numata727 さんが 2014年12月03日 に書かれた記事をお届けします

2015年12月03日 21時20分41秒 | 医科・歯科・介護
棄権は自分の将来を他人に委ねるも同然

★日本に現在、8もの党があることが異常。これでは自民党が有利であり、有権者は棄権もしたくなるだろう。多くの死に票が出てしまうことはあまりにも虚しい。★米国は2代政党なので必然であるが、小選挙区制は日本にはなじまない。「棄権は自分の将来を他人に委ねるも同然」また政治への無関心は生活への無関心を意味する。消費税1...
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花が咲いている場所も少なくなってきましたね

2015年12月03日 21時18分07秒 | 【お知らせ】
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  花を楽しもう!みん花通信
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       (2015.12.03配信)


numatatoneさん、こんにちは!
いつも「みんなの花図鑑」をご利用いただき誠にありがとうございます。

寒くなり、花が咲いている場所も少なくなってきましたね。
植物、花、樹木など生きたまま栽培している植物園や公園を紹介しています。
足を運んで、新たな発見をしてみてください。
https://hc.minhana.net/botanical_garden/


また、みんなで作る【日光ガイドアプリ】提供中です。
日光の世界遺産含む113スポットに設置された”ビーコン”に近づくとスポット情報が届きます。
スポット情報が届いたら、観光を楽しんで、紅葉や身近な日光の植物を投稿してみよう!
https://beacon.goo.ne.jp/


※みん花通信の受信間隔を変更するには、メール下部[メール設定変更方法]をご参照ください。


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喪中はがきが届いたら…喪中見舞いに「お花の商品券」を…
家族葬が増えており、時間が経ってからご不幸を知ることが増えてきました。
“故人の好きだったお花をお供えください”という気持ちを込めて贈られる方が増えています。
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【本日の一枚】

本日の一枚はYasuさんが但東町安国寺で撮影した「ドウダンツツジ」です。
「ドウダンツツジ」は灯台躑躅と書くこともあります。本日の一枚は、紅葉の残る画面左上の、火が灯ったような色彩から、紅葉が終わる画面右下へ向かい、うねりながら火が消えゆくかのような色彩への流れが美しい一枚です。


本日の一枚を見る
https://hc.minhana.net/photo_of_ today?utm_source=tsushin&utm_medium=mail&utm_campaign=mailmag

本日の一枚は、撮影スポット(※)を登録していただいた写真の中から季節感あふれる写真や花のある風景など、 そのスポットに出かけたくなるような魅力的な写真を選ばせていただいております。
(※)撮影スポットは、写真投稿ページの「撮影スポットを登録」に入力すると登録することができます。
  例:東京都小平市/東山動植物園/八坂神社 など
皆様のお気に入りの場所をぜひご紹介ください。紅葉の写真投稿もお待ちしております。


お花を楽しめるおすすめのスポットを「撮影スポット」に記入してご投稿ください。
皆様のお気に入りの場所をぜひご紹介ください♪

【本日の誕生花】

コオニユリ
オニユリに比べてちょっと小さめ!長く伸びた雄しべがなんだか不思議な雰囲気を醸し出しています☆花言葉は「賢者」です。
https://minhana.net/wiki/view/976?utm_source=tsushin&utm _medium=mail&utm_campaign=mailmag

苦悩も「ぱっ」と消える時が必ずある

2015年12月03日 21時08分34秒 | 社会・文化・政治・経済
★災害対策効果が十分に発揮されるかどうか、最後は人間自身にかかっているといえる。
危険が迫っても“人間はなかなか逃げられない”ことが分かっている。
★避難を決心してから実行するまで、平均93分という調査もある(東京大学・総合防災情報研究センター「災害時に命を守る情報の伝え方」
★「生命尊厳」は自身と周囲の絶対無事故からはじまる。
常日頃の用心心を怠らないことだ。
★自分の人生を開いていく主人公は誰でない。自分自身なのだ。
★自分を卑下するのはよそう。
むしろ苦悩を抱えた人間の方が面白いのだ。
★太陽が昇れば闇は消え去る。
苦悩も「ぱっ」と消える時が必ずある。
自らを悩ませる難問が、一番、自身の境涯を躍進させる転機となる。
★人生の充実は、共に歩む中にある。
共に語り、学び、共に励まし、共に喜びを分かち合う。












