーと実家の祖母と折り合いが悪い女性紙芝居師、京都老舗和菓子屋の元女将と自分の名字と同じ名前の京菓子を買いに来たサラリーマンたちです 一杯の抹茶から お店と客との、客同士の様々な”縁”が12か月にわたって広がっていきます

最初の物語は、携帯ショップの女性店員の話です 楽しみにしていた「マーブル・カフェ」が定休日だった。ついてないな と思ったものの定休日だけ「抹茶カフェ」をやっていることを知り、思い切って入ってみることにします そこで、今まで知らなかった人との出会いがあり、その”縁”が次の登場人物につながっていきます 彼女は思い切って一歩前に踏み出したことにより、新たな出会いに巡り合えたのです 1月から順番に読み進めていくと、登場人物同士、誰かがどこかでつながっていることが分かります つまり、人と人との出会いには”縁”があるということです

巻末の「解説」を小説紹介クリエイターの けんご氏 が次のように書いています

「全ての出会いはご縁によってできている。奇跡なんかじゃない。自分の行動が、発言が、努力が作り出したご縁なのだ

本書を読んで、ご縁は大切にしたいものだ、と思いました

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METライブビューイングでモーツアルト「ドン・ジョバンニ」を観る ~ ナタリー・シュトゥッツマンのMET指揮者デビュー、イヴォ・ヴァン・ホーヴェの斬新な演出

2023年07月05日 00時01分02秒 | 日記

5日(水)。わが家に来てから今日で3095日目を迎え、ロシアの独立系メディア「ドシチ」の元編集長ミハイル・ズイガリ氏が3日までに米紙ニューヨーク・タイムズに寄稿し、プーチン大統領に近い複数の関係者の話だとして、民間軍事会社ワグネルの武装反乱が起きた6月24日、プーチン氏が出身地の北西部サンクトペテルブルクで同氏の「金庫番」と呼ばれる富豪のヨットに乗り、地元の祭りを楽しんでいたと指摘した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     プーチンの危機管理能力ゼロを露呈した出来事だ 反乱が成功してたら 後の祭りだ

 

         

 

昨日の夕食は、いただきものの「冷凍寿司」と「手羽煮」にしました 冷凍庫がいっぱいなので、早めに食べないと新しい冷凍食品が入らないのです ハッキリ言って手抜きです

 

     

 

         

 

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、モーツアルト「ドン・ジョバンニ」を観ました これは今年5月20日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です 出演は、ドン・ジョバンニ=ペーター・マッティ、ドンナ・アンナ=フェデリカ・ロンバルディ、ドンナ・エルヴィーラ=アナ・マリア・マルティネス、ドン・オッターヴォ=ベン・ブリス、ツェルリーナ=イン・ファン、レポレッロ=アダム・プラへトカ、マゼット=アルフレッド・ウォーカー、騎士長=アレクサンダー・ツィムバリュク。管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、指揮=ナタリー・シュトゥッツマン、演出=イヴォ・ヴァン・ホーヴェです

指揮をとるナタリー・シュトウッツマンは1965年、フランス・シュレンヌ生まれ コントラルト歌手として有名ですが、フィンランドの伝説的な指導者、ヨルマ・パヌラに師事し指揮法を学び、2011年から指揮者としても活躍し、2022/23シーズンからアトランタ交響楽団音楽監督を務めています 本作がMETデビューです

 

     

 

オペラ「ドン・ジョバンニ」はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)がダ・ポンテの台本に基づき1787年に作曲、同年10月29日にプラハ国立劇場で初演されました

物語の舞台はスペインのある町。大貴族のドン・ジョバンニは、2000人以上の女性をものにした天下の放蕩者 今宵も従者レポレッロを見張りに立たせ、騎士長の娘ドンナ・アンナに夜這いをかける。しかし、アンナに騒がれ、駆けつけた騎士長に決闘を挑まれ、彼を殺してしまう アンナは婚約者のドン・オーターヴォとともに復讐を誓う 次にドン・ジョバンニは農民マゼットとの結婚を控えた村娘ツェルリーナに目を付ける 口説き落とせたと思った瞬間、以前棄てたドンナ・エルヴィーラに邪魔される 懲りないドン・ジョバンニは館で大宴会を開き、ツェルリーナを部屋に連れ込もうとするが、彼女に大声を上げられて失敗する レポレッロに罪を被せようとするが、宴会に忍び込んだアンナやエルヴィーラら一同に激しくなじられる。大騒動のうちに幕が下りる(以上、第1幕)

エルヴィーラの侍女に目を付けたジョバンニは、レポレッロと服を取り替えてエルヴィーラを追い払うと、その姿のまま、ジョバンニに喧嘩を売りにきたマゼットを叩きのめす エルヴィーラはジョバンニに変装したレポレッロが彼女を口説くので喜ぶが、やがてレポレッロが正体を現し愕然とする 夜の墓場でドン・ジョバンニは殺した騎士長の石像と出会い、やり取りの末に石像を晩餐に招待する 石像は本当にやって来る。石像は改心を迫るがジョバンニは頑として拒む ついに石像はジョバンニを地獄へ連れ去り、残された一同は悪人の滅亡を喜ぶ(以上、第2幕)

 

     

 

この歌劇は「オペラ・ブッファ」(喜歌劇)ですが、正式なタイトルは「罰せられた放蕩者またはドン・ジョバンニ」です イヴォ・ヴァン・ホーヴェの演出は「オペラ・ブッファ」ではなく「罰せられた放蕩者」としてのドン・ジョバン二に焦点を当てています ひと言で言えば、ドン・ジョバンニを性犯罪者として扱っています。これが本公演の大きな特徴です

登場人物の衣装は21世紀そのもので、ドン・ジョバンニやレポレッロはスーツだし、ドンナ・アンナは冒頭、高級ネグリジェで登場し、その後はエレガントなドレス姿です これは、演出家の「若い人もオペラに引き込みたい」という意図の現れだと思いますが、登場人物の過剰とも思われる演技とともに、妙にリアリティがあります ビックリしたのは、第1幕のドン・ジョバンニと騎士長との決闘で、いきなりドン・ジョバンニが拳銃で騎士長を撃ち殺したことです これでは決闘になりませんが、犯罪者ならやるでしょう。こういう演出は初めて見ました

舞台はエッシャーの絵に出てくるような階段があったり通路があったりする建物が数軒並び、その手前に広場があるシンプルな構成です さらに、舞台転換はほとんどなく、第2幕の最後の「ドン・ジョバンニの地獄落ち」の場面だけが壁に囲まれる形になり、ドン・ジョバンニが地獄に落ちた後は、再び元の建物の姿に戻り、そのままフィナーレを迎えます

今回の公演を観てアメリカのMETらしいな、と思ったのはマゼットとツェルリーナの配役です マゼットには黒人歌手を、ツェルリーナには中国人歌手を起用しています これは米国の「アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)の一環としての配役ではないかと思いますが、こういうチャレンジはMETが先鞭をつけるケースが多いように思います

ドン・ジョバンニを歌ったペーター・マッティは1965年スウェーデン生まれのバリトンです 過去のライブビューイングで忘れられないのはロッシーニ「セヴィリアの理髪師」でフィガロを歌い演じた時のパフォーマンスです 個人的には、あれを超えるフィガロはいないと思います 今回のドン・ジョバンニでは、”貴族”をひけらかして甘い言葉で次々と女性を口説き落とそうとする”女たらし”を艶のある歌声で魅力的に歌い演じました

ドンナ・アンナを歌ったフェデリカ・ロンバルディは1989年イタリア生まれのソプラノです リリカルな美しい声で、役柄に成り切った演技力も魅力でした

ドンナ・エルヴィーラを歌ったアナ・マリア・マルティネスは1971年プエルトリコ生まれのソプラノです 第1幕での”巻き舌”の歌唱が観客に大受けしていました 幕間のインタビューでドンナ・エルヴィーラとドン・ジョバンニとの関係について訊かれ、「ドン・ジョバンニは『カタログの歌』によると、計算上一夜に一人の女性をモノにしていますが、エルヴィーラは『私を妻と呼んで虜にして、3日間一緒に過ごしたのに、私を捨てて逃げて行った』と語っています つまり、彼女は他の女性よりも自分の方がジョバンニの愛を多く受けていると思っているのです」と語っていました。「なるほど、そういう計算もあるのか」と、感心しました