友人の弟の静岡県の競輪選手

2015年12月03日 14時26分27秒 | 創作欄
利根輪太郎は、友人の弟の静岡県の競輪選手に思い入れがあり、賭けた。
その弟選手はS級からA級に降格しており、A級では軸になる力量を思われた。
新人の先行選手の番手(後ろ)であり、捲る展開になれば、頭(1着)はとれると期待した。
典型的な3分戦であり、看護師の野添道子にも買う車券を推奨していた。
競輪研究家を自認している輪太郎は、競輪愛好家たちの一部では頼りにされていたのである。
取手競輪では、地元選手の応援コーナーが儲けられており、ゴール前の先の1コーナーにファンたちが陣取っている。
応援コーナーの存在を示す旗が3本。
大きな望遠レンズを装着したカメラを構える赤いハッピ姿の男性が大声で地元選手に応援を送る。
「頑張れ」コールが響き渡り、号砲とともに9人の選手たちが先頭誘導員を追って飛び出していく。
捲りを選ぶラインは先頭の位置取りを目指す。
有利な中断段を取りに行くライン。
そして、逃げんを選択するラインは後方から追走していく。
輪太郎は我が目を疑ったのだ。
あろうことか、後方から追走していくラインが輪太郎の勝負車券であったのだ。
その時点で、勝負を諦めらのである。
「新人選手は甘いな!」と輪太郎は呟いた。
案の定、逃がされる展開になってしまった。
そして一番、軽視されていた地元取手選手のラインでレースは決着したのだ。
友人の弟の競輪選手は何とか3着に粘ったのである。
「私、今月、全然ダメなの。負け続けて・・・」道子にまで損をさせてしまった。
夜勤明けの道子と彼女の同僚の看護師の沢田ぼたんを誘い居酒屋で反省会(残念会)へ向かう。
我孫子から来てきる木島信夫も同行した。
バレンタインの日には、チョコレートを持って選手を選手宿舎の門外で待つ看護師の道子を見て、輪太郎は彼女たちに輪太郎は声をかけるようなったのだ。

私の医歴書◆久道 茂 /Vol.1

2015年12月03日 12時25分03秒 | 医科・歯科・介護
がん対策、検診率すら正確なデータなし


シリーズ: 私の医歴書◆久道茂・東北大学名誉教授

m3.com 2015年12月1日 (火) 配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 東北大学公衆衛生学教室は、日本の公衆衛生学をけん引してきた教室の一つ。特にがん領域では、関係機関と協力し、全国に先駆け、宮城県のがん登録を開始、検診や罹患率をはじめ、がんに関係するさまざまなデータを発信してきた。その第3代教授を務めたのが、久道 茂(ひさみち しげる)氏。がん検診の有効性評価をはじめ、各種の疫学的研究は国際的にも評価が高い。
 東北大学医学部長まで務めた後、日本医学会副会長などを務め、今は宮城県対がん協会会長の職にある久道氏。ミステリー小説家としての顔も持つ、久道氏の「私の医歴書」を、m3.comではこの12月、計31回の連載でお届けする。https://www.m3.com/news/series/iryoishin/10610
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――長年、がん検診を含むがん対策に取り組んできた久道氏。今のがん対策基本法をはじめ、がん対策についてどのように見ているのだろうか。