ドン・オッターヴォを歌ったベン・ブリスはアメリカ・カンザス州出身のテノールです 柔軟で軽やかな歌声で、高音が良く伸びます。リアルな演技力も光りました

ツェルリーナを歌ったイン・ファンは中国出身のソプラノです しっかりしたヴォイス・コントロールのもと、可憐でも したたかでもある若い娘を見事に歌い演じました

レポレッロを歌ったアダム・プラへトカは1985年チェコ・プラハ出身のバスバリトンです 豊かで深みのある歌声で、コミカルな演技も光りました

MET初登場のナタリー・シュトゥッツマンの指揮も立派でした 「序曲」は集中力に満ち、劇中では歌手に寄り添って指揮をとりました 自らが歌手であることから、歌手との呼吸をはかるのはお手の物なのでしょう

今シーズンのMETライブビューイングも、次のモーツアルト「魔笛」を残すのみとなりました この公演もナタリー・シュトゥッツマンが指揮をとります 日本での上映は7月14日から20日までです。今から楽しみです

 

     

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ヨシタケシンスケ「しかもフタが無い」を読む / エマニュエル・トッド&池上彰「問題はロシアより、むしろアメリカだ」、青山美智子「月曜日の抹茶カフェ」、伊坂幸太郎「逆ソクラテス」他を買う

2023年07月04日 06時42分30秒 | 日記

4日(火)。昨日午前、豊島健康診査センターで胃がん検診(胃部X線撮影)を受けてきました   胃カメラによる検査とバリウムを飲む検査と隔年に実施されますが、今年はバリウムの年です   ウィークデーの午前中の割には結構受検者が来ていてちょっと驚きました

ということで、わが家に来てから今日で3094日目を迎え、ロシアのボロジン下院議長は2日、民間軍事会社ワグネルの多数の戦闘員が「武器を持って任務を続ける」とSNSに投稿したが、多くの戦闘員がロシア軍と契約したことを示唆しているとみられる  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     今までワグネルがやってきた 政権の汚れ仕事を 堂々と表立ってやるということね

 

         

 

昨日、夕食に「茄子と鶏肉の炒めもの」「生野菜とアボカドのサラダ」「舞茸の味噌汁」を作りました 「茄子と~」の材料は、鶏肉、茄子、オクラ、パプリカ、ミョウガです 野菜類は一度油で軽く揚げてから鶏肉と炒めています バリウムが体外に排出されるまでお酒は禁止と言われたので、残念ながらアルコールなしの夕食です ビールのない夕食なんて、コーヒーを入れないクリープみたいなもんですね 

 

     

 

         

 

ヨシタケシンスケ著「しかもフタが無い」(ちくま文庫)を読み終わりました。というよりも 見終わりました  ヨシタケシンスケは1973年 神奈川県生まれ。絵本作家。筑波大学大学院学術研究科総合造形コース修了。スケッチ集、児童書の挿絵、挿画、イラストエッセイなど多岐にわたる作品を発表    2013年に初の絵本「りんごかもしれない」(ブロンズ新社)を出版し、第61回産経児童出版文化賞美術賞、第6回MOE絵本屋さん大賞第1位を獲得しました

 

     

 

本書は、ヨシタケさんが絵本作家になる10年前(30歳の時)に刊行され、すべてのキッカケとなったデビュー作を文庫化したものです 30歳までに描きためたアイデアスケッチをそのまま本にしたもので、「絵本の種」「創作の原点」というべき本です