 がん対策基本法として明示されているのは、がん研究の推進、1次予防、2次予防、それからがん患者とその家族のケア。
 治療法の開発など、がんについての研究は、基本中の基本で重要ですが、実際に効果が表れるまでには何年かかるかが分かりません。これに対し、効果が確実に上がると思われるのは1次予防で、その代表例が禁煙です。その次が早期発見・早期治療につなげる2次予防、つまりがん検診。
 ではどの程度、目標を達成したかですが、例えば禁煙については、地域で禁煙条例が制定されるようになったり、職場などでも禁煙が進み、以前と比べればだいぶ徹底されるようになりましたが、まだ課題はあります。
 がん検診ですが、今までは地域住民のがん検診が重要視されてきましたが、それだけでなく勤務者の職域検診も重要。厚生労働省は、厚生省と労働省が一緒になった省ですが、いまだに縦割り。職域検診の普及が遅れています。ようやく厚労省は来年度の予算で、職域検診を集中的にスピードアップさせるための予算を付けました。
 もっとも、それ以前の問題もあります。実はがん検診の受診率は正しく把握されていないのです。2015年からのがん対策推進基本計画では、「5年以内に、がん検診の受診率を全国で50%以上にする(胃、肺、大腸は当面40%)」と掲げられていますが、まだ達成されていない。しかし、宮城県の場合、既に50%を超えており、宮城県のがん対策推進協議会は、「全てのがん検診の受診率70%以上」を目標として掲げています。
 他の都道府県でも、超えているがん検診があると思います。しかし、厚労省のデータは違う。それは、厚労省のデータは、以前の老人保健法で定められていた、各市町村の地域がん検診の受診率なので、職域検診のデータが含まれていないからです。
 また以前は「がん征圧全国大会」、各県では「○○県がん征圧大会」などの場で、がん検診の受診率が高い市町村が表彰されていました。しかし、分母が違えば、受診率が変わってくるのは当然です。基本は、40歳以上の人口を分母にして、その年にがん検診、例えば胃がん検診なら胃がん検診を受けた人数を分子にして受診率を計算する。ところが、市町村によっては、住民検診を申し込んだ人を分母にしているところもあった。がん検診率が80%、90%と非常に高い市町村が、翌年は下がったりしていたのです。
 では、宮城県の場合、どんな計算をしているのか。厚労省が実施する国民生活基礎調査がありますが、各県でも同じ内容をサンプリングして調べています。宮城県では、「県民健康栄養調査」として、栄養のことも調べて、さらに、「がん検診をこの2年間で受けたか」についても聞いているのです。「受けた」という人の中には、住民検診で受けた人以外に、職場検診で受けた人、それから独自に人間ドックを受けた人も含まれます。本当の意味でのがん検診の受診率は、この数値が一番近いと思います。
 現状では、がん検診の受診率の正確な全国的なデータがないのだから、アメリカといくら比較したって、意味がないでしょう。アメリカの場合は、3万か4万人ぐらいの人をサンプリングして、何のがん検診を、どんな方法で受けているのかを調べています。
 がん対策基本法で、がん検診の受診率向上をうたっているのに、その基礎データを計測する手法そのものが科学的ではないのは問題。それでは、施策の効果は評価できない。今後は、国立がん研究センターが中心になって、国民生活基礎調査をベースにして、市町村が行う検診だけでなくて、職域検診も、さらには自分で人間ドックなども受けた人も含めて、全国データを出す必要があります。
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私の医歴書◆久道 茂 /Vol.2
がん相談担当、「主治医の不満」が最多

シリーズ: 私の医歴書◆久道茂・東北大学名誉教授

m3.com 2015年12月2日 (水) 配信 橋本佳子(m3.com編集長)