ヨシタケさんの頭の中にあるアイデアをイラストで表しているので、それらの”絵”を写真でご紹介するのが一番分かりやすいのですが、残念ながら著作権の関係で出来ません

ただ、絵本作家はモノをこういう風に観察しているのか、と感心するイラストが少なくありません 例えば、ロールケーキとナルトと金太郎飴のイラストでは、すべてが「輪切り」でなく、縦に真っ二つ(かまぼこ型)に切られていて、「ロールケーキが台なし」「ナルトが台なし」「金太郎飴が台なし」と書かれています

面白いのはカバーの裏側にもイラストで「カバーのウラのものがたり」が描かれていることです これもヨシタケさんのアイディアのなせる業です

これは実際にご覧いただくしかありません 日本全国から書店が消えつつあります 立ち読みでなくお買い求めください

 

         

 

手元の本がなくなったので、いつも通りジュンク堂書店池袋本店で8冊買い求めました

1冊目はエマニュエル・トッド&池上彰共著「問題はロシアより、むしろアメリカだ」(朝日新聞出版)です エマニュエル・トッドの本は「第三次世界大戦はもう始まっている」(文春新書)を読んでtoraブログでもご紹介しましたが、彼が主張したいことはだいたい予想できます それでも読まざるを得ないと思わせるタイトルです

 

     

 

2冊目は澤田誠著「思い出せない脳」(講談社現代新書)です スーパーに買い物に行って、買うべきものを買わず、買わなくても良いものを買ってくる者にとっては深刻な問題です

 

     

 

3冊目は青山美智子著「月曜日の抹茶カフェ」(宝島社文庫)です 先日読んだ「お探し物は図書室まで」(ポプラ文庫)の読後感が良かったので、迷わず買い求めました

 

     

 

4冊目は伊坂幸太郎著「逆ソクラテス」(集英社文庫)です 伊坂氏の本は文庫化されるたびに読んでいますが、これは文庫最新版です

 

     

 

5冊目は町田そのこ著「52ヘルツのクジラたち」(中公文庫)です 全国の書店員さんが選ぶ「本屋大賞」第1位の作品です。間違いなく面白いと思います

 

     

 

6冊目は中山七里著「ヒポクラテスの悔恨」(祥伝社文庫)です 中山七里の作品も文庫化されるたびに読んできました。今回はどんなどんでん返しが待っているか

 

     

 

7冊目は浅倉秋成著「六人の嘘つきな大学生」(角川文庫)です かなり前の新聞の書評欄で紹介されていて興味を引かれました

 

     

 

8冊目は池上彰著「新聞は考える武器になる」(祥伝社黄金文庫)です ネット時代にこそ読むべき本だと思います

 

     

 

いずれも読み終わり次第、当ブログでご紹介していきます

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コンクールが映したロシアの今 ~ 朝日・吉田純子編集委員のエッセイから / M.ナイト・シャマラン監督「KNOCK 終末の訪問者」を観る ~ 世界の終末を止めるため家族の誰かを犠牲にしろという要求

2023年07月03日 06時46分10秒 | 日記

3日(月)。前日に続いて「第17回チャイコフスキー国際コンクール」の話題です 昨日の朝日新聞朝刊のコラム「日曜に想う」に、同社編集委員の吉田純子さんが「コンクールが映したロシアの今 」というタイトルでエッセイを寄せています 超略すると以下の通りです

「開幕式は創設65年のお祝いムードに包まれていた。6月19日にロシアで始まったチャイコフスキー国際コンクールの映像に言葉を失う 『記念の年』と繰り返す司会者のはしゃぎっぷりに心がついていけない 動画には客席も頻繁に映った。アジア人とおぼしき人が、映ることを警戒してか固くうつむいたままなのに対し、ロシア人と思われるほとんどの人が快哉を叫び、盛り上がっていた まず、これが今のロシアという国の現在地であることを、私たちは知る必要があるだろう 2014年、私は『五輪と文化』というテーマの取材でソチ五輪に赴いた。閉会式で、ロシアの大芸術家の名前と肖像画が次々と会場に投影されていくのを見ながら、芸術に対するプーチン大統領の強烈な憧憬とコンプレックスを感じずにいられなかった ロシアを強固な精神の共同体にする糧として、プーチン氏は芸術を必要としていると確信した。ウクライナはあまねくロシア芸術の発祥の地だ 抱擁しようとした手を払いのけられたプーチン氏は、傷ついたプライドを暴走させた 世界的指揮者のワレリー・ゲルギエフ氏は、プーチン氏のヒーローであり、夢を叶える唯一無二の代理人でもあったが、彼もまた世界の音楽界から孤立した 自前のコンクールの権威のみならず、憧れていたはずの芸術の世界の住人たちをプーチン氏は自ら貶め、彼らの苦悩を深めた 今年のチャイコフスキー国際は、はからずも戦争の愚の本質とプーチン氏の哀れを鮮明に戯画化したのだ 今回は国外にいるロシア人演奏家の多くが、徴兵を恐れて出場を断念したとされる コンクールは1日に閉幕。今は、勝者も敗者もない芸術の世界に足を踏み入れたすべての若き芸術家の未来だけを、心から祝福したい