――国のがん対策推進基本計画の目標のうち、禁煙やがん検診については、改善の余地が大きいと見る久道氏。
 対策が以前よりも目に見えて良くなっていると思うのは、がん患者のケアですね。その一つが、がん相談支援センター。
 がん対策推進基本計画では、各都道府県に対し、「がんに関する相談支援と情報提供」の実施を求めています。宮城県の場合、ここ(宮城県対がん協会)に委託しており、私自身も週1回担当しています。そのほか、全国各地のがん診療連携拠点病院についても、院内にがん相談の窓口を設けることが、指定要件の一つになっています。
 これらの相談事業はかなり普及しています。民間のセカンドオピニオンの場合は、1人1時間で1万5000円とか2万円、高い場合は3万円くらいの場合もあります。セカンドオピニオンでは、各がんの専門の医師が対応し、患者さんが持ってきた資料を見ながら診断も含めて相談に乗る。
 これに対し、がん相談支援センターは、専門性は高くはないですが、無料で幅広く相談に応じます。「がんのことなら、何でも相談してください」ということ。私はもともとは消化器内科医。各がんについて専門的なことは、それほど深く知っているわけではありません。でも、相談に来る患者さんは、ネットで調べ、新しい知識を覚えてくる。例えば乳がんの患者さんは、「トリプルネガティブ」(編集部注:乳がんに関係する3つの遺伝子が陰性)といった言葉まで持ち出してくる。そのほか、昔は丸山ワクチンの相談も結構ありましたが、最近は多いのは免疫療法の相談。
 私はその都度、いろいろ勉強しますが、にわか勉強だから、覚束ないところもあります。もっとも、患者さんや家族の多くは、専門的なことを相談したいわけではないのです。一番多いのは、主治医に対する不満なのです。これは主治医が悪いのではなく、時間の余裕がないことが主な理由でしょう。先生方は忙しく、10分も話すのがぎりぎり。1人に30分もかけていたら、午前中に6人程度しか診ることができない。でも患者さんにとっては、10分程度では、聞きたいことも聞けず、そもそも何を聞いたらいいか、分からない状態になってしまう。どうしたらいいかが分からなくなり、誰にも言えないから私のところに来た時に、主治医の悪口を言ってみたり……。
 私は1人30分として予約を取っていますが、だいたい40分から50分かかりますね。次の人がいないときは1時間ぐらいやります。「何かあったら、何度来てもいいですよ」と言うと、患者、家族の中には、リピーターになり、2カ月置きに様子伺いというか、説明しに来る人もいます(笑)。
 患者さんには、「先生は毎日、外来患者さんを何十人も診て、入院患者も診なきゃならない。検査もする。外科の先生は手術もする。なかなか時間が取れないから、聞くのなら肝心なことちゃんとメモしなさい」と言います。その上で、「これとこれを聞きなさい」と質問事項を教えると、結構、ありがたがるようです。
 「医者を変えたいが、どうしたらいいか」「セカンドオピニオンって、本当に聞いてもいいのか」といった相談も多い。要するに主治医に怒られるのが、怖いというか、心配なのです。治療そのものよりも、それ以前の医師、患者関係で悩んでいます。
 ある時、前立腺がんの40代の方が、相談に来たこともあります。放射線療法をやっていたのですが、毎日やるわけではなく、一定の休止期間がある。その期間が心配らしく、「がんがどんどん増殖しているのではないか」と思い、サプリメントを購入して飲んでいた。「どのくらい毎月、買って飲んでいるの?」と聞いたら、月4万~5万円。「よく金あるな」と思ったけれど、とにかく何もしてないのは心配だと言う。放射線療法の理論や、休止期間でもがんは増殖するわけではないことを医学的に説明しても、理屈っぽい人は「なぜ、増殖しないのか」と聞いてくるので、がん相談支援はなかなか大変です。
 いずれにせよ、突き詰めると、医療費の安さが問題なのだと思います。今のがん治療の高額医療は、ほとんどが薬代。しかも、海外メーカーの薬が多いから、アメリカなどに医療費が流れてしまう。これに対し、医療者の技術の評価は低く、ゆっくり相談する時間がなく、結局、数多くの患者さんを診ないと経営が成り立たなくなっています。

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私の医歴書◆久道 茂 /Vol.3

“近藤理論”、20年以上前に問題視

シリーズ: 私の医歴書◆久道茂・東北大学名誉教授

m3.com 2015年12月3日 (木) 配信 橋本佳子(m3.com編集長)

――「がん検診、百害あって一利なし」と主張し、がんの検診や積極的な治療に対し否定的な近藤誠氏。久道氏は、20年ほど前の時点で、既に近藤氏の言論に対し、異議を唱えていた。近藤先生が、『文藝春秋』に「がん検診、百害あって一利なし」という文章を掲載したのは、1992年。

 私は、腹が立って、これはちゃんと反論しなければと思い、かなり長文の反論を書いて、『文藝春秋』に送ったのです。そうしたら、編集長からファクスが入りまして、「先生の論文は生硬いので……」という返事。「生硬い」ので本誌には向かない、という意味の内容が書かれていました。要するに、掲載できないということ。「そうか。文藝春秋は、要するに面白おかしく書いて、売れればいいと考えているんだな」と、また腹が立った。
 簡単に言えば、早期がんと言っているようなものは、「がんもどき」だから、進行がんにはならない。最初から進行がんで見付かれば、もう手遅れなので手術する必要はない、何もするな、というのが彼の理論。確かに「がんもどき」と言っていいものもありますが、本物のがんか「がんもどき」かどうかは見付けた時点では分からない。また進行がんでも、今は治療法が発達しています。治療に否定的なのに、ご自身は放射線科医だった。矛盾していると思います。
 でも、彼の信者はいるようです。「近藤先生の理論を信じ込んでもらっては困る。せめて保健婦さんたちに分かってもらう必要がある」と考えて、文芸春秋に掲載を断られた後、『厚生』という雑誌に投稿したら載せてくれました。けれども保健婦さんは見るけれども、一般の人は誰も『厚生』は読まないので、目的はあまり達していません。
 その後、日本乳癌検診学会の企画で、私と近藤先生の二人で、学会のステージで討論したことがあります。私は専門家の立場で、彼と一応やり合いましたが、のれんに腕押しというか、さっぱりかみ合わない。要するにあの方には自身の世界があるので、入り込めないのです。入り込めたとしてもダメ。
 それでも我々が正しいと考えている知識を一般の人に知らせる必要はあると考えていたので、『朝日新聞』で近藤先生と対談し、1999年に1ページ全面に掲載されたこともあります。2人で2、3時間話したと思います。原稿に起こした時は、2人の文字数は全く同じ。両者の意見を平等に扱うことが必要と考えたのでしょう。
 しかし、それ以降、私はこの問題については発言していません。もう今は反論する気力もなく、放置。『文藝春秋』はそれで儲ければよく、彼も印税が入ればいいわけだからね。
 幸い、今やっている私のがん支援相談には、近藤先生の考えに共鳴する人は来たことがありません。仮に近藤理論を信じて、治療を拒否したりする患者さんが来たら、突き放そうと思っています。「生きるも死ぬもあなたの考え次第だからね」「何で死ぬか。それは自分で選ぶべき」と。ある理論に、凝り固まった考えでいる人は、説得すれば説得するほど、かえって衣をかぶってしまう傾向があるからです。
 突き放した方が、患者さんはかえって不安になるもの。「あれ、この先生は私のことすっかり諦めて、放ったらかすようだな」という印象を持たせた方が、「自分の考えが本当にいいのか」と気づくきっかけになるでしょう。
 サプリメント、漢方などもそう。今はインターネットで、がんの情報があふれている。あるクリニックのホームページをクリックしていくと、いつの間にか、何かあやしい情報に辿り着いたり……。だから相談に来た人には、どんな情報を持っているかを探るために聞くのです。「あなた、インターネットで、がんのこと調べたことがありますか」と。やはり「はい」という答えがほとんどです。

私の医歴書◆久道 茂 /Vol.1

2015年12月03日 12時23分43秒 | 医科・歯科・介護

がん対策、検診率すら正確なデータなし

シリーズ: 私の医歴書◆久道茂・東北大学名誉教授

m3.com 2015年12月1日 (火) 配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 東北大学公衆衛生学教室は、日本の公衆衛生学をけん引してきた教室の一つ。特にがん領域では、関係機関と協力し、全国に先駆け、宮城県のがん登録を開始、検診や罹患率をはじめ、がんに関係するさまざまなデータを発信してきた。その第3代教授を務めたのが、久道 茂(ひさみち しげる)氏。がん検診の有効性評価をはじめ、各種の疫学的研究は国際的にも評価が高い。
 東北大学医学部長まで務めた後、日本医学会副会長などを務め、今は宮城県対がん協会会長の職にある久道氏。ミステリー小説家としての顔も持つ、久道氏の「私の医歴書」を、m3.comではこの12月、計31回の連載でお届けする。https://www.m3.com/news/series/iryoishin/10610
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――長年、がん検診を含むがん対策に取り組んできた久道氏。今のがん対策基本法をはじめ、がん対策についてどのように見ているのだろうか。