吉田さんが「ウクライナはあまねくロシア芸術の発祥の地だ」と書いているのは、ウクライナがソヴィエト連邦共和国の一員だったという歴史的な意味とともに、ウクライナ出身の作曲家にはプロコフィエフ、スクリャービン、グリエールらが、ヴァイオリニストではオイストラフ、ミルスタイン、エルマン、コーガン、スターンらが、ピアニストではホロヴィッツ、リヒテル、ギレリスといった錚々たる音楽家たちがいることと無関係ではないでしょう

「それにしても・・・」と思うのは、「国外にいるロシア人演奏家の多くが、徴兵を恐れて出場を断念した」という事実です 徴兵を恐れてコンクールにも参加できない国とは、どれほど好戦的で戦力不足の国なのでしょうか 国土面積が広いだけで とても「大国」とは言えないロシアは、過去の栄光の思い出に浸っているだけの「小国」に過ぎないのだと思います

ということで、わが家に来てから今日で3093日目を迎え、欧州連合(EU)は2日までに、ロシアの侵略が続くウクライナの復興資金の支援策として、EU内で凍結したロシア中央銀行の資産から生じる利子などの活用方法をまとめるようEUの行政執行機関である欧州委員会に求めた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ロシアが一方的に仕掛けた戦争による損失を ロシアが補償するのは当然のことだ!

 

         

 

早稲田松竹でM.ナイト・シャマラン監督による2023年製作アメリカ映画「KNOCK 終末の訪問者」(100分)を観ました

「ゲイのカップルであるエリック(ジョナサン・グロフ)とアンドリュー(ベン・オルドリッジ)、そして養女のウェン(クリステン・ツイ)の家族が山小屋で穏やかな休日を過ごしていると、突然 武装した見知らぬ謎の男女4人が現れ、家族は訳も分からないまま囚われの身となってしまう    リーダー役のレナード(デイブ・パウティスタ)をはじめとする謎の4人組は家族に「いつの世も選ばれた家族が決断を迫られた」「家族のうち誰か一人が犠牲になることで世界の終末を止めることができる」「拒絶することは何十万もの命を奪うことになる」と告げ、エリックとアンドリューらに「3人のうち犠牲になる1人を選べ」と迫る    テレビでは世界各国で起こり始めた甚大な災害が報じられるが、訪問者たちの言うことを俄かに信じることができない家族は、何とか山小屋からの脱出を試みる

 

     

 

【以下、ネタバレ注意】

この映画は、ポール・トレンブレイの小説「終末の訪問者」を原作に、世界の終末と家族の命を天秤にかけた非常な決断を迫られる一家の危機を描いています

訪問者の正体は新約聖書の「ヨハネ黙示録」に出てくる四騎士(世界の終末に現れる神の使い)であり、選ばれた者が犠牲にならなければ世界の終末が訪れるということも事実であるという設定になっています 最終的に4人は犠牲になって死に、最後には、世界の終末を信じたエリックが自ら犠牲になってアンドリューの手によって殺されます

世界の終末を終わらせるか、家族の命を最優先にするかの究極の選択を迫られた時、自分だったらどうするかということを考えさせられる映画です

 

     

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