 がん対策基本法として明示されているのは、がん研究の推進、1次予防、2次予防、それからがん患者とその家族のケア。
 治療法の開発など、がんについての研究は、基本中の基本で重要ですが、実際に効果が表れるまでには何年かかるかが分かりません。これに対し、効果が確実に上がると思われるのは1次予防で、その代表例が禁煙です。その次が早期発見・早期治療につなげる2次予防、つまりがん検診。
 ではどの程度、目標を達成したかですが、例えば禁煙については、地域で禁煙条例が制定されるようになったり、職場などでも禁煙が進み、以前と比べればだいぶ徹底されるようになりましたが、まだ課題はあります。
 がん検診ですが、今までは地域住民のがん検診が重要視されてきましたが、それだけでなく勤務者の職域検診も重要。厚生労働省は、厚生省と労働省が一緒になった省ですが、いまだに縦割り。職域検診の普及が遅れています。ようやく厚労省は来年度の予算で、職域検診を集中的にスピードアップさせるための予算を付けました。
 もっとも、それ以前の問題もあります。実はがん検診の受診率は正しく把握されていないのです。2015年からのがん対策推進基本計画では、「5年以内に、がん検診の受診率を全国で50%以上にする(胃、肺、大腸は当面40%)」と掲げられていますが、まだ達成されていない。しかし、宮城県の場合、既に50%を超えており、宮城県のがん対策推進協議会は、「全てのがん検診の受診率70%以上」を目標として掲げています。
 他の都道府県でも、超えているがん検診があると思います。しかし、厚労省のデータは違う。それは、厚労省のデータは、以前の老人保健法で定められていた、各市町村の地域がん検診の受診率なので、職域検診のデータが含まれていないからです。
 また以前は「がん征圧全国大会」、各県では「○○県がん征圧大会」などの場で、がん検診の受診率が高い市町村が表彰されていました。しかし、分母が違えば、受診率が変わってくるのは当然です。基本は、40歳以上の人口を分母にして、その年にがん検診、例えば胃がん検診なら胃がん検診を受けた人数を分子にして受診率を計算する。ところが、市町村によっては、住民検診を申し込んだ人を分母にしているところもあった。がん検診率が80%、90%と非常に高い市町村が、翌年は下がったりしていたのです。
 では、宮城県の場合、どんな計算をしているのか。厚労省が実施する国民生活基礎調査がありますが、各県でも同じ内容をサンプリングして調べています。宮城県では、「県民健康栄養調査」として、栄養のことも調べて、さらに、「がん検診をこの2年間で受けたか」についても聞いているのです。「受けた」という人の中には、住民検診で受けた人以外に、職場検診で受けた人、それから独自に人間ドックを受けた人も含まれます。本当の意味でのがん検診の受診率は、この数値が一番近いと思います。
 現状では、がん検診の受診率の正確な全国的なデータがないのだから、アメリカといくら比較したって、意味がないでしょう。アメリカの場合は、3万か4万人ぐらいの人をサンプリングして、何のがん検診を、どんな方法で受けているのかを調べています。
 がん対策基本法で、がん検診の受診率向上をうたっているのに、その基礎データを計測する手法そのものが科学的ではないのは問題。それでは、施策の効果は評価できない。今後は、国立がん研究センターが中心になって、国民生活基礎調査をベースにして、市町村が行う検診だけでなくて、職域検診も、さらには自分で人間ドックなども受けた人も含めて、全国データを出す必要があります。
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私の医歴書◆久道 茂 /Vol.2
がん相談担当、「主治医の不満」が最多

シリーズ: 私の医歴書◆久道茂・東北大学名誉教授

m3.com 2015年12月2日 (水) 配信 橋本佳子(m3.com編集長)

――国のがん対策推進基本計画の目標のうち、禁煙やがん検診については、改善の余地が大きいと見る久道氏。
 対策が以前よりも目に見えて良くなっていると思うのは、がん患者のケアですね。その一つが、がん相談支援センター。
 がん対策推進基本計画では、各都道府県に対し、「がんに関する相談支援と情報提供」の実施を求めています。宮城県の場合、ここ(宮城県対がん協会)に委託しており、私自身も週1回担当しています。そのほか、全国各地のがん診療連携拠点病院についても、院内にがん相談の窓口を設けることが、指定要件の一つになっています。
 これらの相談事業はかなり普及しています。民間のセカンドオピニオンの場合は、1人1時間で1万5000円とか2万円、高い場合は3万円くらいの場合もあります。セカンドオピニオンでは、各がんの専門の医師が対応し、患者さんが持ってきた資料を見ながら診断も含めて相談に乗る。
 これに対し、がん相談支援センターは、専門性は高くはないですが、無料で幅広く相談に応じます。「がんのことなら、何でも相談してください」ということ。私はもともとは消化器内科医。各がんについて専門的なことは、それほど深く知っているわけではありません。でも、相談に来る患者さんは、ネットで調べ、新しい知識を覚えてくる。例えば乳がんの患者さんは、「トリプルネガティブ」(編集部注:乳がんに関係する3つの遺伝子が陰性)といった言葉まで持ち出してくる。そのほか、昔は丸山ワクチンの相談も結構ありましたが、最近は多いのは免疫療法の相談。
 私はその都度、いろいろ勉強しますが、にわか勉強だから、覚束ないところもあります。もっとも、患者さんや家族の多くは、専門的なことを相談したいわけではないのです。一番多いのは、主治医に対する不満なのです。これは主治医が悪いのではなく、時間の余裕がないことが主な理由でしょう。先生方は忙しく、10分も話すのがぎりぎり。1人に30分もかけていたら、午前中に6人程度しか診ることができない。でも患者さんにとっては、10分程度では、聞きたいことも聞けず、そもそも何を聞いたらいいか、分からない状態になってしまう。どうしたらいいかが分からなくなり、誰にも言えないから私のところに来た時に、主治医の悪口を言ってみたり……。
 私は1人30分として予約を取っていますが、だいたい40分から50分かかりますね。次の人がいないときは1時間ぐらいやります。「何かあったら、何度来てもいいですよ」と言うと、患者、家族の中には、リピーターになり、2カ月置きに様子伺いというか、説明しに来る人もいます(笑)。
 患者さんには、「先生は毎日、外来患者さんを何十人も診て、入院患者も診なきゃならない。検査もする。外科の先生は手術もする。なかなか時間が取れないから、聞くのなら肝心なことちゃんとメモしなさい」と言います。その上で、「これとこれを聞きなさい」と質問事項を教えると、結構、ありがたがるようです。
 「医者を変えたいが、どうしたらいいか」「セカンドオピニオンって、本当に聞いてもいいのか」といった相談も多い。要するに主治医に怒られるのが、怖いというか、心配なのです。治療そのものよりも、それ以前の医師、患者関係で悩んでいます。
 ある時、前立腺がんの40代の方が、相談に来たこともあります。放射線療法をやっていたのですが、毎日やるわけではなく、一定の休止期間がある。その期間が心配らしく、「がんがどんどん増殖しているのではないか」と思い、サプリメントを購入して飲んでいた。「どのくらい毎月、買って飲んでいるの?」と聞いたら、月4万~5万円。「よく金あるな」と思ったけれど、とにかく何もしてないのは心配だと言う。放射線療法の理論や、休止期間でもがんは増殖するわけではないことを医学的に説明しても、理屈っぽい人は「なぜ、増殖しないのか」と聞いてくるので、がん相談支援はなかなか大変です。
 いずれにせよ、突き詰めると、医療費の安さが問題なのだと思います。今のがん治療の高額医療は、ほとんどが薬代。しかも、海外メーカーの薬が多いから、アメリカなどに医療費が流れてしまう。これに対し、医療者の技術の評価は低く、ゆっくり相談する時間がなく、結局、数多くの患者さんを診ないと経営が成り立たなくなっています。

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私の医歴書◆久道 茂 /Vol.3

“近藤理論”、20年以上前に問題視

シリーズ: 私の医歴書◆久道茂・東北大学名誉教授

m3.com 2015年12月3日 (木) 配信 橋本佳子(m3.com編集長)

――「がん検診、百害あって一利なし」と主張し、がんの検診や積極的な治療に対し否定的な近藤誠氏。久道氏は、20年ほど前の時点で、既に近藤氏の言論に対し、異議を唱えていた。近藤先生が、『文藝春秋』に「がん検診、百害あって一利なし」という文章を掲載したのは、1992年。

 私は、腹が立って、これはちゃんと反論しなければと思い、かなり長文の反論を書いて、『文藝春秋』に送ったのです。そうしたら、編集長からファクスが入りまして、「先生の論文は生硬いので……」という返事。「生硬い」ので本誌には向かない、という意味の内容が書かれていました。要するに、掲載できないということ。「そうか。文藝春秋は、要するに面白おかしく書いて、売れればいいと考えているんだな」と、また腹が立った。
 簡単に言えば、早期がんと言っているようなものは、「がんもどき」だから、進行がんにはならない。最初から進行がんで見付かれば、もう手遅れなので手術する必要はない、何もするな、というのが彼の理論。確かに「がんもどき」と言っていいものもありますが、本物のがんか「がんもどき」かどうかは見付けた時点では分からない。また進行がんでも、今は治療法が発達しています。治療に否定的なのに、ご自身は放射線科医だった。矛盾していると思います。
 でも、彼の信者はいるようです。「近藤先生の理論を信じ込んでもらっては困る。せめて保健婦さんたちに分かってもらう必要がある」と考えて、文芸春秋に掲載を断られた後、『厚生』という雑誌に投稿したら載せてくれました。けれども保健婦さんは見るけれども、一般の人は誰も『厚生』は読まないので、目的はあまり達していません。
 その後、日本乳癌検診学会の企画で、私と近藤先生の二人で、学会のステージで討論したことがあります。私は専門家の立場で、彼と一応やり合いましたが、のれんに腕押しというか、さっぱりかみ合わない。要するにあの方には自身の世界があるので、入り込めないのです。入り込めたとしてもダメ。
 それでも我々が正しいと考えている知識を一般の人に知らせる必要はあると考えていたので、『朝日新聞』で近藤先生と対談し、1999年に1ページ全面に掲載されたこともあります。2人で2、3時間話したと思います。原稿に起こした時は、2人の文字数は全く同じ。両者の意見を平等に扱うことが必要と考えたのでしょう。
 しかし、それ以降、私はこの問題については発言していません。もう今は反論する気力もなく、放置。『文藝春秋』はそれで儲ければよく、彼も印税が入ればいいわけだからね。
 幸い、今やっている私のがん支援相談には、近藤先生の考えに共鳴する人は来たことがありません。仮に近藤理論を信じて、治療を拒否したりする患者さんが来たら、突き放そうと思っています。「生きるも死ぬもあなたの考え次第だからね」「何で死ぬか。それは自分で選ぶべき」と。ある理論に、凝り固まった考えでいる人は、説得すれば説得するほど、かえって衣をかぶってしまう傾向があるからです。
 突き放した方が、患者さんはかえって不安になるもの。「あれ、この先生は私のことすっかり諦めて、放ったらかすようだな」という印象を持たせた方が、「自分の考えが本当にいいのか」と気づくきっかけになるでしょう。
 サプリメント、漢方などもそう。今はインターネットで、がんの情報があふれている。あるクリニックのホームページをクリックしていくと、いつの間にか、何かあやしい情報に辿り着いたり……。だから相談に来た人には、どんな情報を持っているかを探るために聞くのです。「あなた、インターネットで、がんのこと調べたことがありますか」と。やはり「はい」という答えがほとんどです。